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北原夏美 四十路 初裏無修正

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[3489] インプリンティング 13 投稿者:迷人 投稿日:2005/08/17(Wed) 18:53

本当はどの様なセックスをしたのか気に成っていましたが、その事を訊くと、稲垣が腹の中で私
を小さな男だと馬鹿にしないか気になり、それを訊く事はプライドが許しませんでした。
「女房を抱いたのは、旅行以外はおまえのアパートでだけか?」
「いいえ、私の車でラブホテルに行く事も有りました。」
やはりどの様な行為をしていたのか気に成り、その物ズバリは訊けなくても、それらしい事を訊
いて、その事から想像出来ないかと迷っていた時。
「私からこの様なお願いが出切る立場では無いのですが、今夜お伺い致しますので、ここでこれ
以上は許して下さい。」
ここに来る前は、稲垣を社会的に失墜させてやる事ばかり考えていましたが、色々聞き出してい
る内に、私の知りたい欲求を満たす為には、それは今やらない方が得策だと思う様に成り。
「分かった。家で待っているから6時に来い。ただ、今日はもう女房を連れて帰るぞ。文句は無
いな?」
「勿論奥様の事は構いませんが、私の仕事が早くても7時迄は掛かりそうなので、6時にお伺い
する事は無理かと・・・・・・。出来れば8時、せめて7時30分にして頂け無いでしょうか?」
「仕事?俺は仕事も手に付かない状態なのに仕事だ?俺の家庭を壊しておきながら、それよりも
大事な仕事とはどの様な仕事だ?俺は頼んでいる訳でも、相談している訳でも無い。6時に来い
と言ったのだ。俺に合わせる気が無いならもういい。やはり今から話そう。今のおまえの対応で、
このまま2人だけでいると何かしてしまいそうだから、ここから出て皆のいる所で話そう。」
「すみませんでした。必ず6時にお伺い致します。」
「出来るのなら、最初からそう言え。今後は全て俺の都合に合わせろ。俺はおまえに合わせる気
は無い。仕事中で有ろうが、夜中で有ろうが、俺が来いと言ったらすぐに来い。嫌なら今後、話
は全てここでしよう。行員どうしの不倫だから、銀行事態にも何らかの責任は有る。話し合いの
場としてここを貸してもらえる様に、俺が本店に行って直談判してもいい。」
「私が立場も考えずに、勝手な事を言いました。ご主人のご都合に合わせますから、どうか許し
て下さい。」
私は妻と稲垣に打ち合わせをされるのが嫌で、妻を連れて一緒に銀行を出ました。
「久し振りに喫茶店にでも行くか?」
一瞬妻は嬉しそうな顔をしましたが、すぐに俯いて黙って頷きました。
喫茶店では気まずい空気が流れ、何を話していいのか分からずに黙っていると妻が。
「あのー。支店長とは何をお話になったのですか?」
「おまえには関係ない。俺とあいつの話だ。」
「はい。ごめんなさい。」
妻には、稲垣と話した内容は勿論の事、今夜来る事さえ話しませんでした。
「そんな事より、どうして今日も銀行へ行った?あいつに逢いたいからか?あいつに今迄の様に
逢えなくなると思うと不安になったか?俺の事が、愛する2人の仲を邪魔する悪魔に見えるだ
ろ?」
「逢いたいだなんて、そんな事は絶対に有りません。あなたは仕事に行ったのに、あなたにこん
な思いをさせてしまった私が、何もしないで家にいるのが悪い気がして。」
「俺に悪い?俺が今、あいつに会われる事が一番嫌だと分からないのか?逆の立場になって考え
た事は無いのか?そうか、あいつに夢中のおまえに俺の気持ちなんて考える気も無いだろうし、
考えたところで分かる訳が無いよな。俺を思う気持ちが少しでも有れば、最初からこんな事はし
ないか。」
妻は泣きそうになるのを堪えている様で、黙ったまま俯いてしまいました。
そんな妻を見ていると付き合いだした頃を思い出します。
妻と喫茶店に行って向かい合わせに座ると、恥ずかしいのか必ず今の様に俯いていました。
しかし、今俯いている理由は全然違います。
あの純情だった妻が、あの誠実な妻が、あの恥じらいを持った妻が、私以外の男に恥ずかしい姿
を見せ、恥ずかしい声を聞かせ、気を遣った時の恥ずかしい顔を晒していたのです。
このまま妻を見ていると私が泣いてしまいそうになり、急いでレシートを掴んで立ち上がると、
妻も慌てて席を立ちました。

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