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北原夏美 四十路 初裏無修正

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投稿者:異邦人 投稿日:2004/10/23(Sat) 21:36

後ろ髪を惹かれる思いで由香里のアパートを後にしました。
家に着くと、二階の寝室の灯りが点いていました。
私は浴室に直接行き、シャワーを浴びてから二階に上がりました。
子供部屋を覗くと、二人の子供はすやすや寝息を立てながら眠っていす。
子供達の顔を見た時、私の気持ちの中に言い様の無い罪悪感が襲い、心の中で謝罪しながら子供部屋のドアを閉めました。
寝室に入ると、タバコの匂いがしました。
ガラムの匂いです、もう火は消されていましたが、ついさっきまで吸っていたのでしょう、
部屋には独特の匂いが充満していました。
妻の顔を見ると、酒を飲んだようで赤ら顔で目が据わっています。
無言の私に妻が話しかけます。

妻「お帰りなさい、
  遅かったですね。」
私「あぁ。」
妻「お姉ちゃんが、パパはって言うから、仕事と言っておきました。」
私「そうか。」
妻「それと、私達が離婚するのか聞かれました。」
私「何て言った。」
妻「心配ないと言っておきました。」
私「そうか、それでお姉ちゃんは何て言ってた。」
妻「何も言ってませんが、安心したようです。」
私「大分飲んでるのか。」
妻「・・・はい。」

妻は、そう言うと大粒の涙を流しながら俯いていました。

私「何を泣いている。」
妻「・・・私・・・」
私「何だ。」
妻「私、貴方に離婚されたら、
  あの子達に何て言ったらいいか。」
私「それは、あんな事をする前に、考えるべきことだろう。
  今更言う事では無いだろう」
妻「貴方お願いです、離婚だけは許して下さい。
  あの子達の父親でいて下さい。」
私「まだ、離婚するかどうかは決めていない、
  俺だってあの子達は可愛い。」
妻「じゃ、このままでいて下さい。」
私「それは解らない、
  俺達は、前のような夫婦には戻れない。」
妻「私の事は、前のようには思って貰えないのは解ります、
  あの子達の為にこまま・・・」
私「そこまで言うのなら、何であの時思いとどまらなかった。
  自分の肉欲の為に家族を顧みないで、都合の良い事を言うな。」
妻「本当に、御免なさい。
  二度としませんから、お願いします。
  貴方が何をしようと、文句は言いません。
  だから、お願いします。
  このまま、あの子達のパパでいて下さい。」

妻は何か感じ始めていたのでしょう、私がこの家を出て行くことに以上に神経を過敏にしている様子でした。
私は妻の涙を見ながら、由香里の涙との違いを考えていました。
由香里の涙は、高まっていく思い中で私を独占したいと言う想いから来るものだとすれば、
妻の涙は何なのか、子供に対する反省の念、それ以外は妻の保身としか私には思えませんでした。
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投稿者:異邦人 投稿日:2004/10/23(Sat) 01:03

多少妻物語の趣旨とは外れますが、その後を書かせてもらいます。

不倫は基本的には秘め事です。
その事実が白日に曝された今妻の栗本に対する気持ちも急速に冷めて行ったようです。
いや元々妻にしてみれば、火遊び程度だったのかもしれませんから、栗本に対してそれ程の執着心は無かったのかも知れません。
それが私にとっては、逆に妻に対して辛く当たらせる原因になって行きました。
不倫をした妻当人が、ほんの数日で平静を取り戻し始めているのに、裏切られた私が辛い気持ちを引きずりながら生活している。
私にしてみれば、不倫相手にも会えなくなり、旦那にも軽蔑され行き場の無い気持ちに撃ちししがれる妻、
そうあってくれればもっと気持ちが楽だったかもしれません。
妻にしてみれば、早く元の生活に戻りたいと思っていたのかもしれませんが、そんな妻を見ているだけでも嫌悪感を感じ始めていました。

当然のごとく私は、由香里との時間を大事にするように成って行きました。
家へ帰る時間は次第に遅くなり、時には朝方帰ることも有りました。
そんな生活が一月位続いたでしょうか。
久しぶりの日曜日の休みの日のことでした、私が出かけて来ると言うと、流石の妻も重い口を開きました。

私「出かけてくる。」
妻「何処へお出かけですか。」
私「パチンコでもしてくる。」
妻「子供達がパパが休みだからって、
  何か楽しみにしてるみたいで・・・」
私「たまの休みだ俺の好きにしていいだろう。
  それとも何か、俺に子守をさせて、
  また、お楽しみですか。」
妻「そんな言い方しなくても良いじゃないですか。
  最近帰りも遅いし、たまには子供達と・・、そう思っただけです。」

そう言うと、妻は泣きながら二階の寝室に行ってしまいました。
それまでの私は日曜の休みといえば、家業の手伝いか、それが無い日は子供達をつれて何処かへ出かけたり、
それなりにマイホームパパをこなしていた私でした。
最近の私の替わり様には、妻も危機感を持っていたのでしょう。
無論私は、パチンコに行くわけではありません、由香里のところへ行くつもりでした。
それを悟られまいと、妻に嫌味を言ってしまったのです。
そんなことがあったからでしょうか、本当は由香里を連れて日帰りの旅行でもしようと思っていたのですが、
終日アパートを出ることはありませんでした。
それでも由香里は喜んでくれました、二人で一日中一緒に居られるだけでいいと。
夜10時過ぎ、パチンコ屋の閉店に合わせるように私は由香里のアパートを出ることにしました。

私「それじゃ、帰る。」
由香里「このまま、泊まっていけば。」
私「そうしたいけどな。」
由香里「ごめん、冗談・冗談。」

その時、由香里の目には、確かに涙か溢れていました。
この一日が、私と妻と由香里の関係にとって、大きな転機となったのでした。

※こんな内容ですが、続読いただけますでしょうか。
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投稿者:異邦人 投稿日:2004/10/11(Mon) 22:16

気になるとどうしようもなくなる、まだ妻に対する嫉妬や未練があるのは認めますが、体までそれに反応してしまいます。
由香里に申し訳ない気持ちと同時に、自分にも腹が立ってきます。
由香里との行為に集中しようとしても、あらぬ妄想が膨らみペニスは萎えて行くばかりです。
それに気付いた由香里は、体を起こしシャワーを浴びに行くと一言残し浴室へ消えた。
浴室から戻った由香里は、下着とスエットの部屋着をきると台所に向かった。

由香里「紅茶でいいね。」
私「ありがとう。」
由香里「ごめん、先にシャワー浴びる?」
私「あぁ、そうするよ。」
由香里「じゃ、上がったら入れるね。」
私「ごめん。」

ベッドから浴室に向かう途中、由香里と擦れ違うと、由香里が私の行く手を遮り、軽くキスをして「行ってらっしゃい」
とはにかむ様に言う。
体を洗い終え、浴室から居間に向かうと、レモンの輪切りを添えた紅茶が、テーブルの上に並べてありました。

由香里「お帰り、早かったね。」
私「さっきも浴びたから。」
由香里「そっか。」
私「さっきはごめん。」
由香里「そんなこと無いよ、
    気にしないでょ。」
私「本当にごめん。」
由香里「気にしてないから、
    もう言わないで。」

由香里の言葉に頷きながら、紅茶を啜りました。
何だか暖かい気持ちになれました。
その時の私には、ここほど居心地のいい場所は無いような気がしました。

由香里「今日はもう帰ったほうがいいね。」
私「あぁ、そうか。」
由香里「深い意味は無いよ、
    でも昨日の今日だし、
    奥さん気になるでしょ。」

紅茶を飲み終えると、身支度をして玄関に向かいました。
後ろから私のバックを持って、由香里が付いて来ます。
靴を履き立ち上がり由香里の方を振り向くと、バックを私に渡すなり抱きついてきました。

由香里「また、連絡してもいい?」
私「もちろん。」

暫しキスをしながら、なごり惜しみながらも由香里の家をあとにしました。
家に着くと時間は12時を過ぎていました。
寝室に上がると妻がまだ起きていました。
私から視線を離すまいとするように、クローゼットの前に立つ私に話しかけてきます。

妻「お帰りなさい、
  車で帰ってきたんですか?」
私「あぁ。」
妻「飲み会じゃなかったんですか?」
私「俺はほとんど飲んでないから、
  宵を覚ましてから来た。
  それより、こんな遅くまで起きてて良いのか、
  明日も仕事だろ。」
妻「はい、
  そのことで、お話が。」
私「話、なんだよ。」
妻「私、会社辞めたほうがいいと思って。」
私「何でだ。」
妻「あんな事してしまったし、
  貴方が嫌じゃないかと思って。」
私「別に仕事は関係ないだろう。」
妻「はい。」
私「シャワー浴びてくる。」

別にシャワーを浴びたくは無かったのですが、由香里との事が妻に気付かれるような気がして痕跡を隠すためだったと思います。
シャワーから出てくると、妻はまだ起きていました。

私「まだ、起きてたのか。」
妻「私の事嫌いになりましたか?」
私「好きか嫌いか、そんなこと言われても、
  私にその答を聞くのは、
  酷じゃないか。」
妻「そうですね、ごめんなさい。」
私「ただ、今言えることは、
  前のようにお前を見ることが出来ない。
  これからもおそらく。
  お前にはまだ俺の知らない部分が有るような気がする。
  もしそうであっても、これ以上知りたくも無い。」
妻「私と離婚したいと思ってますか?」
私「その事は今考えている。」
妻「私を殴ってください、
  私は貴方を裏切った、
  気の済むように殴ってください。」
私「殴っても昔に戻れる訳じゃないだろ。」

妻は顔を曇らせたまま、何も答えませんでした。
一度開いた溝を埋めることはそう簡単では有りません、妻もそれには気付いていた筈です。

ここからは、少々妻の物語とは意味合いが異なっていきますので投稿すべきかどうか悩んでおります。
少々お時間下さい。
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投稿者:異邦人 投稿日:2004/10/10(Sun) 01:35

居間に立ち尽くした私達に会話はなく、握り合った手を寄り強く握り合いました。
由香里の手から私のバックがカーペットの上に静かにおかれた、私は由香里を後ろから抱くようにそっと右手をふくよかな胸元に回した。
由香里の首筋に顔を近づけると、シャンプーの香りがした。
初めて結ばれる訳ではないのに、まるで初めてのように鼓動は高鳴り次の行動に移れません。
雰囲気を察したのか、振り向きざまに由香里が私の唇に軽くキスをすると、小さなキッチンに向かいお茶の支度をし始めた。

由香里「座ってて、
    お茶、紅茶、それともコーヒー?」
私「何でも。」
由香里「それじゃ、紅茶にするね。」
私「あぁ、何でも良いよ。」
由香里「コーヒーあまりキスじゃないでしょ?」
私「あぁ。」
由香里「この間ホテルでもほとんど呑んでなかったもんね。」

見透かされていました、と言うより由香里はそれほどに私の事を気にしてくれていたのだ思いました。
私は居間の墨においてある少し低めの小さなソファーに座りました。
間もなく由香里が紅茶を入れて持ってきました。
テーブルに紅茶のカップを二つ並べておくと、私の隣にきてソファーの真ん中よりに座っていた私に対して、
お知りで割居るように隣に座りました。

由香里「ソファーちょっと小さいね、
    お茶どうぞ。」
私「ありがとう。」

本当に小さなソファーです、しかも低い位置なので二人で座ると、たち膝か足を伸ばさないと座れません。
由香里はラフなスエットの上下を着ています。
飾らないその服装に少しは気持ちが落ち着いてきましたが、鼓動はなかなか正常を取り戻しません。

由香里「大変だったね。」
私「ん。」
由香里「その話は、今日は止めようか?」

その時私は由香里に話を聞いてもらいたい気持ちと、そんな話をするのは止めて由香里を抱きたい気持ちを天秤に掛けていました。
紅茶を持つ手が少し震えています。

由香里「緊張してる?」
私「少し。
  女の子の部屋なんて滅多に入らないし。」
由香里「そうなんだ。」

由香里が突然テレビをつけた。
野球放送やクイズ番組、チャンネルが定まらないまま、アパートの家賃話や、仕事の事など暫くの間取りと目の無い話が続きました。
いつの間にか、テレビの画面がドラマのラブシーンになっていました。

由香里「なんか、ちょっと恥ずかしいね。」
私「ん・・・」

お互いきっかけを待っていたのてしょう、どちらからとも泣く、また手を握り合いました。
その間画面から目を離すことはありませんでした。
ラブシーンが盛り上がってきたとき、由香里が私に寄りかかってきました。
ここまでくればもう気持ちを抑えることは出来ませんでした。
スエットの上着を捲くりあげていました、さっきは気付かなかったのですが、由香里はブラジャーをしていませんでした。
豊満な乳房に小さな乳首私が口に含むと乳首が見る見るうちに硬い突起と化していきました。

由香里「○○さん、ちょっとまって。
    スーツ駄目になっちゃう、
    隣の部屋に行こう。」

由香里は立ち上がると、隣の部屋へ行きました。
私も立ち上がると由香里の後を追いました。
寝室には女の子が寝るには充分すぎる大きさのローベットがありました。
由香里は振り向くと、私のスーツや下着を夢中で脱がせ始めました。
私がトランクス一枚になると由香里は後ろを向き、自分の服を脱ぎ始めました。
スエットの上を脱いだ瞬間私のは由香里をベットに押し倒していました。
由香里に抵抗はありません、押し倒された状態で由香里は自分からスエットの下と下着を一気に脱ぎ捨て、私のトランクスをも取り去りました。
一糸纏わぬ二人は、唇を奪い合うように吸い合い、長い長いキスを交わしました。
由香里の性器に状態を確認することもせず、私は由香里の奥深く陰茎を差し込んでいました。
由香里もその時を待っていたかのように、私の腰の辺りに両足を絡め、喘ぎ声を上げています。
何故か前回にもまして、私は数分で絶頂に達してしまい、由香里の腹の上に果ててしまいました。

私「ごめん。」
由香里「ん~ん、気持ち良かったよ。
    私、この間もそうだったんだけど、
    ○○さんの気持ちが良いんだ。」

可愛いことを言ってくれます。
妻とするセックスでは、こんなに早く行くことは最近ありませんでした。
由香里とのセックスは、新鮮で必要以上に自分を興奮させ、短時間で果てさせたのでしょう。

私「タバコ吸っても良いかな。」
由香里「灰皿持って来るね、
    タバコはスーツの中?」

立ち上がった由香里は灰皿を手に戻って、スーツのタバコを探し当てると、私に渡しました。
私がタバコを口にくわえると、すばやくライターを出し火をつけてくれます。

由香里「美味しい?」
私「あぁ。」

由香里はタバコを吸う私の顔を微笑みながら、少し潤んだ目で見つめています。

由香里「シャワー浴びる?」
私「これ吸ったら。」
由香里「私先に浴びて良いかな?」
私「いいよ。」

由香里が浴室に入って直ぐにタバコを吸い終えた私は、由香里のシャワーを浴びているところを想像していた。
その時妻のことは、頭のから完全になくなっていました、忘れたいと言う気持ちがそうさせていたのでしょうか。
由香里の若い体を想像すると、私の陰核は見る見る回復していきました。
気がつくと、私は浴室のドアを開けていました。
そこには、想像通りの光景がありました。
私に理性はありませんでした、由香里に抱きつき胸に吸い付き、性器を弄っていました。

由香里「駄目、ここは隣に聞こえるから。」
私「ごめん、我慢できない。」

由香里の手を私のいきり立ったペニスへ導くと、由香里は目を潤ませて、抵抗をやめ私のするこる事を受け入れてくれました。
ディープキスを繰り返し、由香里は私のペニスを口に咥え、長いフェラチオしてくれました。

由香里「ベットへ行こう。」
私「ん。」

浴室を出て、体を軽く拭くと寝室に行く数メートルの距離も、一時をも惜しむように唇を重ねあい、転げるようにベットに着きました、私直ぐにペニスをバギナに押し込みました。
長いちゅう送の後、由香里と共に果てることが出来ました。
またタバコを吸うため由香里から離れ、仰向けのなってタバコをタバコを吸っていると、由香里が愛しいに私のペニスを摩っていました。
その時突然、私の脳裏に妻が栗本と同じ事をしている光景が浮かんできました。


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「おめでとう」
「いや~ おめでとう御座います」
何がおめでとうなのでしょうか・・僕にはさっぱり意味はわかりません。
人間拍手をする時っておめでとうって気持ちになるのでしょうですか。」
私「そうです。」
由香里「ちょっと決まりの悪い分かれ方だったから、
    ちょっと気になって。
    外からまた電話貰えませんか。」
私「また後で電話します。」

仕事が終わったのは7時30分ごろでした。
事務所を出た私は、由香里に電話を入れる前に自宅に電話を入れました、やはり妻のことが気になりました。
自宅に電話を入れると、義母が電話に出ましたが直ぐに妻と変わりました。

妻「麻美です、すみません。」
私「帰ってたのか。
  食事はいらない。」
妻「仕事ですか。」
私「飲み会になりそうだ。」
妻「分かりました、気をつけて。」
私「遅くなるから、俺のことは気にしないで好きにして良いぞ。」
妻「・・・」
私「それじゃな。」

陰湿です、妻に何か嫌味めいた言葉を言わないと気がすまないのです。
妻がどう取ったかは分かりません、<俺のことは気にしないで好きにして良いぞ>といったのは私の妻に対する嫌味の言葉でした。

由香里のところに電話すると、直ぐに由香里が出ました。

私「○○です。」
由香里「無理言ってすみません。」
私「いやそんなことは無いよ。」
由香里「家の方はどうですか。」
私「・・・。」

事の次第を電話で話していると、私の声を遮る様に由香里が言い出しました。

由香里「私の部屋に来ませんか。」
私「お姉さんは・・・」
由香里「○○さん、私一人暮らしだよ。」
私「そうなんだ。」

私と由香里は一度は関係を持った仲です、由香里の誘いを断る気持ちは一切ありませんでした。
むしろ家に帰りたくない気持ちのほうが強く、引き寄せられるように由香里のアパートに向かいました。
仕事柄、土地勘は有る方で、教えてもらったアパートは直ぐに見つかりました。
真新しいそのアパートは、如何にも女性の好みそうな外観で、私には場違いのような気もしました。
由香里の部屋は二階の奥にありました、チャイムを鳴らすと同時にドアが開き私は一瞬戸惑いました。

私「びっくりしたよ。」
由香里「足音聞こえたから、待ってた。
    びっくりしたね、ごめんね。」

少し悪戯ぽい仕草が、私に笑顔を取り戻させた。
その時由香里の言葉に変化を感じましたが、でもその時の私はそれが嬉しく感じられました。
玄関に入り靴を脱ぐと、由香里は私の靴をそろえ、手に持ったバックを取り上げると、私の手を引き六畳ほどの居間に連れて行きました。
私の手を握る由香里の手には力が入っていたように思え、私も力を入れ握り返していました。
私と由香里は電話した時点で、お互いを求め合っていたのでしょう。

