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北原夏美 四十路 初裏無修正

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男とは? 7/22(火) 12:23:21 No.20080722122321 削除
「何を黙っている、俺にはお前達の全てを知る必要がある」
「由里子の調教の記録だって、渡されました」

妻の泣き声はまた大きくなるのです。私は妻の持っているDVDを見たくなりました。
もっと過激な事が写されているかも知れません。それでも私の衝動を抑える事が
出来ません。

「全部で何枚だ? ここへ持ってこい」
「3枚です。でも嫌です、もう見たくありません、許してください」
「お前にそんな事を言う権利は無い、いいから持ってこい」

妻は立ち上がろうとしません。

「何処にある、言え」

妻のPCスタンドには鍵の掛かる引き出しが一つあります。

「此処だな、開けろ」

動かない妻に焦れて、私は妻の鍵束を奪います。何個目かの鍵が合いました。DVD
3枚の他に、小物がありました。その小物に隠されているように一つのバイブが
ありました、それは使い込まれているようでした。

「お前達はこんな物まで使っているのか」
「・・・・・」
「これは俺が預かっておく」

妻が持っていたDVDのやはり1番をスロットに挿入しました。立ち上がる時間の中で
先程の違和感が頭を掠めます。さっき見たDVDは所々、途切れていました。都合の
悪い所をちぎったように。

DVDが立ち上がりました。タイトルは ”人妻由里子の調教日記”となっています。
私に寄こしたものと違います。どうしてこんな手の込んだ事をしたのか理解に
苦しみます。兎に角見てみます。妻は目を伏せています。

「嫌ならお前は見なくてもいい、俺が一人で見る」

何の為に私が見ようとしているのか、妻には理解が出来ないのです。私には妻の
痴態を見る他に目的がありました。やはり着衣の妻が壁を背にして立っています。

今度は男の声が聞こえます。

「今日から由里子の調教記録が始まる。まず服を脱げ」
「そんな事は出来ません。ビデオは止めて下さい、お願いします」

以前のDVDでは何か遣り取りがあった後、妻は服を脱ぎ始めています。しかし、
このDVDでは違います。津岡が立ち上がり妻の傍に行き妻の頬を叩いています。
妻は激しく抵抗しています。妻が津岡の男根を咥えるシーンも、四つん這いに
なって尻から女陰を甚振られているシーンも最初は激しく抵抗しています。涙
さえ浮かべています。津岡がバイブを持ち出した時には、妻は一旦それを奪い
床に叩きつけています。その時津岡は妻を激しく打っています。津岡はその他でも
随所で妻の頬を叩いています。正上位で両足を津岡の腰に巻きつけたのも、津岡
が強引にそうさせていたのです。時には例の依頼書を言葉に出して脅迫していた
のです。

このDVDでは津岡の顔が写っています、声もはっきり聞こえます。私に寄こした
DVDには津岡の顔どころか、声さえ消されています。私に寄こしたDVDは編集した
もの、妻に渡されたものは生の映像だと推測出来ます。

津岡に会おうと言って会うまでのの時間は約1時間半、そんな短い時間に編集
出来るとは思えません。そうすると私が持っているDVDは以前に編集し、予め
持っていたものだと言う事になります。どうしてそんな手間の掛かる事までして、
津岡はDVDを2種類用意いたのか、私には理解が出来ません。妻が持っているDVD
では津岡の顔、声がはっきり認識出来ます。妻と津岡の不倫の証拠になります。
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男とは? 7/18(金) 21:17:58 No.20080718211758 削除
1時間位DVDを見ていたのでしょうか、妻が気になります。

バスルームを覗きました。妻は全裸で洗い場に蹲っています、背中が揺れています。
私がドアーを開けたのに気づきしゃくりあげるように泣き出しました。その部分を
見ますと、擦った後が真っ赤になっています。しかし文字は消えていないのです。

「ちょっと擦った位では消えない程、お前たちの絆は強いわけだ」
「違います。今までも消そうとしていました。でも擦った後を
見つけられると酷く打たれました」

「貴方、ご免なさい、由里子を許してください」
「許せない。ばれなかったらそんな言葉も出てこないだろう」
「違います。初めからこんな事にはなりたくなかった。
でも断れなかった」
「DVDを見た。お前は喜んでいた。俺にも見せた事のないような顔でな」
「いやぁー、もう見ないで」

泣き叫んでいます。泣けば泣くほど、妻をもっと泣かせてやりたい、そんな気持に
なってしまいます。今は妻と津岡をどう裁こうか、そんな事は考えられません。
自分の衝動のままに動いてしまいます。

「お前の喜んでいるいるところを見てみたらどうだ。こっちへ来いっ」

無理やり妻をパソコンのある部屋に引っ張っていきます。1番のDVDを立ち上げます。
妻は画面を見ません。髪を掴み強引に画面に向かせます。

「目を開いてよく見るんだ」

妻は沈んだ顔で画面を見ています。暫くすると妻は怪訝な顔になるのです。

「違います、このDVDは違います」
「何がどう違うんだ?お前のこの嬉しそうな顔を良く見ろ、残念ながら津岡は
写っていないがな」

当たり前です、津岡が自分の顔を撮る筈がありません。

「このDVDはどうしたのですか?」
「DVDが勝手にここに来るわけがないだろう。今日、津岡が俺に
寄こしたものだ。お前が津岡に夢中になっているのを見せて、
俺に諦めろと言いたいのだろう」
「私のDVDでは無いのですね?」
「お前のDVD? 何だ、それは?」
「・・・・・」
「言わなきゃ、解らないだろう」
「津岡が私にくれたものです」
「どうして?」
「・・・・・」

妻は口をつぐんだままでした。
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男とは? 7/18(金) 11:53:13 No.20080718115313 削除
妻の髪を引っ張り、引きずるようにしてバスルームに連れて行きます。妻を
バスルームに放り投げるようにして押し込みます。

「そこで、その絵が消えるまで洗え。消えたら出て来い」

私は時間稼ぎをしているのです。余りの出来事にどう対処していいのか
解りません。別れを切り出すのは簡単です、しかし自分が離婚を望んでいるのか
さえ解りません。妻の不倫が解ってまだ2日しか経っていません、考えが纏まり
ません、考える事すら出来ないのです。

津岡が寄こした包みがあります、開けてみます。DVDが3枚入っています。1、2、
3と番号が打たれています。自分の部屋に戻り見てみる事にしました。1番と
書かれたDVDをスロットに挿入しました。立ち上がる時間がもどかしいのです。
立ち上がった画面を見入りますと、”初めての日”と書いてありました。

シティーホテルの一室のようです、津岡のグループのホテルに違いありません。
妻は壁を背にして立っています。男の声は聞こえませんが、妻はその声に返事
をしています。

「そんな事は出来ません。ビデオは止めて下さい、お願いします」

何か遣り取りがあったようです。妻は頷き服を脱ぎ始めました。ショーツとブラ
だけになって立っています。再度、男から命令されたようです、全裸になって
立っています。片手で乳房を、もう片方で女陰を隠そうとしています。男の次の
言葉で左手を腰に、右手を頭の後ろに回し髪を掻き揚げています。腰を突き出し、
足を開き、斜め半身になってポーズを取っています。まだ垂れもせず、ボリューム
のある乳房、括れたウェスト、張り出した腰、何よりその抜けるような白い肌。
脅されて仕方なく男の言葉に従ってるとは言え、この卑猥さはどうでしょう、
まるで男を誘っているようです。

