CR 11/3(土) 23:05:59 No.20071103230559 削除
私はトイレのドアーに耳を付け聞き耳を立てます。下卑た行為に自
分でも嫌気がします。でも聞きたいのです。
妻の細い声が聞こえてきます。
「・・・・・」
「火曜日、金曜日出張ですか?もう出来ません」
「・・・・・」
「えっ、そんな、酷いです。そんな事しないで下さい」
「・・・・・」
「解りました。行きます」
妻は一旦は断ったようです。酷いとはどう言う事か、妻はその後で
出張を了解してしまうのです。佐伯はたった4日間、妻と会えない
だけで、もう妻を抱く予定を立て知らせているのです。余程、妻に
執着があるのでしょう。妻は必ず、出張の予定は前もって私に知ら
せます。月曜日の夜には私に伝えるでしょう。しかし今その予定
を知りました。私はその前に行動を起こせます。時間を稼げま
す。
もうこれ以上聞いていられません。私はトイレの前で今歩いてきた
ように大きな足音を立てドアー越しに妻に声を掛けます。
「今日は疲れた。もう寝るから」
私はもう逡巡しません。佐伯を叩くだけです、熟睡します。
日曜日の朝、いつものように妻は朝食を用意しています。テーブル
に向かいます。腹は空いています。佐伯の男根を握った手で作り、
咥えてた口で味見をしていると思うと喉が受け付けません。もどし
そうになります。早々に席を立ち、出かける用意をします。妻と一
日中、一緒に居るのが耐えられません。
「どうされたのですか? 具合が悪いのですか? 10月17日の事で
怒っているのですか?」
「いや、何でもない。見たいアクション映画があるので見てくる。
体が鈍っている、その後水泳に行ってくる。晩飯も要らない」
「やっぱり怒っているのですね」
妻は勘違いしています。私が感づいたとは思っていないのです。と
んだ間抜け亭主だと思われているのです。それはそうです、この3
ヶ月余りの間、全く気が付かなかったのです。ここで感づかれたと
思う訳がありません。今の私にはその方が好都合です。
「あっ、それから来週一杯、台湾のメーカーと一緒だ。朝も夜も食
事は一緒だ。作らなくていい」
とっさに出た嘘です。正直、食べられそうもないし、食べる気もし
ません。
7時に戻ります。9時半、私は自分の仕事部屋で時間を潰します。仕
事をする訳ではありません、妻がトイレに立つのを見ていられない
のです。仕事部屋で考えます。佐伯を潰したところで、妻を受け入
れられるか? 解りません、あれ程の痴態を見てしまったのです。
では離婚か?離婚した私を、妻を想像してみます。 離婚した妻
は、これ幸いと佐伯の元へ走ってしまうのか?あり得ます、佐伯は
独身です。不倫の証拠を掴むだけでは駄目だ。佐伯の事を全て知ら
なくては。自分と妻の事はその後で考えれば良い。
翌朝、早く家を出た私は銀行が開くのを待ち、金をおろし興信所へ
向かいます。
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