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投稿者:異邦人 投稿日:2004/10/08(Fri) 01:05

部屋に帰ると、私達夫婦の間には、出掛ける前よりも一層距離感が増したような気がしました。

私「これで終わったと思うなよ、
  俺達の事はこれから始まるんだからな。」
妻「そんなこと思ってません。
  簡単に許して貰おうとは思ってません。
私「そこからもう違うよ、
  俺がお前を許せるわけが無いだろ。
  もし俺がお前を裏切って浮気してたら、お前は俺を許せるのか。」
妻「私にそんな権利は無いです。」
私「そうじゃない、俺がお前を裏切っていたらとしたらだよ。」
妻「解りません、今の私には。」

今私が、由香里との関係を妻に伝えれば、妻の気持ちは直ぐに解るでしょう。
逆上するか、それとも自分の立場を理解した上で、穏便に済ませるか。
しかし私は、この時点で由香里との事は妻に伝える気は一切なく、この答えを知ることを意識的に先延ばしした。

私「お前に聞いておきたいことがある。」
妻「はい。」
私「栗本のことが好きなのか。」
妻「・・・解りません。」
私「そうやって誤魔化すのは止めろよ。
  さっきも言ったが、お前は好きでもない男とセックスが出来るのか。」
妻「本当に解らないんです。」
私「それじゃ、何であいつに抱かれたんだ、
  言ってみろ、理由があるだろ。
  俺とのセックスに不満があったのか。
  それとも、生活が嫌になったか。」
妻「・・・」
私「本当はあいつのことが好きで、セックスがしたくて
  堪らなかったんだろ。」
妻「・・・違います。」
私「何が違う、どう違うんだ言ってみろ。」
妻「彼と寝たのは弾みだったんです、
  初めからそんなことする気は無かったんです。」
私「それなら聞くが、セックスする前に栗本と会っていたことを何で俺に隠してた。」
妻「それは、貴方が嫌がると思って。」
私「普通の男は、自分の奥さんが他の男と、しょっちゅう二人で逢っていれば嫌がると思うぞ。
  お前は、俺が他の女と二人きりで、しょっちゅう会っていても平気か。」
妻「すみませんでした、ごめんなさい。」
私「お前が俺に黙っていたのは、何れあいつとセックスすることを期待していたからだろ。
  そうでなければ、黙って逢ってた理由が見つからない。」
妻「ごめんなさい、もうしませんから。」
私「麻美ね本当の事を言えよ、
  あいつと寝たいと思って付き合っていたんだろ。」
妻「・・・そうかもしれません。」
私「あいつと寝てからも、俺ともセックスしていたのは何でだ。
  あいつや俺に悪いとは思わなかったのか。
  あいつとの事がばれない様に、しょうがなく俺とも寝てたのか。」
妻「そんな積もりは有りませんでした。
  栗本とは、何れ別れる積もりでした。」
私「ばれなければ、これからも続ける積もりだったのか。
  」
妻「今更言っても、言い訳にしかなら無いけど、
  貴方に申し訳ないという気持ちは、何時も有りました。
  でもずるずると、続けてしまいました。
  こんなことになって初めて自分のした事が大変なことだと気付きました。」
私「そんなことにも気付かないくらい、あいつとのセックスが良かったのか。」
妻「そんな言い方しないで下さい。」
私「でも、ずるずると続けていたのがその証拠だろ。」
妻「そんなにセックスが良かった訳では有りません。
  ただ、こんな事を言うと貴方に嫌われるかも知れない気と、
  最初はね貴方以外の男性に興味があったのかも知れない、
  それがたまたま、栗本だったんだと思います。
  だけど直ぐに止めなければと思い話したんだけど、
  かえって呼び出しが多くなって、最近では貴方が家に居るときまで、電話が来るようになってしまって、
  しょうがなく逢いに行くと、結果そうなってしまいました。」
私「詰まり、結果はどうあれ、お前も承知の上で浮気したのは間違いないということだな。」
妻「本当にごめんなさい。
  貴方のことが嫌いになったわけではないです。
  栗本とのセックスが貴方より良いからじゃないです。
  気の迷いてです、許して下さい。」

何処まで本当か、そんなことはこの時点で私にとっては、さほどの意味は有りませんでした。
妻が他の男と寝ていた、その事実だけは私の心に重く圧し掛かっていた。
私だけの妻であって欲しかった。

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投稿者:異邦人 投稿日:2004/10/07(Thu) 18:17

家庭が崩壊状態だというのに、当事者を除いては生活は坦々と時を刻んでいきます。
夕食も済ませ、子供達も眠りに着き、イライラしながら栗本からの電話を寝室で待ちました。
妻も片付けを終わらせ、寝室の鏡台に俯いて座っています。
私といえば、結論の出ないままベッドに横たわり、タバコをふかしているだけでした。
八時丁度にその電話はなりました。
私はベッドから飛び起きると、電話に出ようとする妻を制止し、受話器をとりました。

私「もしもし、○○です。」
栗本「栗本です、遅くなってすみません。」
私「奥さんと良く話し合ったか。」
栗本「・・・はい。」
私「でどうする。」
栗本「出来ればお会いしてお話を・・・」
私「当然だね、電話で済むむ問題じゃない。」
栗本「出来れば昨日の事務所で・・・」
私「良いよ、お互い家族には心配かけたくないからね。」
栗本「すみません。」
私「直ぐに出るから。」

車で事務所に着くと、既に栗本は着ているらしく事務所には明かりがついていました。
車を降りると、昨日と同じように栗本が入り口で出迎えました。
事務室に入ると小柄な女性が一人、こちらに向かい深々と頭を下げていました。
その人が栗本の奥さんであることは状況からして疑う余地は有りません。
顔を上げたその人は、年齢は私より少し上に思えましたが、顔立ちの整った綺麗な女性でした、しかしその目元は少し腫れ上がり、
昨日か今日かは分かりませんが、夫婦間で我が家同様の修羅場が展開されたことを私に想像させました。
栗本の奥さんに小さな声で着座を促され、ソファーに座ろうとすると、妻が私に何か訴えかけているが分かりました。
昨日は、私に栗本の隣に座るよう言われた妻は、今日は貴方の隣に座らせて欲しいとでも言うような目つきで私の顔を覗き込んでいました。
私が隣に座る様に伝えると、安心した様に妻は腰を下ろしました。
栗本の奥さんがお茶を持ってくる間、会話も無くただ重苦しい時間が数分間流れました。
奥さんが私の向かいに座り、その後から栗本が妻の向かい側に座りました。
最初に話し始めたのは、栗本の奥さんでした。

奥さん「この度は、主人が大変なことを、申し訳ありません。」
私「奥さんに謝って貰おうとは思ってませんから。」
奥さん「でも、主人のしたことで、○○さんにご迷惑を・・・」
私「私の妻も同罪ですから。」
妻「申し訳ありません・・・」
私「専務さん、それでどうしますか。」
栗本「もう奥さんとは会いません。
   本当にすまない事をしたと思っています。
   許してください。
   謝って済むことでない事は十分分かっていますが。
   今はそれ以外に出来ることがありません。」

そう言われた私は、返す言葉がありませんでした。
栗本が、もう少しお互いに非がある有る様な言い方でもすれば、売り言葉に買い言葉で話はエキサイトしたのかも知れませんが、
栗本の顔は、一晩でこんなに変わるのだろうかと思えるほど窶れて見えました。
私が拳を握り、返答に困っていると、奥さんが話し始めました。

奥さん「昨日、この人から今回の件を聞きました、
    ○○さんには、大変申し訳ないと思っています。
    男として、けじめをつけなければならないと思います。
    ○○さんの気持ちが治まるようにするには、どのようにすれば良いでしょうか。」

奥さんの言葉に私は、また言葉を失いました。
奥さんにしてみれば、妻は夫を寝取った女、しかし妻を責めるどころか、夫の後始末を気丈にも行っているのです。
ただ妻の浮気に動揺して、話の場に結論すら持ち合わせていない私に比べて、奥さんの言動は女性の強さを感じさせられるばかりでした。

私「奥さんは、どうしようとお考えですか。」
奥さん「大変失礼とは思いますが、
    慰謝料という形でお話しするしかないと。」
私「すみません、私はお金が欲しくて話し合いに来たのではありません。」
奥さん「ですから、失礼とは思っています。」
私「奥さんを攻めているわけでは有りません。
  ただ、専務さんがどういうけじめをつけるのかが聞きたくて。」
奥さん「この人も反省してます。
    手前どもの家も感じやすい年頃の子供が居ます、
    私もこの人を許すことは出来ませんが、
    子供のことを考えると、直ぐ離婚と言うわけにも行きません。」
    ○○さんにしてみれば、社会的な制裁を望んでおられると思いますが、
    今はそれが出来ません。

奥さんにそこまで言われると、何の反論も出来ませんでした。
もともと妻や夫のある身、喧嘩両成敗は仕方が無いことは分かっていました。
しかし、私は遣り得的な状況だけは嫌だったのですが、奥さんにあそこまで言われれば、男として妻を繋ぎ止めて置けなかったおいめもあり、
引き下がるしかないと思いました。

私「慰謝料はお互い様ですから、請求するつもりは有りません。
  私は、今後こいつと遣っていけるかどうかわかりません。
  私の方からも奥さんに一言お詫びいたします。」

結局、気丈な奥さんに優柔不断な男達が、仕切られた形で話し合いは終わりました。
終始私と奥さんが、会話するのみで当事者の二人は会話に入ることはありませんでした。
改めて栗本の小心さには驚かされました。
帰りの車の中で私は妻に言いました。

私「あの男のどこが良かったんだ。」
妻「・・・ごめんなさい。」
私「俺はあの男以下ということだよな。
  自分が情けないよ。」
妻「そんなこと無いです、ごめんなさい。」
私「だったら何故、あの男と寝た。」

妻から返事が返ってくることは有りませんでした。
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投稿者:異邦人 投稿日:2004/10/04(Mon) 12:00

多少妻に対しての恨みを吐き出し、その場を離れて寝室に戻った私は、今晩のことを考え始めました。
栗本はどう出てくるだろう、どう対処したら良いだろうか。
栗本の出方次第で状況はかなり変わってきます。
色々シュミレーションをして見ますが、どれもこれもいい結果は導き出せません。
嫉妬とプライド、妥協点などある訳がありませんでした。

子供部屋から声が聞こえました、子供達が帰って来たようです、寝室を出た私は子供部屋のドアを開けました。
そこには子供達と妻が居ました、子供達は私の顔を見るなり駆け寄ってきます、両足に絡まりつく幼子達は、あまりにも無防備で頼りない存在です。
その姿は、私の中の母性とでも言うのでしょうか、一挙に気持ちを高めました。
この子達を守らなければならない、そんな気持つの高まりは自然と子供達を抱き寄せる腕に力を増やさせていきます。
長女がまた口火を切ります。

長女「今日は、パパもママもお休みだったの。」
私「そうなんだ、でもねこれから大事なお話があるから、
  お外で遊んでおいで。」

少しいぶかしげにしながらも、弟の手を引いて近くの公園に遊びに行く長女を見送りました。
その光景を見つめていた妻は、今までに無く大きな声で泣き出し、目からは大粒の涙がこぼれ落ちていました。

私「あの子達の事は良く考えないといけないな。」
妻「・・・はい。」
私「お前と、醜い争いはしたくは無いが、
  私もあの子達を手放す気は無い。
  ただ、、子供達を引き離す結果になることもあるかも知れない。」
  法律は、私の方にばかり味方してくれないだろう。
  もし私がこの家を出れば、事の始まりは別にして、
  お前の方が、子供達にとって生活し易い環境に見えるかもしれない。
  母親であり、仕事も持っていて祖父母も同居、ローンは残っているにしても持ち家。
  さらに再婚相手も居るとなれば、独身男の俺よりは格段に有利だ。」
妻「彼と再婚なんてしません。」
私「今はな。」
妻「絶対にありません。」
私「何でそう言い切れる、
  好きになった男、それもセックスまでした男、
  私と別れれば、もう何も障害は無い。
  栗本にしても、奥さんと離婚ということになれば、
  お互い好都合だろう。
  体の愛称もいいようだしな。
  儀父母さんだって、家のローンの心配をしなくていい。」
妻「あの子達の父親はあなただけです、
  許してください。
  彼とはもう会いません。」
私「だから、何を許せというんだ。」
妻「・・・」
私「他の男愛したお前を許せる程、包容力のある男ではない。」
妻「愛してません。」
私「誰をだ、私か。」
妻「いえ、栗本のことです。」
私「愛していない男とセックスが出来るか。」

そういいながら、私の脳裏に由香里との事が浮かびました。
確かに、その時の自分の精神状態から由香里と結ばれたのは事実でしょう。
しかし、私も由香里を愛してセックスしたのか、良く分からない部分が有ります、しかし由香里のことが好きになり始めている自分が居るのも事実でした。
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投稿者:異邦人 投稿日:2004/10/03(Sun) 22:29

翌朝食事も取らず会社に出た私は、誰も居ない事務所で今日の夜起こるであろう修羅場を想像しながら、自分の席に座っていた。
突然肩を揺すられ目が覚めました、いつの間にか眠ってしまったようです。
目を開けると、そこには後輩が心配そうに私を覗き込んでいます。

後輩「先輩どうしたんですか。
   昨日泊ったんですか。」
私「おはよう、いやちょっと寝てしまった。」
後輩「何か有ってんですか。」
私「別に何も無いよ。」
後輩「なら良いですけど、顔色が悪いですよ。」

普通の徹夜明けならそうでもないのでしょうが、流石に昨日のような状況下での不眠は、精神面が顔に出るようです。

私「ありがとう、大丈夫だから。
  ただの寝不足だから。」
後輩「それにしても、普通じゃないですよ、
   顔色が悪過ぎますよ、
   休んだ方が良いんじゃないですか。
   今月の予定も達成していることだし。」

本心では、今日は仕事にならないだろうと思っていました。
私は後輩の言葉に甘えることにしました。

私「確かに気分も少し悪いし、お言葉に甘えるかな。」
後輩「何時も頑張っているから、少し疲れたんじゃないですか。
   社長には、代休ということで、私から言っておきます。」
私「ありがとう、それじゃ頼むか。」

後輩を残し、他の社員が出社する前に会社を後にしました。
考えを纏める為私は港にまた車を止めていました。
精神の不安定さに加え、睡眠不足が手伝い、考えが纏まる訳もありませんでした。
結局家へ帰ることにし、家に着いたのは昼ちょっと前でした。
家の駐車場に車を止めたとき、義父の作業用の軽トラックが止まっていたので、昼飯でも食べているのかと思い、
玄関を開け居間に顔を出した私はびっくりしました。
そこには、居るはずの無い妻と祖父母が三人で神妙な顔でこちらを見ているではないですか。
状況は直ぐに飲み込めましたが、私からは言葉が出ません。
ちょっと気まずい雰囲気の中、着替えてきますと私が言うと、義父が口を開きました。

義父「着替えたらで良いから、ちょっと話を聞いてくれないか。」
私「・・・解りました、とにかく着替えてきます。」

詳細は別として、妻の今回の件に関しての話であることはいうまでも無いでしょう。
どの様な方向に進むのか、私自身も不安で答えの出ていない状況でした。
着替えを済ませ、タバコを一本吸うと一階の居間に行きました。

私「お待たせしました。」
義父「今日は早かったね。」
私「え、まぁ」
義父「話というのは、麻美のことなんだが。」
私「はい。」
義父「○○君、麻美のことを許してはもらえないか。」
私「・・・」
義父「○○君の気持ちは良くわかる、
   遣ってしまった事は取り返しのつかないことかもしれない、
   そこをあえて、お願いする。」
私「・・・」

私は本当に言葉を持ち合わせていませんでした。
今後どうしたら良いのか、誰かに聞きたいくらいだったと思います。
ただその時自分が持っていたものとすれば、男としての見栄、寝取られ裏切られた男の嫉妬と怒りそれしかなかったように思います。

義父「子供達のことも有るし、何とかお願いできないか、頼む。」
私「これからの事は、私にもまだ解りません、
  でも夫婦としては遣っていけないと思います。」
義父「それじゃ、麻美を離縁するのか。」
私「・・・」
義父「年寄りが頭を下げているんだ、何とか考え直してくれ。」
私「子供のことは、私もこれから考えて行きます、
  しかし今の俺には麻美とやり直す自信は・・・」
義父「君がもし、この家から居なくなったら、孫達も住む家がなくなってしまう、
   この通りだ、穏便に頼む。」

その義父の言葉に、人間の本心を見たような気がしました。
義父としてみればどんな娘であれ、血を分けた娘は可愛い、
婿が居なくなれば家も手放さなければならないかも知れない、孫の為とは言っていたが、家を手放したくないだけではと、
これは私の僻みかもしれないが。

私「子供達の事や家のことは、これから考えて行こうと、
  ・・・」
義父「麻美、お前も謝れ、お前のした事だ。
   何ていうことをしてくれた、世間にどう言い訳する。」

義父の本心が見えたような気がしました。
やはり、家の事と世間体なのかと、話をしているうちに私のも少し興奮し始め、まだ決めてもいない事を口にし始めました。

私「今日相手と話をします、これからの事はその後で
考える事になると思います。」
義母「パパ、麻美も反省しています。
   子供達の為にも何とかお願いします。」
私「ですから、離婚するにしても子供の親権の問題も有りますし、
  家のローンのことも有りますし。」

私の言葉に、義父は黙り込み、義母は泣き崩れました。
ただ妻だけ覚悟を決めたように下を見たままでした。
またその姿は、私にとっては開き直りにも見えました。
思わず追い討ちを掛けるような言葉を私は続けてしまいました。

私「話によっては、麻美が相手と再婚と言うこともありますし。
  そうなれば家のローンも問題なくなります、
  ただ子供は私も手放したくないですから・・・」

この言葉を聴いた麻美は突然私にしがみ付き、物凄い形相で許しを乞い始めました。

妻「私は栗本とはもう会いません、
  私が馬鹿でした、
  貴方を二度と裏切ることはしません、
  栗本と再婚なんて言わないで下さい、
  本気じゃ無かったんです、
  子供とは離れて暮したくない、
  貴方離婚しないで、
  お願いします、
  許して下さい。」
私「とにかく、今日の話が済んでからにしようよ。」
妻「そんな事言わないで、
  分かれないと言ってくださいお願いします。」
私「お前も今はそう言ってても、
  これから俺と一緒に居るより、
  栗本と一緒になった方が幸せかも知れない。
  俺との生活の不満を埋めてくれた奴だし。」