カメラが妻に近づいていきます。男の手が妻の乳房を、女陰を甚振ります。
妻は歯を食いしばって耐えているようです。10分も続いたでしょうか、妻の
体が、顔が薄桃色に染まっていきます。耐えかねたように妻の口から「あぁー」
と溜息が漏れました。

もう見るに耐えられません、所々飛ばしながら見ていきます。椅子に腰掛けた男
の物を咥えています、ベッドの上で四つん這いになって、顔をこちらに向けて、
尻を高く掲げて、男の手での女陰への愛撫を受け入れています。更にバイブまで
受け入れていたのです。最後は正上位で両足を男の腰に巻きつけて妻は逝ってしま
うのです。

脅迫まがいに命令されての事とは言え、ただ一度の行為でここまで変えられて
しまった妻、押し寄せてくる快感に負けて、最後は男の言葉に唯々諾々になって
いました。

打ちのめされました。しかし、見終わった後に何か違和感が残りました。この時、
その違和感が何であるか解らなかったのです。もう2枚のDVDはとてもじゃないが
見れません。
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男とは? 7/17(木) 10:38:44 No.20080717103844 削除
家に帰りますと、妻はダイニングの椅子に背筋を真直ぐにして座っていました。

「お帰りなさい」
「脅されて始まったのは解った。どうして俺に相談しなかった」

相談出来るような事ではないと解っています。しかし言わずには居られないのです。

「ばれなければ、いつまでも抱かれていたんだろう?」
「いいえ、いつか言おうと思っていました」
「嘘をつけ、現に今日も会うつもりだったろうが」
「・・・・・」

妻はうな垂れています。背中を震わせて泣いています。その背中を見ますと、
引きずり回したくなります。2週間前抱いた時の妻の反応、陰毛の様子を思い
だします。

「脱げ」
「・・・・」
「脱げと言っているんだ」

私は妻のスカートに手を掛けます。妻は必死で押さえています。無理にその手を
払い、ホックをちぎり取り、ジッパーを降ろします。スカートを強引に脱がせます。

「下着も脱ぐんだ」
「出来ません、許してください」

又もや、妻の下着に手を掛け引きちぎるように脱がせます。妻は両手で陰部を
押さえ、屈みこむようにしています。絶対に見せたくない、体で言っています。
上半身はそのままブラウスを着ています。

「手をどかせるんだ」

手を払い、足を割り女陰を露に晒します。

「何と言う事だ」

陰毛は、クリトリスの上部に申し訳程度に逆三角形に短く小さく刈り込まれて
います。そして、左の太腿の付け根に小さくKと、右にはTの文字がありました。

「お前は」

まさかと思いブラウス、ブラを引きちぎります。妻の小さな乳輪に、左にK、右
にTと小さく書かれていました。津岡圭介のイニシャルなのです。

私は打ちのめされました。ただ抱かれていただけではなかった。妻は津岡に隷属
していたのです。
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男とは? 7/16(水) 12:46:29 No.20080716124629 削除
津岡を呼び出すことにします。私の携帯からだと、誰からのコールが解らず、
津岡は出ないかも知れません。妻の携帯を使います。数回のコールの後、津岡は
出ました。

「由里子か。どうした?熱があっても抱かれたいか?」
「その由里子の亭主だ。人の女房を呼び捨てにしやがって」
「えっ」
「えっじゃない。何故俺が電話したか解るな」
「いや、解らない」
「じゃ教えてやろう。お前の会社へ行く、お前も出て来い」
「今日は休みだ。会社は閉まっている」
「お前も役員の端くれだろう。何とでもなるだろう」
「いや、ならない」
「そうか、それならお前のマンションに行こう。奥さんも居て
丁度いい」
「俺のホテルでは駄目か?」
「駄目だな」
「解った。何とかする」
「書類棚の鍵も持ってくるんだ」
「解った」

会社で会うのは事の大きさを津岡に認識させる為もあります、それに津岡は
会社の契約を利用しています。これから私がどう言う行動にでるのか、
知らしめる必要があります。

「津岡と会ってくる。由里子、身の振り方を考えておくんだな」

津岡の会社の駐車場で待ち合わせ、会社の応接室に向います。津岡を生で見たのは
初めてです。人を威圧するような態度を感じさせます、それなりの押し出しの
良い風貌をしています。

いきなり本題に入ります。

「これを見ろ」

報告書を叩きつけます。

「いい年をした男が人の女房に手を出しやがって」
「北上さん、申し訳ない。出来心だ、魔が差してしまった。
しかし悪い事をしたとは思っていない」
「悪い事ではない?どう言う意味だ」
「最初は奥さんも渋々だった。それも最初の1、2回だ。
その後は奥さんも喜んでいた。俺の誘いを断ったこともない」
「お前がこの書類で脅していたからな」

悪い事ではない、これは私への挑戦でしょうか、私はそう受け取りました。
例の依頼書を見せますが、津岡から返ってきた言葉は以外なものでした。

「そんなものは只のオモチャだ。これで奥さんが引っかかるとは思っても
いなかった。ダンス教室で初めて奥さんを見た時に俺の理想の人だと
思った、なんとかしたいと思った。奥さんの入所控えを見ると、ご主人は
俺の取引先の役員だった。これは利用できると思った」
「これは立派な恐喝だ。私文書偽造の罪もあるぞ」
「軽はずみな事をしたと思っている。いつか、あんたが来ると思っていた。
許してくれ」
「許せ? 馬鹿も休み休みに言うんだな。それなりの制裁はする
つもりだ。今日はこれで帰るが覚悟しておくんだな」

帰ろうとする私に津岡は一つの包みを私に寄こします。

「奥さんがいやいやだったのかどうか、これで判断してくれ」
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男とは? 7/16(水) 12:43:56 No.20080716124356 削除
津岡は例の依頼書をテーブルの上に置くのです。

「この製品にはご主人は余ほど愛着があるのですね」
「主人が1年以上も手塩にかけたものです」
「そうでしょうね。しかし奥様と引き替えにするとは」
「主人はそんな事をする人ではありません。帰って主人に
聞いてみます」
「いいんですか、奥さん。そんな事をすればご主人は奥さん
にも恥を書く事になりますよ」
「それで私にどうしろと仰るのですか?」
「難しい事ではないです。この依頼書の通り、ご主人の言葉に
そって頂くだけです。私の方はこの製品の拡販に努力したつもりです」
「・・・・・」
「もし、奥さんの答えがNoなら、ご主人の会社にも報告しなければ
いけません。さどご主人は笑いものになるでしょうね」

妻は徐々に津岡のいいなりになってしまうのです。

この前の土曜日、山下に指摘された通り会社としての販売契約書を交わしています。
署名欄には私個人の名前と住所を手書きで書き、個人実印も押してあります。
津岡圭介は販売責任者役員として署名しています。津岡はいつでもこの書類を
見れる筈です。

「由里子、こんなもの俺が書く筈がないだろう。お前がその為に、
いや、その為でなくとも他の男に抱かれるなんて我慢できるわけ
がないだろう。どうしてお前と製品を引き替えにすると思ったんだ」

「こっちへ来なさい」

妻をPCのある部屋に連れて行きます。書類をスキャナーでスキャンします。
住所、氏名と押印の部分をコピーツールでコピーし、ワードの白紙の部分に
貼り付けます。妻は目をみはっています。勿論、公式文書として通用するわけ
はありませんが、素人、しかも動揺している女性を騙すには十分でしょう。

