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北原夏美 四十路 初裏無修正

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木下某 3/30(火) 18:50:03 No.20100330185003 削除
帰りの電車の中で、部長がのめり込む程のいい女なのかとずっと考えていた。
だって中年のおばさんだよ。体つきは肉の塊だし。
街を歩いていた声を掛けるのはナンパ目的では決して無いと断言する位の女だよ。

SEXだって騎上位は若い頃ちょっとやって良くないからで終わったし
キスマークもいい年をして人前で恥ずかしいと否定されたし、どこがいいのだろう
一千万の価値は絶対に無い。
なんか考えれば考えるほどむらむらとしてきて美由紀を抱きたくなった。

家に帰ると美由紀はまだおきている。
リビングに入ると湯上りの妻がパジャマ姿でテレビを見ている。
昔ながらの変わらない生活である。

石鹸の匂いを嗅いだら部長との情事が頭に浮かび抱きついてしまった。
びっくりして抵抗する美由紀の胸にパジャマの上から爪を立て首筋を舐める。

激しく拒否をするかと思った私の予想に反してなすがまま。
パジャマの中に手を入れて豊満な乳房を揉みながら首筋に舌を這わせていく。
小さな喘ぎ声をあげながら体を震わせている。

二十年の夫婦生活で初めてのことであるので私も驚いた。
こんなことで感じるなんて。

美由紀自身も自分の夫に対する態度に驚いていた。
海外から帰国して一週間いつものことであるが夫は残務整理などで午前帰宅。
相手にもしてくれない。恨めしかった。
部長に開花されたメスが芯で炎を燃やす。
美由紀は二股を掛けられるほど器用では無かったので今必死に部長の夜の誘いを拒否をしていた。
でも会社では人目を避けて、繰り返される部長の愛撫に身を焦がしていた。

夫がこれ以上相手をしてくれないならと体が追い詰められている。
そんな時の突然の夫の愛撫、無意識に体が反応してる。

パジャマの上から乳首を摘みながらもう一つ遣って見たかったことをする。
首筋に舌を這わせながら時々強く吸う。くっきりとキスマークがついた。
明日会社に行くとみんなに見られる位置につけてやろう。
そう思うと興奮してくる。何筋も首につけていく。

抵抗が全く無い。美由紀の息が段々荒くなるだけである。
吸って痕がつくたびに体を硬くして声をあげていた。

「恥ずかしい、いい年して。若くなんだから止めて。駄目。恥ずかしく会社に行けない」

甘ったるい声で形だけの抵抗である。

とても嫌がって抵抗しているとは思えない。
これが本当に私の妻?こんなに淫乱だったっけ?私は信じられなかった。

パジャマの上を脱がして、妻の乳房をまじまじと見る。
美由紀は鼻に掛かった甘い声を出した。

「嫌っ見ないで恥ずかしい」

その声を聞いたら興奮した私はむしゃぶりついていった。
乳房にキスマークを残しながら、パジャマの下を脱がして驚いた。
紫の紐パンである。こんな下着を着けている美由紀を見たことが無い。
今までは白のおばさんパンツである。部長の好みで穿いているのかと感心

紐パンを脱がしあそこをまさぐると洪水状態である。
クンニ、頭の中で記憶を辿るが何時したか思い出せない。
したことはあるが回数が少ないので記憶が鮮明でない。

とにかく太腿の間に頭を埋めて、クリトリスを舐めると美由紀は腰をあげ小さな悲鳴をあげた。
膣に差し込んだ指に美由紀の愛液が絡みつく。

顔をずらして溢れる愛液を舌を差し込みながら吸い尽くそうとした。
溢れ出た美由紀の愛液が私の顎を伝ってシーツに広がる。

舌を膣の奥までいれ壁を舐めまくる。
突然、美由紀が私の髪の毛を掴み奇声をあげ逝った。
体を震わせて快楽に浸っている。

私の舌で逝くなんて結婚以来初めてのことである。

びっくりした!驚いた!それ以外の言葉が出てこない。
美由紀がこんな燃える女だったなんて・・・
思わずやらずにいた二十年が非常に惜しくなった。
こんなことなら拒否や抵抗を無視して遣ればよかった。

私は今までの美由紀との結婚生活の事を考えていた。
今まで美由紀はSEXに対しては淡白で興味が薄いとおもってた。
美由紀から求めてきたことは無かったのでそこそこ満足している。
十年位前から海外の現地の仕事が多くなり、家にいない生活が多くなったのに
愚痴も不満も言わなかったので満足をしていると勝手に判断をして放っていたな。
色々な事が頭を過ぎる。