泣きすがる妻をなだめる様に、私は静かに言葉を掛けました。
本当は心の中で、もっと思い知れば良いと思っていたはずです、自分の陰湿な性格の部分がこの時目覚めたのでしょう。
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投稿者:異邦人 投稿日:2004/10/03(Sun) 02:47

妻がソファーに腰を下ろすと、栗本が立ち上がり炊事場の方に行こうとするのを静止し、私は話し始めた。

私「お茶ならいらない、奥さんは。」
栗本「すみません。」

ソファーに腰を降ろしながら栗本がそう言った。

過去に面識の有った栗本の印象は、年下の人間を上から見下すような言動を取る男という印象があったためか、
目の前にいる栗本はまるで別人のように思えた。
おどおどして眼が泳ぎ、まがりなりにも企業の専務と言った感じには到底見えなかった。

私「奥さん呼べと言ったよな。」
栗本「すみません。」
私「すみませんじゃないだろ、奥さんを呼べよ、
  今すぐ。」
栗本「・・・」
私「返事をしろよ。」
栗本「女房にだけは・・・お願いします。」
私「他人の家をめちゃくちゃにしておいて、
  自分の家は守りたいのか、
  むしが良すぎないか。」
栗本「すみません、何でもしますから。」
私「馬鹿野郎、そんなに家が大事なら最初からこんなことするなよ。」
栗本「もう奥さんとは会いません、
   私の出来ることは何でもします。」
私「もう会わない、それで済む問題じゃ無いだろ、
  その程度の気持ちでお前ら遣ってたのか。」

私は栗本に対して、社会的な立場を認識させる意味も込めてあえて栗本を専務呼んだ。

私「専務さん、これからどうする気なの、俺の家はもう終わりだよ。」
妻「貴方、私が悪かった許して下さい。」

私の怒りが治まりそうも無いことを認識した栗本は、自己保身の言い訳をし始めた。

栗本「○○さん、私も○○さんと同じで婿養子です、
   妻や儀父母にこのことが知れると、
   私はこの会社にも居られなくなりのす。」

栗本が婿養子であるということは初耳でした、しかしその身勝手な言い分に私の怒りは増すばかりでした。
このことが私の口から出る言葉に辛辣さを増して行きました。

私「お前ら、セックスがしたいだけで、後のことは
  何も考えてなかったのか。」
栗本「・・・」
妻「ごめんなさい。」
私「お互い家族のある同士、
  ばれた時にこうなる事は予想がつくだろ。」
栗本「○○さんの家庭を壊す気は無かったです。」
私「子供みたいな事を言うなよ、実際に壊れたろうが。」
栗本「申し訳ありません、何でもしますから。」
私「だったら、ここに奥さんを呼べよ。」
栗本「・・・」
私「麻美、専務さんはお互いの家庭を壊す気は無かったそうだ、
  お前はどうなんだ。」
妻「私も同じです。」
私「二人とも後のことは何も考えないで、乳くりあっていたのか、
  それじゃ、犬や猫と一緒だろ。」

堂々巡りの会話が続き私は怒りが治まったわけではありませんが、栗本という人間の愚かさに呆れ返っていました。

私「これ以上は話をしても無駄のようだから、
  明日もう一度話をしよう。」
栗本「・・・はい。」
私「明日の夕方連絡をくれ、
  それまでに奥さんとちゃんと話をしておいてくれ。」
栗本「・・・」
私「お前が話さなければ、俺が話しをするだけだ、
  事の重大さが解るなら、最低限の誠意は見せろ。」
栗本「・・・」
私「麻美、お前はここに残るか、栗本と話があるなら送ってもらえ、
  俺はこれで帰る、お前らの顔を見てると虫唾が走る。」
妻「連れて行ってください。」
私「止めたほうがいい、今車で二人きりになったら、
  お前を殴りそうだ。」

そう言い残して、私は一人で栗本の事務所を後にしました。
家に着きやりきれない思い出寝室に入ると、
間もなく外に車の止まる音がしました。
寝室の出窓から外を見ると、栗本の車でした。
ライトを消した状態で、5分程止まっていた車から妻が降りると、車は躊躇することなく走り出した。
ベットに横たわり妻が入ってくるのを待っていると、ドアが開き妻が足取りも重く寝室に入ってきました。

私「早かったな、栗本と外で何を話してた。」
妻「何も。」
私「何も話さない訳が無いだろ。」
妻「はい、ただもう二人で会うのは止めようって。」
私「もっと早くそうするべきだったな。」
妻「すみません、ごめんなさい。」
私「お前は、この家のことをどう思ってたんだ、
  子供達をどうするつもりだったんだ。」
妻「ごめんなさい、何でもします。」
私「栗本と同じ事を言うのは止めろ。」
妻「ごめんなさい、許して下さい。」
私「許せる訳が無いだろ。」

その言葉を最後に沈黙が続き、妻は子供部屋に行き、私は一睡もすることなく朝を迎えました。
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投稿者:異邦人 投稿日:2004/10/03(Sun) 00:59

妻は電話に向かい、一度深呼吸して気持ちを落ち着けるようにゆっくりと受話器を取った。

妻「はい○○です、」
栗本「・・・」
妻「私、麻美です。」
栗本「・・・」
妻「主人に替わります・」
栗本「・・・」
妻「でも、私言え無い。」
栗本「・・・」
妻「とにかく話をして下さい、お願いします。」

受話器の向こうで栗本が何を言っているのか、私には想像もつきません。
ただ妻が受話器に向かい、泣きながら栗本に私と話をするように頼む姿が見えるだけでした。
私に電話を替わるでもなく、状況に変化の起きない事に腹を立てた私は、妻を怒鳴りつけた。

私「何をウジウジ話してる。」

受話器を手で覆いながら、私の方を向きながら妻が言うには、日を改めてご主人とは話をすると栗本が言っているとの事。
私は我を忘れ妻に駆け寄り、奪うように受話器を取った。

私「おい、日を改めるとは、どういう事だ。」
栗本「・・・」
私「おい、聴いているのか。」
栗本「聞いてる。」
私「聞いてるなら、きちんと答えろ。」
栗本「今日は、お遅いし日を改めて・・・」
私「お前も、こいつも(妻)今日は遅いの何だの、
  お前たちのした事が解っててそんな事を言ってるのか。」
栗本「・・・」
私「今からそこに行く、どこに居るんだ。」
栗本「明日にして貰えないですか。」
私「だから、何で今じゃ駄目なんだ。」
栗本「・・・直ぐ戻ると、女房に言ってきたし・・・」
私「何言ってんだ、お前の奥さんも呼べはいいだろ、
  何れ解るんだ。」
栗本「それだけは、勘弁して下さい。」

栗本という男は、私よりも5歳ほど年上でしたが、私の恫喝に近い口調に年齢が逆転したような言葉遣いになっていくのが、
私には手に取るように解りました。

私「とにかく今から行く、事務所に居るのか。」
栗本「はい。」
私「奥さんも呼んでおけ。」
栗本「・・・」
私「解ったのか、とにかく行くからそこで待ってろ。」

私は一方的に電話を切り、隣に立っていた妻の袖を掴むと、寝室を後にした。
栗本の会社の事務所は、車で10分ほどのところに有ります。
事務所の前に車を止めると、中から栗本らしい男が出てきて、こちらに向かい頭を下げています。
車から降りると栗本が無言でドアを開けたまま事務所に入っていった。
事務所に入ると、応接室の前で栗本がこちらへどうぞ、賓客を招くかのように、深々と頭を下げた。
私の後ろに隠れるようについて来る妻は終始俯いたままです。
私は促されるままにソファーに座ると妻が私の隣に座ろうとしたので、お前はそっちだと、栗本の隣に座るように支持した。
私に隣に座ることを否定された妻は、声を上げて泣き出した。


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投稿者:異邦人 投稿日:2004/10/01(Fri) 01:36

妻は、受話器を耳に当てたまま、フックを左手の人差し指で静かにきった。

私「何で切る、掛けられなければ俺が掛けると言っただ    ろ。」
妻「ちょっと待って。」

数秒おいてから、また妻は慣れた手つきでダイヤルした。
妻のその行動は、栗本との約束ごとだったようです。
ワンコールの後に再度電話があった時は、妻からの電話という栗本と妻の暗号だったのです。
おそらく、その時奥さんがいれば栗本が静止し電話に出るのでしょう。

妻「もしもし」
栗本「・・・」
妻「私、麻美です。」
栗本「・・・」
妻「主人が・・・」
栗本「・・・」
妻「はい」

妻は受話器を置いた、あまりの会話の早さに私は妻に問いただした。

私「随分早かったな、栗本は何て言ってた。」
妻「掛けなおすそうです。」

妻の電話の内容から不倫の発覚を察知した栗本は、その場を取り繕い、会社の事務所からまた電話すると言い残し電話を切ったそうです。
時間も夜の10時を過ぎていたでしょうか、栗本から電話がある間私は妻を攻め始めました。

私「やっぱり、おまえ達は確信犯だな。
  あんな約束事まで二人の間にはあったのか?」
妻「・・・ごめんなさい。」
私「結局、栗本にお前の方から電話して誘ってたと言うことか。」
妻「違う、私から誘ったりしてない。」
私「どう違うんだ。」
妻「夜ポケベルに彼から連絡があったときに、
  私から電話してたけど、何も無い時は私から電話はしていない。」
私「どっちにしろ、連絡に応答していること自体が誘いに応じているという事だろ。」
妻「そういう事になるかも知れません。」
私「なるかも知れないじゃないだろ、
  自己弁護するなよ。」
妻「はい、すみません。」
私「そのうちお前は、みんな栗本が悪いとでも言い出しそうだな。」
妻「・・・」

妻がまた黙り込むと、我に戻った私はふと気付きました。
もう直ぐ掛かってくる栗本の電話に対して、私自身なんの準備もしていないことに。
どう切り出すのか、何から話すのか、どういう態度口調で望むのか、そんなことを考えているうちに電話がなりました。
私に視線を合わせた妻に対して、無言のまま電話に出るよう、顎を動かし指示しました。


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投稿者:異邦人 投稿日:2004/09/30(Thu) 02:24

私はどんな言葉を妻に浴びせ掛けたのだろう、何時しか自分自身が涙声になっているのに気付き、
それを隠すかのように目に入ったガラムを一本取ると、震える手で火をつけて深呼吸するように深く吸い込んだ。
目眩を少し感じながら冷静な自分が戻る間、寝室は静まりかえっていた。
タバコを吸い終えた私は、妻に栗本との肉体関係について質問した。

私「何時からセックスしてた。」
妻「半年位前からだと思う。」
私「何回位栗本に抱かれた?。」
妻「解らない。」
私「解らない位抱かれたのか。」
妻「・・・」
私「俺が知らないと思って、遣りまくってたのか?」
妻「そんなにしょっちゅうはいてません。」
私「じゃ、何回なんだ?。」

答えの帰ってこないもどかしさに、また私の声は荒々しさを増していました。
瞬間妻は、体を硬直させ私の目に視線を合わせ10回位と答えました。

私「10回じゃ、辻褄が合わないだろ、
  週に一回は会っていたのに?」
妻「生理の時も有ったし、会うだけで直ぐ帰る事も有ったか  ら、それ位しかしてない。」
私「それ位しかだ、何回であろうがお前のしたことは、
  絶対にしてはいけない裏切り行為だ。」
妻「ごめんなさい。」

妻は突っ伏して泣き崩れた。
私と言えば、自分で回数を問いただしておきながら、行為そのものを攻めていて支離滅裂の感が否めませんでした。
そして確信の迫ろうと、内容を変えていきました。

私「栗本とのセックスがそんなに良いのか?。」
妻「・・・」
私「そんなに俺とのセックスが詰まらなかったか?
  それとも俺のことがそんなに嫌いか。」
妻「貴方のこと嫌いにな訳ではないです。」
私「嫌いじゃないのに他の男とセックスできるのか、
  お前は何時からそんな淫乱女になった。」
妻「ごめんなさい。」
私「もう謝って済む問題じゃない。」

その時の私は、事の前後は有ったにしても、妻と同じ立場であることに気付いてはいましたが、妻の浮気が無ければ私は浮気をしていなかった、
そう自分を弁護する気持ちが頭の中を支配していました。

私「とにかく、栗本と話を付けないとな。」
妻「・・・」
私「直ぐ電話しろ。」
妻「今日は簡便してください、もう時間も遅いし。」
私「時間も何にも関係ない。」
妻「奥さんに変に思われますから、勘弁してください。」
私「いずれ奥さんにも解ることだろ、
  良いから電話しろ。」
妻「・・・」
私「おまえが出来ないなら俺がする、番号を教えろ。」
妻「解りましたね私がしますから。」
私「俺が話がしたいと伝えろ、それで解るだろ。」

別途の脇の電話を手にした妻は、啜り泣きを抑えながらダイヤルし始めた。
掛け慣れているのだろうか、友達の家に電話する時でさえアドレス帳を見ながらすることが有ったのに、
その時妻は何も見ることなく、記憶だけでダイヤルしていたのです。
その光景を見た瞬間、私は嫉妬心で顔が強張っていくのを感じました。


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投稿者:異邦人 投稿日:2004/09/29(Wed) 17:30

妻の話した事は、私にはとうてい理解出来ませんでした。
栗本はやはり猛烈なアタックをして来たようです。
初めは取り合わなかった妻も、帰り際に会社の近くで偶然遭ったりしているうちに、(偶然を装って待ち構えていたのでしょう)、
お茶から始まりそのうち例の蔵へ行くことになったそうです。
初めは好きでも無い人だし、お茶の相手ぐらいと思っていたのが、女性としての魅力を再三に渡り褒められているうちに、
妻も有頂天なってしまったらしいです。
その時私は妻の行動があまりにも軽率なのに腹が立って来て、妻を問い詰めました。

私「そんなしょっちゅう誘われていたのか?」
妻「初めは、月に一度か2週間に一度ぐらい、その内週に一回位遭うようになった。」
私「週に一度位会う様に成ったのは何時からなんだ?」
妻「初めてお茶に誘われてから、半年位してからだと思う。」
私「お茶だけにしても、半年も亭主以外の男とお茶を飲むことに抵抗は無かったのか、その跡に来るものが創造できなかったのか?」
妻「今思えば、軽率だったと思います。」
私「違うだろ、最初からお前の中に何か期待する物があったから、誘われるままにしていたんだろ。」
妻「最初からそんなつもりは無かった。」
私「嘘を言うな、だったら何故そんな関係になるまで、一度も私に話さなかったんだ、
お前の気持ちの中に後ろめたさがあったからだろ。
その関係を私に知られたくないからだよな!」

妻は言葉を失い、私の吐き捨てるような言葉に、ただ下を向いているばかり、その姿は茫然自失といったようにも見えたが、
私にとっては、言い逃れを必死に考えているようにも見え、妻への罵倒にも誓い追求は暫し続いていきました。


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暫くの間妻は泣くばかりで、話そうとしません。
タバコを買ってくると言い残しね私は寝室を出ました。
タバコが無かったわけではありません。
その場の重苦しい空気から、しばしの間逃げ出したかったのです。
近くのコンビニでタバコを買い、遠回りして家へ帰り寝室に入ると妻がいません。
慌てて寝室のドアを開け妻を捜そうとしたとき、子供部屋から声が聞こえました。
ドアを開けると妻が床に座り込み、ごめんなさい、ごめんなさい、何度も子供達に向かって頭を下げていました。

「子供が起きるだろ、向こうへ行こう。」

弱々しく立ち上がる妻、寝室に戻った妻はようやく、意を決したように話始めました。
やはり、相手は栗本です。
長きに渡って私を欺いていた事など、ガラムが好きになった理由等聞かなければ良かったと思う内容の話が続きました。
妻は子供達の為に離婚だけはしないで欲しい、その一点に関しては目を見開き真剣眼差して私に訴え掛けていました。
私が暴力を振るうことなく、妻の話を聞くことが出来たのも、由香里との事があったからだと思います。

人間というのは我がままなもの、私を含め自分に有利な言動をする物です。
辻褄の合わない行動を取ったり、辛い目に合えば楽な方へ直ぐ靡く、後先を考えず行動を取ったりすることも多々あり、感情に左右され安い生き物であることは身を持って感じさせられました。
また、人間の学習能力は時に欲望に負け、同じ過ちを起こしてしまう。

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妻の顔が青ざめていくのが手に取るように分かりました。
この時私は、今まで心の何処かで99パーセント確実と思ってはいましたが、
妻の反応を見て100セントの確信に変えて行き、自分のことなどすっかり棚に挙げ、妻に対する詰問を開始しました。

「他にもあるだろう?」
「他にはありません。」

妻は震えていました、目には涙を浮かべ始めています。
今までベッド端に立っていた妻は左手をベッドにつき、よろける様に、ベッドに座り込みました。
後ろ向きになった妻の顔は見えませんが、肩が振るえ始めているのは分かりました。
その姿を見たとき、私の中に罪悪感のような物が少し頭をもたげた。

「嘘は止めよう、まだ俺に隠していることが有るだろう。」
「・・・・」
「それなら、俺の方から言おうか?」
「何をですか?」

妻は、声を荒げてそういうと、両手で顔を多い前かがみになってしまった。

「麻美、お前男がいるだろ!」
「何でそんなこと言うの!」

逆切れに近い口調で言う妻に対して、私の罪悪感は吹っ飛び、立ち上がると、クローゼットの中から妻のバック取り出し、そのバックを妻に目掛け投げつけました。
床に落ちたバックを妻は胸に抱きかかえ、私に背お向けました。

「バック開けてみろ!」
「嫌です!」
「開けろって言ってるんだ!」
「・・・」

妻は、後ろを向いたまま、首を横に振るばかりです。
怒り心頭に達した私は、妻に駆け寄り、取られまいと必死になる妻から無理やりバックを取り上げると、
内ポケットから例の3つを出すと、ベッドの上に投げつけた。

「タバコは、分かった。
でもこの高級ライターは何だ?
俺は買ってやった覚えは無い。
そのポケベルは何のためにある?、
お前が何で俺に隠れて、そんな物持つんだ?
説明しろ!」
「他人の者を勝手に見るなんて酷い!」
「お前がそんなことを言えた立場か!」

一度は私を睨み付けた妻ですが、あまりの私の形相に床に座り込み泣き出しました。
その時ドアを叩く音がして、静かに開きそこには、儀父母か立っていました。

「大きな声を出して、どうかしたの?。」
「義父さん、義母さん何でもありませんから。」

とりあえずその場を取り繕って、儀父母を自室に帰しました。


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状況を理解したのか、由香里はそれ以上の努力をすることを止めた。