「こんなものは誰でも作れる」
「でも字と印はどこから?」
「津岡の会社はうちの製品の販売代理店だ。契約書はあいつの立場なら、
いつでも見れる。今俺がやったのと同じ事をやればいいわけだ」
「私にはそんな事解らなかった」
「もう一度聞くがあの時何故俺に聞かなかった」
「聞けませんでした。そんな事を聞けば貴方を侮辱するのと同じだと
思いました」
「あいつに抱かれるのは侮辱ではないのか」
「許してください。でも私には方法がなかった」

これから津岡のマンションに行こうがどうか迷っています。津岡の妻は津岡現社長
の妹43歳、いきなりその目の前で話すのも何か津岡の奥さんに悪いと思い、それは
止める事にしました。
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男とは? 7/14(月) 11:04:41 No.20080714110441 削除
それは驚愕すべき内容でした。

私の肝いりで開発した大容量メモリーの拡販のお願いするものです。多大の
開発費を投入したものであり、どうしても成功させたい。さもなければ私の
会社での立場も危うくなる。拡販して頂けるのなら私個人もどんな努力も
厭わない、妻を自由にしてもらっても差し支えない、そう言う内容でした。

勿論、私に書いた覚えはなく、又、そんな事を書く筈もありません。

「津岡が私のメールに添付して送ってきました」
「いつの事だ」

妻はその書類を添付してきたメールのコピーを見せてくれます。1月xx日、津岡
のメールが唐突に終っていたその2日後の日付になっています。

そのメールの内容は;

今までメールの遣り取りをしていたがどうしても会いたい、会って話がしたい。
黙っていたが、自分はご主人の大事な取引先の一社であり、製品の拡販に頑張って
きたが、自分の望みも叶えて欲しい。こんな事をするのは本意ではないが、ご主人
と交わした契約書のコピーを添付した。と言うものでした。

しばしその依頼書を見つめて考えていました。

「貴方は酷いと思いました。でも貴方の為になるのならと思い、私の
携帯アドレスを教えてしまいました」
「俺はこんなものを書く筈がない、どうしてその時俺に聞かなかった?」
「そんな事、貴方に聞けなかった」

妻は津岡の始めて会った時の事を思い出しています。妻が携帯のアドレスを
教えたその日に電話がかかって来ます。

「奥さん、有難う。今日会って頂けますね」
「いえ、お会いできません」
「依頼書を読んでくれてないんですか?それは困りましたね、
その件でお話があるのですがね」

妻は会わざるを得なかったのです。

「やはり綺麗な方だ。お会い出来て良かった」
「・・・・・」
「ダンス教室で一度お会いしています。覚えていますか?」
「いいえ」
「僕は貴方の名前を知っていました。出席されればネームプレートを
掛けますね、それで名前を覚えました」
「・・・・・」
「直接声を掛けようと思っても、中々近寄り難い雰囲気だった。
奥さんはホームページを紹介していた。それでそこにアクセス
したわけだ。しかし奥さんは固かった」
「・・・・」
「仕方がない、卑怯だと思ったが、ご主人との書類を送りました」

津岡のその丁寧な話口に妻も次第に耳を傾けるようになります。
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男とは? 7/11(金) 12:54:05 No.20080711125405 削除
「お前、今の話だけで何度嘘をついた。美知子さんが断ったのも嘘、
一人で行ったのも嘘、美知子さんの友達と行ったもの嘘」
「・・・・・」
「あのプリムラは何処で買った?」
「植物公園です」

まだ嘘をつく妻に腹を立て、妻の頬を思い切り打ちました。

「もういい加減にしないか、ショッピングセンターだろ」
「・・・・・」

万が一の為にと、妻は待ち合わせのセンターにある花屋で買ったのです。

「お前はそんな嘘がつける女ではなかった。誰と会っていた?
もう嘘はつくな」

妻も私が何を切りだそうとしているのか、解ったようです。うな垂れて、ただ
涙を流しています。

私は徐に報告書を取り出します。

「津岡圭介だな、これを見てみろ」

私が放り投げた報告書を妻は見ようともしません。その態度に腹が立ってきます。

「何故見ない。この2週間のお前達の愛の記録だ」

妻の髪を掴んで、顔を報告書に擦り付けます。

「平日のしかも日中から抱き合っているんだな、お前達は」

「これを見ろ」

ショッピングセンターの駐車場で抱擁している写真を見せます、その場面の
DVDをつけました。

「見てみろ、まるでお熱い恋人同士だな」

辛い場面です、妻が津岡の首に縋りつき口を吸われています。

「今日も奴と会うわけだ。電話しろ、今日は会えないってな。
俺にばれた事は未だ言うな」

私の目の前で電話できないのは解っています。電話しない妻に腹をたて、妻の頬
を叩きます。

「会えないって電話をするのは嫌なのか、そんなに会いたいのか」
「違います、でもここでは出来ません、貴方の目の前では」

妻のバッグから携帯を取り出し、津岡の携帯を呼び出します。

「さあ、早く出るんだ。出来るだけ普段通りに話せ」

妻は渋々携帯にでました。

「由里子です。今日急に熱が出て、行けそうもありません」

携帯の向こうで津岡が何か言っているようです。妻が一々頷いています。それが
また気に入りません。妻の肩を掴みます。

「はい、解りました」

そう言って妻は電話を切りました。

「何を一々頷いていた?何が解りましただ。それにお前はあいつに由里子って
呼ばれているのか」
「・・・・・」
「何が急に熱が出て行けませんだ?その嘘の熱が冷めたら又会うと言うわけだ」

今日会えないの言えと言ったのは私です、ばれた事をまだ言うなと言ったのも私
です、出きるだけ普段通りに話せと言ったのも、私です。妻としても他に言いよう
がなかったのだと思います。妻が咄嗟に思いついて熱が出たと言ったのです。
しかし妻のどんな言葉も気に入りません。

妻は涙を流しながら妻の小物入れ箪笥から一枚の紙を取り出します。そして
その一枚の書類のようなものを私に見せるのです。

「これを見て下さい」

私が津岡圭介個人に宛てている書類です。私の住所、名前が私の筆跡に間違い
ない字て書かれています。そこには私の個人実印が押されていました。

書類のタイトルはご依頼書となっていました。
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男とは? 7/10(木) 10:40:05 No.20080710104005 削除
何故、こんな分析をしているのでしょうか、技術者の習性でしょうか。
違います、今だに妻が他の男に抱かれたことが信じられないのです、だから
その理由を知りたがっているのです。本当は怒りを妻と男に向けるべき
でしょう、理由は問い詰めれば解る筈です。

午後は仕事になりません、一日中そんな事を考えていました。退社時間に
なっても家に帰る気がせず、部下を誘って飲みに行きます。

悲しい習性です、こんな状況でも妻に電話をします。

「今日は遅くなる、飯はいい」
「何時ごろになりますか?」
「解らない、先に寝てくれ」

不倫している妻に遅くなるからと断りを入れている自分が可笑しくなります。
こんな状況でも日頃の習慣が出てしまうのです。

結局帰宅したのは、夜中の2時、今日言わなくて済んだとほっとしているの
です。ダイニングのテーブルにウイスキーの水割りと簡単なツマミの用意が
してありました。妻はこんな時でも私の寝酒の習慣を覚えているのです。
ウイスキーの横にメモがありました。