腕枕をしながらまじまじと妻美由紀の顔を見ている。
こんな可愛い顔をしていたかなと見ている。
それとともに美由紀をおもちゃした部長が急に憎くなった。
こうなったら絶対に渡さないぞ。

目を瞑った美由紀とキスから愛を確かめていく。
お互いの舌を絡めながら激しく吸う。

こんな激しいキスは知り合った頃以来である。
どうもSEXの思い出になると二十代の前半の知り合った頃に話がいく。
三十代には三十代の四十代に四十代の何らかの記憶がありそうだが、
付き合いはじめから新婚で記憶が止まっていた。
マンネリでだらだらでしてかと反省をする。

体を入れ替えて美由紀が上に乗って、私の硬くなったものを膣口に当てる。
少しづつ先が膣に収まっていく。メリメリと押し開く感触である。

跨って美由紀ははっと気づいた。
結婚して以来自ら騎上位のような積極的な行為に出たことが一回も無かったことを。
夫は不審に思うに違いない。そう思っても腰がひとりでに動いた。
声を抑えきることができずに喘いでいる。


これが部長が美由紀に仕込んだ三ヶ月の成果かと一人で関心している。
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木下某 3/29(月) 05:45:04 No.20100329054504 削除
声を荒げて私は前鼻を問い詰めた。

「そのときは妊娠をしたのか?」

「いいえ、しませんでした。あの時もし妊娠をしていたらあなたから強引に彼女を奪い取るつもりでした」

「家族を捨てられるのか?
お前のところの今年中学に入学する可愛い娘も捨てるつもりだったのか?智晴だって悲しむぞ。
これから家に行って、娘に離婚して会社を辞めるって話をするか」

蒼ざめた前鼻は何も言わずに下をむいている。
前鼻のコップに酒を注ぐと一息であおって大きく息をつくと話を始めた。

バスルームから出てきた美由紀は先に出て仰向けに寝ている前鼻に跨ってきた。
部長は美由紀に散々バスルームの中で愛撫を繰り返し逝く寸前に止めて生殺しにしていた。
今の美由紀は体の疼きを押さえきれない一匹の牝と化していた。

いきなり部長に跨りクリトリスと膣口で擦って半立ちの逸物に刺激を与える。
徐々に硬さを増して行き少しづつ膣にめり込み始めた。
めり込むたびに美由紀の感じる声が高くなっていく。
部長の全てがスッポリと収まり、部長が下から子宮めがけて突き上げる。
出し入れされるたびに快感が美由紀の全身を流れる。

これも驚きの話である。
私は受身の美由紀しか知らない。積極的な部分は一片も私には見せたことがない。
これで家に帰って、普通のセックスなら腹だ立つだろな。
それを聞いて顔が引きつってくるので余計に鋭い眼光になる。

自分から男に跨り腰を振って快楽を求めるなんてことは生まれて初めてである。
変わってしまった自分自身に美由紀も驚く。
これが夫が教えてくれたのであればものすごく幸せだ
そう感じながら部長の与えてくれる快楽を求める美由紀がいる
相反する二面性に身をおいて疼きを癒す。

美由紀にとってSEXは常に受身であった。
騎上位は結婚した二十年ほど前に何回か夫に求められて嫌々しただけである。
快感の喜びも無くすぐに拒否をした。
夫が求める時に応じるこれがSEXと信じていた美由紀の考えが今大幅に崩れた。

もう昔の自分に戻れない。夫の顔が目に浮かんだ。
心の中で夫に詫びれば詫びるほど体は目覚めて男を欲しがる。
膣の奥が男が欲しくて疼く。
レデコミに載っている表現が美由紀には現実にあることが確信できた。

美由紀の淫らな変わり様に部長は驚くと同時に部長の玩具になりつつあることにほくそ笑んだ。
腰を押さえ美由紀の奥深くに突き刺すと部長の胸に顔を埋めてあそこを締めてくる。

美由紀の体を起こし乳首を噛みながら下から突き上げる。
痙攣をして美由紀が逝くと一緒に前鼻も子宮の奥に子種を出した。
部長はどうしても美由紀を孕ませたかった。
生理の予定日からいえば間違いなく妊娠する日でありながら美由紀は男を受け入れた。

膣の奥に広がっていく部長の精液を感じながら美由紀は抜こうとはせずに余韻を楽しんでいる。
美由紀の頭の中から妊娠の二文字は消えていた。

「お願い。このままでいて。抜かないで」

ゆっくりと腰を動かしながら締め付ける美由紀に部長は再度欲望をし射精をした。
抜かずで二回戦は生まれて初めてあった。

精根使い果たした二人はぐっすりと寝て気がつくと朝。
部長は結婚してから初めての無断外泊である。

どうやって言い訳をしたんだろう。私ならどうすると色々考えていた。
美由紀と前鼻が関係を持つようになって、約三ヶ月智晴は気づかなかったのだろうか。
こればかりは本人に聞いてみるしかないだろう。

