桐 11/10(土) 17:46:51 No.20071110174651 削除
「それにしてもマリアもおめでたい奴だ。江美子を自分の力だけで調教したと思っていやがる」
「あ、ああ……」
「本番は絶対なしで、なんて情けをかけたつもりだろうが、女がそんな手ぬるいやり方で落ちるものか。やっぱり肉棒でハメてやらないと、欲求不満がたまるだけだ。そうだろう、江美子」
「は、はいっ、そのとおりですっ」
江美子はもう訳がわからなくなって有川に問われるままに返事をする。
「麻里だってそうだ。隆一は麻里が俺とセックスしたのは、マリアが悪戯心を起こしたたった一回だけだと思っている。麻里もそんな風に隆一に説明しているだろう」
「あ、ああっ……いいっ……」
「しかしそれは嘘だ。マリアは何度もその最中に麻里と交代しているんだ。始めのうちは麻里は、必死で感じないようにしようと頑張っていたが、俺にはバレバレだったぜ。そのうちに堪えきれなくなり、自分からケツを振り出した。麻里の人格のままでだ。そうさ、俺は何度も麻里を犯してやった。麻里も隆一に隠れて、数え切れないほど俺に気をやらされたんだ」
「ああっ……」
「K温泉で江美子を見たときから、必ずこうやって抱いてやろうと心に決めていたんだ。だってそうだろう、有川は麻里も江美子も自分の妻にした。俺も二人とも抱かないと不公平だろう」
江美子はこみ上げる快感を必死で堪えながら、そんな有川の言葉をぼんやりと聞いている。
麻里は隆一を愛し、マリアは有川を愛している。そんな単純で綺麗な話ではなかったのだ。隆一を愛しながら有川に抱かれ、快感の絶頂を極める麻里。麻里を抱いているつもりで実は奔放なマリアをも愛していた隆一。
マリアという交代人格を愛してしまった有川。永遠に満たされることのない有川の気持ちは、麻里を、そして江美子を隆一から寝取ることでつかの間ではあるが癒される。
(麻里を完全に得ることが出来ない有川、隆一の心を独占できない私。私と有川は似たもの同士なのか──)
頭に浮かんだそんな考えを、身体の裡からこみ上げてきた快感が吹き飛ばしていく。江美子は「い、いきますっ」と悲鳴のような声をあげると、裸身を電流に触れさせたようにブルブルと震わせた。
江美子は裸のまま有川と浴室に行き、自分の身体の中に精を放ったばかりの有川の肉棒を舌先で丹念に清めていく。
「どうした、江美子。黙ったままか」
「……」
「こんなときはどんな風に言うのか、教えておいただろう」
「……な、なか……」
江美子はさすがに屈辱に声を震わせる。
「ちゃんと言わないか」
有川はだらりと垂れた肉棒で江美子の頬をぱしっと打つ。
「中出ししていただき、ありがとうございました」
江美子がそう言うと、有川は満足そうに頷く。
「ピルはちゃんと飲んでいるか」
「はい……」
「子供が欲しければ、作ってやってもいいんだぞ」
江美子は悲しげに首を振る。
「遠慮するな」
「遠慮なんて……」
「江美子は俺の何だ」
江美子は顔を俯かせて躊躇う。
「言ってみろ」
「……江美子は」
江美子は顔を上げ、有川の目をじっと見ながら答える。
「江美子は、有川さんの妻ですわ」
「そうだ」
有川は満足げに笑う。
「だが忘れるな。江美子は二番目の妻だ。一番目はマリアだ」
「わかっています」
江美子はそう言うとたまらなくなって顔を伏せ、嗚咽し始める。