『お疲れ様でした、先にやすませて頂きます。明日出かけます』

やはり私の推測通り、妻は明日津岡に会うのです。妻が出かける前に決着を
着けなければいけません。

いつもより、朝早く目覚めました。妻が朝ご飯の用意をしています。

「飯はいいぞ、昨日飲みすぎた。それよりも此処に座れ」

妻はダイニングテーブルの私の向いに座ります。

「何処へ出かけるんだ」
「植物公園へ、お花の会のみんなと行くの」
「先々週も植物公園だったな」
「ええ、あの時は美知子さんとです」
「その次の日曜日の朝、美知子さんと会った」

妻の表情が少し変わりました。

「美知子さんは行かなかったようだな」
「あっ、あの時は美知子さんが急に都合が悪くなって、
一人で行きました」
「美知子さんとお昼を一緒に食べて、芝生の上で話し込んだ
のではなかったのか」
「済みません、嘘をついて。美知子さんの都合が悪いから、
彼女のお友達と行ったの」
「美知子さんはそうは行っていなかったぞ。俺とドライブに
行くから植物公園には行けない、そう言っていたぞ。
そう言う事が2、3回続いているらしいな」

妻の顔がみるみる曇っていきます。
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男とは? 7/9(水) 13:09:55 No.20080709130955 削除
金曜日の朝、工場に午前中休む旨連絡しダンス教室に向います。ダンス教室が
午前中から開いているかどうか解りませんが、10時ごろ着くように行きました。
案の定、開いていません。掃除をしているらしく、50年配の女性が二人モップ
をかけています。二人共、話好きらしく、なにやら大きな声で話しています。

これなら声を掛け易く、思い切って聞きました。

「ここは何時に開くのですか?」
「ここの人間ではないので、はっきりした事は。多分3時頃だと思います。
もし申し込みなら、パンフレットをお持ちになれば」
「あ、はい。頂いていきます」

カウンターにパンフレットが置かれています。その他にも数枚のパンフレット
がありました、その中の一枚を手にとります。妻のホームページ紹介のものです。
お気軽にご訪問下さいと妻のホームページが紹介されていました。

「これは?」
「ダンス教室の生徒さん、私達より少し若い奥さんが置いたものだと
思います。去年の11月位だったわね」
「そうですか」

もう少しダンス教室の様子を聞いて見ようと思いましたが、二人の女性に私
の印象が残ってはと思い早々に立ち去る事にしました。

工場に着いて、一人考えて見ることにします。

私の想像はこうです。

去年の11月頃、ホームページへのメール訪問者はまだ私一人です。訪問者を
増やしたい妻はダンス教室にパンフレットを置かせてもらった。ダンス教室に
通っている妻を見かけた津岡は、妻のホームページをそれで知り、アクセス
した。多分そんな所だと思います。

只、津岡が何故妻に興味を持ったのか、何故妻は津岡の誘いに乗ったのか、
解りません。不思議に冷静な自分がいます、寝取られた男の怒りが、まだ
湧いてきません。あまりにも日常からかけ離れたことなので、自分の事と
して、実感がないのかもしれません。

妻はごく普通のその年なりの女です。亭主である私の目から見て、違うと
思われるところは、抜けるように色が白い、これで5,6歳は若く見られて
いるかもしれません。器量は十人並みです。身長は確か163cm、只、バスト、
ウエスト、ヒップの落差が大きく女を感じさせる部分があるかもしれません。

津岡も写真で見る限り、普通の中年男です、別にオスのフェロモンを発散
させているわけでもありません。何故こんな男に引っかかったのか不思議
です。

例え、津岡が強烈なフェロモンを出していても、なびくような妻ではない筈です。
どんな誘いがあっても妻は断る筈です。
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男とは? 7/8(火) 11:14:19 No.20080708111419 削除
もう少し冷静にならなければいけません。冷静になって考えて見ます。

津岡のメールの最初の日付は11月の中頃です。メールの遣り取りは1月の初めに
終っています。その内容はこんな花が好きだ、この山にはこんな花が咲いている
と写真を添付して書かれていました。その中の1通にお会いしたいですね、
良ければ携帯アドレスを交換したいと自分の携帯アドレスを津岡は教えていました。
遣り取りは唐突に終っています。

妻がダンス教室に通いだしたのは、11月初めです。なにか符号がありそうです。
妻の休日の一人での外出が増えだしたのは1月の下旬です。これにも何か意味が
ありそうです。

津岡がどんな男なのか知りませんが、妻のホームページに偶然アクセスできた
とは考えられません。それに山下から聞いた人柄からもとても花好きには
思えません。とすると、妻と津岡の最初の接点はダンス教室にある筈です。

妻が津岡に抱かれた日を見ています。この2週間の結果だけで判断するのは
早計ですが、土曜日に抱かれた翌週の平日は一日だけ抱かれています。
土曜日にない翌週は2日抱かれています。計算どうりだとすると今度の土曜日
つまり明後日、妻は抱かれる事になる筈です。一月の下旬から今まで2週間に
一度、妻は一人で出かけています。今まで2ヶ月以上も続いていた事になるのです。

津岡も一応の企業人の筈です。そうそう平日の日中、女を抱く為に時間を工面
する事も出来ないでしょう。

明日の朝、ダンス教室を覗いてみることにしました。妻に報告書を見せるのは
明日の夜、いや土曜日の様子を見て妻が出かけるのであればその直前が良いかも
知れません。時計を見るともう12時です、5時間も考えていたのです。

寝る事にします。階下に降り、下着を探していますと妻が来ました。

「貴方、お風呂ですか?着替えは洗面所に用意してあります」
「風呂に入って先に寝る」

妻は何か言いたそうにしていますが、私は無視します。このところ私が妻に
取っている態度、妻も何か異変を感じているのです。どこと無く寂しそうでした。

風呂からあがった私を見送ります。

「おやすみなさい」
「ああ」

妻は小さく微笑みました。この笑顔ももう見れなくなるかも知れない、そんな
思いで寝室に行くのです。
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男とは? 7/7(月) 14:27:08 No.20080707142708 削除
3月28日(金)火曜日と同様でした。

3月31日(月)1時頃妻が出かけます。先週水曜日と同じようにショッピング
センターの駐車場に車を停めます。津岡が来て、津岡の車でラブホテルに
行きます。滞在時間は約4時間。まだ明るい為か別れ際の抱擁はないようです。

4月1日(火)ダンス教室です。この日は津岡は来ていないようです。

4月2日(水)先週の水曜日と同じ行動です。

これで報告書は終っています。今頃私は悔やんでいます、3度現場を掴んでくれ
と言った事を悔やんでいます。これ程頻繁に会っているとは、妻は完全に津岡
に溺れてしまったのでしょうか。セックスが全てとは思いません、しかし
これ程頻繁に会って、別れ際に抱擁までしています。男の首に縋りついている
ような抱擁です。身も心も貴方にありますと体で言っているのです。

妻は今、下で一人で晩飯を食べているのでしょうか?それとも食べないと
言った私をまだ待っているのでしょうか?そこに居る妻はもう私の妻では
ないようです。他の男の妻なのです。自ら喜んで体を開いたのでしょうか、
それとも何が事情があるのでしょうか?しばし茫然としていました。