横を見ると部長の腕枕で寝ている美由紀の全身に昨日の愛し合った痕が無数に残っている。
それを見た前鼻は欲情を催して美由紀をうつ伏せにするとまた愛撫を一から始める。

腰を浮かせて体を震わせて部長を受け入れ、言うとおりに部長に跨って騎上位で腰を激しく動かした。
激しく下から突いていた部長が動きを停めた。
美由紀は突然のことに戸惑いながら自ら腰を振る。

その激しさに前鼻は三回出したとは思えないくらいの精液を美由紀の中に出した。
それを感じながら満足気に美由紀は逝った。

帰り際に出勤には、触り易い様にパンストははかないこと
首筋についたキスマークを指差しながら隠すなと命じた。

夫が単身赴任中は親しい女の子達は知っているので、首筋のキスマークは不倫でつけたことは明白になる。
隠したいと抵抗する美由紀を前鼻は後ろから抱きしめ、更につけながら隠すなと命じる。
美由紀は諦めて従うしかなかった。

誰が見てもキスマークをつけたのは部長と思うだろう。
信じられないことをする奴だ。

前鼻は酒の勢いを借りたせいも有るのか「美由紀はいい女だ」の連発である。

私は驚いている。美由紀がそんなに良い名器なんて、二十年余りの結婚生活で気がつかなかった。
それにしても前鼻は嬉しそうに話をする。それなら一千万でか、それも考え時かな・・・

『嗚呼、疲れた。早く帰りたい』・・そう思って時計を見ると十時を回っていた。
言いたがらない前鼻を宥め恫喝でここまで話を聞きだした。
今日はここまでにしようと終わりを宣言

妻美由紀には絶対に悟られないように注意しろと釘を刺し、次回会う約束して別れた。
次は二回目の密会の話を聞く予定である。

脅しの意味で、持っている奥さんの智晴の写真と智晴の携帯の番号を見せると観念をしたようだ。
これで妻の美由紀に知らせる心配は少ないと思う。
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木下某 3/25(木) 00:05:23 No.20100325000523 削除
ホテルにチェックインをすると、前鼻はエレベーターの中で美由紀をきつく抱きしめてキスをした。
舌を美由紀の舌と絡めると美由紀も絡めてくる。

部屋に入ると、我慢しきれなくなった部長は強引に美由紀をベッドに押し倒した。
弱々しくく形だけの抵抗を美由紀はする。

キスをしながら、ブラウスのボタンを外しブラをずらした。
明かるい照明の下で白い乳房が露になった。
興奮した部長は片方を揉みながら、もう片方に吸い付いてきた。
激しく吸ったので白い乳房に赤い痕が付いた。

「駄目!つけないで。お願い」

美由紀の声でキスマークをつけた事に気がついた部長は我に返った。
不味い事をしたキスマークを見られたら誰がつけたかは一目瞭然である。
月曜日に会社に行って噂になったら・・ 欲望に理性が負けた。

美由紀の哀願を無視して、乳房に何箇所もキスマークをつけた。
付けられるたびに美由紀の体に電気が走った。

「こんなに付いたよ。美由紀は幸せだね」

乳房に吸い付きながら右手で下着をずらし膣の奥をかき回している。
美由紀は嬌声をあげながら無意識的に腰を突き出し、指が動かしやすいようにする。

「美由紀はこんなに淫らだったんだ。腰を浮かして求めているよ」

「部長言わないでください」

美由紀の芯の奥をかき回しながら言葉で前鼻はいたぶった。
言葉の一つ一つが美由紀を余計に燃やしていった。
部長の指の動きを膣の奥深くまで感じようとする。

部長はスカートを捲るとパンストを引き破り、染みの広がった下着の上から吸い付く。
強引なやり方に腰を浮かして美由紀は答えた。

染みがだんだんと大きくなっていく。
恥ずかしいと思えば思うほど体の奥から愛液が溢れてきた。
体を仰け反らす美由紀のあえぎ声が大きくなる。

突然美由紀の下着をずらすと直接吸い付いた。
舌が膣の中を舐め回し指でクリトリスを刺激する。

美由紀の口からは声にならない声がでて部長の興奮を刺激する。
クリトリスに部長が吸い付いてきた。舐めると強く噛むを繰り返す。
美由紀の快楽をむさぼる声は部長の攻めを加速した。
遂に部長の頭を挟んだまま美由紀は逝った。
男の舌で逝かされたのは生まれて初めてである。放心状態で息を切らしながら部長を見ていた。
淫乱な自分に美由紀が目覚めた瞬間である。


