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北原夏美 四十路 初裏無修正

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投稿者:KYO 投稿日:2006/03/08(Wed) 21:34

部屋には既に豪華な布団が敷かれています。その横で真っ赤な下着
を身につけた妻が正座をしています。ビデオ後半はいよいよ男との
セックスシーンのようです。

下着は撮影の角度からはよく分かりませんが、それまで着ていた黒
のシースルーのものよりはずっと小さいと思われます。

部屋は煌々と明るく、備え付けの電灯以外に男が用意した撮影用の
ライトが灯されているようです。セックスの際はいつも明かりを消
すように訴えていた妻が、こんな明るい場所で男に抱かれるという
ことが信じられません。

「あなた……今夜はチンポ大好きな淫乱妻の紀美子を、思い切り可
愛がってください。よろしくお願い致します」

そういうと妻は深々とお辞儀をしました。

「よし、可愛がってやるから今夜の紀美子の目標を言ってみろ」
「ハイ……」

紀美子は少し恥ずかしげに目を伏せましたが、すぐに顔を上げて口
を開きます。

「一つ、淫乱妻の紀美子は今夜、最低8回はイクことを誓います」
「一つ、淫乱妻の紀美子は今夜、愛する夫であるあなたにお尻の処
女を捧げることを誓います」
「一つ、淫乱妻の紀美子は今夜、お口、オマンコ、お尻の3つの穴
を使って、愛する夫であるあなたに3回は気持ち良くなっていただ
くことを誓います」
「以上、3つの誓いに違反した場合は、どのようなお仕置きも喜ん
でお受けすることを誓います」

そこまで言い終えた妻はとろんと潤んだ瞳をカメラに向けます。妻
はそんな屈辱的な言葉をはかされることで明らかにマゾヒスティッ
クな悦びを感じているようです。

「立って見ろ」
「ハイ」

妻は素直に立ち、気をつけの姿勢をとります。

妻の下着姿の全貌が明らかになりました。赤い上下の下着は透けて
はいませんが面積は非常に小さく、妻は裸同然、いや、むしろ裸よ
りも恥ずかしい姿だと言えます。

「そのブラジャーはどうなっているんだ」

男の問いに妻は無言でほほ笑むと、ブラジャーに指をかけました。
ビデオカメラが妻の胸にズームインしていきます。

赤いブラジャーは生地にラメが入っているようで、キラキラ光るそ
れは下着というよりは踊り子の衣装を思わせます。

驚いたことにそのブラジャーは前が割れるようになっており、妻の
茶色の乳首が布地の間から飛び出しました。既に興奮しているため
か、乳首は堅く勃起しています。

男は数回妻の乳首を揉み上げるようにしていましたが、やがて妻の
下半身にビデオカメラのレンズを向けます。

妻のはいているパンティは、ストリッパーのやはりバタフライのよ
うな小さいもので、事前に剃毛していなければ黒々とした陰毛が横
からはみ出していたことでしょう。

「パンティーはどうなっているんだ」

妻はやはり無言でほほ笑むとパンティーに指をかけます。想像した
通りパンティーの前の部分は大きく開き、妻の無毛の陰裂が丸出し
になりました。

「さすが淫乱妻の下着は普通とは違うな。そんな助平な下着をどこ
で買って来たんだ」
「これは……あなたが……」
「俺がどうした? 俺はそんなものを買ってやったおぼえはないぞ」
「ああ……ごめんなさい。紀美子が、紀美子が自分で買いました」

男は妻を言葉で責めながら、同時に片手でパンティの割れ目越しに
妻の秘部を嬲り、空いた手の平で乳首を転がすようにしています。
それだけで妻は情感が迫って来たようで、「あっ、あっ」とこらえ
切れない喜悦のうめき声を上げ始めます。

「自分で買ったということは紀美子はこんな助平な下着が好みだと
いうことだな」
「ハイ……淫乱妻の紀美子は助平な下着が大好きです……ああっ」

妻の興奮はますます高まり、鼻息が荒くなっていきます。

「初めてのときはいかにも貞淑そうな白い下着をつけていた癖に。
明るいところで抱かれるのも、マンコを近くから見られるのも嫌が
っていた癖に。あの時の紀美子は猫を被っていたのか」
「ハ、ハイっ。猫を被っていましたっ。本当は淫乱なのを隠してい
ましたっ」

興奮して妻は叫びます。

私は男と妻のやりとりで、2人が初めて関係を持った時の様子のほ
んの一端を知りました。私が心の底で本当に恐れていたのは、妻が
結婚した当初から私が考えていたような人間ではなかったというこ
とです。それならば私と妻の15年以上の結婚生活はすべて無意味
なものとなってしまいます。
投稿者:KYO 投稿日:2006/03/08(Wed) 21:35

そうでなくても、今回の男が初めてではないという可能性もありま
した。妻の昼の顔と夜の顔が全く違う、あるいは夜の顔も私に見せ
るものと他の男に見せるものが違うということです。

しかし恐らくは、妻は今回、春日という男と出会うことで変貌させ
れれたようです。このようなことにもささやかな安堵を感じてしま
うのはこれまであまりにも衝撃的なことが多かったからでしょうか。

しかしどうして妻は変わってしまったのでしょうか。私との行為で
は淫らになれなかった妻が、男とでは淫らになれるのはなぜでしょ
うか。それほど男の妻に対する調教が巧みだったということでしょ
うか。

「紀美子のような淫乱妻に一晩付き合ったのでは流石の俺も体力が
もたん。最初の一回目は見ていてやるから一人でイけ」
「そんな……」

妻は嫌々と首を振ります。すでに妻の小ぶりの乳房は完全に露出し、
パンティは身体を隠す役割は一切果たさなくなっています。

「淫乱妻はチンポでないとイケないのか? 一度一人でイカないと
いつまでもハメてやらないぞ。それでもいいのか」
「あっ……それは嫌です。我慢できません」
「それならやるんだ。まずこう言ってから始めろ」
「ああ……」

耳元で何事か囁いてくる男に、妻は首筋まで真っ赤にしながらかぶ
りを振ります。何度か催促された妻はようやく諦めたように口を開
きました。

「あ……あなた……チンポ大好きな淫乱妻、春日紀美子がマンズリ
をかいてイクところを見ていてください。お、お願いしますっ」

男に秘部を嬲られながらそう言った妻は、「ううっ」と声を上げ身
体をブルブル震わせました。自分の発した淫らな言葉と男の玩弄が
シンクロし、絶頂に達したのでしょう。

画面が変わり、妻は布団の上で蛙のように脚を広げ、横たわってい
ます。豊満な尻の下には枕が当てられ、妻の無毛の秘部ばかりでな
く、双臀の狭間に秘められた肛門までが露になっています。

妻は右手に持ったローターを乳首にあて、左手に持ったバイブで膣
口からクリトリスをゆっくりと愛撫しています。2つの器具から発
せられるジーッというモーター音が次第に妻のハア、ハアという喘
ぎ声にかき消されていきます。