「気になるんだ。」
「・・・」
「今日は、帰りましょう?」

それ以上の会話はなく、ホテルを出ると駅へ直行、最寄の駅
で由香里とポケベルの番号を交換して帰宅した。
家に着いたのは、6時頃だったでしょうか。
私が玄関に入ると、妻が迎えに出てきました。

「お帰りなさい。」
「ただいま。」
「お風呂は?、ご飯は食べますか。」
「風呂入るよ。」
「ご飯用意しておきますか。」
「頼む。」

風呂に入りながら、自問自答を始めました、妻が浮気をしたとしても、私も同じ事をしてしまった。
妻に浮気されたからという理由で、それが許されるのか。
この二日間で私は、妻と同じ立場に立ってしまった。
妻は私の不貞を知らない、また私も妻が不貞をした確証を掴んではいない。
その段階で私は、自分の立場を優位にしようという自己保身の行動を取ろうと考え始めていたのかも知れない。

夕食が済むと、私は片づけが済んだら寝室に来るように妻に告げると、2階に上がり子供部屋を覗いた後、寝室で妻の来るのを待った。
ほどなくして妻が寝室にやってきました。
これから何が起こるか分からない恐怖感に慄くかのように、少しうな垂れながら。

「何か話ですか。」

私は、自分の不貞は妻にはばれていない、妻の不貞は確実であることを自分に言い聞かせ、話を切り出した。

「お前、何か俺に隠してないか?。」
「何のことですか?。」
「何か隠していないかと聞いている、同じことは言わないぞ。」
「突然そう言われても。」

私は、出窓からガラムを手に取り、ベッドの上に放り出した。
少し顔色の変わった妻は、タバコについて喋り始めた。

「ごめんなさい、隠すつもりは無かったの、でも貴方が、タバコを吸うのを嫌うかと思って。」
「だからといって、隠れて吸わなくてもいいだろ!」
「ごめんなさい、早く言えばよかったです、タバコを吸うことは許してもらえます?」
「吸うなとは言っていないだろう。」

ちょっと口調が荒くなってきた私に対して。

「貴方が嫌なら止めます。」

少し間をおいて、妻が私に質問します。

「何時気づいたんですか?」
「前にベッドの下に灰皿を隠していたこと有るよな。」
「はい。」

その時妻は、少し安心したような顔をしたように私は思えた。

「ごめんなさい、貴方が嫌なら本当に止めますから。」
「それはそれでいい。」

これからが本題です、私の心臓は鼓動を早めて行き、言葉も上ずってきました。

「他にはないか?」

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その後も、妻のバックからタバコ,ライター,ポケベルの3点セットがなくなる事はありませんでした。
妻の不貞が確実になる前は、私達夫婦の間にはそれなりの夫婦の営みはありました。
週に1度程度はあったと思いますが、妻の日帰り添乗の日から営みは皆無となりました。
たまに妻から求めてくることはありますが、私の体がそれを受け付けません。
そんなある日、私はメーカーの新車発表会の為、1泊の予定で東京に出張することになりました。
各販売会社から数名が代表で主席して、一般発表する前の新車を内覧するという内容のものです。
会場には千人を超える販売店の人間にメーカーの職員、それは盛大なものでした。
一次会が終わり、地域別の分化会が開かれました。
一次会とは一転して、分化会はこじんまりした感じでした。人数も百人足らず、当然地域別ですから知った顔も多く、その中には由香里さんもいたのです。
メーカーの職員と私が会話をしているところに、一人の女性が割り込んできました、由香里さんです。

「お久しぶりです。」
「お久しぶり。」

前回のことがあるので、少し躊躇している私に由香里さんは、屈託の無い表情でひたしげに会話を進めてくれます。
今日の新車のことや、営業に関する話など、さすがにお互い営業の仕事柄、仕事の話にはこと欠きません。
そのうちメーカーの人間が中座すると、由香里さんが切り出しました。

「この間は、大丈夫でしたか?」
「本当に失礼しました、醜態を見せてしまって。」
「そんな事ないです、辛いときはお互い様です。」
「そういって貰えると、少し気が楽になります。」

そうこうするうちに、文化会もおひらきとなり、人も減り始め由香里さんと二人ホテルのラウンジで、コーヒーでもと言うことになり二人で、ラウンジに向かいました。
内覧会は、東京のベイサイドの大型ホテルを借り切り行われたため、同じホテル内の移動で済すむのです。
ラウンジは、同じような考えの人間で満席状態でした。
それではと、最上階のレストラン,バーと行ってはみたものの、ことごとく満席。
その時由香里さんから提案が。

「しょうがないから、部屋で飲みなおししませんか?、
今日はお互い個室ですし、気兼ねなくお話が出来ますよ!」
「独身女性と二人は、不味くないですか?」
「何かまずい事でも?下心有りですか?」
「そうではないですが、それじゃどっちの部屋にしますか?」

さすがに二十歳の女性、じゃんけんで負けた方の部屋、冷蔵庫とルームサービスは、負けた方が持つという提案です。
その場でじゃんけんです、負けたのは私でした。
クロークから荷物を受け取ると、各自の部屋の鍵を受け取り私の部屋へ向かいました。
その日初めて入った部屋は、10階に有るオーシャンビューの部屋でした。
由香里さんは、窓際に駆け寄り海に漂う船の明かりを見て感激していました。
その場の雰囲気に照れた私は、由香里さんを茶化します。

「夜の海なんてね田舎で見慣れてるでしょ。」
「こんな見晴らしのいいところ無いもん。」

そういえば、岸壁から見る漁火とは大分雰囲気は違うのは事実です。

「由香里さん、なんにする?ビール,ウイスキー?ワインも有るけど。」
「何でも、○○さんは?」
「ビールかな。」
「私も同じでいい!」

缶ビールを二つ持って窓際の応接セットに近付き、1つを由香里さんに渡すと、籐性の椅子に腰を下ろしました。
何を話するでもなく、由香里さんは海を見ているだけでした。
私は田舎に居る妻のことを考えて、視点の定まらない目で由香里さんの方を見ていました。
今思えば、メロドラマの世界です。
妻帯者の私が、心に傷を負い自暴自棄の状態で、家を離れ偶然とはいえ高級ホテルの一室で二十歳の女性と二人きり。
何も無い方がおかしい状態です。

「○○さん、聞いてもいい?」
「何?」
「嫌なら答えなくても良いですよ。」

その瞬間、彼女の質問はおおよそ察しがつきました。

「奥さん浮気してるんでしょ?」
「多分。」
「多分って!。」

雰囲気がそうさせたのでしょう、私は今までの経緯を詳細に話しました。
一通り話し終えると、由香里さんは私の向かい側に座りため息を1つつきました。

「そこまでハッキリしてるんだから、○○さんは如何(どう)するの?」

暫く答えることが出来ずに居ると、由香里さんが立ち上がり私のてお引き、ベッドへと誘いました。

「私で良ければ、奥さんにお返しして!」

正直どこかの段階で、私の方からそうなっていただろう事は否定しませんが、由香里さんの方から行動を起こすとは、予想の範囲を超えていました。

「いいの?」

彼女は何も言いません、後で聞いた話ですが、同情心から始まったのかもしれないが、前に飲んだときから、私の事が気になってしょうがなかったらしい。
部屋での飲み直しを提案したときから、彼女はこうなることを覚悟していた、いや望んでいたと。

私は、彼女のジャケットを脱がせると、シルクのブラウスの上から、乳房を軽く揉んだ。
その時彼女の首筋には、鳥肌のように小さな突起が無数に浮かび上がり、ピンク色に染まっていくのがわかった。
妻へのお返し、というよりは由香里の程よく張りのる、若くて白く透き通るような体を獣のように貪った。
結局その日、由香里は自分の部屋へ帰ることは無かった。
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時間を忘れて、辛さから逃れるように由香里さんと飲み続けていたのでしょう。

「○○さん、そろそろ、明日もあるし?(佐藤さん)。」

私もかなり飲みすぎたようで、時計の針もろくに読めない程でしたが、佐藤さんの問いかけに返事をして、マスターに会計を済ませ店を出ました、皆に挨拶をして少し歩き始めた時、不覚にも吐き気を覚え道路脇で戻してしまいました。
吐き気も治まったころ、背中を摩る手に気づき、すみませんと言いながら振り返るとそこには、今別れたばかりの由香里さんが、中腰の彼女は眉尻を下げて私の顔を覗き込んでいました。
由香里さんは、後ろから私の肘を掴むように支えてくれて、深夜喫茶に連れて行ってくれました。

「少し酔いを覚まして。」
「すみません、少し楽になりました、すみません。」
「そんな姿を、可愛い娘さんが見たら心配しますよ。」
「もう寝てます。」

時計を見ながら答える私、由香里さんが頼んでくれたらしいコーヒーがテーブルの上に差し出されました。
私はまた、すみませんを連呼していました。
かなりの醜態を見せてしまっていた筈です。
水を一気に飲み干し、コーヒーに手を伸ばし一口啜ると、すぐに皿にカップを戻しました。
元々とコーヒーは好んで飲む方で無かった私は、コーヒーの熱さも手伝って、そのカップをまた手にすることは無かった。
タイミングを見ては由香里さんが頼んでくれた、水を3杯程飲んだころには、多少酔いも冷めて来た。

「さっき戻したのが良かったんですね、顔色が大分良いですね。」
「助かりました、すみません。」
「そろそろ帰りましょうか。」

その時の私には、一回り近く年の違う由香里さんに醜態をさらしたという思いから、まともに顔を上げることが出来ませんでした。
通りに出てタクシーを待つ間、正気を取り戻し始めた私は、由香里さんに丁寧に感謝の意を伝えると。

「○○さん、気にしないで下さい、詳しいことは知りませんが、辛い気持ちは良くわかります。」

由香里さんと飲んでいる間、妻の不貞に関する事を知らず知らずに話していたのかも知れません、いや誰かに聞いてもらいたく、間接的に伝えていたのかも知れません。
空車が一台、由香里さんが止めてくれ私を乗せてくれました。
別れ際、タクシーのウインドー越しに由香里さんが言葉を掛けてくれました。

「頑張ってください、私で良ければまたお付き合いしますから。」
「ありがとう。」

深々と頭を下げた私を乗せて、タクシーは走り始めました。

家に着くと、さすがに風呂に入る気にもなれない私は、寝室に直行しました。
寝室のドアを開けた私は驚きました、妻がベッドに腰を掛けて起きているでは有りませんか。

「こんな遅くまでどうした?」
「あなたこそ、如何したの?、2時過ぎてるよ。」
「会社の連中と、ちょっと飲みすぎた。」

スーツをクローゼットの中に脱ぎ捨てるように、下着のままベッドに滑り込んだ。
私のスーツを片付けると、部屋の明かりを落とし、妻もベッドの中に入ってきて、私がまだ眠りについていないのを確認すると、話しかけてきた。

「あなた、何か有った?」
「何でだ?」
「お姉ちゃんから聞いたんだけど!」
「あぁ、なんでもない。」
「でも、あなたが子供に涙見せるなんて!」
「何でもない!・・・・」
「私には、話せない?」

お前が原因だ、などと言えるはずも無く、暫し沈黙が続いた。
妻も、何か感ずるものがあるのか、それ以上の追求は無かった。
いつの間にか寝てしまったようで、体に違和感を覚えた私は少し朦朧とするなか少し目お開けた。
何時もは背を向けて寝ている筈の妻が、私の足に自分の足を絡め、右手は私の胸をまさぐっているではないか、
恐らく私の意識が戻る直前には、股間をまさぐっていたのであろう、下着姿をつけて寝ていた筈の私のトランクスは、そこには無かった。
私の下半身は確かに今まで妻のしていたであろう行為に、明らかに反応していた。
しかし、意識がハッキリするにつれて、これは瞬く間に萎えていった。

「どうしたの?」
「疲れてるんだ、勘弁してくれ。」

吐き捨てるように言うと、妻を押しのけ足元にあったトランクスを手早く身につけると、妻に背を向けて寝てしまいました、いや正確には寝たふりをしました。
背中の向こうでは、妻が下着をやパジャマを直す衣擦れの音が聞こえていました。

翌朝少し頭の痛さを覚えながらも、リビングに降りて行くと、何時もと変わりないように妻が話しかけてきた。

「ご飯食べれますか?」
「いらない、シャワーを浴びたら直ぐ出る。」
「冷たいものでも?。」
「いらない!。」

飲み物は欲しかった、でも妻に言われた瞬間、お前に出してもらいたくない、というのが本当の気持ちだった。
なぜか妻は腫れ物にでも触るかのような、口調だったように感じました。
脱衣所の洗面台の前に立った私は自分の険しい顔をみて驚きました。
この日を境に妻の言動に変化が現れ始めました、言葉使いにいたるまで。

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悔しさでほとんど眠れなかった私は、朝食もとる事が出来ませんでした。
それにしても、妻の行動は余りにも不用意で、もう少し用意周到さがあっても良いのではと思う気持ちも有りました。
何故なら、私は先日妻の同僚の佐藤さんと二人きりで飲んでおり、それは彼女と妻の関係から、妻に伝わっている筈。
その時の内容を聞けば、自分の秘密の一部が私に解ったしまったということで、他の秘密を守るために何らかの動きがあって然るべき。
私はその日、妻の会社の前で佐藤さんを待ちました。
夕方5時半過ぎ、妻が会社を出ました、それから待つこと1時間、佐藤さんが出で来ました。
何気ない振りをして、私は彼女に近づき声を掛けました。

「佐藤さん。」
「びっくりした!、如何したんですか?」
「これから帰るの?」
「そう、○○さんは?」
「実は佐藤さんを待ってたんだ。」
「私?」
「ちょっと聞きたいことが有って、都合悪いかな?」
「別にかまわないけど、何か怖いな。」

歩きながら、彼女は何の話か有るのか必要に聞いてきましたが、私は話をはぐらかして先日の蔵に向かいました。
店の入り口に近いいて中を見たとき、有ろうことか店の奥まった席に、妻が一人で座っているではありませんか。
私は振り向きざま、佐藤さんの肩に両手を添えて、そのまま後ろ向きにさせると、店の中を見れないようにもと来た道に彼女を追い立てました。

「如何(どう)したんですかしたんですか?」
「満席。」
「へー、そうなんだ!」

予期せぬ遭遇とは言え、自分の不用意さを反省しながら別の店へと足を運びました。
そこの店は私が何度か足を運んだことのある店で、私よりも若い人たち(20~25才位)が集まる店でした。
サーファーが多くトロピカルな雰囲気の店。
蔵とは違い、目抜き通りに近い店にもかかわらず、彼女は抵抗無く付いてきました。

「ここで良かったかな?」
「私も来たこと有るから!、妹もよく来るし。」
「妹さんいたっけ?」
「ん、それより、話って何ですか、気になるんですけど?」

私は、先日二人で飲んだことを、妻に話したか如何(どう)かを単刀直入に質問した。
彼女から帰ってきた答えは、NOだった。

「だって、あの時私もちょっと喋り過ぎたし、それに麻美さん焼餅焼きだし、麻美さんにばれちゃいました?」
「そうじゃないんだけど、まだ隠れて吸ってるみたいだから。」
「そうなんだ、今日のことも内緒が良いかな?」
「特に問題は無いけど、言う必要も無いかな。」

佐藤さんとの二人の飲み会が、妻に伝わっていなければ、妻の行動に変化が起こるわけも無い筈である。
妻が焼餅焼きという言葉には、いささか驚きました。
何時の時点までなのか、いまだにそうなのかは解りませんでしたが、
少なくとも他の男と関係を持つまでの妻は、同僚から見れば私に対して嫉妬深い女だったのでしょう。

カウンターを含め15席程度の店内は、既に2、3席を残し満員状態、入店してから30分位取り留めの無い話をしていると、店のドアが開き二十歳ぐらい女性が一人入ってきました。

「由香!」
「お姉ちゃん!」
「由香里さんじゃないですか。」
「知り合いですか?(佐藤さん)」
「仕事の関係で、ちょっと。」

その女性は、佐藤さんの妹でした。
驚いたことに、その女性は私も面識のある女性だったのです。
小さな町ですが、偶然というものは恐ろしい、と言うよりは個々の人の情報を知らな過ぎたのかもしれません。
彼女は同じ系列の販売店に勤める、いわば私の同業者でした。
その後もう一人女性が入って来ましたが、妹さんの連れでした。
二人は、ちょうど開いていた席に私たちを両脇から挟むように座ろうとしたため、私が席を移動しようとしたとき、彼女達に肩を抑えられ、上げた腰を同じ席に沈めました。

「そのままで良いですよ。」
「特に積もる話も無いですから、
○○さんさえ良ければ、
ここに座って良いですか。」
「私は良いですけど。」

連れの女性は、佐藤さんとはかなり親しいようで、座った瞬間から何の抵抗も無く会話をしていて、私は必然的に妹の由香里さんと話をするしかなかった。
元々、今日の目的は済んでおり、由香里さんとの会話は新鮮味を感じることが出来たのも事実である。

彼女とは、店舗も近いと言うことからメーカーのイベントなどでも度々話す機会があったため、飲みながら話をしていると、杓子定規な話からプライベートの話に移行するには、時間を必要とはしなかった。
この女性「由香里さん」が妻と私の関係に微妙な役割を持ってくるのは、それから間もなくの事でした。

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ここまで来ると、私の妻に対する疑いは、かなりの確立で的中しているのは、疑う余地も無い。
でも私は、日ごろ見たことも無い妻のバックを除き見たい感情に掻き立てられた。
妻の眠りの深いことを確認すると、クローゼットを静かに開け、妻がさっき持ち帰りクローゼットの隅に無造作に置いてある手提げのバックを持って、子供部屋へ向かった。
長女の机の電気をつけてバックの中身を見てみた、多少の罪悪感は有ったがそれ以上に私は、
さっき寝室で探しきれなかったものが、このバックの中に有る、あって欲しいと願う気持ちが強かったように思う。
中身を見ていくと、財布、定期入れ、アドレス帳、ハンカチ,等在り来たりのものが目に入った。
取りあえず財布の中身は領収書やキャッシュカード,現金と特に気になるものは無い。
次にアドレス帳、あ行から順に追っていっても、私の知っている知人親戚等これと言って怪しいものは無い。
バックの中身を一度全部出してみると、手前の部分にファスナーで仕切られた部分があるのに気づき、
ファスナーを開け中を見た瞬間、目的は達せられました。
中身は、タバコ(もちろんガラム)に女性用の高級そうなライターそして、ポケットベル。
今でこそ、携帯電話が当たり前ですが、当時はまだ携帯電話は一般的ではありませんでした。
目的を果たした私は、元通りにバックを帰し、ベッドに入りこれからの事を考え始めました。
不思議なものです、自分の考えが裏付けされた今、怒りは頂点に達している筈なのに、妻に対する復讐より先に、我が家の今後のを考える自分がいるのです。
その時、私は思いました。世の奥さんは亭主の不貞が発覚したとき、私のように子供のことや家の事を複雑な思い出、考えあぐねるのだろうと。
妻は相変わらず、隣で寝息とも鼾ともつかい音を立てて寝ていました。
その時私は、妻の髪の毛を掴み揺り起こし、その顔に平手を食らわしてやりたい気持でしたが、奥歯が痛くなるほど悔しさをかみ締めてこらえていました。

