洋子 3/22(土) 13:28:19 No.20080322132819 削除
部長との電話が終わった後、今度は自分の携帯に着信がありました。
主人からです。昼食を外で一緒にどうかと言う事です。その時に主人の仕事の話も
したいとの事です。この近辺で一番大きなUホテルと言うビジネスホテルの
レストランで昼食を頂きます。
主人の仕事は順調に伸びています。また一つ大きな話が纏まったのです。今まで
営業も、事務仕事も主人一人でこなしています。勿論経理の処理は税理士さんに
定期的にお願いしています。これからは事務処理も多くなるだろうから、一人
雇わなければならない、雇う代わりに私をどうかと言う話です。
私が主人の会社で働いた場合と、このまま今の会社に勤めた場合の、宮下家全体
の収支を計算してみました。今考えますとその差は僅かなものだったのです。
それでも私は一日でも早く自分達の家が欲しく主人の申し出を断りました。主人
は松下由美子さんと言う38歳の女の方を採用しました。
これが私の行末を間違った方に導いてしまいました。今更、悔やんでも遅いです
よね。でも悔やんでも悔やみきれません。主人を二重に裏切ってしまいました。
主人の会社に行かなかった事とこれからの不倫です。
『洋子、貴方酷いわね。どうして圭一さんの会社で働かないの?』
『一日でも早く家を持ちたいの。圭一さんの会社で働くより、今のまま
勤めた方が早くお金が貯まるわ、貴方もそう思うでしょう?』
『計算はそうなるわね。でもどうして貴方は圭一さんの気持ちが解らないの?
一緒に仕事をすれば圭一さんの励みにもなるでしょう』
『そうかも知れないわね。でも実際の計算をしてみるとそうはいかないものよ』
『何を馬鹿な事言っているのよ。圭一さんももっと頑張るわよ、売り上げも
もっと増えるはずよ』
『・・・・・』
『佐伯が忘れられないのでしょう?佐伯と離れたくないのでしょう?
次の事を期待しているのね』
『いいえ、そんな事はないわ。私はただ一日でも早く家が欲しいだけ』
『そう?その言葉を忘れないで。でも今からでも遅くないわ、考えが
変わったら圭一さんにそう言いなさい』
『解ったわ』
もう一人の洋子にそう言いましたが、私の心の片隅に佐伯の事があったのかも
しれません。ただ私は自分に言い聞かせていました。佐伯と一緒に居たいから
そうするのではない、早く自分達の家を持って主人ともっと良い家庭を築きたい
と。
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