全裸にされ後ろから豊満な乳房を鷲掴みにされ揉まれた。
強く揉まれた指の痕がキスマークと一緒に白い乳房に模様となって描かれている。
それを見た部長が更に興奮をしていった。

首筋を部長の舌が這い、時々止まっては強く吸うを繰り返す。
快楽に身を任せ意識が朦朧とした美由紀にも部長の意図したことは理解が出来たが否定する意思は湧いてこなかった。
乳首を強く摘み美由紀が体を仰け反らすたびに首筋に男の印が刻まれていく。

左手が乳房を揉み右手の指が花芯を奥深くまさぐる。
膣の奥から流れる愛液が部長の手を濡らす。
快楽が体の奥から美由紀を包み二度目の絶頂を迎えた。
口と手の愛撫だけで逝く事は夫との経験でもなかったことである。
これが部長との関係に溺れていく要因ともなった。

美由紀を四つんばいにさせると大きな尻を突き出させ美由紀にオナニーを命じた。
部長は恥ずかしいと拒否をする美由紀の臀部を叩いた。
ピッシッと乾いた音が部屋に響き赤い手の痕がくっきりと美由紀の白い尻についた。

小さな悲鳴をあげると美由紀は膣に華奢な指を入れる。
愛液が指を伝って落ちシーツにシミを広げていく。

我慢しきれなくなった部長が硬くなった逸物を膣の入り口に当てた。
焦らす部長に腰を振って挿入を催促をする。

「お願いです。入れてください」

あの妻が状況が状況とはいえ、そんなことを言うなんて私には信じられなかった。
銚子から酒をラッパ飲みをしながら部長の話に聞き入っていた。

腰を押さえて美由紀の膣にねじ込んでいく。逸物が美由紀の一番奥にあたった。
激しく動かす間も無く部長は逝きそうになる。

「美由紀の中で逝きたい」

「駄目、嫌、今日は危ない日なの。外で・・・」

危ない・・その言葉を聞いた途端部長は美由紀の膣の奥に子種を出したくなった。
出来ても構わないから俺の美由紀を孕ませたい。
妊娠をさせたい欲望に取り付かれ美由紀の腰をがっしりと掴むと勢いよく子宮めがけて射精をした。
美由紀の奥に男の出した物が溢れていくのを感じて美由紀は三回目の絶頂を迎えた。

大きく開かれた美由紀の股から美由紀の愛液と前鼻の放った精液の混じったものが流れシーツを濡らす。

美由紀は声を震わせながら小さな呟いた。

「今日は危ない日なのに、出来たらどうするの?絶対出来てると思う」

後ろから乳房を揉みながら耳元で部長は美由紀に言い聞かせる。

「絶対に産ませる。旦那に美由紀が欲しいと告白する」

美由紀に反論をさせないきつい口調であった。

『夫以外の男の子供を妊娠するかもしれない』
それを思うとごつい部長の指で挟まれている乳首が疼いていた。
体の奥が熱くなり膣の奥が部長を欲しがっていた。

美由紀は淫乱になった自分が恨めしかった
もう夫に顔向けが出来ない。乳房を揉む部長の腕にしがみ付いて全てを忘れようとする。

私には従順で大人しくSEXには無縁に見えた美由紀にこんな淫乱な一面があったのは意外であった。
家に帰ってこれが本当かを試してみたい衝動に駆られていた。
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木下某 3/22(月) 05:55:31 No.20100322055531 削除
ついにスカートは完全に捲れあがった。
部長の右手はスカートの中で薄い生地越しに美由紀の膣を愛撫をしている。
諦めたように美由紀は部長が触り易くと股を広げた。

わが意を得たとばかりに部長の行為は大胆になっていった。

中指を強めに膣口に押し当て円を描くようにねじ込む。
指が少しづつ下着と一緒に膣にめり込んでいく。
ねじ込むように指を動かす。

体の奥から溢れた愛液が下着に大きな染みを作り、部長の指も湿らせていく。
興奮し完全に周りの見えなくなった部長は更に激しく愛撫を繰り返す。

「ああっ駄目!」

体を硬くして美由紀が声をあげた。
前鼻は一瞬手の動きを止めて辺りを見渡した。各々が騒ぐ雑音に美由紀の声はかき消される。

安心した前鼻は更に大胆になりパンストに穴を開けて下着の上から触れてきた。
声を出さないように耐えながら美由紀はのけぞった。
下着の染みが広がっていく。テーブルに顔を押し付け声を殺している。