ビデオカメラの一台は妻の股間から全身を写し出す位置に、もう一
台は男が手に持っているようでローターやバイブの動き、また喘い
でいる妻の顔を写しています。

相変わらず男のビデオ編集は巧みで、まるで本物のAVを見ている
ようだ、などと変なところで感心してしまいます。

「黙ってマンズリをかいてるんじゃない。今どんな気持ちなのか、
どこが感じるのか、ビデオを見る人間がちゃんと分かるように実況
するんだ。上手くやらないとこのビデオをアダルトビデオの業者に
持ち込むぞ」
「ああ、嫌……それだけはやめてーー外を歩けなくなっちゃうーー」
「分かったら始めるんだ」
「ハ、ハイ……チンポ大好きの淫乱妻、か、春日紀美子は、今ロー
ターを乳首にあてて、お、おバイブをオマンコに当てていますっ」
「そんなことは見ていれば分かる」

男は妻のヒップをピシャリと叩きます。

「どんな気持ちか、どこが感じるのかを伝えろといっただろう。真
面目にやらないと紀美子のマンズリビデオが全国のビデオショップ
に並ぶが、それでもいいのか」
「いやーー、わかりました。ちゃんといいます」

男は妻が持ったバイブに手を添えるようにして、ぐいぐいと出し入
れさせると、妻は悲鳴のような声を上げて男に屈服します。

「き、紀美子の淫乱な乳首が、ローターのブルブルする刺激で、ビ
ンビンに感じていますわ。ク、クリトリスもおバイブのダイナミッ
クな動きに……ああ、き、紀美子、もう、負けちゃいそうっ」
「流石に淫乱妻は表現力が豊かだな」

男は楽しげに笑いながら、旅行カバンの中から小さな羽帚を取り出
します。

「この前の復習だ。紀美子の性感帯を上から順番に言え。間違えた
らお仕置きだからな」
「いやーー、今それをされたら」
「イってしまいそうなのか」

妻は声を上げることもできず、ガクガクと頷きます。

「全部言い終わるまでに気を遣ってもお仕置きだからな。今日はア
ナルセックスをするんだから、お仕置きは浣腸がいいだろう」
「浣腸なんて嫌ーー」
「なんだ、紀美子は経験があるのか」
「ありません、でも嫌ーー」
「嫌なら最後まで我慢するんだ。言っておくが途中でローターやバ
イブを身体から離してもお仕置きだ。いいか、始めるぞ」

男がそう告げると妻は覚悟を決めたようで、ぐっと歯を食いしばり
ます。少しでも気を緩めたらイキそうになるのを必死でこらえてい
るようです。
投稿者:KYO 投稿日:2006/03/08(Wed) 21:35

「一番上はどこだ」
「み、耳たぶ……」

男が羽帚で妻の耳たぶをくすぐると、妻は「ヒッ」と声を上げて首
をすくめます。

「そんな答え方じゃ駄目だ。ちゃんと教えた通りに言わないか」
「わ、わかりました。ち、チンポ大好きの淫乱妻、春日紀美子の一
番上の性感帯は耳たぶです」

再び男の羽帚による攻撃が妻を襲います。妻は何とかイクのをこら
えたようです。

続いてうなじ、腋の下、胸元、乳首が順に責められます。妻が自分
の性感帯をはっきりと告げるたびに私は何か複雑な気分になって来
ました。妻とのセックスでそれぞれの箇所を愛撫したことはありま
すが、そこが性感帯であるということをはっきり意識していたでし
ょうか。私は妻の身体について無知であったことを思い知らされま
した。

性感帯を順に執拗に責められた妻はもはや懊悩の極致といった感じ
で、素っ裸をガクガクと痙攣させています。あと少し責めればあっ
けなく絶頂を極めてしまうでしょう。

「さて、次は……」

男の羽帚が妻の下腹部から下に降りてくると、妻は恐怖に目を見開
きます。

「クリトリスとオマンコは勘弁してやろう。さすがにそこを責める
とあっと言う間にイってしまうだろうからな」

妻は一瞬安堵したようですが男の羽帚が双臀の狭間に触れると、途
端に「アアッ」とうろたえたような声を出しました。

「どうした? クリトリスとオマンコは勘弁してやるが、次は駄目
だぞ。いくら淫乱妻の紀美子でも、まさかこんな所を責められてイ
クはずはないからな」
「ハ、ハイ……」

妻の声は恐怖と緊張、そして押し寄せる快感に震えています。私は
思わず画面に引き込まれていました。

「それじゃあ、次の答えをいってみろ」
「ハイ……チンポ大好きの淫乱妻、春日紀美子の上から10番目の
性感帯は、お、お尻の穴ですっ。ああっ……」

いきなり男の責めが開始されました。妻は電流に触れたように激し
く身体を震わせています。

「1分間我慢すれば浣腸は許してやるぞ。どうだ、我慢できるか」
「が、我慢……しますっ」
「そうだろうな。いくら淫乱妻だといっても、まさか、ケツの穴を
責められてイクほどの変態女じゃないだろう」
「ハ、ハイッ……」

妻は必死で絶えていましたが、30秒もたたないうちに降参します。

「あ、ああ……も、もうっ。駄目っ」
「イキたいのか」
「ハイッ、もう、我慢できませんっ」
「お仕置きは浣腸だぞ、いいのか」
「は、ハイっ。か、かまいませんっ」
「よしっ、それなら思い切りイケっ」

散々焦らされていた妻は「イクッ」と叫ぶと、魚が跳ねるような激
しさで全身をガクガクと震わせます。これほどのオルガスムスを感
じる妻を見るのは初めてでした。

その後のビデオは妻と男のセックスシーンが延々と続きました。一
晩中妻と男は愛し合っていたようですが、ビデオには妻の絶頂シー
ンを中心に編集が施されていました。妻はイク度に男からそう言う
ように命じられているのか、「チンポ大好きの淫乱妻、春日紀美子、
3回目、イかせて頂きますっ」などと叫ぶのでした。最後は声が涸
れるほどになった妻は「8回目、イかせて頂きますっ」と叫んで男
に抱かれながら失神するのでした。


妻は一番目の誓いどおり一晩で8回の絶頂に達しましたが、「2004
1204」と名づけられたビデオには妻の浣腸シーンや、アナルセック
スのシーンはどこにもありませんでした。念のために写真のファイ
ルもチェックしましたが、それは妻と男の翌日のスナップがほとん
どでした。前日のような刺激のある写真もほとんどなく、私には妻
と男が旅館の前で仲良く手を組んでいる場面や、土産物屋で楽しそ
うに買い物をしている場面が心に痛かった程度です。

その日と翌日にかけて、私は妻と男の記録、つまり7月15日から
12月24日までのビデオと写真を全てチェックしました。私にと
ってはどれも衝撃的なものでしたが、やはり男と妻が1泊旅行をし
た12月4日のものがもっとも刺激の強いもので、始めにそれを見
た私は不感症気味になったのか、他のものについてはいくぶん冷静
さを持ってみることが出来ました。