これから私の取るべき道が解りません、妻と別れたいのか、男と対決するのか?
どうしたら良いのか解らないのです。

階段を上がって来た妻がドアーの外から声をかけてきます。

「おじやを作りました。召し上がりますか?」
「要らないと言っただろう。書類を纏めなくてはいけない」

そうですかと寂しそうに言葉を残して妻ま階下に降りました。
どうして俺の事を気にかける、もう演技は止めてくれ、心の中で毒づいています。

今、下に行き妻に報告書を突きつければ済むことではないか、津岡とは明日に
でも津岡の会社に行って決着をつければいいと私の心は言っています。しかし、
それが出来ないのです、何故津岡とこうなってしまったのか、妻と津岡に聞く前
に知りたいのです。技術者の悲しい習性かもしれません。しかもあれは妻では
なかったのではないかと思っている自分もいます。あの写真とDVDの中の女が
妻である筈がない、そう思っているのです。

結婚してから、妻は私以外の男と二人きりでお茶さえ飲んだこともない筈です。
40過ぎまで駅前のケーキ屋さんでパートをしていました。店の慰労会があっても
一次会だけでいつも帰ってきました。春と秋の恒例の旅行には妻は参加したことが
ありません。たまには楽しんだらどうなんだと言っても「貴方と一緒じゃないと
つまらない」そんな可愛いことを言う妻でした。何をするにもいつも私と一緒
でした。それはこちらが息苦しくなる程でした。

大きな会社のサラリーマンを辞めた時も、会社を立ち上げて、経営が苦しく月々の
決ったものを渡せなっか時も、「貴方を信じてるから」と愚痴の一つも零さずに
一生懸命妻はついてきてくれました。そんな妻が、他の男に抱かれることは報告書
を見た今でも信じられないのです。
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男とは? 7/4(金) 15:50:24 No.20080704155024 削除
私と山下は一旦社に戻り、雑談をした後、山下は帰途につきました。私には考え
なければならない事が山ほどあります。帰って妻を突き詰めるのか、毎日妻の後を
つけるのか、それとも津岡をつけるのか。何れも良策ではありません、それに後を
つける時間もありません。やはり興信所に依頼するのが一番と、CRさんがそうした
ように地元の事務所をネットで検索して見ます。なんと日曜日も開いている事務所
がありました。帰りに寄ることにします。

津岡圭介の勤務先と妻の情報を伝えます。ABCXYZと聞いて驚いています。地元
では有名企業です。二人の現場を3度確認して欲しいと依頼します。本当は一度だけ
で十分でしょう、しかし不倫の証拠を掴むだけではなく妻の行動パターンも知りたい
のです。

翌週の木曜日、報告書を渡せると連絡がありました。木曜日は地元の工場勤務です。
就業のベルを聞く間もなく、事務所へと急ぎました。車の中でこの2週間足らずの
事を思い浮かべていました。月曜日と水曜日は本社勤務です、本社で処理しなければ
ならない事も沢山あります。水曜日は定例役員会議が就業後あります。帰宅するのは
月曜日が10時頃、水曜日は、会議が終った後、食事、クラブで酒をのんで1時頃
でしょうか。火、木、金は8時頃というところでしょう。平日帰宅して妻が居ないと
言う事はありません。土曜日にも妻は一人では出かけていません。妻はいつ男、いや、
津岡と会っているのでしょうか。

事務所で一通りの説明を聞き清算し、帰宅しました。渡されたものは報告書とDVD。

「お帰りなさい」
「ああ」
「食事にされますか?」

この2週間は出来るだけ自分を抑えて平静にしてきたつもりです。飯も何とか食べました。
しかし、今日は無理です、食べられません。

「要らない、会議の後蕎麦を食った」

妻を一瞥もせず、書斎に篭ります。書斎といってもパソコンが置いてある例の部屋です。
報告書に沿ってDVDも併せて見ます。

妻が津岡と会っている日は全て写真付きの説明があります。

3月25日(火)5時半、妻がダンス教室に入ります。津岡も少し遅れて入ります。
7時、妻が出てきます、そのまま帰宅します。津岡もそのまま帰宅しています。
ダンス教室の名は妻には聞いていませんでした。その名はABCXYZでした。

3月26日(水)3時半、妻が家を出ます。4時、ショッピングセンターの駐車場に車を
停めます。10分程して妻の車の横に高級外車が停まります。車の中の人物はズーム
アップしても解りませんが、妻は助手席に乗り込みます。しかし車のナンバーは津岡
のものです。5時、郊外のレストランに入ります。二人の顔をはっきりと捉えています。
その後、近くのラブホテルに入っています。ラブホテルに居た時間は約3時間、その後
ショッピングセンターの駐車場に戻り、別れ際、ご丁寧にも抱擁して口づけを交わして
います。もう10時もすぎて、辺りは閑散としています。それにしても妻が屋外で口づけ
をするとは。
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男とは? 7/3(木) 17:51:32 No.20080703175132 削除
グラフを見ていてもABCXYZの名前が気になります。津、船着場と言う意味が
あります、ABCと言えない事もありません。岡、これはまさにXYZで間違いあり
ません。グラフは8ヶ月前から始まっています。この機器の販売代理店は地区別に
6社あります。ABCXYZは関東地区の代理店です。当初3ヶ月は断トツのトップです。
しかしこの2ヶ月は関西地区に抜かれて2位に甘んじています。ユーザーの数
を考えるとこれは相当な落ち込みと言わざるを得ません。

「相当な落ち込みだな」
「そうです、当初は社長が先陣をきって市場を開拓したようです、
その社長が体調を悪くして、甥が指揮を取り出してから売上が落ちてきました」
「君の意見は?」
「この製品のマーケットを最初に開拓してくれたのはABCXYZの社長です。
大型量販店とも話しをつけてくれました。私としても人情があります。
無下にするわけには行きません」
「そうだな」
「しかし、甥の態度が高圧的で」
「ABCXYZの会社案内を見せてくれるか」
「専務にもABCXYZとの取引契約書に印を頂いています。今持ってきます」

思い出しました。契約書には社長と専務の二人が印を押すのが慣例です。それも
会社での実印と個人印の二つです。営業の総責任者は社長であり、私は形式的に
押しているだけです、それで記憶が薄れていたのです。案の定、津岡圭介の名前
が常務として記載されています。社長の甥です。経歴では社長の妹の婿となって
います。本拠地は私の住んでいる××市にあります。

「山下君は考えを纏める為に会社に来たと言うわけだ」
「その通りです」
「どうしようと思っている?」
「社長には恩義があります、それにあの方の仕事に対する姿勢には
頭が下がります。暫くこのまま様子を見ようかと。ただ」
「うむ」
「このまま落ち込みがまだ続くようだと、私も考えざるを得ません。
扱いたいと言う代理店も数多く来ています。それにあの甥の態度を
見ると」
「そんなに酷いのか?」
「詳しくは言いませんが、酷いものがあります」

山下は悔しそうに下唇を噛んでいます。営業をやらせば山下は超一流です、性格も
温厚です。その山下が唇を噛んでいます、余程、悔しい事があったのでしょう。

「君の考えでいいと思う。うちの社長も解ってくれるだろう」

社長、野村は私と同い年、人情が解る男です、山下の意見に賛成する筈です。
正論だと信じています。しかし私の思いは別にありました、津岡圭介を潰すのは
この私だ、決して誰にも潰させはしない。

これで私のやるべき事が決りました。時計を見るともう昼過ぎです、山下と3時間
も話していたのです。

「山下君、考えが纏まったら、蕎麦でも食いに行こう」
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男とは? 7/2(水) 12:06:42 No.20080702120642 削除
部屋に戻ってもする事がありません。考えるのは妻の不倫相手の事ばかりです。
津岡圭介、この男に間違いはないでしょう。名前にかすかな記憶があります。
会社関係だと思います。じっとしていても仕方がありません。会社に行くこと
にします。会社で名刺とアドレス帳を見てみることにします。