テーブルの向かいに部下が来てお酌をする。
左手で、コップにビール注がれながら右手で美由紀の膣を下着の上から強く押す。
股が痙攣をし,感じているのが右手に伝わってくる。

「木下君、酔いつぶれたみたいだからそっとしておいてくれ。俺が介抱するから」

「ヤバイ介抱ですか、部長」

「おい、それはセクハラ発言だぞ。後々問題になったらどうする」

「部長に限ってそんなことありませんものね」

「案外してるかもしれないぞ。俺も男だから・・・」

「また冗談を」

部下との話がしばらく続いている。

声を出さないように美由紀はじっと耐えているが息は荒くなっている。
テーブルに顔をつけて見られないようにして耐えている
その様子を楽しみながら、強引に下着の上から指で犯す。

部長は笑いながら、下着をずらして指で直接クリトリスを擦った。
体を震わせて美由紀は耐える。部下がいなくなったのを見届け遂に膣の中に指を入れてきた。
膣は熱火照りどろどろに濡れていた。

「声を出して欲しいな。声を出すまで攻めようか?」

美由紀は首を振って否定をする。

指を差込みかき回すと美由紀は人前で逝きそうになった。
突然部長の指が抜かれた。美由紀は思わず腰を動かし指を求めた。
体がうずく状態で人前に放り出された。

美由紀の前に出された部長の指はびしょびしょに濡れている。
美由紀は顔を赤らめ恨めしそうに睨んだ。

「ばれる可能性は考えなかったのか?回りの人間で気づいた奴はいないのか。
一歩誤ればセクハラで人生を棒に振るんだぞ」

「そこまで気は回りませんでした。今考えるとなんて馬鹿なことを思います」

前鼻はうな垂れながら小さな声で呟いた。
私は何も言葉が無かった。よくそんな大胆な事が平気で出来たな妙な関心をして話を聞いている。

「激しかったね。美由紀」

何も言わず美由紀は部長にもたれ掛かっていた。生まれてはじめての夫以外の愛撫である。
こんな場所で自分がこんなに淫らになるとは信じられなかった。
逝かせてもらえずに体は芯から疼いている。
夫がいれば家に帰ると一杯抱いてもらえるのにと思うと膣の奥から愛液が流れてきた。
今の自分が恨めしく思うと同時に単身赴任の夫を恨んだ。

そんな美由紀の心のうちを読んだかのように、前鼻は人前でも気にせずに腰に右手を回してくる。
抱きかけられた美千代は部長に体を預ける形になった。

「大丈夫か?木下君」

わざと皆に聞こえるように言った。
体を擦る振りをしながら右手で抱きかかえ左手で乳房を揉んできた。
酒の力もあり、乳首が愛撫で硬くなった。

美千代の甘い吐息が部長には催促をしてるように聞こえた。
暫く服の上から乳房の感触を楽しんだ部長は更に大胆な行動に出た。


介抱する振りをして右手で背中を擦りながら左手でブラウスのボタンをはずしてくる。
美千代は小さく抗うが形だけの抵抗である。
ボタンを外すとブラの中に手を入れ 直に乳房に触れてきた。
指で乳首を挟みながら乳房を揉んだ。
前鼻の揉む強弱に合わせて声の抑揚が変わる。

暫くは乳房を楽しんだ後で愛撫はもう一度下に戻ってきた。
下着をずらし指が入ってくる。今度は腰を突き出して指を奥まで受け入れる。
二本指を入れられてかき回され遂に美由紀は逝った。
左手はスカートから抜かれたが相変わらず右手は微妙に愛撫を繰り返し、美由紀に火をつけている。

私は前鼻の余りにも無分別の行動に怒りを覚えながらも、美由紀の痴態を想像をして興奮をしていた。

美由紀は呆然としていて気がつくとお開きになっており、部長に抱えられながらエレベーターに乗った。
皆に気づかれないようにしながら、エレベーターの中でもスカートを捲られ愛撫をしてくる。
美由紀はじっと耐えている。

外に出た時は当然の様に極自然に部長は美由紀の腰を抱きしめていた。
部下たちが見ても何の違和感は無かった。
抵抗もせず美由紀ももたれ掛かっている、これから起こることへの暗黙の了解でもあった。