いよいよ連休明けの11日となりました。私は会社に電話を入れ、
急病のため休むと伝えました。年明け早々、また三連休の後で急に
休暇を取るというのは勤め人として褒められたことではありません
が、妻と男のことにけりをつけない限り、落ち着いて仕事も出来ま
せん。私はスーツを着ると、いつもの会社とは違う方向、妻のパー
ト先である銀行に向かいました。
投稿者:KYO 投稿日:2006/03/09(Thu) 21:06

妻と男の情交の記録を見続けた私は、到底妻とやり直すことは不可
能だと思っていました。妻とは離婚する。子供たちの親権も渡さな
い。財産分与と養育費は相殺して妻を身一つで放り出し、さらに妻
と男に対して慰謝料を請求するつもりでした。

また、私が営々と気づき上げた家庭が崩壊した訳ですから、男の家
庭も崩壊させるつもりです。男の妻に対しても事態を明らかにする
のです。男の妻から私の妻に対して慰謝料の請求があるかも知れま
せんが、それは離婚を決めた私にはもはや関係のないことです。

私は男と対決するにあたって、不倫や離婚にかかわる法的責任につ
いて十分頭に入れて行きました。本当なら妻を奪った男をぶん殴り、
職場にも男の所業を言い触らして男を破滅させてやりたいところで
すが、そうなると私の方が罪に問われかねません。

私の心は男と妻に対する復讐心で一杯であり、男と妻の関係を終わ
らせ、妻とやり直すなどという発想はまったくありませんでした。

私は妻が冷蔵庫にマグネットで貼っているパートのシフト表から、
妻の所属部署と直通電話を調べていました。銀行の始業時間前をね
らって、携帯から電話をかけます。

「お電話ありがとうございます。A銀行融資業務部です」
「そちらにお世話になっている○○の夫ですが、春日健一さんをお
願いいたします」
「次長の春日ですね、少々お待ちください」

春日は喜美子の勤める部署の次長のようです。銀行での出世の早さ
がどう入ったものなのか良く知りませんので、優秀なのかそうでな
いのか分かりかねます。電話が保留にさせる間、聞き慣れたクラシ
ックのメロディが流れました。私は必死で気持ちを落ち着けます。

「はい、春日です」
「はじめまして、私、○○紀美子の夫です」
「ああ、奥様にはいつもお世話になっております」

春日はわざとらしく陽気な声を出します。私は春日の話振りがビデ
オとは違う関西弁のアクセントがあることに気づきます。

(別人か?)

私の胸に不安がよぎります。ビデオの男がなんらかの理由で春日の
ふりをして、妻がそれに調子を合わせたということも有り得ます。
いずれにしても電話では声質もよく分かりません。私はここはあえ
て慎重に下手に出ることにしました。

「実は家内のことでご相談したいことが有ります。お忙しいところ
申し訳ございませんが、少しお時間をいただけないでしょうか」
「ああ、ああ、もちろん良いですよ。いつがよろしいですか」

春日は声に余裕が有るようです。私の不安が膨らみますが、思い切
って切り出します。

「実は今、銀行のすぐ近くまで来ています」
「えっ?」

一瞬春日の声音が変わったようです。

「向かいのビルの地下に、モナコという喫茶店があるのをご存じで
すか」
「……知ってます」
「そこで待っていますので、ご足労ください」
「今からですか?」

春日の声にためらいが見られます。

「さほどお時間は取らせません。お願いします。それでは」

私はそう言って電話を切ります。

男と春日が別人だった場合、私の行為はやや奇異なものと見られか
ねませんが、仮にそうであったとしても男は妻の職場の人間である
ことはほぼ間違いないと感じています。春日から男についての情報
を得ることは可能でしょう。

私はモナコという喫茶店に入り、店の奥の方に席を取り、珈琲を注
文して春日を待ちます。やがて落ち着かない風情で春日が現れまし
た。黒縁の眼鏡をかけ、額がやや上がった腹の出た中年男、間違い
なくビデオの男でした。

私は春日に向かって手を上げます。春日はきょろきょろしながら私
の方に近づき、深々と頭を下げました。

「どうも、春日です。奥様にはいつもお世話になっております」
「いえ、お世話になっているのはむしろ家内の方でしょう」

私は込み上げる怒りを必死で抑えてそういいます。春日は皮肉を言
われているのを感じたようですが、何も言い返せなくて口をパクパ
クさせています。

「お座りください」

私が声をかけるとようやく春日は席に着きました。春日が何かしゃ
べろうとした途端、ウェイトレスが私に珈琲を持って来ました。

「ご注文は」
「あ、こ、珈琲を」

春日は明らかに平静を失っています。ウェイトレスが去ったところ
で私は春日に切り出しました。
投稿者:KYO 投稿日:2006/03/09(Thu) 21:06

「春日さん、あなたは私の妻をどうするつもりですか?」
「えっ」
「ビデオと写真はすべて見させていただきました」

私の言葉に春日は見る見る青ざめ、いきなりテーブルに手を着いて
頭を下げます。

「す、すんませんっ!」

私は春日の行為にあっけにとられます。珈琲を持って来たウェイト
レスが目を丸くして私達を見ています。

「わ、私と奥さんのやったことは、法律的は不貞、不法行為です。
それについては償わせていただきます」
「償い?」

私は春日の言葉を聞きとがめます。

「償いとはなんですか」
「ですから……十分な慰謝料を……」
「いきなり金の話ですか。さすがに銀行は稼ぎが良いのですね」

私は春日を突き放します。

「償いはむろんしてもらいますが、私は妻をどうするつもりなのか
を聞いているのです」
「どうするとは……」
「あなたは妻と一緒になりたいのですか?」
「とんでもありません」

男は慌ててかぶりを振ります。

「そんなつもりは毛頭ありません。紀美子さんは○○さんの妻です」
「すると、あなたは妻を遊びで抱いたのですか?」

私の声が少し大きくなったようで、周りの客数人が怪訝そうな表情
をこちらに向けます。

「どんなつもりであったにせよ。責任は取ってもらいます。私はも
う妻とは離婚するつもりです」
「離婚……」

春日は目を丸くします。

「それはいけません。離婚はいけません」
「なぜですか? あんなことをした妻とはもう一緒にはやっていけ
ない。妻もビデオの中であなたの妻としてやっていきたいと言って
いたではないですか」
「あれは違うんです」
「どこが違うんだ」

さすがに私は怒りをこらえ切れず、言葉が荒くなります。

「それにあんたが始めに言った、法律的には不貞とはどういう意味
だ。法律的には不法だが心情的には正しい、純粋な愛だとでもいい
たいのか」
「○○さん、勘弁してください。この店は銀行の人間も出入りしま
す」

店中の視線が私達に集まっています。私はさすがに少し興奮が冷め、
席に座り直します。

「今日、昼休みにかけて外出の時間をとって、○○さんのお宅にお
邪魔します。その時にきちんとお話させてください」
「わかった……」

私もここでこれ以上の話は無理と見て承諾しました。とにかく少な
くとも春日がはっきりと妻との不貞行為を認めたのですし、銀行員
という社会的立場上逃げ隠れはしないでしょう。私はいったん鉾を
収め、家に帰って春日を待つことにしました。