「月曜日の会議の用意でし残しを思い出した。会社に行ってくる」
「今からですか、お帰りは何時ころですか」
「解らないから晩飯は要らない」

この郊外から都心まで休みの日なら高速を使えば50分くらいのものです、晩飯
には余裕で間に合うでしょう。しかし今は妻の作った飯を食べる気はしないの
です。途中コンビニで朝飯と昼飯用にお握り、パンと飲み物を買います。

私が勤めている会社は総勢300名余りの小さな会社です。設立メンバーとして
参加しています。パソコン、デジタル機器の周辺機器を製造しています。私は
製造・開発の責任者として勤めています。会社の組織では専務の役職を頂いて
います。妻のPC、携帯を加工するのは訳も無い事です。しかし、相手の男が
知識を持っていれば、それを見破るのもまた簡単な事です。そんな私の技術者
としての臆病さがそれを止めさせたのです。

都心に本社機能と営業、私の住んでいる郊外に工場と研究開発部門があります。
都心の本社に週の2日、残りの3日は工場に通っています。私の本拠は工場に
あります、しかし迷いもせずに本社に向っています、私の本能がそうさせている
のです。

会社に着き、先ず名刺を見ます、津岡の名刺は見当たりません。アドレス帳を
開きます、ここにもありません。工場に行ってそちらも見てみようか、暫く
考えあぐねていました。腹も減った事だし、お握りをほうばっていました。

営業部長の山下君が入ってきます。

「お早う御座います、専務、休みの朝にどうされたのですか?」
「いや、ファイルを探しているのだが、こっちに置いてあるかなと
思ってね。君こそどうした?」
「それが弱りました。専務の肝いりで開発したマルチSDを使った
超大容量メモリーなんですが」
「売れ行きは好調だと聞いているが」
「大変好調です。しかし一番大きな販売店がごねているです」
「どうした?」
「いつも月初めに大量に買い付けてくれるのですが、最近になって
月末の返品が多くなりましてね」
「・・・・・」
「それでも、返品前の値引率を適用してくれと高圧的に言ってくるんです」
「何と言う会社かね?売上のグラフを見せてくれないか」
「ABCXYZと言う会社です。これがグラフです」
「ABCXYZ?リゾートぽい名前だな」
「ホテルとか、トレーニングジムとかダンス教室も経営しているようです」
「正にマルチ経営だな」

ABCXYZと言う名前に何か引っかかりを感じます。グラフを見てみます。
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男とは? 7/1(火) 12:25:03 No.20080701122503 削除
明朝、5時頃からジョギングに出かけます。美知子さんが犬の散歩に来ることを
期待しながら軽く走ります。

「あら北上さんのご主人、諒一さん?」
「あっ、美知子さん、ここでお会いするのは久しぶりですね」
「もう半年以上よ」
「ちょっと、怠け癖が出ましてね」

植物公園のことをどう切り出そうか迷っていました。しかしその回答は美知子さん
がくれました。

「最近、休みの日は忙しいのですか?」
「いや、別に忙しくはないですが、何か?」
「私、平日はパートに出てるでしょう。それでお休みに
植物公園とか、お花屋さんに由里子さんをお誘いするのだけど、
予定があるからって、断られるの。このところ3回連続」
「じゃあ、昨日も誘って頂いたのですか?」
「ご主人とドライブじゃあ、仕方ないですよね」

妻は嘘をついていました。嘘が大嫌いな妻が嘘をついたのです。間違いありません、
男がいるのです。急に昨日、妻を抱いた事を思い出しました。昨晩はまだ疑いの
段階でした、だから妻を抱けました。今は吐き気がします。

「どうかされましたか?」
「いえ、久しぶりに走ったものですから、気持が悪くなってしまって。
妻には良く言っておきます」
「大した事じゃないから、心配しないで」

家に帰りますと、妻は朝食の用意をしています。いつもの妻です、しかし見ている
私の気持が違います、朝食を用意しているその姿もなにか白々しいものに写ります。

シャワーを浴びにバスルームに駆け込みます。昨日抱いた妻から男の体臭が、汗
が私の体に付いているような気がします。石鹸を付けたスポンジで思い切り
擦ります。昨日洗った頭ももう一度洗います。歯磨きをしても吐き気が消えません。
私は潔癖症ではありません、しかし、他の男のものを咥えた妻の口を吸ってしまった、
他の男のものを入れられた妻の女陰を口にしてしまった。吐き気が納まらないのです。

朝食の用意が出来たようです。妻から声がかかります。

「朝ご飯が出来ました」
「久しぶりに走ったから、疲れた。食欲がない」

妻に断り、自分の部屋に向います。白々しく声をかけてくる妻に腹を立てています。
食欲があっても妻が作った飯を食べる気はしません。
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男とは? 6/30(月) 11:13:56 No.20080630111356 削除
確認する方法が一つあります。美知子さんと2度ばかり近所の運動公園で
お会いした事があります。毎日、朝6時ごろ犬の散歩をさせているのです。
私が時たま行くジョギングでお会いしています。明日朝久しぶりに
ジョギングに行くことにしました。

妻が寝室に来ました。ひょっとしたら、今日妻は他の男に抱かれたかも
知れないと思うと妙に妻が色っぽく見えます。いや実際艶かしかったの
です。

「こっちへおいで」
「電気を消して下さい」

久しぶりに妻を抱きました。私も妻もその性は淡白です、いやずっと、
そう思っていました、年に5、6回もあればいい方でしょうか。その行為
も単純なものです。お互いの性器を少し触って直ぐ抱いてしまいます。
電気も消して、真っ暗な中での行為です。

しかし、今日は違っていました。妻のクリトリスを愛撫し、膣の入り口
を刺激しますと、妻は大きな声をあげてしまいます。私のものを手に包み、
愛おしそうに愛撫してくれます。感極まった妻は私のものを口に含むのです。

「私のも」

妻は女陰への口での愛撫を要求しています。妻は私の口で一度、抱かれて
一度達しました、それも今までに無いほど深く大きく達したのです。

「由里子、お前今日すごかったな」
「恥ずかしい」
「どうしたんだ?」
「美容院の待合室で女性雑誌を読むの。夫婦の特集があって、
私も何時か試してみたかったの」
「ふーん、そうか」

納得したわけではありません。今日の妻の、あの手の使い方、舌の使い方、
一度試しただけで上手くなる筈はありません。今までただの一度も夫婦間
ではなかった行為です。しかし、今妻を追及するのはあまり得策では
ありません。

「今日のお前、すごく良かったな、おやすみ」
「あやすみなさい」

行為を反芻してみます。妻が私のものを口に含んだのも、妻が「私のも」
と言ったのも長い夫婦生活で初めての事でした。しかもその舌使いは
とても初めてだとは思えません。私も何回かソープに行った事があります。
妻の舌使いはプロにも負けないものでした。それと妻の絶頂を伝える言葉。
今までは小さな声で「感じる」と言うだけでした。それが今日はどうでしょう、
何度も「イクッ、イクッ」と伝えるのです。もう一つあります。今までも
妻の陰毛をまじまじと見た事はありませんが、どうも感触が違います。灯り
の下で見たわけではないので確信が持てません、手で触った感じからですが、
全体に短く刈り揃えられているようです。