酔っ払った女子社員から前鼻はからかわれていた。

「部長、ちゃんと無事送るんですよ」

美由紀は先ほどに痴態を見られたのではないかと不安であった。
部長はおどけながらコートの上からとはいえ皆の前で抱きしめて乳房を揉む。

「前鼻逸雄、送り狼になりたいです。これでよろしいですか?」

皆の笑いを誘う。


『ふざけるな』・・心の中で拳を振り上げならが、ぬるくなった酒を煽る。
素面で聞いていたら頭にきて殴りつけていたと思う。

一番怖いのはこいつが生真面目ということである。
報告書でも周囲の話でも勤勉実直の四字熟語、そのままの人柄らしい。
下手に追い詰めてやばい事にならないように思いながら話を聞く。

酒が進むにつれ部長も緊張が解れてきたのか舌が滑らかになってくる。

部長に抱きしめられながら皆を見送った。
無言のまま歩きはじめた部長に美千代はついていった。

歩きながらきつく抱きしめた部長はキスをしてきた。
繁華街の大勢の人前で誰が見ているか解らない状況である。
普通であれば拒否をするのであるが、体が男を求めて自然に受け入れていた。

キスを繰り返しながら十分ほど歩いてラブホテルに入った。

私と目が合った部長は慌てて言い訳をする。

「申し訳ないです。取り返しのつかないことをしてしまいました」

無言のまま酒を煽る。

「智晴にばれたらどうするつもりだったんだ?」

「会社も辞め離婚するつもりでした。美由紀さんが離婚をすればそのときは責任を取るつもりです」

言葉が見つからないまま静寂が続いた。

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木下某 3/20(土) 18:15:26 No.20100320181526 削除
桜吹雪が舞っています。

妻の勤務するビルの前に車を停める。
初めて見たが見上げると首が痛くなるほどの高さである。

儲かっているのだろうと思いながら書類を取り出し携帯の番号を押す。
携帯の呼び出し音が数回鳴った。

「もしもし、部長の前鼻さんですか?」

「ハイ、どちらさまですか?」

怪訝そうな相手に畳み掛けて私は言葉を続けた。

「部長と不倫をしている部下の美由紀の亭主です。
美由紀が大層お世話になっているそうで。
部長もその席では話しづらいでしょう。待ってますから折り返し電話をください。
そばにいる美由紀には、私から電話が有った事はくれぐれも悟られないようにお願いします。
十分待っても電話が無ければ部長の妻の智晴をお尋ねすることになります。
そうなれば大変なことになりますよ。窓の外の赤い車が私の車です」

窓から顔を出した部長に私は笑みを浮かべ手を振って見せた。
トイレか会議室にでも行ったのだろう。すぐ携帯が鳴った。

身に覚えが無いと言い切るので、証拠の一説をチラッと聞かせてやる。
埒が明かないようなので、奥さんの智晴様に判断をして貰うかと圧力を掛けると観念をした。

私は部長に会社の近くの居酒屋で六時に待っている事を伝えて携帯を切った。

これで賽は投げられた。

あの時もし窓から美由紀が顔を出したら、その場で会社を訪ねたことになり話は大事になった。
会社を巻き込んでの騒動になったなとそれも面白かったかも知れないと思ったりもした。

この居酒屋は部長の会社の半御用達で社員がごろごろと出入りをしている。
その一番奥の個室で部長が来るのを待っていた。
部長にしてみると人には聞かせたくないであろうし、
私にしてみれば交渉が揉めたら大声を出せば済むことである。最適な場所を選んだつもりだ。

六時少し前に部長が蒼い顔をしてやってきた。
酒と料理が運ばれてきて、店員がドアを閉めると同時に部長は土下座をしてきた。

頭を上げるように言って酒を勧めた。気不味い沈黙が続く。
私はレコーダーのスイッチを入れ録音状態にして、部長と美由紀の出会いからの経緯を聞くことにした。

部長の前鼻は、社長の弟で専務の一人娘智晴と結婚をし婿養子に入った。
社長には子供がいないので将来は前鼻が社長を継ぐのは間違いがないと思われる。
それなのに『何で?私の妻と』が私の素朴な疑問であった。

唇を震わせながら、部長は再度深々と頭を下げ謝罪をする。

「一千万でお許し願えませんか?今私が用意できる最大のお金です。
これでなんとか収めていただけませんか。よろしくお願いします」

あの妻に一千万???そんな価値が有るとは思えないが・・何も言わず用意した資料に目を通していた。
畳に頭を擦り付けて再度部長はお詫びをしてきた。

「何故美由紀とそんな関係になったかを聞かないと許すかどうかは解りません。話してください。
離婚になった場合の証拠として録音はさせていただきます」

感情も込めず抑揚の無い声で促した。
観念した前鼻は妻美由紀とのことを話し始めた。

昨年の三月社長が体を悪くして入院をした。
いずれ会社を継ぐであろうと急遽関西の支店長から営業部長として本社に戻ってきたのが昨年の六月である。
最初の何ヶ月かは本社の仕事を覚えるのに四苦八苦していたが慣れてきて、社内に目をやった時に美由紀が目に入った。
体つきといい仕草といい部長の好みだった。