春日に対する先制攻撃はなんとか成し遂げたのですが、もう一人か
たをつけなければならない相手がいます。そう、妻の紀美子です。

家に帰った私は、留守電が入っていることに気づきました。確認す
ると妻からです。お話したいことがあるのですぐに携帯に連絡して
ほしいとのことでした。時間を確認すると、ちょうど私が春日と別
れた10分ほど後です。

私と話をしたければ携帯に電話をすればすむことです。妻は私が家
にいないことを知りながらあえて家の電話にかけて来たということ
は、私とすぐに話すのを避けたかったからでしょうか。

私は妻の希望をわざと無視して、実家の電話にかけます。病に倒れ
ている義父やその看病で疲れている義母を巻き込みたくはなかった
のですが、妻にも私が味わった嫌な気持ちの何分の一でも体験させ
なければ気が済みません。何度かのコールの後、受話器を取ったの
は妻でした。

「はい、△△(妻の実家の姓)です」
「俺だ」
「あなた……」

電話の向こうで妻が息を呑む様子が見えるようです。

「すみません、こちらからすぐにかけ直します」
「この電話では話せないことか」
「すみません……近くに父と母が……お願いです」

妻は受話器に口を近づけ、小声で哀願するように話します。
投稿者:KYO 投稿日:2006/03/09(Thu) 21:09

「お義父さんやお義母さんにも聞いてもらったらどうだ」
「それは……」

妻が切羽詰まったような声を出します。私も本音では夫婦間のゴタ
ゴタに病に倒れている義父まで巻き込みたくはありません。41歳
にもなる娘の育て方についていまさらその親に苦情を言ってもしょ
うがないことも分かっています。

「わかった。今家には俺しかいない」
「すみません、すぐにかけます」

私が受話器を置いてから3分程しかしないうちに、電話がなりまし
た。

「紀美子です……」

私は妻の声を不思議なほど遠くに感じました。それは遠い実家から
かけているということだけでなく、気持ちの上の距離感だったと思
います。

「話したいことって、なんだ」
「あの……」

妻は口ごもります。

「春日さんと話されたんでしょう」
「奴から連絡があったのか」
「はい……」
「いつも連絡を取り合っているんだな」
「違います」
「まあいい、おまえの話を聞こう」

私は妻を促します。

「ビデオと写真をご覧になったんですね」
「それは俺が春日に言ったことだ。夫以上に信頼している人間の言
葉をわざわざ俺に確認しなくても良いだろう」
「それは違います。私があなた以上に信頼している人はいません」

私は本当は「信頼している」というより「愛している」と言いたか
ったのですが抑えました。そう言って妻に否定されないことを無意
識のうちに恐れていたのかも知れません。

「まあいい、それよりもさっきから質問ばかりだな。紀美子が話が
あるというからかけたんだ。その話を聞こうじゃないか」
「それは……やっぱり電話で話しにくいです」
「それなら俺から話すことはないから、これで終わりだ。離婚届を
送って置くから署名捺印して返せ。後は弁護士を通す。おまえはも
うここに帰ってくる必要はない。お義父さんの看病も必要だし、ち
ょうど良い。ずっと実家にいろ」
「そんな……離婚なんて言わないでください。あなたが考えている
ような関係ではないんです」
「俺は何も自分の考えを付け加えていない。お前たちの嫌らしいビ
デオと写真から判断しただけだ」
「待ってください、私の話を聞いてください。水曜日には家に帰り
ます」
「水曜日……今日中に離婚届を速達で送るから水曜日にはそちらに
着く。お前はそこで待って受け取れば良い」

私は一気にそこまで話すと電話を切りました。その後何度も電話が
鳴りましたが、私は出ませんでした。そうこうしている間に玄関の
チャイムが鳴りました。ドアを開けたらそこには緊張した面持ちの
春日が立っていました。

「ご主人、申し訳ありません!」

春日は玄関に入るや否やそう叫ぶように言って、その場に土下座し
ました。私はしばらくあっけにとられて春日の様子を眺めていまし
た。

「入れ」
「はい」

私は春日を応接間に通しましたが、春日はソファには座らず、床の
上に直接正座しています。私はそれを見てふと、春日は以前にもこ
のような修羅場を経験しているのではないかと感じました。

「あんたとももちろんだが、あんたの奥さんと話がしたい。出来れ
ばこの場に呼べ。あんたの奥さんも被害者だからな」
「……ご主人、私には妻はいません」
「何?」

春日は私より少し年上の40台半ばといったところのようです。今
時その年で独身の男は珍しくありませんが、銀行という保守的な業
種で管理職の地位にある人間が独身だというのはやや意外な感じが
しました。

しかしこれで春日の家庭も壊してやろうという私の願望は潰えたこ
とになります。私は苛々してきました。

「独身か。ならちょうど良いじゃないか。俺は妻と別れるつもりだ
から一緒になれるぞ。ただし、2人ともそれなりの代償を払っても
らうつもりだがな」

私はそう言いながらも、妻からはともかく、春日に慰謝料以外にど
のような代償を払わせるのか考えていました。社内不倫ということ
で銀行の人事部から処罰させることが出来るでしょうか。

「ご主人、私は奥さんと一緒になる気はまったくありません。別れ
るなんておっしゃらないでください」
投稿者:KYO 投稿日:2006/03/09(Thu) 21:10

春日は額を床に擦り付けるようにして哀願します。

「なぜだ? 2人とも愛し合っているんじゃないのか」
「愛し合っていません」
「なんだと?」

「愛し合っているのか」と聞いてあっさり「はい」と答えられるの
も腹が立ちますが、「愛し合っていません」と即答されて私は一層
怒りが増しました。

「どういうことだ? 愛し合っていないとは何だ? お前たちは遊
びで一つの家庭を壊したのか」
「ですから……壊してほしくないんです。慰謝料はお支払いします。
よければ奥さんに請求する分も私が払います」
「さすがに銀行の次長ともなれば金持ちだな。離婚するのだから妻
とお前にそれぞれ500万円ずつ請求するつもりだが、払えるのか」
「それは……2人で100万円くらいなら」
「話にならん。払えないのなら偉そうなことを言うな」
「いえ……離婚されないのならそのあたりが相場かと……わかりま
した。2人で200万円でどうでしょう?」
「バナナのたたき売りじゃないんだ」

私は怒鳴り声を上げました。

「それと、離婚するかしないかは俺達夫婦の問題だ。お前が口出し
をするな」
「ごもっともです」
「それからさっきからのお前の関西弁も気に入らない。ふざけてい
るのか」
「ふざけていません。私はもともと関西出身で、これが普通です。
銀行でも関西弁で通しています」
「ビデオの中ではそうじゃなかったぞ」
「あれは……奥さんが標準語で話してくれと……」