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玄関を開けると、何時もより早い私の帰宅に気づいたのは儀母でした。

「パパお帰りなさい、早かったんですね。」
「仕事の切も良かったので、早めに帰らせて貰いました。」
「麻美(妻)はお風呂ですか?」
「それがまだなのよ、日曜で帰りの道路が込んでいるらしくて、電話がありました。」

それを聞いた私は、初めて計り知れない怒りを覚えました。
私の中では、今日の妻は日帰りの添乗の仕事ではないという前提の基に、遅れる理由を想像するのは容易い事でした。

「そうですか、お風呂先にいただきます。」
「パパご飯は?」
「済ませましたから。」

そういい残して、リビングにも寄らず脱衣所へ向かいました。
風呂場からは、子供たちのはしゃぐ声が聞こえます、服を急いで脱いだ私は、勤めて明るい笑顔を作り浴室のドアを開けました。

「パパだ!」

子供たちは、不意の訪問者を諸手を上げて歓迎してくれました。
思えば子供たちと風呂に入ることなど暫く無かった様な気がしました。
湯船に浸かった私の膝に子供たちが争うように腰掛けます、その時私は昼間の涙の意味を知りました。
また涙が溢れ出て来ましたが、今度は嗚咽を伴い抑えることが出来ません。
それを見た長女か私を気遣い、一生懸命話しかけて来ます。

「パパ、私ね、今日ね、パパよりもっと悲しいことがあったよ・・・・・・パパ泣かないで。」

私の耳にはそれ以上のことは聞こえませんでした、ただ二人の子供を強く抱きしめる事しか出来ませんでした。
風呂場には暫くの間、嗚咽を堪える私の声、父親の悲しみを自分の悲しみのように泣きじゃくる幼い娘、それに釣られるように指を咥えながらすすり泣く幼すぎる息子の声が響き渡っていました

子供達を寝かしつけて、寝室に入ったのは20時ごろだったでしょう。
妻はまだ帰って来ませんでした、多少冷静さを取り戻した私は、昼間買ったガラムを1本取り出し火をつけました。
机の上の灰皿を持ちベッドに腰掛けて、タバコを深く吸うと最近吸いなれないその味にむせ返りすぐに消してしまいました。
独特の香りが立ち込める部屋に一人でいた私は、部屋の中を物色(ぶっしょく)し始めていました。
何のためにそうするのか、何を探すのか解らないままその行動は続けられた、しかし何時妻が帰ってくるか解らない、作業は慎重に行われてゆきました。
階段の物音に聞き耳をたて、物の移動は最小限にし、クローセットやベッドの飾り棚、考えられる場所全てに作業は行き渡った。
だが、1時間程の苦労も実らず、私の猜疑心を満足させるものは何も見つからなかった。
心臓の高鳴りと、悶々とする気持ちを落ち着かせる為、ベッドに横になって暫くすると、誰か階段を上がってくる足音がしました。多分妻であろうその音は、子供部屋の方へ進んでいった。
その時私は、先ほどの作業の形跡が残っていないか、部屋を見回していた、変化が有るとすれば灰皿の位置がベッドの上の20センチほどの出窓の上に変わっている位だった。
程なくして、子供部屋のドアの閉まる音がし、寝室のドアが静かに開いた。
私の存在に気づいた妻は、目線を下に下ろしたまま後ろでに持ったドアノブを静かに引いた。

「珍しいね、早かったんだ。」
「あぁ、たまたま仕事が速く終わったから、遅かったな、義母さんに聞いたけど、道路込んでたんだって、それにしても随分掛かったな!」

よく見ると、妻はアルコールが入っているのか、頬が少し赤らんでいるように見えた。
クローゼットを開け着替えを始めた妻は、後ろ向きのまま聞いてもいない、一日の行動を説明し始めた。
妻が説明し始めてすぐに、私の心の何処か片隅に有った小さな希望がもろくも崩れ去った。

「一日中バスに揺られて疲れちゃった。」
「バスで行ったのか?」
「そう、お客さんの会社の送迎バスで、事務所に迎えに来てもらってね!」

顔が青ざめていくのが自分で解りました。
それでも妻は、クローゼットの方を向いたまま、子供をだますような口調で話を続けます。

「旅なれた人たちだから、下見というより、飲み会みたいなものね。
一応、予定の場所は見たんだけど、帰りのドライブインで、宴会になっちゃって、出るのが遅くなったら、渋滞に巻き込まれちゃって。」

何も知らない、以前の私ならば、大変だったなご苦労様の一言ぐらい言っていたのでしょうが。

「それでお前も飲んできたのか?、顔が赤いぞ、酒が強いお前が顔に出るんだから、随分飲んだんだな?」
「お得意さんだもの、進められれば多少飲むわよ!」
「コンパニオンじゃあるまいし、顔に出るくらい飲まなくても。」

言葉の端々に棘のある口調になり、エスカレートする自分を抑えきれなくなり始めていました。
その時パジャマに着替えた妻が、こちらを振り向き、謝罪した。

「ごめんなさい、これから気を付ける。」

そう言われると、次の言葉を飲み込むしかありません。
鏡台に座り、化粧を落とした妻はベッドに入ってきた、その時、窓に置いたタバコに気づき、

「また戻したの、タバコ?」
「なんとなく、吸いたくなって。」
「ごめんなさい、今日は疲れたからお先するね。」
「風呂は入らないのか?」
「明日シャワー浴びる、お休み。」

アルコールの勢いも手伝ってか、妻はすぐに寝息を立てて眠ってしまった。
寝息を立てる妻に体を寄せみると、自分もさっきガラムを吸った為か、識別はしにくいがタバコのにおいと、微かでは有るが石鹸の匂いがした。
一日バスで揺られて働いて来た人間が、昨日の夜の石鹸の匂いを維持できるはずも無く、風呂に入らずにすむ理由は、私にとって想像する必要も無かった。

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時折、通る人たちの冷たい視線を感じながらも、しばらくの間動けずにいた私は、体の自由が戻ると朝近くの駐車場に止めてあった車まで着くと、鉛のような重さを感じる体を、投げ出すように運転席に着いた。
しばらくそのままの状態が続き、その間に何本のタバコを吸ったのであろうか、手にしていた箱にはもう一本も残っていなかった。
駐車場を出た私は、すぐ隣のタバコ屋の前に車を止めると、店先の販売機には目もくれず、店の中に入りあのタバコを注文していた。
おつりを受け取るとき、手から毀れる小銭の感覚に気づきはしたが、しゃがみ込んで拾い上げる気力もない私は其のまま車へ向かった。後ろからタバコ屋の店員の呼び止める声がしたが、振り返ることもなく車に乗り込み走らせていた。

タバコ屋を出てから何分経ったであろうか、私の車は港の防波堤の所に移動していた。
最初私は思考のないマネキンのように海の方を身動きもしないで見つめているだけでしたが、時間が経つにつれて数時間前のあの光景が脳裏に蘇(よみがえ)りましたが、思考回路に命令を与えても、考えの整理がつきません。
そんな時、車の後ろのほうから子供の声が聞こえたような気がして、ルームミラーでその声の主を探した。
ミラーの端からその主は現れた、年のころは4才位だろうか、補助輪の付いた自転車を必死にこいでいた。
その子がミラーの反対側に消えるころ、その子の両親らしき二人ずれが、満面の笑みを浮かべその子に視線を送っている姿が、目に入って来た、次の瞬間私の目からは涙が溢れていた。嗚咽することもなく、両頬に一本の線として流れているだけでした。

あたりは日もかげり時間は6時をまわっていました、時間をつぶして夜遅い時間に家に帰る気にもなれず、ミラーで身支度を確認し家へ帰りました。

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投稿者:異邦人 投稿日:2004/09/17(Fri) 15:38

その日曜を境に、私はより確信に迫ろうとするのではなく、逆に妻を自分から遠ざけるになって行ったのです。

誤字脱字、乱筆乱文ご容赦ください。
お邪魔でなければ、そのうちまた投稿します。
読者の皆さんにお叱りを受けなければ。

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投稿者:異邦人 投稿日:2004/09/17(Fri) 14:51

その後の私は、仕事も極力速めに切り上げるようにした。
かといって家に早く帰るわけでもなく、探偵続きをしていたのです。
毎日はできませんが、できる限り妻の会社の出入り口を見張り、妻の退社後の行動を掴もうと躍起でした。
この頃になると、喫煙の有無は問題ではなくなっていました。
妻がもしや浮気をしているのではないか、私の気持ちは一気に飛躍していました。
だかそれが現実のものとなって自分に押し迫ってくるのに、さほどの時間はかかりませんでした。

長男が生まれた頃から、私は妻に対して新婚当時ほどの興味を示さなかったのは事実でしょう。
それは妻のほうにも言えることだと思います。
ですが、あのタバコの一件以来、私は妻の言動の細部に渡って、観察集中するようになっていました。
今まで何気なく聞き流していた、言葉が気になってしょうがありませんでした。
妻の行動が気になり始めて、1月程経った頃でしょうか。
それは突然やってきました。

「あなた、今度の日曜休めない?」
「家の仕事か?」
「ん~ん、私日帰りの添乗の仕事入ったから子供見ていてほしいの。無理かな?」
「何とかしてみる。」

私はとっさに承諾に近い返事をしていました。
私の仕事は、日曜がかきいれどきのような仕事ですが。
月に1度位は、土日の休みがシフトで回ってきます。
妻の日帰り添乗という日は、後輩にシフトを交代してもらい、休みを取ることが出来た。
そこで私は考え行動に出ました。
家に帰った私は、妻に予定の日休めない旨を伝えました。

「昨日の話だけど、日曜はやっぱり無理だ、ごめん。」
「そう、お母さんに頼んでみる。」
「すまないな。ところでどこに行くんだ。」
「山形の方よ!」
「誰と、何時から?」

いつもはしない私の質問に、妻は少し怪訝そうに答えました。

「取引先の役員さん達と、社員旅行の下見。」

これ以上の質問を回避するかのように、妻は続けた。

「9時頃会社を出て、夕方までには戻れると思うよ。」

私もこれ以上の質問は、墓穴を掘りかねないと判断し、気をつけて行って来る様に言うと会話を止めた。

当日の朝私はいつもの時間に家を出て、妻の会社の最寄り駅の駅の公衆トイレの影から妻の到着を待った。
この時点では、また素行調査のいきは脱していないが、8時45分頃着いた電車から妻が降りてきてからは、
ただの挙動不審の男になっていた。
日帰りの添乗とは行っても、妻は軽装で荷物も手提げのバック1つだけ。
駅から真っ直ぐ南に歩き、2目の信号を渡って左に曲がって200メートルほど行ったところに妻の会社ある。
時計を見て歩き出した妻は、会社の方向へ歩き出したが、1つ目の信号を左に曲がり、目貫通りの一本手前の道路に入ったのでした。
その道路は一方通行で、角から私が除く50メートル程無効でしょうか、一台のグレーの高級国産車がこちらを向いて止まっており、
妻はその車に乗りました、その車はおそらく数秒後には、私の居るこの交差点を通過していくだろう、
そう思ったとき、重圧に押しつぶされそうになりながら、車内の構成を瞬時に創造していました。
得意先の役員が数名、それに妻が同行で車の大きさから多くても5名位、まさか二人だけということは無いようにと願う自分も居ました。
考えているうちに、耳に車のエンジン音が聞こえて、その車はスピード落とし左折して行きました。
そのとき車の中には、妻が助手席に一人、後部座席には誰も居らず、運転席には私の心のどこかで、そうはあってほしくない人間の顔がありのした。
そうです、やっぱり栗本です。
左折しようと減速した車の助手席では、妻が前髪で顔を隠すような仕草して俯いていました。
自分の顔を他人に見られたくないという行動に他ならない。
一瞬私は吐き気を覚えました、何故かは分かりませんが次の瞬間、冷や汗と同時に歩道の上にしゃがみ込んでいました。


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投稿者:異邦人 投稿日:2004/09/17(Fri) 12:49

問いただせば簡単に済む問題も、自分が躊躇した瞬間から妻に対する疑いの形に代わって行った。
疑いを解決する方法は色々有るのかもしれない、灰皿を見つけた時に妻に問い詰める方法、或いは吸っている現場を押さえる方法。
いずれにしても、妻がガラムを吸っていた事は明白であり、この段階で私の中には妻の素行に興味が移っていたのかも知れません。
妻は長女の出産を期に一度勤めていた会社を退職したが、長男が生まれてから少しすると、
前の上司の進めもあり派遣社員の形で、また同じ会社に勤めていた。
その会社は、そこそこ名の知られた観光会社である、二度目の時は経験も評価され、添乗の仕事もある事を妻は私に納得させていた。
元来家に閉じこもっているのが似合うタイプの女性ではないと思っていた私は、妻の仕事に口を挟む期はなかった。
行動を起こすでもなく、数日が過ぎたある日仕事も速めに終わった私は同僚の誘いも断り、
妻の勤める会社の近くに私は足を進めていた。
妻の素行が知りたいという私の気持ちは、気づいた時には探偵の真似事をさせていました。
町の目貫通りに面した妻の会社は人道通りも多く、人並みの影から様子を伺うにはさほどの苦労は無かった。
午後6時頃現場に着いた私は、15分位でしょうか、探偵気取りで道路の反対側にある妻の会社の出入り口に神経を集中していると、
突然聞きなれた女性の声で、私は出入り口から目を話すことになった。
その女性は、妻の会社の同僚の佐藤さんでした。

「奥さんと待ち合わせですか?」

突然の会話に、答えを用意していない私は多少狼狽していたことでしょうが仕事の関係上帳尻を合わせて会話するのは容易でした。

「たまたま近くに居て、仕事が速く終わったので女房を脅かしてみようかと思って」
「大分待ったんですか?」
「そんなでも無いですよ、今来たばかりです。」
「そうなんだ、でも連絡すれば良かったのに、奥さんもう帰りましたよ」
「そうなんですか。」
「今 私と別れたばかりですよ、そこの喫茶店で。」

新婚当時、妻がまだ正社員の頃は何時も夕方6時ごろに会社に迎えに行きデートをした記憶があった私は、
固定観念のみで行動を起こしていた。

「あの頃とは違うんですよ、奥さん派遣なんだから残業はあまりしないのよ。」
「そうなんだ、昔の癖が抜けなくて。」
「御暑いことで、ご馳走様。」
「今追いかければ、駅で追いつくかも?」
「良いんです、別に急に思いついたことなんで。」

多少の落胆を感じながらも、私は好期に恵まれたような気になって会話を続けた。

「佐藤さんはこれからどうするんですか?、もう帰るんですか。」
「特に用事もないし、帰るところ。」
「この前飲んだの何時でしたっけ?」
「大分前よ、2ヶ月位前かな?、武井君の結婚式の2次会以来だから。」

私たち夫婦は、お互いの会社の同僚や部下の結婚式の二次会には、夫婦で招待を受けることが多く、その時も夫婦で参加し、
三次会を私たち夫婦と佐藤さんや他に意気投合した数名で明け方まで飲んだ記憶が蘇った。

「あの時は、凄かったね?」
「奥さん凄く酔ってたみたいだったし、私には記憶がないと言ってましたよ。」
「凄かったね、何か俺に不満でもあるのかな?」

ころあいを見た私は、本題の妻の素行を探るべく、佐藤さんに切り出した。

「もし良かったら、ちょっとその辺で飲まない?」
「二人で?、奥さんに怒られない?」
「酒を飲むくらい、この間の女房のお詫びもかねて。」
「それじゃ、ちっとだけ。」


とはいえ私は妻帯者でり、あまり人目につく所で飲むのは、お互い仕事の関係から顔見知りの多い事もあり、
暗黙の了解で、人目をはばかる様に落ち着ける場所を探していた。

「佐藤さん、落ち着ける場所知らない?」
「あそこはどうかな、奥さんに前に連れてきて貰った所。」

佐藤さんは足早に歩を進めた。
妻の会社から10分位の所にその店をあった。
幅2メートル程の路地の両脇に小さな店が並ぶ飲み屋街の奥まった所に、その店はあった。
店の名前は蔵、入り口のドアの脇には一軒程の一枚板のガラスがはめ込んであり、
少し色は付いているものの、中の様子が見えるようになっていた。
店の中は、喫茶店ともスナックとも言いがたい雰囲気で、マスターの趣味がいたる所に散りばめられた店という感じで、
私にはその趣味の一貫性の無さに理解の息を超えるものがあったが、席に着くと変に落ち着くところが不思議だった。
とりあえずビールであまり意味の無い乾杯から始まり、結婚式の二次会の話で盛り上がり、一時間位して酔いも回った頃。
私はおもむろに、女房の素行調査に入った。

「佐藤さんタバコ吸う?」
「吸ってもいい?」
「かまわないよ、どうぞ。」
「奥さん旦那さんの前で吸わないから、遠慮してたんだ」

あっけなく妻の喫煙は裏づけが取れた。
にわか探偵にしては上出来であろう結果に、一瞬満足していたが。
この後続く彼女の言葉に私の心は更なる妻に対する疑惑が深まっていった。

「そういえば、女房はガラム吸ってるよね?」
「でもね、正直言って私は好きじゃないのよね、ガラム。」
「ごめん、最近まで俺もガラム吸ってた。」
「私こそごめんなさい、タバコって言うより、それを吸ってるある人が嫌いって言ったほうが正解かな。」
「誰なの?」
「ご主人も知ってるから、いい難いな。」
「別に喋らないから。」
「○○商店の栗本専務さん」
「栗本専務なら私も知ってる。」

栗本専務言うのは、私たちの町では中堅の水産会社の専務で、私も営業で何度か会社を訪問していて面識はあった。

「どうして嫌いなの?」
「栗本さん、自分の好みの女性を見ると見境が無いのよね。私もしばらくしつこくされたけど、奥さんが復帰してからバトンタッチ。」
「そんなに凄いの?」
「凄いの、そのとき私もあのタバコ勧められたんだけど、それで嫌いになったのかな、あのタバコ。」
「女房も彼に進められて、吸うようになったのかな?」
「ご主人じゃないとすれば、多分そうでしょうね、奥さんもともと吸わない人だったから、
会社復帰してからですもんね。ここの店も栗本さんに教えてもらったらしいでよ。」