すぐに総務から部長の目の届く営業に配置転換をして自分の前に席を置いた。
後ろから美由紀の制服のスカートに浮きでる下着のライン
脇に食い込むブラの線を見て妄想に耽っていた。
ブラウスから透けるブラジャーの色が何色かが毎日の楽しみになる。
書類を持って来る時に見えるブラウスのボタンの合間の下着を見ては興奮していた。

私も男、その気持ちは解るが、相手は中年のおばさんだよ。
まして黒木瞳とか藤原じゃあるまいし、蓼食う虫は好き好きとは言うが話を聞いて頭が痛くなってきた。
ばれたら人生を棒に振るんだよ。婿養子の大事な地位だって無くすんだよ。
人生を掛けるほどの女か?呆れて口が塞がらない。

猪口が空いたので酒を勧める。恐縮しながら酒を煽ると部長は話を続ける。

作年十二月の営業の忘年会の時に美由紀が偶然部長の横に座った。

部長はこれぞ天の思し召しと運命を感じた。
薄いピンクのブラウスから透けるワインレッドのブラ、少しきつめのスカートからはみ出るわき腹の肉
お酌をする時ちらちらと見える豊満な乳房の一部、酔った振りして美由紀の尻に手を当てるとムチッとくる。

完全に冷静で沈着な理性を失った。
『抱きたい。美由紀が欲しい』それだけを考えていた。

美由紀から、今年の春から亭主は何回目かの単身赴任中でここ何ヶ月もしていないのをうまく聞き出した。

「ご主人がいないと寂しいだろう」

「大丈夫です。あと半年四月になったら戻ってきますから」

取り留めの無い会話が二人の間で続き、部長はさらりとかわす美由紀に余計発情していく。
酒の力が部長の思いの後押しをした。さりげなく美由紀の太腿に手を置いてみる。
気づかないのか美由紀は何も言わないし拒否もしない。その態度が前鼻を大胆な行動へと誘った。

手に力を入れ太腿の付け根へと移動していく。美由紀がその手を押さえ部長の耳元で呟いた。

「止めてください。セクハラですよ」

その声を無視をして無言のまま強引に手を太腿に這わせていき、ついに付け根に手が届いた。

「嫌です。大きな声を出しますよ。部長」

ここで声を出されて周りの人に気づかれては部長の将来が駄目になることは明白である。

「一目見た時から好きになった。美由紀君の為なら全てを棒に振ってもいいと思っている」

美由紀の抵抗は止まった。

部長の口からそんな言葉が出るとは信じられなかった。
子煩悩で愛妻家、それに何より清廉と評判である。
支社長時代セクハラの噂のあった社員をあっさりと懲戒解雇のした非情さは社内でも語り草である。
そんな部長がいくら酒の上とはいえ、美由紀にセクハラをしている。
あながち部長の言っていることは嘘では無い。美由紀はそんな気がした。
そう思うと体が妙に熱くなり濡れてきて、部長の次の行動を一瞬期待している美由紀がいた。

前鼻は一瞬動きを止めどうしようかと考えた。

睨み付けている私と目を合わせないようにしながら話を続ける。

「信じてください。あの時は本当にそう思ったんです」

私は愕然として放つ言葉が見つからなかった。

結婚をして、二十ウン年当時はモデル並みとは言わないが私の自慢?の妻美由紀も二人の子を生み、
上の子が就職で下の子が進学で家を離れ、
暇を持て余すよりはと二年前に前鼻の会社に入るまでは、
家での三食付の天敵のいない放し飼い生活で、
胸は弛み、腰の周りの肉は掴み放題、妊娠線の浮かんだ段々腹と男が寄り付く訳が無い。
どこにでもいる極普通の中年のおばさんである。
不倫などはありえないと思っていた私には晴天の霹靂であった。

美由紀のあそこへの愛撫を繰り返しながら前鼻は少しずつスカートをたくし上げて行く。
太腿が露になっていき周囲の人にも見えそうになる。
諦めたように美由紀は、着ていたカーデガンを膝に掛けた。
テーブルに手をのせ部長が何をしているにかを見えなくした。

この場合声をあげての拒否は無理だろうと私も思う。
『一目ぼれをです』が真面目だから余計真実味を帯びるんだろうな。
私が言うと、『嘘でしょう」・「冗談でしょう」で終わるなと納得
これが人徳の違いか、そう言えば無条件で女を納得させる奴がうらやましい。
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未完 19