妻がどうしてそんな希望を出すのでしょう。私は首をひねりました
が、今はそれどころではありません。

「とにかくお前はどうして責任を取らない。俺が妻と別れたら妻と
一緒になるのが責任だろう」

私は本当は妻と離婚してからも、妻が春日と一緒にはなって欲しく
ないのですが、自虐的になってわざとそういう聞き方をします。

「私は誰とも結婚しません。奥さんでなくても同じです。結婚した
ら必ず相手を不幸にします」
「何?」

私は春日の奇妙な言葉に混乱します。

「どういうことだ」
「私も結婚の経験はあるのですが、職場の女性に何度も手を出した
ことで、愛想を尽かした妻に出て行かれました。融資業務部という
のは問題融資の期日管理や利払いの処理をしている部署で、銀行の
中では裏方、日のあたる場所ではありません。私がこの年でそんな
部署の次長に留まっているのは女で何度も失敗したのが原因です」
「……」
「やめよう、やめようと思うのですが、女ぐせの悪さは生まれつき
のようで、やめられないのです。もう、病気のようなものです。だ
から結婚は諦めてますし、一人の女性を好きにならないようにして
います」
「お前の身の上話を聞きたいんじゃない。とにかくこれから妻をど
うする積もりだ」
「どうすることもありません。してしまったことを否定はしません
し、出来る限りの償いはします。それと、ご夫婦の問題であること
は重々分かっていますが、奥さんとよく話をしてください。お願い
します」

確かに春日はすべて非を認めているため、夫婦の問題を片付けない
ままこれ以上彼と話をしても仕様がありません。仕事を途中で抜け
てきたこともあって、春日にはいったん帰ってもらうことにしまし
た。

一人になった私は、何か当てが外れたような気持ちになっていまし
た。妻と男に手酷く復讐してやると思っていたのが、春日の態度を
見ているとまるで私が独り相撲を取っているような気がしてきたの
です。

私は応接間のソファに深々と腰を下ろし、ぼんやりとしていました。
このマンションにも暮らし始めて10年以上になります。購入した
当時の、まだ幼い子供を抱いて真新しい部屋を順に巡った時の妻の
うれしそうな顔を思い出します。

子供たちの入学式、入園式、お宮参り、始めてわが子を抱いた時の
うれしさ。お産を終えた妻の安堵した表情。家族の歴史が時間を逆
流するように私の脳裏に浮かんできました。

うっかり私はソファで寝込んでいたようです。外はもう夕方で薄暗
くなっています。完全に目が醒め切れない私は珈琲をいれることに
しました。

珈琲がポットの中に溜っていくのをぼんやり見ていたら、玄関のチ
ャイムが鳴りました。子供達が学校から帰ってくるには随分早いな
と思いながら玄関に向かうと、そこに荷物を持った妻が立っていま
した。例のお気に入りのグリーンのコートを着ています。

「明日まで帰らないのじゃなかったのか」
「両親に断って、あれからすぐに家を出ました。早くあなたにお話
ししたくて。上がっても良いですか?」

私がうなずくと妻はブーツを脱いで上がって来ました。キッチンに
入った妻は、珈琲が出来上がっているのに気づきました。
投稿者:KYO 投稿日:2006/03/09(Thu) 21:12

「珈琲、私もいただいても良いですか?」

またうっかり2人分つくってしまったようです。こんなところで意
地悪をするのも大人気ないと思った私は「ああ」と返事をします。

ソーサーとカップを出して、2人分の珈琲を用意した妻はいきなり
キッチンの床に土下座します。

「あなた、ごめんなさい。許してください」

私はいきなりの妻の振る舞いに驚きましたが、気を取り直して意地
悪く聞きます。

「会ったらすぐに土下座をしろと男から教えてもらったのか」
「違います。本当にごめんなさい」
「そんなことはやめろ。ポーズだけの詫びは見たくない」

私は冷たく言い放ちます。

「お前はもう身も心も春日に捧げているんだろう。奴も独身だから
ちょうど良い。別れてやるから一緒になれ。一生変態プレイで楽し
ませてくれるぞ」
「春日さんと一緒にはなりません」
「なぜだ? 旅行では春日の妻として振る舞ったんだろう。春日紀
美子と宿帳にもサインしたんだよな。ごていねいに記念写真まで撮
りやがって」

私は自分が放つ言葉にどんどん激高していきます。妻は土下座した
まま私の罵声にじっと耐えています。

「お前みたいな淫乱な女を妻にしたのが間違いだった。すぐにこの
家から出て行け。子供にもこのまま会わさん」
「あなた……」

じっと黙っていた妻が顔を上げ、口を開きました。

「あなたに一つだけ質問させてください」
「なんだ?」

妻の思い詰めたような表情に、私は思わず気圧されます。

「あなたは、結婚してから、私以外の女を抱いたことはありません
か?」
「えっ?」

私は予想もしていなかった質問に意表をつかれました。

「答えてください。私一人だけを守ってくれましたか?」
「それは……」

確かに一時、風俗にのめり込んで月に2度も3度も通ったことがあ
ります。私は返事に詰まりました。

「風俗だから良いという考えですか? 春日さんは私にとっては風
俗のようなものです」
「それとこれとは全然違う」
「どこが違うのです? 男の方はお金を払えば欲望を処理出来る場
所があります。女にはそんな場所はありません」
「紀美子の場合は一人の相手、それも会社の上司だろう」
「あなたにも馴染みの女の人はいたでしょう」
「……」

私はぐっと押し黙ります。

「春日を愛しているんじゃないのか」
「愛していません。愛しているのはあなただけです」
「それじゃあどうして春日に抱かれた? 俺が風俗に通ったから、
その仕返しだとでも言うのか」
「そうではありません」

妻はうつむいて涙を流し始めました。

「私は……寂しかった」

妻の涙がポタポタとテーブルの上に落ちます。私は何を言ったら良
いか、言葉を失いました。

「寂しかったから春日に抱かれたのか」
「違います……あなたに、抱かれたかった」

風俗にのめり込んでいる間、それまでも疎遠気味だった妻とのセッ
クスはますます少なくなりました。セックスレスといっても良い状
態です。

しかし私はずっと妻はセックスに対して淡泊であり、それでも不満
はないのだと思っていました。

「あなたが私の醜い姿を見たから、もう私とは一緒にはいられない
という気持ちも分かります。今日はこのまま実家に戻ります」

妻は顔を上げると少し冷めた珈琲をすすりました。

「珈琲、ご馳走様でした。もう、この珈琲も最後になるのですね」

妻はそう言うと立ち上がり、玄関に向かうとそこにおいてあった荷
物を持ち、深々とお辞儀をしました。

「長い間お世話になりました」

そのまま妻は家を出て、私一人が残されました。私は妻に何も声を
かけることができませんでした。
投稿者:KYO 投稿日:2006/03/09(Thu) 21:37

しばらく私は放心状態のようになっていましたが、突然携帯電話が
なりました。発信者は春日です。別れ際に今後の連絡のために番号
を教え合ったのを思い出しました。

「春日です。奥さんと話は出来ましたか」
「あんたに心配してもらうことじゃない」
「すみません。ついさっき、泣きながら電話をかけて来はったので、
気になって……」
「いまだに連絡を取り合っているのか、やはりあんたと妻は深くつ
ながっているようだな」

