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北原夏美 四十路 初裏無修正

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洋子 4/12(土) 23:38:05 No.20080412233805 削除
目が覚めました。途中主人に声を掛けられ車に乗せられたような気がします。その後
薄く目が覚め又眠りに落ちたようです。時間の経過が解りません、ここが何処かも
解りません。殺風景な部屋のベッドの上に寝かされています。時間と共に感覚が戻って
きます。薬の匂いがします。ここは病院のようです。

私は生きていたのです、いいえ、死ねなかったのです。主人がここまで運んでくれたのです。
主人が私を助けてくれた。でも又主人に迷惑を掛けてしまった。私の思いは複雑でした。
死ねなかった事を悔やんだ方がいいのか、助かった事を感謝するべきなのか、その時の
私には解らない事でした。

今何日なのでしょうか、何時なんでしょうか?ベッドの枕元にカレンダー付きの時計
がありました。カレンダーは土になっています。2日間も眠っていたのです。

ベッドの脇のサイドテーブルに花瓶があるのに気がつきます。花瓶にはクリスマスローズ
が生けられています。今はまだ11月、花が咲く時期ではありません、硬い蕾がついています。
主人が持ってきてくれたのに違いありません。主人はこの蕾に託してくれたのです。
死んではいけない、生きるんだと。この時私は思いました、生きていて良かった、
助けて頂いて有難う御座いましたと、例え主人と別れる事になっても主人に償って
生きて行こうと。

大きな病室です。主人が気遣って大きな個室に入れてくれたのです。窓の際には小さな
テーブルと椅子が2脚あります。椅子に腰掛け外を見やります。公孫樹とプラタナス
がそろそろ秋の終わりを告げています。

暫く外を眺めていました。ドアーにノックがあります。入ってきたのは先生のようです。

「宮下さん、お目覚めですか?良く眠っておられました」
「はい」
「お話しても大丈夫ですか?」
「はい」
「私は医者です。事実をお伝えしなければなりません。聞き辛い事が
あるかも知れませんが、宜しいですか?」
「はい」
「貴方は致死量の睡眠薬を飲んでいました。ご主人が連れてくるのが
もう少し遅ければ死んでいた可能性があります」

私が薬を飲んだ時、それが致死量なのかどうか解りませんでした、あるだけの薬を
飲んだのです。

「何があったのかはお聞きしません、一つしか無い命です。
もっと大切にしてやって下さい。ご主人は貴方の名前を呼びながら、
死ぬな、こんな事で死ぬなと叫んでいました」
「・・・・・」
「貴方も圭一さん御免なさいと何度もうわ言で呟いていました」
「そうですか、私は・・・」

先生の前でも、私は涙を抑える事が出来ません。

「奥さんの血液と体について報告しなければならない事があります」
「何でしょうか?」
「こう言う事態で病院に運び込まれた場合先ず胃洗浄をします。奥さんの
症状から見て睡眠薬を飲んでいた事は検討がつきました。その後血液検査
をしました」
「それで?」

それでと言ったものの凡その検討はついていました。多分媚薬の事でしょう。
聞くのが恥ずかしい、医者の先生にまで知られてしまったのが恥ずかしいのです。

「限界を超えた媚薬を飲まされていますね、それも日本では認められていない
ものです。いわゆる非合法ドラッグです」
「・・・・・」
「辛い事かも解りませんが、聞いてください。この薬は飲んだ人に
一定の時間、高揚感、至福感と性衝動を与えます。それが過ぎると
酷い自己嫌悪に陥ります。そうではなかったですか?」
「そんな気がします」
「奥さんはこのドラッグを長期に渡って飲まれています。それからピル、
睡眠薬、抗鬱剤も常用されていますね」
「はい」
「体の中が浄化するのに時間が掛かります」
「・・・・・」
「これからも奥さんには突発的に性衝動が起きる可能性があります。
日常生活には気をつけてください」
「はい」
「それから奥さんにお詫びしなければいけない事が一つあります」
「えっ、何ですか?」
「お断り無く体を診ました」
「えっ、酷い」
「仕方がなかったのです、あれほどの媚薬を飲まされています。
どこにどう言う影響が出ているか診る必要があったのです」
「・・・・・」
「奥さんの陰部、乳首には大量の媚薬の残留成分が検出されました」
「・・・・・」
「奥さんは色んな薬を飲まれている。これ以上投薬をしたくありません。
自然治癒に任せる事になります。精神安定剤だけは処方しましょう。
えーっと、その、いい辛いんですが、暫く控えてください」
「・・・・・」
「それにしても、相手の男は酷い奴だ。一つ間違えば奥さんは廃人に
なるところでした。でももう大丈夫です、暫くすれば成分も消えると
思います」
「どれ位の時間が掛かるのですか?」
「解りません、病院で残留成分の検査は出来ますが、奥さんの自覚症状
が一番です。一週間に一度くらい病院にいらっしゃればいい」
「はい」

先生は出て行きました。先生の話された事を考えるともなしに反芻しました。
木曜日に主人に言われました、お前達は媚薬を使っている、そんなにまでして、
セックスを楽しみたいか、変態かと。

佐伯が私に媚薬を使っていた。主人に言われても信じられない事でした。あんなに
感じたのは佐伯が私を愛していてくれたから、私の心も佐伯にあったからと、ずっと
そう思っていました。佐伯と会って食事をすると心が高揚し、抱かれたくなったのは
薬のせいもあったのです。薬のせいだけにするつもりはありません。不思議と佐伯
に対する感情が湧いてきません。憎いとも思いません、卑怯だとも思いません。
5ヶ月も佐伯と関係を続けた私が悪いのです。セックスの喜びを得たいと思った
のはこの私です、それを主人ではなく、外に求めてしまったのは私です。

私がどうなってもかまいません、主人に償って生きていこうと思いました。

未だ頭も霞んでいます。夕方まで窓の外を眺めるとも無く眺めていました。

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