疑惑が確信に変わるのです。
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男とは? 6/30(月) 11:11:40 No.20080630111140 削除
妻は就寝前に風呂に入ります。風呂に入った隙にバッグを調べてみようと
思います。妻は着替えとバッグを持ってバスルームに行きました。日頃
妻を観察しているわけではないので、何時もはバッグを持ってバスルーム
に行くのかどうか、はっきりとは覚えていませんが、リビングに置いたまま
だったような気がします。

家のバスルームは入り口手前が洗面所、その奥にくの字型にバスルームが
設置されています。つまり洗面所に入ってもバスルームからは見えないと
言う事です。洗面所のドアーを開けます、思い切って中に入りました。
さすがにバスルームの中までバッグは持っていけないようです、脱衣籠
の脇にありました。妻の下着も見てみようと思ったのですが、脱衣籠の
中にはありません。いつもは籠の中に脱ぎ置いてある筈です。下着を
バスルームの中まで持って入ったのでしょうか。

バッグの中の携帯を探りあてます。やはりパスワードロックされています。
以前私にも気軽に見せてくれた妻の携帯がロックされていました。

PCと同じパスワードを入力します。簡単に開きました。メール発信・受信Box、
電話の着信・発信履歴を見てみます。美知子さんとの遣り取り、ほかにも
他愛のないものばかりです。目指すものがないのです、元々ないのか、
それとも妻が用心して削除したのか。アドレス帳を検索します。ありました、
津岡さんと表示された携帯メールアドレス、電話番号を控えます。転送設定
は止めました。転送設定がばれてしまえば、先ず夫である私が疑われるでしょう。
今の段階では、私は何も知らない間抜けな夫にしておきたいのです。しかも
まだ妻が浮気しているのが、決定したわけではありません。

バッグの中に他に何か痕跡がないか調べて見ます。妻のバッグを探るのは
初めての事です、妻の秘密を見る様で心臓の鼓動が激しくなります。
化粧ポーチ、ハンカチ、財布と数枚の領収書がありました。その中に
花苗ポットの領収書がありました。やはりショッピングセンターの中の
花屋で買っています。時刻は13時半、妻が出かけて直ぐに買ったと言う事
です。領収書をコピーします。

念の為、妻が外に置いたポットをもう一度見てみます。ラベルは付いたまま
です。こんなラベルまで私が見る筈がないと思っているのでしょう。妻が
風呂からあがるのをリビングで待つ気はなくなりました。妻に声をかけ、
寝室で考えてみる事にします。

妻の今日の行動を肯定的に考えようとする自分がいます。花苗は漆黒の
プリムラでした。前々から妻が欲しがっていたのを覚えています。植物公園
にも大きな花の売店があります。そこには妻の欲しいものがないと知っていて、
公園に行く前にショッピングセンターに寄って買ったのか、どうもそのような
気がします。

もし、男と会った場合はどうでしょうか。私には植物公園に行くと言って
出かけました。あのポットは植物公園へ行った印として買ってきたの
でしょうか。しかし、ラベルを剥がしていません。私がそこまで見るわけ
がないとたかを括っていたのでしょうか。しかも妻は植物公園で買ったと
言っていました。

どうも植物公園に行っていない可能性のほうが高いようです。しかし確認する
必要があります。
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男とは? 6/27(金) 12:06:36 No.20080627120636 削除
今からでは、予約してあるレストランにはもう間に合いません。断りを
入れます。

結局、妻が帰ってきたのは7時半頃です。手にはバッグと花苗のポットを
持っています。抜けるように白い肌、その顔から首筋にかけてほんのりと
ピンクに染まっているようです。普段なら、妻のこんな小さな変化には
気がつかないでしょう。今は妻のどんな変化も見逃さまいとしているのです。

「遅くなって済みません、携帯を探していたものですから」
「そうか、レストランは断った」
「そうですか、私今から何か作ります」
「もういい、あり合わせのもので食べるから」
「解りました」

台所に向う妻が私の横をすりぬけた時に僅かに石鹸の香りがしたような気
がしました。バッグは台所に持って行きましたが、花苗のポットはリビング
の隅に置いてあります。今までなら、私はポットのラベルなんか見もしません。
そのラベルを見ますと、○○花店と書いてあります。ショッピングセンター
の中にある花屋で、良いものを揃えているのですが、割高な店です。妻は普段
から「安い苗を買って綺麗な花を咲かせるのが楽しいの」と言っています。
ここで買うには何か理由がある筈です。

妻が簡単に食事の用意をします。

「植物公園はどうだった?」
「特にこれと言うものな無かったわ、お食事して、お花を見て散歩して、
プリムラの苗を二つ買って、それだけ」

家から植物公園まで片道40分位でしょうか、往復で1時間20分、妻は8時間
も公園に居たことになります。

「それにしては時間がかかったな」
「美知子さんと芝生の上でお話をしていたの、それから携帯を落とした事に
気が付いて随分探したわ」
「そうか、女の長話と言うが随分と話込んだものだな、プリムラって
あれか」

私はリビングの隅にある二つのポットを指差します。

「え、そ、そうよ」

「外に出してきます」

妻は慌ててポットを手に取り外に運び出しました。妻は明らかに嘘をついて
います。でも何故そんな嘘をつく必要があるのか。
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男とは? 6/26(木) 18:25:06 No.20080626182506 削除
恐る恐る手帳を開いて見ました。妻は色々なサイトの会員になっている
ようです。書籍、化粧品、健康グッズ、そのサイト名とパスワードが
書かれています。ただ一つ何もタイトルがないパスワードがありました。
○○○○××××と私達家族には関係のないアルファベットと数字の羅列
です。妻のPCに入力してみます。その瞬間、ようこその文字が現れました。
メール画面を開きます。ここにもパスワードを設定されています。同じ
パスワードを入力します。受け付けてくれました。

逸る心を抑えて、受信済みアイテムから見てみます。何人かの宛先が
あります。その殆どがハンドルネームです。ハンドルネームから判断
しますと女性の方が多いようです。5人の方とメールしています。メール
の数は送信と受信をあわせて全部で50通くらいでした、全部読んでも
時間はかかりません。今はまだ2時、妻が帰ってくるまで時間はたっぷり
あります。ハンドルネームとメールの内容から判断しますと女性が4人、
男性が1人と思われます。ごく普通の趣味の遣り取りをしています。全て
の方に市の公民館で2週間に一度日曜日に花の会を開いているので是非
参加して下さいと妻が紹介しています。

読み進んでいくうちに一つ気になるメールがありました。ハンドルネールが
Jackなんとか、今後の連絡用に妻の携帯の番号とアドレスを教えてくれと
言っています。Jackなんとかとの遣り取りを送信済み、受信済みのメール
全てをコピーした上、全て自分のPCに転送しました。今後のメールを自分
のPCに転送出来るよう設定しようと思いましたが、何かの拍子に妻にばれる
のを怖れて、それは止める事にしました。

コピーしたメールを読んでみます。携帯の番号とアドレスを教えてくれと
言っている以外何も不自然な事はありません。妻もメールの趣味の件では
受け答えしているものの番号とアドレスは教える事なく、やんわりと
かわしています。普通の遣り取りです。只、妻のメールアドレスは実名を
名乗っています、yuriko.kitagamixx@xxxx.xx.xxでした。ホームページには
私達夫婦の居住地区、xx県○○部と記載してあります。Jackはメールで
本名・津岡圭介と名乗っていました。勿論本名であるかどうか定かでは
ありません。津岡は自分の年を53、住まいもそんなには離れていないと
自己紹介していました。それだけです、妻を疑う要素はありません。只、
津岡と言う名前に聞き覚えがあるような気がします。ありふれた名前では
ありません。月曜日に会社で名刺、アドレス帳を見てみる事にします。

