それは夜になると尚更で、いつも以上に酒を飲んでも眠れないのです。
そんな時妻から電話が掛かり、そこは歌声も聞こえて来る賑やかな場所でした。
「二次会でスナックに来ているの。私がいなくて寂しい?」
妻は酔っているらしく、いつに無くハイテンションです。
「みんなで行っているのか?」
「男の子が3人と、女の子は私を入れて3人」
同窓会になると昔に戻ってしまい、45歳のおじさんとおばさんでも、男の子と女の子になってしまいます。
「岩井君もいるのか?」
「誰?」
「岩井健一君だ」
私は彼の事を気にしていない振りをして送り出しましたが、私も少し酔っていたので、つい聞いてしまいました。
「健ちゃんのこと?名前を覚えていたの?あっ!もしかして心配している?ねえねえ、主人が私と健ちゃんの事を心配しているの」
すると電話の向こうから、冷やかす声が聞こえます。
「ヒューヒュー。それなら心配する気持ちにお応えして、本当によりを戻して、今夜やっちゃえー」
「それでは期待にお応えして」
「健ちゃん。そんな事しないの。こらー」
私は電話を切りましたが、不安は大きくなっていきます。
彼が抱き付いて来たのだろうか?
妻は浴衣を着ているのか?
家では風呂上りにブラジャーを着けた事はないが、温泉に入ったあと、きちんとブラジャーを着けているだろうか?
そのような事を考えていると、益々不安は大きくなります。
大勢いる同窓会で、どうして3対3なのだろう?
妻と彼のように、元恋人同士が抜け出してスナックに?
そもそも同窓会を知らせるハガキ自体カモフラージュで、本当は6人で行ったのでは?
そうなると部屋は最初から3部屋予約してあって、今頃は元恋人同士に別れて?
この様なあり得ない事まで考え始めて、眠る事が出来ません。
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