投稿者:MMさん教えて 投稿日:2005/02/21(Mon) 18:56
昼食には少し早いのですが、朝から何も口にしていなかったのでお腹が空き、イン
スタントラーメンを作って食べると、何も具の入っていないラーメンなのに、凄く
美味しく感じました。
この様な状態になってからは、ただ空腹を満たしていただけで、何を食べても美味
しく無く、食べ物を美味しく感じたのは久し振りです。
しかし、その後ベッドに寝転んで妻と別れた後の事を考え様とすると、頭の中が真
っ白になって何も浮かんで来ません。
それどころか、妻との楽しかった思い出が次から次へと浮かんで来ます。
私はまた逃げてしまっただけで、こんな妻でもまだ愛していて、このまま諦めたら
後で後悔する様な気がして来ました。
妻を愛している事を前面に出しては、寝取られた夫として余計惨めになる思いから、
もうそんなに妻の事を愛してはいないと、自分に嘘をついていた様に思います。
もう一度妻を信じてみようと思うと、日曜大工に使っていた木工用のナイフをポケ
ットに入れ、池村の家に向かっていました。
しかし池村の家には、最初に会った時寿司屋に乗って来ていた車が無かったので、
妻の実家に行くと、あの黒く大きな外車が止めて有ります。
チャイムも鳴らさずに玄関へ飛び込み上がって行きましたが、どこにも人の気配が
有りません。
奥に進むと、ようやく短い廊下で繋がった離れから笑い声が聞こえてきます。
それまでと違い、忍び足で近付くと。
「弥生、せっかく池村さんが特別に作らせたお寿司なのだから、泣いていないでご
馳走に成りなさい。本当に美味しいわよ。」
「いや、まだ脅えているのですよ。もう少し落ち着いたら食べられると思います。」
「可哀想に。本当にどうしようもない男に引っ掛かったものだわ。池村さん、弥生
をお願いしますね。」
「勿論です。それよりもあの男の話は止めませんか?せっかくの寿司が不味くなり
ます。」
我慢出来なくなった私が飛び込むと、布団に寝ている義父の近くに置かれた、大き
な寿司桶を囲む様に三人は座っていました。
「キャー、何。勝手に入って来て。」
「池村、話が有る。少し付き合え。」
その時義父が弱々しい声で。
「警察を呼べ。」
「大丈夫です、心配要りません。どこで話す?わしの家に行くか?」
私と同様、池村もここでは話し辛いのでしょう。
池村の家に着いていつもの部屋に通されると、私は矢継ぎ早に怒りをぶち撒けて
いましたが、池村は私を無視するかの様に黙ってタバコを吸っています。
しかし、麻子さんがお茶を持って入って来ると乱暴に火を消し。
「あの部屋に置いて有る、弥生専用の箱を持って来い。」
麻子さんがパン屋さんの箱の様な、浅く大きなプラスチック製の箱を持ってくると、
池村はそれをテーブルの上に置く様に指示し。
「わしは弥生を愛してはいないが大事には思っている。その証拠を見せてやろう。」
池村がフタを取ると中は小さく仕切られていて、色々なバイブやローター、ガラス
で出来た大きな浣腸器までもが綺麗に並べられていました。
「どうだ?これらは弥生専用だ。この麻子でさえ、他の女と同じ物を使っているが、
弥生だけは特別に専用の物を買い揃えた。」
どうだと聞かれても、それは有難うと言う筈が有りません。
悔しさと同時に、これらを使われていた妻の惨めな姿が浮かんでくるだけです。
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