そんな会話をしている内に、夜も10時をとっくに過ぎ、どちらからとも無く今日はおひらきとなり、割り勘と主張する
彼女を制止し、会計を済ませた私は店の外で彼女の出で来るのを待つ間、一枚ガラスの向こう側に見えない何かを探しているようでした。

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投稿者:覆面 投稿日:2002/08/29(Thu) 23:14

今日子が隣のベッドで寝ている。
私は、起きていた。
あのビデオも、何事もなかったかのようにタンスの中で知らん顔している。
私が悪夢から目覚めたのは、午後六時、それから床に散らばっていた自分の残骸を雑巾でふき取り、ビデオテープを抜き取ってから、またこっそりと元に戻しておいたのだ。
今日子はそれから二時間後の午後八時に帰ってきて、私の母が作ったという散らし寿司を持ち帰って来ていた。
それを食べて、寝るまでの時間、表面上はいつものように、私も今日子も、そうしていた。
時計を見る。日付が変わる五分前、さっきから何度も確認していたので、まだか・・・という苛立ちと、迫り来るその時への緊張が入り混じっていた。

“今日子はなぜ、私に訴えなかったのか・・・”

あれから心の中でずっと考えていた事だった。
レイプという事は犯罪だ。今日子は被害者になる。只、今日子の気持ちの中では、あの出来事は浮気という事になってしまっているのかも知れなかった。

“まっ、まじめなうっ、人なんですっっ・・・浮気してしまったら・・・しゅっ、主人に・・・離婚されてしまいますぅ!!”
“・・・・ああぅ・・・あなた、ごめんなさいぃ・・・今日子、顔面シャワー浴びますぅ・・・シャワー浴びますぅ・・・うぅ・・・”

ビデオの中の今日子の言葉を思い出していた。
今日子が無理矢理、高橋に体を使われてしまったのは確実だ。しかし、そうされるうちに、今日子にも快感を感じる気持ちがあったのも事実であろう。その後ろめたさゆえに、私に負い目を感じてしまっているのではないか・・・
自分を背徳な妻、背徳な母と思い込み、罪を感じているのではないだろうか・・・

“今日子は犯されたのだ・・・高橋に無理矢理、力ずくで今日子の女の部分を使われてしまったのだ・・・”

隣で眠る今日子の姿を見て、私の高橋に対する怒りが溢れ出してくる。犯された事実と、その時の恐怖と、不貞を働いたのではないかという気持ちと、私への懺悔の気持ちと、私にその事実を悟られたくない気持ちと、それに怯える気持ち、それら全ての意識に苛まれて、心の中で泣き叫びながら過ごす、普通を装った毎日・・・
こんな弱虫の今日子を救ってやれるのは、夫だ。
時計の針が重なり合っている。零時になったら事を起こそうと決めていたのだ。私はベッドからのそりと起きだした。

リビングにある電話機の目前の壁、そこには私たち家族に関係する主要な人々の電話番号が書かれたメモ紙が貼り付けてある。その一番最後の行、最新の連絡先として高橋のそれがあった。
ブルブルと指先を震わせながら、プッシュボタンを押していく。恐怖に慄いていた。さっきまでの怒りの感情をドンドンと無くしながら、最後の一桁を押し終えた。

“やるしかない・・・悪いのはアッチだ、悪い事をしたのはアッチだ・・・”

プルルッ、とコールが鳴りはじめた途端、いきなり受話器があげられた。
「はい」

ワンコールも待たない高橋の即答に私は不意を突かれ、出鼻を挫かれた。その声はもちろん、まだ起きていたという事を示すようにはっきりとしたものだった。

「あっ、・・・あっ、あの、たっ、高橋さんの、お宅で、しょうか・・・」
「そうですけど」

もっ、もちろんお前だ。お前が今日子の体を勝手に使ったのだ。私の妻の女の部分を、私の妻であるから私のモノであるはずの今日子の女の子を、人のモノである人妻の女の部分を、ただの淫売と同じように無造作に使ったのだ。許せない。当たり前だ。夫の私が怒って当たり前だ。怒ってやる!

「・・・どちらさん?」
「・・・おっ、大山ですっ!」
「えっ?・・・あぁ!、大山さんのご主人?・・・どうしたのですか、こんな時間に?」
“そ知らぬ振りしやがって!なめるんじゃない!私をなめるんじゃない”

「あっ・・・あんたっ!よっ、よくも今日子に!きょっ、今日子に酷い事をしてくれたな!!」
“この野郎!!許さない!!”

「・・・・・・酷い・・・事?えっ?奥さんに、酷い事・・・何の事ですか?えっ?私がですか?・・・何の事ですか?」
「しっ、しらばくれるんじゃないっ!おっ、俺は知ってるんだっ!あんたっ、今日子に酷い事をしただろうっ!!」
「酷い事?・・・さて、私・・・奥さんの気に触るような事・・・何かしましたっけ?何だろ?・・・私、何かしましたっけ?」
“とっ!とぼけやがって!”

「おぉ、おいっ、貴様!いい加減にしろよっ!げっ、月曜日に、今日子に何をしたっ!?」
「月曜日ですか?・・・えーと・・・あぁ、確か、打ち合わせに・・・行きました・・・ねぇ・・・その時に、何か奥さんの気に触るような事したのかなぁ、僕・・・」

とぼけ続ける高橋の態度に、私の怒りが調子に乗り出した。このまま逃げ通せると思うなよ!

「俺は見たんだよっ!!貴様っ!昨日っ、ビデオテープ持って来ただろうがっ!あっ、あの時俺は、家に居たんだよっ!あんな、いっ、イヤらしいビデオをわざわざ持って来やがって!!きょっ、今日子は、俺に知られまいと、こっそりそれを隠しているんだぞっ!!おっ、俺は、そっ、それを見たんだよっ!!!!あんなイヤらしい事っ、今日子にしやがって!それを、ビッ、ビデオにまで撮りやがって!そっ、それを今日子に!・・・押し付けやがってーーー!!!こっ、これはっ、犯罪だぞっ!!!レイプだぞっ!!!けっ、警察に!・・・警察に訴えてやるっ!!!!かっ、覚悟しろっ!!!貴様ぁーーー!!!!」
“刑務所行きだっ!お前は刑務所行きだぞっ?!どれだけ泣いても、叫んでも、許さないっ!!人妻を無理矢理、犯した罰だっ!!えぇっ?!どうだ?!コラァ!!!!”

「・・・・・・・・・・」

返答がない。恐怖に慄いているようだ。どうだ?どう許しを乞うきだ?!えぇ?えぇ?!

「ふっ!・・・ふざけるんじゃなねぇーーー!!!」
“・・・えっ?”

慌てふためき許しを乞う高橋の狼狽を予想していたわたしの期待に反して、高橋の返答は、怒声で帰ってきた。

「ぼっ、・・・僕に無理矢理あんな事させておいてっ!警察だとっ!!なんという夫婦だっ!!」

“なっ?!!!むっ・・・無理・・・矢理・・・無理矢理ぃ?!はぁ?!!!何のことぉ~~?????・・・無理矢理は、今日子が・・・お前に・・・無理矢理・・・ヤラれて・・・”

「おっ!奥さんがっ!無理矢理僕にあんな事をさせたんじゃないですかっ!!嫌がるっ、僕にっ!こっ、断ったら、犯されるぅぅぅ!!!って、そっ、そう言って表に飛び出してやるって!!そうされたくなかったら私と一発ファック決めろって!!!そう言って無理矢理僕にあんな事をさせたんじゃないですかぁーーーー!!!!」

“・・・はぁ?何がっ、どうなってんのぉ?!・・・一体どうなってんのぉーーー?!!!!きょっ、今日子が・・・君を犯したってのぉぉぉおおお??????!!!!!!”

「あっ、あんなっ、惨い事・・・僕にしておいて・・・悪い夢を見たと思って・・・もう・・・忘れようと思っていたのにぃぃぃ!!!!」
「いやっ、あの、ちょ・・・」
「それをっ!あなた達はっ!・・・私を脅迫するんですかっ!!!僕がっ、奥さんと無理矢理ハメハメしたとっ!?警察だとっ!!わっ、私を脅迫してっ、お金でもゆする気ですかっ!!!!」
「いっ?!そっ、そんな気は!・・・」
「んぼっ、僕はっ!あんなイヤらしい事っ、警察沙汰にしてしまったら、この町内に波風が立つと思って・・・ぼっ、僕だけがっ、我慢したらっ、何もなかった事になるって!そう思って黙ってたのにぃ!」
「いやっ、あのっ、一体、一体全体どうなって・・・いるのか、何が、何だか・・・」
「いいですかっ!ご主人っ!もう二度とその話は僕にしないでくださいっ!!僕はもう、あんなこと忘れたいんですよっ!もし今度っ、僕にそんな話をしたらっ、その場で警察に駆け込みますよっ!!奥さんに犯されてっ、その上、百万円をよこせと脅迫されていると訴えますよっ!」
「いっ?!ひゃっ、百万円って!そんな事いつ・・・」
「そればかりじゃないっ!町内の皆さんにもこの事をバラしますっ!こんな恐ろしい夫婦が同じ町内にいるなんてっ!みんなに知らせないとっ、また誰かがあなた達夫婦の犠牲になってしまいますっ!!!!」
「そっ!そんなぁ!おっ、お願いしますっ!勘弁してくださいっ!警察やご近所さんにチクるのは止めてくださいっ!お願いしますぅ!お願いしますぅ!ごめんなさいっ!ごめんなさいっ!ごめんなさいっ!ごめ・・・」

「ガチャリ!・・・ツー、ツー、ツー、ツー」

私の懇願に対する返答もなく、電話が切られた。持っていた受話器を手から落とし、私は天を仰いだ。

「・・・何だ?・・・何だ今の?・・・何だこれ?・・・どうなってんの?一体どうなってんの?確か俺・・・今日子が・・・高橋に・・・レイプされて、怒って、電話、して・・・あれっ?・・・俺・・・怒られてなかったっけ?高橋に怒られてなかったっけ?・・・あれっ?俺が怒られた?・・・何で?・・・レイプしたのって・・・誰だっけ?・・・今日子なの?あんな、ちびっ子今日子が、高橋を無理矢理犯したの?・・・だって・・・今日子は人妻よ?・・・ママよ?・・・あれぇ?・・・フフッ・・・フフフッ・・・俺・・・ごめんなさいだって!フハハッ、アハハハハハッ!俺、謝っちゃったよ~!ごめんなさいっ!ごめんなさいっ!ごめんなさいっ!・・・アハハハハハッ!アハハハハハッ!アハハハハハハハハハハハハハハハハッ!」

さっきの自分の様子が可笑しくてしょうがなかった。もしこれが、他人事なら、このバカなシーンにもっと大笑いしていただろう。

一夜が明けていた。
私はもちろん、一睡も出来ずに、朝、今日子に起こされる振りをして、日曜日の今日が始まった。
どうしたらいいのか分からない。
昨日言われたように、高橋にこれ以上問い詰めることは出来ない。私の口からその言葉が出た途端、この家族は崩壊し始めるだろう。
もちろん、高橋のあの言葉を鵜呑みにはしていない。只、全くのデタラメとも思えなかった。なぜなら、今日子からの、あの事についての訴えなり、相談なりが皆無だからだ。そればかりか、そんな様子さえも見せない。今日子からの意思表示がないという事は、私にあの事を知られたくないということだ。自分がレイプされたと知ったら、私が今日子の事を嫌いになると思っているのか?レイプされたと言いつつも、自分もそれを楽しんでしまったという罪の意識があるのか?それとも、高橋の言ったことが事実なのか?私には分からない。
レイプされたとして考えられるのは、それを私なり、警察なりに表沙汰として、それでどうなるのかと思っているのかも知れない事だ。こんな小さい町では警察沙汰になったりすると、即、広まる。町中にだ。
自分がレイプされた事を世に知らしめて、得するか?損するか?
それならばいっその事、昨日、高橋が言ったように、あの忌まわしい出来事を自分の中で無しにしてしまった方が得策ではないか?ご近所にももちろん、夫にさえも知られず終わりにする。そう考えているのではないか?
それならば私はどうする?黙っている今日子のように、私も黙るのか?もし、私があの話を勿論、今日子擁護で切り出して、私に知られているという事実を知った今日子が、鶴の恩返しではないが、あなたに私が汚された事を知られてしまった以上、もうこの生活を続けていくことができません、なんて言われたりしてしまったら・・・これもまた崩壊だ。
そっとしておけばいいのか?それで終わってくれるのか・・・
問題は高橋だった。
あの男がこれからどうするのか。あの一回で終わりにしてくれるのだろうか?私には分からない。そんな事を聞き出そうにも、昨日のことがある。

“僕はもう、あんなこと忘れたいんですよっ!”

私が今、考えている状況と、高橋の言い分は正反対ではあるが、高橋のこの言葉を信じたかった。もし、高橋が今になってあんな犯罪を犯してしまった事を悔いているなら、彼も口を噤むし、この先、今日子に近づくこともないだろう。彼から来なければ、今日子から行くことは無い。
みんなが喋らなければ・・・何も無しになるんだろうか・・・

気がつけば、お昼時になっていた。
ダイニングテーブルにはいつの間にか、ご飯が並んでいる。
「パパさんっ、できたよっ」
「あぁ・・・」
そう言って私は席についた。

「あの、子供習字教室どうなった?行ってるの?」
対面で健二に離乳食を食べさせつつ、ご飯を食べている今日子に、私は尋ねた。今日子と高橋の接点・・・この先、それがあってはならない。
「えっ?うっ、うんっ・・・やっぱり止めとこっ・・・たっ、高橋さんもねっ、よく考えたら一人で充分事足りるってさ!」
言葉に詰まりながらの今日子に私は、念を押した。
「でも、役員は続けるんだろう?」
「・・・そっ、それも止めとくっ。わっ、私・・・そういうの・・・苦手だから・・・」
完全な嘘だった。今日子は人のお世話をしたり、みんなでワイワイと一つの事をやったりするのが好きなのだ。
“あんな事がなければ、続けたかっただろうな・・・”
嘘をつく今日子を、私は可哀想と思い、それでも安心も、した。
「そっかっ」
ご飯がちょっとすすみだした。

「ちょっと出てくるから、健ちゃんお願いっ」
今日子が唐突に、私にそう言ってきたのは、昼御飯の片付けも終わり、ソファで三人、ゴロゴロとしていた時だった。
「えっ?・・・何処・・・行くの?・・・」
朝方、そんな事は言ってなかった。突然の今日子の言葉に、私はびっくりし、そして不安になった。
「うんっ・・・ちょっ、ちょっと・・・近くのお友達のうちに行って来るっ」
「・・・どうして・・・そんな急に・・・友達って、誰?」
「えっ?・・・あっ、ぱっ、パパの知らない人だからっ、・・・最近知り合ったんだっ・・・そっ、その人ん家に・・・私・・・けっ、健ちゃんの育児用具忘れてきたのを、忘れてたっ!」
そう言ってテヘヘッと笑う今日子の表情に、堅いものがある。私にはそう見えた。
「べっ、別に、今度でもいいじゃないか・・・」
「ちょっ、ちょっと、いっ・・・やっぱり今行って来るっ。こっ、今度いつ会うか分からないし、また忘れちゃうかもっ。・・・じゅっ、準備してくるっ」
そう言って今日子は立ち上がり、二人を残して寝室への階段を上がっていった。

“おかしい・・・おかしいぞっ!明らかに様子がおかしい!・・・どこへ・・・どこへ行くんだよ、今日子?!急すぎるじゃないか!どこ行くんだよ・・・どこ行くんだよ、今日子っ!!!”
健二を抱いて私は、今日子が下に降りてくるまでの間、またもや疑心と不安と一緒に、途方にくれ続けた。


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投稿者:覆面 投稿日:2002/08/29(Thu) 23:13

パチーーン!

画面に割り込んできた左手が今日子のお尻を引っぱたいた。
「ああっ!あぁぁぅぅ・・・イイ・・・」
今日子が声を上げて首を振る。
「そうじゃねぇよ、マゾ奥さん・・・立ちバックだよ、立ちバック!!手はそのまま、床に付いたままで、膝を立てるんだ。ほらっ、・・・・そうそう、そうそう!そうやってろ!」
画面いっぱいに今日子のお尻が広がる。突然、真っ赤なものが飛び込んできた。いつの間にか引っ張り出されていた高橋の砲身だった。
ドクリドクリと脈を打ち、真っ赤に怒りながら天を睨んでいる。
「さぁ・・・そろそろファックするかい?・・・こんな朝っぱらから、旦那が仕事に行った後で・・・旦那が汗水流して働いて買った家に男引きずり込んで・・・・ファックするかい?」
高橋がそう言いながら、左手で自分の怒張をを?んで、目前にある今日子のヒップをビタンビタンと叩きつける。
「ああぁ・・・ああぅ・・・だっ、ダメですぅ・・・ヤメてくださいぃ・・・ヤメてくださいぃ・・・こんな事・・・こんな悪い事・・・しゅっ、主人にバレたら・・・私・・・あぁっ!・・・・あぁっ!・・・・あぁっ!・・・・」
怒張が、パンティの薄い生地に包まれた今日子のそれをズリズリと擦り上げている。
「ヒヒヒヒヒッ、ヒヒヒヒヒッ、行くぞ?・・・・行くぞ?・・・・・・そりゃぁ!!」
高橋の左手が今日子のパンティを掴み、横に一気にズラす。今日子の女の部分すべてが映し出された。
「ああーーーーっ!!!恥ずかしいですっ!!・・・撮られちゃってますっ!!!あなた、ごめんなさいっ!!きょっ、今日子・・・・ひっ、人前でっ・・・恥かいてますっっ!!恥ずかし~~~~~~~~!!」
「それじゃぁ、いくぜ・・・マゾ奥さん・・・」
「あっ、あなた、助けてぇっ!!こっ、興奮するっ!・・・興奮するぅ!!」
「フンッ!!!」
いつものように、無造作に高橋のペニスが今日子のそれに突き刺さった。思いやりのない、自分勝手なペニスが根元まで埋まった瞬間、一気に引っこ抜かれ、そこからまた根元まで突き刺ささる。いきなり全開で、高橋の腰がスパートをかけた。