春日は私の皮肉にもめげず、話し続けます。

「ご主人、ビデオと写真をご覧になったとおっしゃってましたが、
メールも見られたんですか?」
「いや……」

メールはパスワードが解除出来なかったので見ていません。

「この際メールも見てください」
「お前たちの不倫のやりとりなんか見たくない」
「そうじゃないんです。いや、全然そうじゃない訳じゃなくて、い
つ会うかの約束なんかも当然ありますが、ほとんどそうじゃないん
です」

どういうことでしょう。春日が何を言いたいのかさっぱり分かりま
せんでした。

「いいですか、パスワードを言います。『xxxxlove』です。わかり
ましたか? 『xxxxlove』です」

春日はそう言うと電話を切りました。

xxxxというのは私の名前です。どうしてそんな言葉をパスワードに
しているのでしょう。私は自分の部屋に向かい、PCの前に座ると
バックアップしたメールソフトを起動させました。

パスワードを要求されたため、春日に言われた通りxxxxloveと入力
しました。ロックは解除され、メーラーが立ち上がりました。

私は送信フォルダを開きました。最初の妻から春日へあてたメール
は去年の2月のものです。メールの内容は私にとって驚くべきもの
でした。

妻は春日に対して、私が風俗にのめり込むようになったのが、自分
が私の欲求に応えることが出来ない、性的に魅力のない女であるこ
とが原因であることを嘆いていました。特に処女喪失時の痛みが精
神的外傷となって、どうしてもいわゆるオルガスムスを感じること
が出来ないことが、妻としてはともかく、女として面白みがない存
在になっていると訴えていました。

春日は妻のメールに対して、確かにそうかもしれないがそれは十分
治療することが出来る。自分は実際に不感症に悩む人妻の治療をし
たこともある。今はその人妻は旦那と幸せな性生活を送っているな
どと返信していました。

このように書くといかにも妻の悩みに付け込んで、春日がたらし込
もうとしているようで、実際それに続くメールを読んでいてもそう
言ったところはあるのですが、妻からのメールは私との夫婦生活の
悩みで満たされており、このままセックスがなくなって行くと、私
の妻に対する愛も消えて行くのではないかという不安で一杯のよう
でした。

春日からの返信も妻に引き込まれるように真剣になっていきます。
春日の結論は、このまま放っておいても良くなることはない。妻と
私は本当の夫婦のセックスの良さに気づくことはないというもので
した。

妻と春日が始めて関係を持ったのは4月始めです。関係を持ったそ
の日、妻は延々と夫を裏切ったことについての悔恨を綴っています。
春日がそれにやや閉口しながらも妻を必死でなだめる様子が伝わっ
て来ます。

妻が始めて絶頂を感じたのは6月です。妻はその喜びもメールで伝
えていますが、その大半は、これで私に満足してもらえる女になれ
たというものです。

春日はそれに対して、まだ安心しないほうが良い。男とはもっと複
雑なものだとたしなめています。男の予想通り、妻が私と久しぶり
にセックスをした昨年の7月、春日との行為で感じたエクスタシー
を感じることが出来なかったとがっかりした妻のメールがあります。

その後、妻がパニックになったようなメールが続きます。6月の春
日との行為でケジラミを移されたことが分かったのです。春日は妻
との関係の傍ら、風俗にも通っていたようで、自分の不覚を平謝り
に謝っています。ケジラミを私に移したかもしれないと恐慌に陥っ
ている妻を、きっと風俗から移されたと考えるだろうと春日は必死
に宥めています。さらに「ケジラミの治療」ということで悪乗りし
た7月15日の行為(春日の誕生日で妻が始めて剃毛され、さらに
アヌスを責められた日です)のことを詫びるメールが続きます。

妻が弾けたような喜びのメールを春日に送ったのは、私との行為で
始めてエクスタシーを感じた10月のことです。私の身体の上で女
の悦びを極め、ともに絶頂を感じたこと、結婚以来始めて本当の夫
婦だと感じた幸福を春日に伝え、これもすべて春日のおかげだと感
謝しています。春日はやや苦笑しながらも妻を祝福し、自分から卒
業する日も近いことを告げています。

妻の春日へのメールには、春日への愛を表すものは何一つありませ
んでした。そこにあるものは私に対する片思いに似た激しい愛情。
私と身も心も一つになりたい、そのためなら何でもするという熱情
だけでした。
投稿者:KYO 投稿日:2006/03/11(Sat) 11:50

12月4日から5日にかけての旅行はいわば妻の「卒業試験」だっ
たようです。春日に開発され女として完全に自信を持った妻は、そ
のお礼としてさらに12月24日に、全身にリボンをかけた自分を
春日に捧げます。

それで2人の関係は終わったようで、その後のメールのやり取りは
一切ありません。

メールを全部読んだ私は、複雑な気持ちになって考え込んでいまし
た。

メールを見る限り、妻は春日に対する愛情はないようです。私につ
いての惚気のような表現はありますが、春日への愛情表現はありま
せん。春日も妻に対してはメールの上では生徒に対する先生のよう
でした。

私は、妻の自分に対する愛が失われていない、少なくとも私よりも
春日を愛した訳ではないということを知って安堵していることに気
づきました。そう、私はまだ本音では妻を失いたくはなかったので
す。

ですが、どうしても納得出来ないことがあります。それは妻と春日
のメールでのやり取りと、実際にビデオや写真で撮られた2人の姿
のギャップです。ビデオや写真での2人の姿は、私には愛し合って
いるように見えました。メールでのやり取りがいかにそうではない
と言っていても、簡単には信じられません。

私は翌日、会社には医者に立ち寄ると連絡して春日に会うことにし
ました。

今回は会社の近くの喫茶店は避け、駅の近くの公園に春日を呼び出
しました。朝の公園は人も少なく、周囲に話を聞かれる心配があり
ません。

春日はほぼ時間どおりに、中年太りの身体を揺すりながらやって来
ました。

「どうも、わざわざ近くまで来ていただいて申し訳ありません。本
来なら私の方が出向かなければならないところですのに」

春日は深々と頭を下げます。あくまで低姿勢です。

「いえ、会社に行く途中ですから」

私はうなずき、本題に入ります。

「メールは全部読ませていただきました」
「そうですか」
「確かにあそこからは、妻はあなたに対する気持ちはないようだし、
あなたも同様だと読める」
「はい」
「春日さん」

私は春日の目を真正面から見据えました。

「あなたは、本当に妻を愛していなかったのですか?」
「えっ」

春日の目にわずかな動揺が走りました。

「ですから……それは」
「本当のことを言ってください」
「……」

私の追求に春日はうつむきました。

「……愛していました」

春日は小さな声で答えました。

「私は結婚に失敗して以来、色んな女をとっかえひっかえして遊ん
で来たのは本当です。出来るだけきれいに遊んで来たつもりですし、
人妻に手を出して修羅場になったこともありますが、きちんと慰謝
料を払ってなんとかおさめて来ました。前にも話しましたがこれは
私の性癖のようなもので、治らないと思っていました」
「旦那との性生活に悩んでいる何人かの人妻の相談にのって、実地
指導付きのセックスカウンセリングまがいのことをやったのも事実
です。私としては人助けをしているような気分になっていました。
そんな人妻の中に奥さんの友人がいて、始めはその人経由で奥さん
の相談を受けました」