メールを読み終わった私は自分が恥ずかしくなってしまいました。妻を
疑ってしまった、その上メールまで読んでしまった。しかし妻は浮気など
していない事にほっとしていました。今日は妻の好きな物は何でもご馳走
してあげよう、そんな気持で妻を待っていました。

6時が過ぎても帰ってきません。6時半、痺れを切らして妻の携帯に電話
しました。コールはしますが妻はでません。何度かけ直しますが同じ結果
です。折角収まった妻への疑惑が再燃します。

30分程して妻から私の携帯に電話があります。

「貴方、電話に出れなくてご免なさい。携帯を何処かに落として
探していたの。それで今見つかったの」
「何をしている、早く帰って来い」
「今から帰ります」
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男とは? 6/24(火) 13:31:26 No.20080624133126 削除
家にはPCが2台、私のデスクトップ型と妻のノートパソコンがあります。
勿論2台ともパスワードは設けてありません。ある日曜日ネットで検索する
必要がありました。生憎私のPCの具合が悪く、妻のノートブックを使おうと
したところ、初期画面でパスワードの入力を要求しています。妻の名前と
誕生日、色々組み合わせても開きません。妻に聞くわけにもいかず諦めました。
何故パスワードの設定が必要なのか少し疑問に思いましたが、ネット検索は
急ぐ事でもなく、妻のパスワードの件も次第に忘れてしまいました。

休みの日は二人で出かける事が多かったのですが、妻が一人で出かける事
も増えだしました。まだこの時点では夜遅くなると言うことはありません。
ただ平日の日中、妻の自由になる時間はいくらでもあります。これくらいでは
妻を疑う材料にはなりません。私の考えすぎなのでしょう。しかし、PCの
パスワードが気になります。今までは妻一人で出かける時は行き先と凡その
帰宅時間を告げて出かけていました。それも曖昧になってきます。

ある土曜日の10時頃、妻が出かける用意をしています。淡いブルーの少し
短めのワンピースを着ています。括れたウェストラインを強調するように
白いベルトが腰に巻きついています。栗色のカールがかった髪が透き通る
ような襟首に纏わりついています。日頃見慣れている妻とは別人のようです。

「出かけてきます」
「何処へ?」
「美知子さんと植物公園へ行くの」
「夕飯は外で予約してあるからな」
「5時までには帰ります」

美知子さんなら良く知っています。妻と同年輩で趣味も合い親友のように妻も
付き合っています。

妻は自分の車で出かけました。妻の姿を反芻していました。

オバサンだと思っていた妻の変わり様。娘と一緒に暮らしていた頃は殆ど
自分の身の回りを構う事なく、娘が嫁いでからも喪失感もあらわな妻でした。
ホームページを始めてから明るくなったとは言え、今日の妻のあの若やいだ
雰囲気はどうでしょう。改めて妻を女として見ている自分に気が付くのです。

何故、妻はPCにパスワードを設けたのか、その疑問が再燃してきます。
妻が出かけると、妻のメールを覗いて見たいと言う気持を抑えられなくなって
きました。ノートパソコンを起動します、思いついたアルファベット、数字を
打ち込みますが、受け付けてくれません。苗字は北上、名は由里子。私の名前、
娘の名前、誕生日あらゆる組み合わせを試して見ましたが、駄目でした。

娘が使っていた8畳の間を二つに区切り、私のPCと妻のPCが別個に置かれ、
それぞれ独立した作業場になっています。パソコンラックとその脇には
ちょっとした整理デスクがあります。引き出しを探って見る事にします。
何となく罪悪感がかすめます。一番上の引き出しに黒い手帳のようなもの
がありました。
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男とは? 6/23(月) 15:47:56 No.20080623154756 削除
CR様と洋子様の物語を読ませて頂きました。年頃もまさに
私達夫婦と同じです。只、私はCR様のように波乱万丈の人生
を送ってきたわけでもなく、又行動力もありません。何処に
でもいるごく普通の中年男です。まさか私達夫婦に同じような
事が起きるとは思ってもいませんでした。CR様のように毅然と
した態度をとれない自分の器量の無さを嘆きながら、又、
不倫が発覚してからの洋子さんの凛とした姿を思い浮かべながら
私の体験を書こうかどうか迷っていました。CR様ご夫妻と私達
の年恰好、状況、妻の不倫に至る経緯が良く似ています。読者
の方々は何だ、水遣りの二番煎じではないかと思われるのでは
ないかと、書くのを迷っていました。しかし、事実に二番煎じも
三番煎じも無いのではと思い直し、思い切って書く事にしました。
妻の不倫が発覚してからの私の行動はCR様の影響を多分に受けて
いる事は確かです。私の気持もCR様の事を思うと救われて、大変
参考になりました。

一人娘の良子が去年大学を出て直ぐに嫁ぎ、48才の私と46才の妻の
二人暮らしです。娘が居た時は賑やかだったこの家も、二人で暮らす
には広すぎて、日々の暮らしも何やら寂しいものがあります。
娘と一緒に暮らしていた頃は、娘は妻に甘えてばかりいました。
その娘が遠くに嫁いでしまい妻の喪失感は大きく、出来る限り
妻と過ごせる時間を多く取ろうと心がけていました。妻は花が好きで
庭には四季の花々が咲き乱れています。妻の喪失感を少しでも
埋めてあげようと、妻の花を紹介するホームページを立ち上げて
あげました。ホームページを立ち上げても直ぐにアクセスがある
訳ではありません。妻が以前から習いたかったダンス教室にも通う
ようになりました。その二つか間違いの入り口になろうとは誰が
思ったでしょうか。

ホームページを立ち上げたのは、昨年の今頃の事です。季節毎に
変わる花の紹介、ページの更新の方法は妻に教えてあげました。
2、3ヶ月で妻も慣れたようです。主だったサイトに登録し、
随所に検索でヒットする言葉を散りばめました。それでも最初の
半年位はホームページへのアクセスはあっても、メールでの
問い合わせはありません。寂しそうにしている妻を見かねて、
仕方なく、私が訪問者を装ってメールの遣り取りが始まりました。

「貴方、今日始めてメールを頂いたの」
「そうか、それは良かった」

妻に明るさが戻ってきます。最初は二日に一度、二度と頻度多く
遣り取りをしていました。こんな花が好きだとか、あの公園には
珍しい花が咲いているとか、花が好きな人の会話です。日常の会話
で私には話さない事も書いてきます。妻の以外な面も知って、それは
それでときめいたのを覚えています。暫くしてメールの頻度が少なく
なり、その内に自然消滅してしまいました。本物の訪問者がらの
メールがボツボツと入りだしたのです。

「何か、このところ楽しそうじゃないか」
「貴方のお陰よ。メールが来るようになったの」
「最初に来てくれた人とはまだ続いているのか?」
「だんだん間隔が開いて今はもうメールくれないわ」
「お前からメールしてあげればいいじゃないか、
最初の人だろう」
「うーん、でもその人あまり花の事知らないみたい、
花の写真送ってくれた事もないし」
「ふーん、しかしお前少し冷たいぞ」

自分の事をないがしろにされたようで、気が滅入りますが、妻が明るく
なって良かったと思っていました。昨年の11月から通い始めたダンス教室
の影響もあるのでしょう。
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