パンッパンッパンッ、ズボジュボズボジュボ、パンッパンッパンッ、ブジュゥブジュゥ、パンッパンッパンッ、ズボジュボ、パンッパンッズボジュボパンッパンッ

カメラの前では高橋のペニスが引っこ抜かれる度に、今日子の肉が絡みついたまま引っ張り出され、ブジュゥブジュゥと淫水を撒き散らしている。そしてまた、肉を裂き割われ、絡みついた後、引っこ抜かれる。
「あああああああーーーーーー!!!いいですっっ!!いいですっっ!!いいですっっ!!いいですっっ~~~~~!!いいですっっ~~~~~!!いいですっっ~~~~~!!あっ!あっ!あっ!あっ!あっ!あっ!あっ!あっ!イィ、イィ、イィ、イィ、イィ!!!!!!ハメッ、ハメッ、ハメッ、ハメッ、ハメッ、ハメェェェ~~~~~!!!」
「いいかい?いいかい?奥さん、俺と不倫しちゃってるよ~~~!!不倫っ!!!不倫っ!!!さっきまで普通の奥さんだったのにねぇ?」
「あああああ~~~~~!!!ヒドイですーーーー!!!ヒドイですーーーー!!!むっ、あっ、イィ~~~!!むっ、むり、やっ、イィ~~~!!むっ、無理矢理じゃないですかぁぅぅぅ~~~~!!!はっ、犯罪ですっ、こんなの犯罪ですっ~~~~~!!!!イィ、イィ、イィ、イィ、イィ!!!!!!」
バコバコと音を立てながら、高橋のそれが突き上げられる度に、それを咥え込み、吐き出す。咥え込み、吐き出す。また、咥え込み、吐き出す。
高橋が腰を突き上げるたび、今日子の体が前に前に滑り続ける。その度にカツカツと履かされたハイヒールが音を立てた。
「ご主人はいつも何時に帰ってくるんだいっ!毎日大変だねぇぇ!!こんな不良娘のためになぁ・・・」
「はっ、はっ、七時ですうぅぅ!あああ~~っ!!まっ、まっ、まじめな人なんですうぅぅ!あああああああっ!!いっ、いつもっ、七時きっかりに帰ってくるんですうぅぅぅ!!キクぅ!キクぅ!キクぅ!キクぅ!!!」
「そうかいっ!んっ・・・んんっ!いいご主人じゃないかっ!くぅ!くぅ!人間、まじめが一番だよ!いい旦那捕まえたねぇ?!普通の女の振りして騙くらかしたのかい?くぅ!くぅ!・・・あぁっ!・・・イィ!!!あ~~~~っ、締りがいいよっ!!何か運動してたのかい、奥さん?・・・クゥ!!クゥ!!」
高橋の腰が激しさを増す。左手で腰をつかまれたまま、後ろから突き上げられ、女の部分を擦り上げられる。
「あああああ~~~~~!!キクぅ!キクぅ!!!くぅぅぅぅ!!!!・・・・しょ、小学からああああぁぁぁああああ~~~~高校までえええぇぇぇえええっ!!!ずっと!バッ、バレ~~~~ボ~~~ル~~~やってましたあああぁぁーーーー!!!!!」
高橋にファックを決められ続けながら、髪を振り乱し、必死に声を絞り出す。
「なっ!何いぃ?!バレーボールだとぉ!!!こんなオチビちゃんでやってたのかぁ!!クゥ!!」
「セッ!!!!セッターだったんですうううぅぅぅぅ!!!!!あぁっ!イィッ!!イィッ!!イイイイイイイイィッ!!」
「そっ、それでっ!!・・・ブッ、ブッ!ブルマー履いていたのかっ!こんなデカイケツにブルマー履かせていたのかっ?このっ、ドスケベがっ!巨乳をブルンブルンさせながら練習してたのかっ!!」
「はいいいいぃぃぃいいいいいっ!!!ブッ、ブルマー・・・クゥ!!!履いてましたあああぁぁぁぃぃぃイイイイイィィィ!!!!」
「そっ、それでっ!顧問の先公やっ!・・・んんっ!・・・男子部員に視姦されながらっ!濡らしてたんだろうっ!!!小学校から高校までずっと、濡らしてたんだろうっ!!!家に帰ってあの視線を思い出しながらっ、自分でヤッテたんだろうっ?!小学校のときからずっと!!!!」
「いやややあああああぁぁぁ!!!!そんなことしてませんんんんっぁぁぁあああああっ!!」
高橋の言葉責めに、より一層今日子が乱れる。
「言えっ!!!!ヤッテたって言えっ!!!!・・・言うんだっ!!!!」
「いやややあああああぁぁぁ!!!はいいいいぃぃぃいいいいいっ!!ヤッテましたあああぁぁぁっ!!!!!家に帰ってえええぇぇぇおおおおお、おっ、おっ、オナッ、オナッ、オナッてましたあああああおおおお、お父さんんんんっ、お母さんんっ!!!!ごめんなさいいいいいぃぃぃきききききょきょきょ、きょっ、今日子は不良ですううううっぅぅぅ!!!!!」
「よ~~~~しっ!!!そろそろ行くぜっ!・・・今日子っ!!」

バゴッバゴッバゴッジュポンバゴッバゴッ、ジュポンジュポンジュポン、パンパンパンッ、ズボジュボズボジュボ、パンッパンッパンッパンッ

「あああああああぁぁぁぁぁ~!!!!!!!ボコボコにっ、ボコボコにっ、私ボコボコにっ、イクッ!イクッ!イクッ!イクッ!イクッ!イクッ!こんなのっ、こんなのっ、イクます、イクます、イクます、イクます、イクます、いくぅぅぅううううううきききききいいいいぃぃ!!!!!!!!!!!!」
「オラァ!!」
高橋が左手を離し、大きく一突きした。支えをなくした今日子の体がその一突きで吹っ飛ぶ。そのまま前に倒れこんだ。
カメラが今日子の顔に近づいて、また髪を鷲?みにし、引っ張りあげて正座させる。
「ホラッ!上向けっ!他人の妻にぶっかけてやるっ!!」
「・・・・ああぅ・・・あなた、ごめんなさいぃ・・・今日子、顔面シャワー浴びますぅ・・・ヤラれた後、仕上げにシャワー浴びますぅ・・・うぅ・・・」
画面下からそびえるペニスを高橋の左手がシゴキ倒す。
「いくぞっ!・・・せいやっ!!」
見事なまでにそれは今日子の顔めがけて飛び出して行った。後から後から、それが脈打つたびに延々と飛び出してくる。今日子の前髪にベットリ、そしてオデコにタップリ、顔中に張り付いてそれらが一斉にたれ落ちてくる。今日子の丸い顔がそれで覆われた。
「くぅ、くぅ、くぅ、・・・ヘヘッ、やったぜ・・・ボコボコにしてやったぜ・・・今日子・・・俺は奥さんを初めて見たときから、一発キメてやるって決めてたんだよ・・・そのスケベな体、スッポンポンにひん剥いてやるって決めてたんだよっ!!」
高橋の手が今日子の髪を後ろに撫で付ける。スペルマが絡みつき、ポマードのようにそれは髪の毛を浸していった。
「・・・もぅ・・・もう、帰って下さい・・・はやく、帰ってくださいっ・・・帰ってくださいぃ、帰ってくださいぃ・・・帰ってくださいぃぃ・・・」
「分かったよ、もうテープも残り少ないしな・・・研究も終わったし、帰るか・・・ビデオも切るわっ」

いきなり画面が切り替わった。リビングの壁時計が映っている。それは、六時五十五分を示していた。
「・・・あれからずっと、やりまくってま~すっ!」
状況を説明するような高橋の声が聞こえた。カメラの目がゆっくりと近づいてくる。高橋の足元にはやはり、今日子がいた。生まれたまんまの姿にされて、高橋の股間の前に正座をさせられていた。相変わらず、髪を掴まれている。そして激しく揺さぶられていた。
「奥さんは今日一日で、おしゃぶりもこれだけ上手になりましたよ~!」
口で高橋の怒張を咥え込み、目は何かを訴えかけている。
「さぁ~、早くしないと、ご主人帰ってきちゃうよっ!早く早くっ!こんなトコ見られたら即離婚よ、離婚っ!!」
「・・・ぐっ、ぶはぁ!おっ、お願いですっ!もう勘弁してくださいっ!もう、主人帰ってきますっ!、もう、主人帰ってきますっ!、おっ、お願いですっ!お願いですっ!お願いですっ!お願いですっ!お願いですうぅぅ!!!」
「だから、後一回イッタら帰るって!早く早くっ!しゃぶって!!!奥さんっ!!!」
高橋が怒張で今日子の顔をビタンビタンはりつける。ふっくらしたホッペに擦り付けられ、今日子の顔が大きく歪んだ。今日子がそれを咥えようと、大きく口を開けたまま追いかけた。否応無しに今日子がそれにしゃぶり付く。ジャブジャブと音を立てて吸い込み、口でこすり上げ、舌を出してペロペロペロと一生懸命舐め上げる。
「俺の教えたままじゃねぇか!ちょっとはオリジナルの技開発しろよっ」
「・・・早くっ、ジュポジュポジュポ、早くっ!、出して下さぃい!!出して下さぃい!!出して下さぃい!!」
「あぁ~~~っ!もうちょい、もうちょい」

ズボッズボッズボッレロレロレロズボッズボッズ、チュッチュッチュッ、ボッボッボッボッボッ、チュルチュルチュルチュル~~~

「ピンポーン」
ついにそれが、鳴った。
今日子が目をむく。目線が一気にリビングのドアに移った。
「ピンポーン、ピンポーン、ピンポーン、ピンポーン」
今日子が咥えたそれを吐き出そうとする。それを高橋の手が制止した。
「心配はいらねぇ、ヘヘッ、チェーンかけてあるんだ、早くしろっ!」
「きょっ、今日子~!」
遠くで声がした。
「ほらっ、ご主人のお帰りだ!やさしく声をかけてやれ!」
ズボッズボッズボッレロレロレロ
「・・・ぶはぁ!・・・はっ、は~い!いっ、今!・・・イキますーーー!!・・・はっ、早くイッテ下さいいいぃぃぃ!!!」
ズボッズボッズ、チュッチュッチュッ、ボッボッボッボッボッ、チュルチュルチュルチュル~~~~~~!!!!!!!!
「おおぅ!イク~~~!!!」
今日子の口の中でそれがビクビク飛び跳ねた。同時に今日子の喉がゴクリゴクリと鳴り響く。そして、怒張を一気に吐き出した。
「早くっ、早くっ、早くっ、早くっ、服を着てくださいっ!服を着てくださいっ!」
そう言って今日子も床に散らばった服を着始める。
「どうしたらいいんですかっ!・・・どうしたらいいんですかっ!どっ、どう言ったらいいんですかっ!こんな事っ・・・」
高橋がトランクスとスラックスを引き上げる。服を着る今日子を撮りながらうれしそうに笑った。
「ヘヘヘッ、うまいこと言いなよ?うまいこと振るまいなよ?バレたらちょっと、ややこしくなるぜぇ!?」
お尻を無理やりスカートに押し込め、乳も無理やりTシャツに押し込めて今日子が狼狽した。
「ああぅ・・・どうしたら・・・どう言ったら・・・どうしてこんな事に・・・」
「とりあえず、健ちゃん連れて出なよ、全部健ちゃんのセイにしちゃえば?どうせ喋れないんだし・・・まぁ、全部見られたけどなっ」
その言葉に従ったのかは分からないが、今日子が健二に走りより、抱きかかえた。
「おっ、お願いですっ!お願いですっ!うまくあわせて下さいっ!話をうまくあわせて下さいっ!!!お願いですっ!お願いですっ!」
そう叫びながら、今日子がリビングを出て行った。
高橋のククッという笑い声がして、ビデオが完全に終わった。

“・・・・なんて事だ・・・・こんな・・・こんな・・・事って、こんな事って!きょっ、今日子が、・・・高橋に、・・・きょっ、今日子!!それなのに、私に気づかれまいと、・・・気丈に、振舞って・・・こんな事の、後なのに・・・気丈に、振舞って・・・怖がりの今日子が・・・あの今日子が・・・子供を生んで・・・お母さんになって・・・強くなって・・・いつの間にか・・・私なんかより、ずっと・・・強くなって・・・家庭を壊すまいと、何もなかったように振舞って・・・なんて事だ、こんな恐ろしい事、わっ、私は・・・どうしたら、・・・こんな怖い現実をどう受け止めたら・・・あぁ・・・あぁ・・・あぁ・・・あぁ・・・あぁっ!・・・そっ、そうかっ・・・こっ、これは、夢、なんだ・・・怖くて、悪くて、・・・そして淫靡な、只の夢・・・そうか・・・それなら納得できるさ・・・今日子の、あのイヤラシイ姿も・・・ヘヘヘッ、俺の妻の今日子が、高橋のやつにメス豚扱いされてたぞっ!スッポンポンにされて、高橋の、チッ、チンポをジャブジャブしゃぶってたぞっ!私の妻が・・・淫売扱い・・・ヒヒッ、ヒヒッ、ヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒッッッ!!!!”

股間から真っ白いスペルマを撒き散らしながら・・・
寝不足の私は、ゆっくりと眠りの中へ引きずり込まれていく。
でも、何も怖くはない。
今見た、悪夢よりも怖い夢など、この先、一生見るわけがない。



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投稿者:覆面 投稿日:2002/08/29(Thu) 23:12

「・・・・あぁぅ・・・あっ、・・・・あっ!、・・・うぅぅ・・・・あっ!、あっ!・・・ううぅ・・・」
床に倒れこんだままの今日子の体が、ビクンッビクンッと跳ね上がる。自分の意思に反しているのをアピールするかのように、痙攣を起こすたび、自責の呻きが口から漏れていた。
「奥さん、椅子に座って!お客が来てるのに行儀悪いよっ!」
高橋の両手が、また今日子の髪を鷲?みにした。そのまま一気に、今日子の体を床から引っこ抜く。
「・・・あぁぅぅ!・・・もっ、もう・・・帰ってくださいぃ、帰ってくださいぃ・・・帰ってくださいぃぃ・・・」
放心したような顔で、高橋の顔を見上げたまま呟く。
「そりゃねぇぞっ!?健ちゃんのお母さんっ!」
荷物でも降ろすように、今日子の体を椅子の上に投げつける。崩れ落ちそうになる体を今日子の手が背もたれを掴んで防いだ。背もたれにうな垂れる様にして、今日子が座った。
「そ~ら!」
高橋の手が後ろから、今日子の両肩を掴み正面に向き直させる。今日子に自我が蘇った。
「やっ!・・・撮らないで下さいっ!もうビデオカメラ止めてくださいっ!・・・はっ、早く帰ってくださいっ!もう、出て行ってくださいっ!!」
そう叫びながら、いくら体を揺すっても、高橋の呪縛からは逃れられなかった。
「ヘヘヘッ、・・・暴れても無駄だよ、子供みたいな顔しちゃってぇ!・・・んっ!?・・・なんだこれ!?・・・小学生のクセになんだ!?このオッパイの成長具合はっ!!」
高橋の手が滑り落ちる。そのままの勢いで今日子の両胸を鷲?みにした。
「ヤッ!!!・・・イヤですっ!止めて下さいぃ!!」
今日子の両胸を鷲?みにする高橋の腕に、今日子の手が伸びた。引き離そうと必死でもがくが、高橋は、その今日子の腕もろとも、重々と垂れ下がった今日子の釣鐘型の乳を上下左右に揺さぶり、持ち上げ、引き寄せ、タプタプと揉みしだく。
「あぅっ!・・・やめっ・・・くっ!・・・ああぅ!」
「今日子さ~ん!コッ、コリャア・・・いぃぜ!いいっ!モチモチだよっ!餅みたいだよ!・・・あぁ、重たい!奥さんこんなのよくぶら下げてるねぇ?よく、そ知らぬ顔でぶら下げて歩いているねぇ!?俺だったら歩けないよ、恥ずかしくて!!今日子さん、人妻だろっ?一児のママだろっ?恥ずかしくないのかい!?こんなに乳ブランブランさせて、毎日毎日、商店街ほっつき歩いて、ケッ、ケツを・・・パツンパツンのケツを、ムチムチ鳴かせながら恥ずかしげもなくほっつき歩いて、・・・そんな姿をみんなに見られて、オナニーのおかずにされちゃって・・・ご主人に悪いと思わないのかいっ!?一生懸命働くご主人に、えぇっ?奥さんっ!!謝れっ!ご主人に、謝れっ!!このっ、オナペット夫人!!」
もはや今日子の両手は、高橋の腕にしがみ付いているだけで、高橋の手の動きにあわせて上下左右に引っ張られている。
「ああぅぅ・・・パパッ!・・・あなた、ごめんなさいっ!ごめんなさいっ!ごめんなさいっ!今日子はっ、こんな事にっ!・・・ああああぁ!!!」
「フンッ!」
高橋の手が、今日子の白Tシャツの両脇裾を掴んだ途端、一気にそれを引っこ抜いた。勢いに負け、今日子の両乳がブルルンッと飛び出す。あまりの勢いに、力のない両手が今日子の意志に反して、バンザイとなり、そのままズボズボッっと首まで、そして一気に首からも引っこ抜かれた。黄色の大きなブラジャーにつつまれたそれがプルプルと音を立てて揺れる。
「出たーっ!!!餅がでたーっ!!!ヤッホーーー!!!!!」
そう言って高橋がそれをすぐさま捕らえた。両手でタプタプと揉みしだきながら、徐々に徐々にブラジャーのカップをズリ下げ、乳を引きずり出していく。
「いっ、いやらしいよっ!90センチの爆乳がっ!小学生のクセに大人を狂わす爆乳がっ!・・・ちっ、乳首出せっ!見せろっ!コラッ!近所の主婦っ!!」
「・・・あぁ!・・・はっ、はず、恥ずかしいっ!!!!!」
「・・・ほらっ、乳首出ちゃった!」
黄色いブラジャーが、釣鐘型の下乳に挟まれて潰されている。大きな餅の頂点にビクビクとピンコ立ちになったピンク色のそれがあった。
「あああぁぅ!はずっ、はずっ、・・・・見られて恥ずかしいですっっ!!!」
「キーーッ!!ピッ、ピンクの乳首が!!ピンクの乳首が!!ビンビンだぜぇ!?興奮して、ビンビンに勃起してるぜ!?奥さんっ!」
高橋の両手がそれをつまみ上げた。親指と人差し指で無残に握りつぶす。あまった指を乳房に食い込ませ、またタプタプと揉みしだく。グリグリと乳首を握りつぶし、タプタプと揉みしだく。グリグリタプタプ、グリグリタプタプと揉みしだき、握りつぶす。
「ヘヘヘッ、ヘヘヘッ、んん・・・・奥さんの肌が、俺の手に吸い付いてくるぜ、手を止めると張り付いてしまいそうだよっ!しっとりシトシト、むっちりムチムチ奥さんの肌、たっ、たまんねぇよーーー!!脂の乗り切った人妻の体だぜっ!・・・そういや、オッパイは出ないのかな?奥さん、健ちゃんのママはオッパイ出ないのかなーー?」
乳首をひねり潰されたまま、両乳を根元から搾り出され、先端まで揉み込まれながら、今日子の目は宙を彷徨っている。今日子も夢中に引きずり込まれそうになっていた。
「・・・あぁぁぁぅ・・・・もっ、・・・もう・・・出ません・・あっ・・もう・・・出ないんですぅぅう・・・あっあっイイッ・・イイッ・・・」
高橋の手が、ツボを捉えるたびビクッビクッと痙攣を始める。
「奥さ~ん、・・・乳がかなり良さそうだねぇ?・・・もう、頭の中がトロトロにトロケてるんじゃないかい?・・・聞こえる?・・・奥さん、聞こえるぅ?」
その声に答えるように、ガクリガクリと首を大きく縦に振り乱す。
「もっと欲しい?・・・もっとして欲しい?乳首捻り潰してやろうか?」
また、首が縦に大きく振られた。
「このっ、・・・世間知らずの乳首がっ!!」

バシィー!