小夜子さんのことだろうか、と私はふと考えました。

「だから奥さんとの関係も、最初はそれまでの人妻たちと全く変わ
ることはなかったです。ただ、何度かメールをやり取りしているう
ちに、奥さんが他の人妻と全然違うことが分かりました」
「他の人妻は旦那とのセックスの問題を解決すると言いながら、実
際は私とのセックスについても興味津々でした。旦那も遊んでいる
のだから、私もこの機会に楽しんで見たいという気持ちが見え見え
でした。ですが、奥さんについては全くそういうことがなく、私か
らそういった話題を振ってものってくることはありませんでした」

確かにメールでの妻の対応はそうでした。

「しかし、妻は私も風俗で遊んでいるのだからお互い様だといって
いたぞ」
「それは私が言っていたことをそのまま言っているだけで、本心で
はないと思います。奥さんはご主人が風俗にはまることそのものが
自分のせいだといって、深く悩んでいました」
投稿者:KYO 投稿日:2006/03/11(Sat) 11:50

私は昨日、妻がテーブルにこぼした涙のことを思い出していました。

「私は次第に、奥さんを自分のものにしたいという欲求にとらわれ
始めました。それでエクスタシーを得るために必要なプロセスだと
説得して奥さんに私の名を呼ばせて、愛していると言わせているう
ちに、奥さんも本当は私を愛してくれているのではないかと錯覚し
始めました。しかしそれとは逆に、奥さんがご主人との行為でエク
スタシーを感じるようになってからは、奥さんは私との行為の中で
も、時々感極まってご主人の名前を呼ぶようになりました」
「そんなことは……ビデオには……」
「後で見るとつらくなるので編集して全部カットしています。その
場面をお見せしても良いですよ」

春日は寂しそうに言いました。

「どんどん奥さんの気持ちが離れて行く――いえ、始めから私のと
ころにはなかったかもしれないのですが――そう思った私は卒業旅
行だと言って奥さんを温泉に連れ出すことにしました。少々のこと
でご主人に対する気持ちが揺れないかテストすると適当な理由を付
け、2日間春日紀美子としてふるまえという私の言葉を奥さんは疑
いもしませんでした。私にはなんとかこの2日で、奥さんに最高の
快楽を経験させることによって、奥さんを自分のものに出来ないか
と考えていました」
「近くの公園で露出させたのは?」
「最初にそこまで経験させることでショックを与えようとしたので
す。奥さんはもちろん抵抗しましたが、なんとか説得しました。も
ちろん周囲に人がいないことを十分確認して撮影しましたが、あれ
は悪乗りだったと思います。申し訳ありません」

春日は頭を下げました。

「旅行の初日とその夜で、私はありとあらゆるテクニックを駆使し
て、奥さんを自分のものにしようと思いました。しかしついにそれ
は果たせませんでした」
「そんなことはないだろう。妻は春日紀美子として振る舞い、春日
紀美子として……」

何度もイッていたぞ、という言葉を私は呑み込みました。

「あれは編集です」
「何?」
「旅館での夜、奥さんがその……イク場面を集めたもの、あれは編
集なんです」
「編集なのは分かっている。実際は一晩かかったのだろうからな」
「違うんです。いや、それも編集ですが、奥さんがイク時に叫んで
いる声、それが編集、いや合成なんです」
「どういうことだ」

私は春日が言っていることの意味が分かりませんでした。

「最初の1、2回は別にして、奥さんは訳が分からなくなってくる
とイク時にご主人の名前を呼ばれました」
「えっ」
「私はそれが口惜しくて、後で本当の声の上に、私の妻である春日
紀美子としてイク、と叫ぶ声を重ねました」
「本当か」
「ちょっと見たり聞いたりするだけでは分かりません。私はビデオ
の編集にかけてはプロ並ですからね。でも、専門家が見ればたちど
ころに合成や編集だとわかります」
「……」
「他にもビデオにはいろいろな箇所に編集が施されています。要す
るにあれは奥さんの本当の姿ではなく、私の願望が混じったもので
す」
「私は若いころからずっと色々な女性遍歴を重ねて来ました。結婚
に付いてはあきらめていたつもりでした。でも、この年になってこ
れからもこんな生活を続けるのか、年老いて一人になったらどうす
るのかと思うと急に焦りと、恐怖のようなものを感じるようになり
ました」
「紀美子さんに出会い、理想の妻というのはまさにこんな人かと思
いました。セックスについては奥手でしたが、開発して行くうちに
素晴らしい肉体をもっていることも分かりました。まさに名器とい
って良いと思います」
「ご主人のご指摘どおりです。私は奥さんを愛していました。自分
のものにしたいと思いました。でも、それが無理だと分かった以上、
未練がましく追いかけるつもりはありません」
「教えて欲しいことがある」
「なんでしょう?」
「あんた、女の前では関西弁を隠すのか?」
「そんなことはありません。これが地ですし、女を口説く時はむし
ろ関西弁の方が便利です」
「なら、どうして妻の前では関西弁を抑えていた?」
「それは簡単です。ご主人が標準語でしゃべるからです。奥さんか
らの希望でした」
「あと一つ聞いても良いか」
「はい」
「妻の……その、お尻の処女を奪ったのか」
「奪っていません」

春日は即答しました。

「しかし……妻はビデオで、あんたに捧げると」
「あれは言葉だけのことです。奥さんはご主人に許していない箇所
を、私に許すことはありませんでした」

独りの女を守り、多くの女を知らないまま年老いることに焦りを感
じた私、多くの女を知り、独りの女を得ないまま年老いることに焦
りを感じた春日。私達は似た者同士なのかも知れません。

春日と別れた私は会社に向かいました。一日休んだだけで仕事はか
なり溜まっており、木曜、金曜と私は業務に忙殺されました。金曜
の夜、仕事を終えた私は新幹線に乗り、妻の実家に向かいました。
投稿者:KYO 投稿日:2006/03/11(Sat) 11:51

私は妻の実家の門の前に立ち、チャイムを鳴らします。扉を開けて
顔を出した妻は驚きに目を見開きます。

「あなた……」
「お義父さんのお見舞いに来た」

妻の後から顔を出した義母も私の顔を見て驚きます。

「家内がお世話になっています。お義父さんのお加減はいかがです
か」
「おかげさまでここ2日ほどは調子が良くて、、XXXXさんには不自
由をかけてすみません。私もだいぶ良くなったので、紀美子には早
く帰るように言っているのですが」

義母の言葉に妻はうつむきます。

「まあ、上がってください。あの人も喜びます」

私は家に上がると、病床に横たわる義父を見舞いました。義父はし
ばらく見ない間に一回り小さくなったような印象がありますが、思
ったよりも顔色は良いようです。私は義父と義母と少し話し、病人
が疲れないうちに妻の部屋に行きました。

