CR 11/21(水) 11:43:36 No.20071121114336 削除
佐伯の訪問は何度か繰り返されます。その内妻は耐えられなくなっ
てしまいます。
「今度来たら、マンションへ行こうと決めました」
家に上げる事は絶対に出来ない。そう思ったのです。
「一人になって考えるのは貴方の事ばかりです。貴方を愛してい
た、今でも愛している。それなのに」
妻は独り言のように喋ります。
「正社員のお祝いで食事を頂いた時、帰りにリムジンで送られた
時、私は夢見心地でした。こんなにまでして頂いてと」
「そこで、お前はもう許してしまった」
「抱かれはしてません。でも同じ事ですね」
「期待があったのかも知れません」
「薬を使われた」
「薬のせいだけではありません。私にも原因があったのだと思います」
私の性技だけでは満足していなかったのです。色々なメディアで知
った性の喜び、自分の体で知りたかったのです。自分の性欲の強さ
に気づき驚いたのです。
「貴方に試して欲しいと何度も言おうと思った、でも言えなかった」
妻は私と同じだったのです。同じ思いを抱いていたのです。
「佐伯はきっかけでした。佐伯でなくても同じだったかも知れません」
「佐伯に何度誘われても、最後までは許せませんでした」
「貴方の事を思うのです。最後までは出来ないと」
「同じ事だろう。最後まで行こうが行くまいが」
「違います。女にとっては大きな違いです。それを許すと心まで
預ける事になってしまいます」
「お前は心まで預けてしまったと言うのだな」
「解りません。でも違うと思います」
「今、お前が言ったじゃないか、体を許す事は心を預ける事だと」
「そうですね。佐伯が特別な存在だと思ったのかも知れません」
「お前の言う事は全て矛盾している。さっき佐伯でなくともと言っただろう」
「解りません、私の体が・・・」
本当のところは妻自身にも解らないのでしょう。後から言う事は全
て理屈です、言い訳です。起きてしまった事に気がついた時に考え
る言い訳なのです。
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