高橋の人差し指が、思いっきり今日子の両乳首を弾き飛ばした。
「イタッ!!、あああっ!・・・イッ・・・イイ・・・・」

バシッバシッバシッバシッバシッバシッバシッバシッバシッバシッ!!!!

また、パンチングボールのように今日子の乳首は容赦なく弾かれ、もとの位置に戻った途端、またバチバチと弾き飛ばされる。
「あああぁぁぁーー!あああああああぁぁぁぁぁ!!!!イイッ!イイッ!たっ、たまらないっ!!!」
「奥さん~~~~~~!こっちもたまんねぇよ~~~~!奥さんの、その顔と体のアンバランスたまんねぇよ~~~~!子供みたいな幼稚な顔しやがって、なんだこの大人を困らせる体はっ!!奥さんが悪いんだっ!なんて体してやがるっ!スケベな体してっ!!」
いきなり高橋が今日子の頭を小突くように突き飛ばした。それと同時に今日子の体が椅子から崩れ落ち、バタリと倒れ込む。
高橋が、ビデオカメラにドンドンと近づいてきて、ムンズとそれを掴み上げた。
それが高橋の目線となり、見下ろすと今日子がうつ伏せに倒れこんでいる。
高橋の左手が、黄色の大きなブラジャーのホックを弾き飛ばした。そのまま強引に今日子の体からむしり取る。それからまた、今日子の髪を鷲掴みにした。そして引っこ抜き、立たせる。今日子がヨロケながら立ち上がった。
左手だけで、今日子の顔を上に向かせる。
「奥さんスカート、脱いで・・・カメラ見ながら、脱いで・・・」
「あぁっ・・・ヤバイですぅ・・・」
上気した顔が桃色に染まり、口で息をしながら今日子の手がスカートにかかる。
ハァハァと声を荒げ、腰に引っ掛かったそれをムリムリと腰を振り、引きずりおろした。
「よし・・・後ろ向け・・・ケッ、ケツ見せろっ、淫乱ママッ」
「あぁっ!・・・恥ずかしいです・・・恥ですぅ・・・」
高橋の手が今日子の髪を離す。それを合図にして、今日子の体が180度回転した。
「ヘヘヘッ!ヘヘヘヘヘッ!ついにやったぞ!・・・きっ、近所のごく普通のムチムチ奥さんをパンティ一丁にしてやった!!!・・・トロトロに脳ミソとろけさせて、俺の言うこと聞いてやがる!・・・・・・・この人妻は、他の男の言うこと聞いてやがるっ!!」
カメラが今日子の後姿を舐めまわす。ムチムチとしたふくらはぎ、ムチムチとしたフトモモ、そして、黄色いパンティに無理矢理押し込められた95センチのはちきれたお尻、クイッとくびれたウエスト、そしてまた、ムチムチの背中周りに二の腕、その上にショートカットの小さな頭が乗っている。
「ヘヘヘッ、よしっ、いいぞ!今度は、足を大きく開いて、てっ、手を、両手を頭の後ろで組むんだっ・・・」
ハァハァハァと肩で大きく息をしながら、今日子がその言葉に従う。高橋の要求通りの姿になった。
「ヘヘヘッ、ヘヘヘヘヘヘッ!いいぞ!いいぞ!こっ、今度はっ!!男が、ファックする時やるように大きく腰を縦に振ってみろっ!・・・」
「・・・ぁぁぅ・・・あぁ・・・ハァハァハァ・・・こんなイヤラしい事・・・心臓が・・・張り裂けそうに・・・」
「張り裂けそうに、どうなんだ?・・・興奮してるんだろ?こんなプレイ、初めてなんだろ?・・・どうだ?いいだろ?・・・女ってのはこうやって男にヤラれるんだよ・・・こういう風に扱われるモンなんだよ・・・いいだろ?男にこういう風に扱われるのは・・・さぁ、腰振れ・・・俺の号令で腰を振れ・・・いいかい?奥さん・・・」
「・・・はっ、・・・・・・・・・・・ハイッ・・・」
「ようし・・・いくぞ・・・・・・・・・・・・イチッ!」
号令と同時に、今日子が腰を大きく縦に振った。足を広げ、手を頭の後ろで組んだまま、高橋に言われたとおりに腰を振る。
「・・・・ニィ!」
クィっとまた腰を振る。
「サンッ!!」
「シッ!!!」
号令と供に、腰が振れる度に、今日子のヒップに力が入り、クイッと持ち上がる。ムチムチ度がより一層に増した。その度に黄色いパンティの生地が、尻の割れ目にクィクィと食い込んでいく。
「ヒヒヒヒッ、ヒヒヒヒッ、・・・人妻の体だよ・・・子供みたいな顔してたって奥さんは所詮人妻なんだ・・・そのいやらしい体がなによりの証拠だよ・・・さぁ、奥さん・・・そのまま四つん這いになれよ・・・俺の言うこと聞いて・・・さぁ、早く・・・淫乱ママ!!」
「あっ!あぁ・・・こっ、こうですかっ?」
そう呟き、後姿のまま今日子の膝がカクリと折れた。膝を付き、両手が地に付く。今日子の尻が遠慮なく突き出された。カメラが一気にそれに近づいた。


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悪夢 8

投稿者:覆面 投稿日:2002/08/29(Thu) 23:06

「世間知らずなお子様だよ全く、・・・こりゃスパルタ教育してくれる人間が必要だな」
わざと深刻そうに喋りながら、高橋が今日子の前に回った。
「おぉっ!こりゃすげぇ!特等席が空いてるじゃないか、どっこいしょ!」
そのまま今日子の目前にドッカと座り、その痴態と対面する。
くふぅ、と今日子の両足がまた閉じた。
「もう、しつこいなぁ・・・あぁ!じらし作戦かい?そんな、テクどこで憶えた?誰に仕込まれた?・・・ははぁん・・・さてはご主人と結婚する前に、こましの男に捕まって、ボコボコにされていたな?えぇっ?そうだろっ?そいつに仕込まれたんだろっ?・・・そいつの事まだ好きなのかっ?人妻になってもまだ、その男の事が忘れられないのか?」
「なっ!そっ、そんな人いませんっ!うぅ・・・どうしてそんな悪いことばっかり言うんですかっ!うぅ・・・ほんとにっ・・・じらしてなんかないんですっ!ほんとにっ・・・イヤなんですっ!イヤなだけなんですっ!もう、ほんとに許してくださいっ!ほんとに許してくださいっ!!」
「はぁ?許してほしいのはこっちの方だよ!さっきからウマい事ばっか言って、一人で楽しんでるじゃないか!?付き合わされるこっちの身にもなってくれよ!俺も早いとこ帰りたいんだよっ!」
「あぁっ!・・・もう、一体どうしたら帰ってくれるんですかっ!私に、何をっ・・・どうしろとっ・・・うぅ・・・」
「だから、さっきから言っているじゃないか?・・・この、ムチムチの太股を・・・ガバッっとおっ広げなさいっ!!」
高橋の手が、今日子に伸びた。右手は今日子の左膝に、そして左手は右膝に。
「・・・あぁぅ・・・」
「さぁ、俺の目を見て・・・言ってみろ・・・今日子のムレムレパンティー見て、ってよ・・・」
「・・・ヒドイッ!・・・酷いですぅぅぅ・・・」
今日子の目が懇願する。イヤイヤと諭すように首を振った。
「・・・・・・」
高橋はその姿勢のまま動かない。無言で下から今日子の顔を見上げている。
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・そんな・・・ぁぁ・・・そんな事・・・もう・・・きょっ、今日子の・・・・ムッ、ムッ・・・ムレムレッ!・・・ムレムレパンティー!・・・みっ、見っ・・・きょっ、今日子の、ムレムレパンティー!見てくださいいっっ!!!!やっ!あああっ!!」
「それっ!」
今日子の言葉を遮るようにして、高橋が今日子の膝に掛けていた手を、一気にガバッと押し広げた。

カツツツツウゥゥーーー!

履かされたハイヒールが、音を立てながらそれぞれ反対方向に割れていく。
その音が止まった時、高橋の目前には再び、下半身を大開脚された今日子の姿があった。
「やぁーーーッ!はっ!恥ずかしいいっっ!!はしたなくてすみませんんっ!はっ!恥ずかしいいっっ!!」
「ヘヘヘッ、ヘヘヘッ、はしたないぞ!今日子!!これは、・・・確かにはしたないっ!!」
高橋が顔を今日子の股間に近づける。
「だって、・・・もう、泣いてるじゃないか?奥さんの、女の子が、泣いてオパンティーを濡らしてるじゃないか?・・・・あぁ・・・かわいそうに・・・」
そう言って高橋は、泣き叫ぶ黒バイブをまたそこにあてがった。
「あっっ!!!もうヤメて下さいいいいーーーー!!!!」
「よしよし、よく我慢したもんね~、がんばったもんね~」
あやすように、そこをバイブで撫で付ける。
「ああぅ!あぁ・・・もう・・・ああぅ!ああぅ!ヤメて下さいっ、ヤメて下さいいぃぃぃ!!!」
「な~にを止めるの?何を止めてほしいの、奥さん?」
「・・・くぅ!・・・そっ、そのっ、あのっ、・・・ああっ!・・・ぶいんぶいんするの・・・ヤメて下さい・・・恥ずかし・・・・ああぅ!!あっ、あっ、ああっ!」
「ヤメてったって、口でそんな事言ったって、下のお口は、キャンデー食べようと必死だよ?奥さん!」
高橋の右手が、黄色いパンティにペットリと張り付いた今日子のそれに、薄い生地越しから、むず痒いばかりの微妙な快感を与え続ける。
「今日子ちゃん、コンニチワする?コンニチワするの~?」
高橋が問いかける。今日子にではなくて、トロけて泣く、今日子の股間に。
「ダメですぅっ!・・・ダメですぅ・・・」
「そっかそうか、息苦しいね~、こんなピチピチパンティー履かされたら、ムレちゃうよねぇ?よし!おじちゃんが取ってやろう!・・・フンッ!!」
パンティーの横脇をムンズと掴み、そのまま横に引っ張る。パンティーが残された伸縮性のみでその動きに必死についていく。ズラサれ、黄色い一本の線になった生地の隣にそれは顔を出した。
「やっ!ダメですぅっ!・・・ダメですぅ・・・あああああっっ!!丸出しにっ!あああっ!恥ずかしいぃ!!イヤラしくてっ、恥ずかしいぃーーー!!」
「ああぅ!きれいだ!奥さん!こんな綺麗なマンちゃんが、トロトロとトロけて・・・・かわいいねぇ!こんなかわいい子にはこうしてやるっ!ブッ、ブブーーーッ!!!」
高橋がそれに向かって、勢いよく唾を吐きかけた。
「あぁっ!!!そんな!・・・・ヒドイですっっ!ヒドイですっっ!!・・・」
顔をそむけながら、今日子が言った。横目で股間の様子を覗き込む。
「ヘヘヘッ、ヘヘヘッ!、世間知らずのピンク色しやがって!!小学生のクセにもうマン毛生えてるじゃないか?ませた子だ!スパルタ先生は怒ったぞ!」
そのまま無造作に、右手のバイブが根元まで、今日子のそれに一気に突き刺さった。
「ああああっ!!やあぁーーー!!!」
今日子が叫びながら大きく仰け反る。
「よ~し・・・味わって食べるんだぞぅ・・・フンッ!」
手が、これまた無造作に、バイブの出し入れを始めた。根元まで入れ、抜けるギリギリまで引っこ抜き、そしてまた、根元まで突き刺す。細めのバイブは、斜めに入ったり、その中をかき回したり、自在に暴れだした。

ブイィーーー、ィッ、ィッ、ィッ、ィィブイィ!ジョルジョル、ビィビィーー!!

「アアアアッッ~~~~~~ッ!イイ~~~~~~~ヤァァァァァァァァァッ!!」
「大声出すなよ、みっともない・・・・小学生のくせにすでに感じてやがる。このっ、スケベッ!」
ブジュゥ、と今日子のそれが淫水を吐き出した。
「もう!なにコレ~!?奥さん言われたら燃えるほう?」
無造作に手を操りながら、今日子の顔を覗き込む。
「いやっ!言わないで下さいぇぇぇぇぇぁぁぁあああああぅぅぅぅぅ!!」
「ホラッ!ご近所さん見に来たよ、奥さんの後ろにもう五、六人来てるよ、みんな奥さんのこと、やっぱりズベ公だったってよ!!」
ブジュゥ、ブジュゥとまた勢いよく吐き出した。
「アハハハハハッ!アハハハハハッ!マン汁吐き出すオモチャかよ?健ちゃんのオモチャかよ!?」
「いやああぁぁぁぁーーー!!!健ちゃんの事は言わないで下さいいいいいぃぃぃぃ!!!いやああぁぁああ~~~~~!!!只の主婦なのにっ、どうしてこんな事におおぉぉぉわわわわっーーー!!!」
そう言いながら、またブジュゥと淫水を吐き出す今日子の顔を覗き込みながら、高橋が言った。
「あ~あぁ、・・・たくさんガマン汁飛び出してきたよ!こりゃ、よっぽどご主人のが奥まで届いてないんだねぇ?奥さんの下半身、もうペチョペチョだよ・・・結局、俺が後始末をしなきゃならねぇんだよなぁ・・・しゃぁねぇ、俺が口で掃除してやるよ、ちょっと、奥さん、腰突き出して・・・」
「イッ、イヤですーーーッ!!じっ、自分でやりますっ!自分でやりますからっ、縄をほどいてくださいぃぃっ!!!」
「こらっ、子供が大人びたこと言うんじゃないよ!」
高橋の手が今日子のふくらはぎを掴み取り、一気にそれを手前に引いた。
ガクンッと今日子の体が沈む。背もたれ棒に回されていた組紐達もそれと同時に棒の下までずり下がった。なおも高橋が、今日子の体を上下左右に揺さぶる。
高橋が手を離したとき、今日子の体は、腰掛部のシートと平行に、首から上は、背もたれ部と平行、シート部に対して直角にひん曲がっていた。
今日子が目を開けると、高々しく突き出た両乳の間から高橋の笑う顔があった。
「イッ、イヤーーー!はっ、はしたないいぃぃっっ、見ないで下さいいいぃぃぃっ!!!」
「いいかい?もうお股は閉じるんじゃねぇぞ?こんなムチムチ太股に挟まれたら、俺の頭つぶれちまう・・・どれどれ・・・」
高橋がそう言ってもう一度、今日子の股を割り開き、股間に刺さったままの黒細バイブをまた操りだした。根元まで突き刺し、先端まで引っこ抜く。突き刺したまま、上下左右にその中を引っ掻き回す。今日子の女の子をバイブで擦り上げ、それが絡みつくとまた、引っこ抜かれる。
高橋が口を突き出し、今日子のそれにプチュっと吸い付いた。
「いやーーー!らしいーーー!!!そんなトコをうううぅぅぅぃぃぃいいいっっ!!!」

プチュウ、プチュウ、レーロレロ、レロレロ、ビィーーー!ビィビィ!レロレロレロレロレロレロ、ブジュゥ!、ブジュゥ!レロレロチュウチュウ、ブジュゥ!、ブジュゥ

バイブが引き出されるたび、掻き出されるようにして流れ出てくる淫水を、なめ取っては掻き出し、掻き出してはまた、すすりあげる。
「んっ?・・・ははぁ、そっか!これがマン汁止めるスイッチか?このビンビン!のピンコ立ちになったクリトリスが!?どれどれ、俺が淫乱ママのピンピン!クリクリをフェラチオしてやるっ!ジャブジャブとしゃぶってやるっ!そ~れ!!」
口をすぼめて高橋がそれに吸い付いた。
「おっ!!!おあぁ!!!おあぁあああ~~~~~!!!いっ!いっ!いいっ!いいぃィィィィーーーーー!!!!!!!おわっ!いいぃィィィィ!!!!!!」
「あぁ!?今何て言った?今何て言った?!いいのかい?気持ちいいって言ったのか!?このマセた子がっ!!!」
高橋が口を離した。右手は一層無造作を増し、ボコボコとそれをかき回し、空いていた左手が、今日子のそそり立ったそれをバチンッと、人差し指で弾き飛ばした。
「あわわぁぁーーー!!!いっ!痛っ!いいっ!!痛っ、いいっ!!痛気持ちいい~~~~!!!!!!!!痛気持ちいい~~~~!!!!!!!!」
「ヘヘヘッ、やっと言ったな?えぇ?気持ちいいか?大山家の今日子奥さんようっ!!」
「・・・うぅっ!・・・よっ!よくないですぅぅ!!よくないですぅぅ!!独り言ですぅぅぅぅ!!!こっ、これは独り言ですうううういいいいイイぃぃーーー!!!」
「なっ!?なんてしっかりした子だっ!まだ狂ってなかったかっ!!もう、いいよ、俺の負けだよ奥さん!独り言でいいから!独り言でいいから!俺は聞かないことにするよ!いつものようにハキハキとした大きな声で!イッったらいいよ!!」
高橋の右手が無残なまでに、独りよがりに掻き回し始め、左手はクリトリスをまるでパンチングボールをするようにバチバチと弾きだした。
「あやゃ~~~~~!!!まっ!、またっ!!いっ!痛っ!!いいっ!!痛っ!!いいっ!!イタ気持ちいい~~~~!!!!!!!!イタ気持ちいい~~~~!!!!!!!イキますっ!イキますっ!イキますっ!イキますっ!今日子イキますっ!お母さんのクセにイキますっ!!!イカされちゃいますっ!!!イクゥゥゥゥゥゥーーーー!!!!」
今日子の体が大きく飛び跳ねた。それと同時に高橋が飛び起き、駆け足で今日子の後ろに回りこむ。そのままあっという間にがんじがらめの組紐を乱暴に取り払った。支えを失った今日子が、はらはらと床に崩れ落ちる。
「ほらっ!起きてママッ!!今度は俺の番だぜ!!もう、爆発しそうだっ!ホラッ立って!奥さんっ!!!」


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