しばらくすると妻がお茶をいれて上がって来ました。

「……有り難うございます。父も母も喜んでいました」
「いや……思ったよりも元気そうで良かった」

その先は会話が続かず、妻はじっとうつむいています。

私は妻にプロポーズした日のことを思い出していました。始めに申
し上げた通り、見合いして一カ月目のことです。その日にプロポー
ズするつもりだった私ですがなかなか言い出せず、川べりの同じ道
を何度も行きつ戻りつしたことを覚えています。その日の妻も私の
次の言葉を待つように、ずっとうつむいていました。

「メールを読んだ」

妻は弾かれたように顔を上げました。

「その後もう一度春日と話した」

妻の表情が緊張を見せます。

「春日にも聞いたことだが、紀美子にももう一度確認したい。どう
して春日と関係をもった? 俺との夫婦生活の悩みを解決するため
とメールにあったが、本当にそれだけか? 春日に対して本当に愛
情はなかったのか? 愛とはいえないまでも、情のようなものはな
かったのか」

妻はしばらく唇を噛んで黙っていましたが、やがて口を開きました。

「あなたとの夫婦生活に悩んでいたのは本当です。特に、あなたが
風俗に行くようになるとその悩みは大きくなりました。あなたは私
が気が付いていないと思っていたようですが、色々なことからすぐ
にわかりました」
「どんなことで?」
「お店に行く日のパターンが決まっています。第2、第4水曜日と
か……。それと帰ってきた時の汗の臭い。女の子の名刺がワイシャ
ツのポケットに入ったままのこともありました」

うまく隠していたつもりですが、妻にとっては普段と違う私の行為
を見破るのは容易だったのでしょう。

「私がセックスについて淡泊とあなたは思っていたようですが、人
並み、いえ多分それ以上の興味がありました。特に子供を生んでし
ばらくしてから……。あなたに対してそれを言い出せなかったのは
恥ずかしかったこともありますし、やはり、最初の体験の痛みへの
恐怖があったのだと思います」
「小夜子から春日さんとの体験について聞いたのは一昨年の暮れご
ろです。小夜子も私と同じように、それまで本当のエクスタシーを
知らなかったのですが、春日さんとの関係でそれを感じるようにな
り、夫婦生活もうまく行くようになったといいました」
「夫婦生活が改善するというのも魅力でしたが、私は小夜子が語る
本当のエクスタシーという言葉に引かれました。女として生まれて
40年にもなるのに、このまま本当のエクスタシーを感じないまま
年老いるということが、とても寂しく感じました」
「俺と一緒にそれを追求しようとは思わなかったのか?」
「そうすべきだったのかも知れません。でも私は、自分の身体のど
こをどうすれば感じるのかすら分からなかった。それに、私がそん
な欲求を持っているということをあなたに告げるのが恥ずかしかっ
た。軽率でした。申し訳ありません」

妻は深々と頭を下げます。

「どうしてビデオや写真をPCに入れていたんだ?」
「あなたに見られるとは思っていませんでした」
「あんな簡単なパスワードなのにか? 手帳にシールまで貼ってい
たぞ」
「あなたの脇の甘さを笑えませんね……」

妻は苦笑しました。

「パソコンの設定はパスワードを含めてみんな春日さんにやっても
らいました。ファイルのコピーもです。春日さんは自分だけがビデ
オや写真を持っていると私が不安だろうという理由で私のパソコン
にファイルをコピーしました」
投稿者:KYO 投稿日:2006/03/11(Sat) 11:52

「あの時の顔や身体、恥ずかしい格好を撮られて春日さんに見せら
れるのが始めは嫌でした。そのうちに、後で自分で一人で見るのが
だんだん楽しくなって来ました。ああ、自分もまだまだこんなに奇
麗なんだ、こんなに男の人を興奮させることができるんだと思うと
嬉しかったんです。時々それを見ながら一人で……」

以前の妻はこんな露骨なことを言う女ではありませんでした。春日
に開発されることで妻は変身してしまったのでしょうか。

変わったと言えば私もそうです。春日もそうでしょう。人生の秋を
迎えて、それまで自分に似合うと思っていたものが急に不釣り合い
に思えてしまう。あわてて脱ぎ捨てて新しい季節の衣装を懸命に探
す。

「私と離婚しますか?」

妻は顔を上げて私をじっと見ます。それまでの私に詫びるような気
弱な表情ではなく、まるで牝として私を挑発しているように思えま
した。

妻は本当に春日に心を奪われなかったのでしょうか。春日が話した
ようにあのビデオは合成や編集が行われたものなのでしょうか。妻
は本当にビデオや写真を私にみられることはないと思っていたので
しょうか。

私は徐々にそんなことがどうでもよくなってきました。ここにいる
ひとりの女を自分のものにしたい、思う存分犯したいという獣のよ
うな衝動が身体の中に湧き起こってきたのです。それは私にとって
極めて新鮮な感覚でした。

私はしばらく考えるふりをして、口を開きました。

「いや、離婚はしない」

妻の顔色がパッと輝きました。

「だが、ケジメはつけてもらう。春日には慰謝料を請求し、二度と
関係しない旨の誓約書を書いてもらう。慰謝料は……50万円くら
いで良いだろう」
「私にも……慰謝料を……」
「紀美子の場合は慰謝料などではすまない」

妻の表情が急に曇ります。

「着ているものを今すぐ全部脱げ。素っ裸になってこれを大声で読
み上げろ」

私は用意していた1枚の紙を妻に手渡します。妻の顔がみるみる赤
くなりました。

「許して……階下の父と母に聞こえてしまいます」
「もうぐっすり休んでいるから大丈夫だ」
「でも……」
「離婚されてもいいのか」

妻は覚悟を決めたように服を脱ぎ、素っ裸になると直立の姿勢をと
り、口を開きます。

「ひ、一つ、チンポ大好きの……」
「声が小さい!」

私は妻の大きなヒップをピシャリと叩きます。意外と大きな音が部
屋に響き、妻はおびえたような顔付きになり、声を張り上げました。

「一つ、チンポ大好きの淫乱妻、○○紀美子は今夜、最低8回はイ
クことを誓います」
「一つ、チンポ大好きの淫乱妻、○○紀美子は今夜、愛する夫であ
るあなたにお尻の処女を捧げることを誓います」
「一つ、チンポ大好きの淫乱妻、○○紀美子は今夜、お口、オマン
コ、お尻の3つの穴を使って、愛する夫であるあなたに3回は気持
ち良くなっていただくことを誓います」
「以上、3つの誓いに違反した場合は、どのようなお仕置きも喜ん
でお受けすることを誓います」

ようやく言い終えた妻はそれだけで気分が高揚したようで、身体を
ふらつかせます。私は妻をしっかりと受け止めて、片手で乳房を乱
暴に愛撫しながらもう一方の手で秘園をまさぐりました。そこは早
くもじっとりと潤っていました。私は指先を濡らした愛液を妻の頬
になすりつけるようにします。

「淫乱女め……」
「ああ……」

妻はうっとりと目を閉じました。私は妻の唇を奪うと、ベッドの上
に押し倒しました。その夜、妻が三つの誓いをきちんと守ったかど
うかは読者の皆様のご想像にお任せします。


(完)

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