修司 10/11(日) 18:32:02 No.20091011183202 削除
待ち合わせ場所に急いで車を走らせ里美を乗せるのでしたが、この歳になっても胸がときめくのは
何か恥ずかしい気がします。

「君から誘ってくれるなんて珍しいね。少し嬉しいかな」

「あれから如何なってるのかなと思って気にしてたのよ。まだホテル暮らし?」

「いや、帰ったよ。別居をしたかったんだけど今は止めた。俺も甘いけど一緒にいるよ。
まぁ、家庭内別居が条件でね」

「う~~ん」

それ以上は触れてきませんでした。
この前のレストランで食事をしていると『何で浮気をしたのかしらね?』一人語とのように呟くのです。

「単身赴任中に女がいただろうってさ。黙って来た時に君のパンプスと部屋の中が整理されてるのを
見て分ったらしい。
相手が誰か気付いていなかったけどね。それは行かなかった私が悪いって言ってたよ。
だけど許せなかったらしいんだ。そんな時に男に甘い言葉を掛けられてついついって所らしい。
よくある話しだよな」
 
里美の存在を話したとは言えませんでした。

「私の事、話した?」

勘が良いのはに変わりがないようです。

「・・・・あぁ、話した。単身赴任の時に逢ってたのもそうだし、今も逢ってるって」

「そう・・・男の人と違って女が身体を許すって一大決心が必要だと思うの。
少なくても私はそうよ。奥さんだって同じじゃないかな。
それが、何度も関係したのは気持ちが相手に傾いたからだと思わない?
私ね、貴方と別れて結婚したのは見返してやるって気持ちがあったからなのよ。
でもね、全く嫌いなタイプなら一緒にならないわ。
だから何年か生活出来たの。私だって離婚する時には苦しかった。申し訳ない気持ちでいっぱいだったわ。
だって結婚の理由が別れた男を見返す為なんてプライドが許さないわよね。
そんな話した訳じゃないけど伝わっちゃうのね・・・きっと。
そんなんだもの女を作ったって仕方がないじゃない。
だから、私は悪い女よ。一人の人生に傷を付けたんですもね。私達が別れたのは貴方のせいなのよ・・・何てね。
話は戻るけど、奥さんだって同じじゃないのかな?
その本命が誰なのかが問題なんだと思うのね。気分悪くさせたらごめん」

「いや、いいんだ」

「罪悪感は持ってるから、逢いたくなければ逢わないわ。それが貴方にばれちゃってパニック状態になったのは想像出来るでしょう?
自分のした事の本当の意味も分からないで、申し訳ないって言う気持ちだけに支配されてる状態なんじゃないかしら。
そんな時に夫に女が出来そうだなんて聞いたら何も言えない分、何処に心の中の怒りをぶつけたら良いのか・・・苦しいでしょうね。
でもね、修司さん。奥さんが落ち着いた時は如何かしら?もう逢わないっでいられるのかなぁ? 
その辺の話はした?してないでしょう?詰めが甘いのよ」

彼女の言い分も分かります。だから私も、その辺は話したつもりでいます。

「言ったよ。現実逃避の道具だから、もう逢わないってさ」

「もしも一時のアバンチュールじゃなくて、気持まで結ばれてたら許せるの?」

「きつい事を言うなぁ。耳が痛いぜ。だけど、その通りなんだよね。
他人事みたいに言ってるけど、俺、そんなに強くないから。
でもね、不思議なんだよ。普通は妻に浮気されたら激怒ものだよな。それが本当はそうでもないんだ。
強がってる訳じゃないけど、何か違うんだよ。ショックはショックなんだけど何処か覚めてるんだよな」

【君がいるから】出掛けた言葉を飲み込んだのは、否定されてしまえば支えを失う怖さからでした。

里美を送り家に着くと食事の用意がしてあります。

「外で食べたから要らない。食わない方が多いんだし勿体ないから作らなくてもいい」

「仕事の日は手抜きが多いから気合いを入れたんだけど」

怨みがましい眼差しで不服そうな素振りです。

「洗濯以外は何もしなくていい。そう言わなかったかな」

「そうだけど・・・何を食べてきたの?一人で食べたって美味しくないでしょう?」

さり気なく探りを入れてきました。

「そんな事、如何でもいいだろう。隠す必要もないから言うけど一人じゃないさ。だから楽しく食ったよ」

「・・・・そう・・・・誰と・・・会社の人?・・・」

「女だ。女と食べた。言っておいた彼女とだ。何か文句あるのか?」

「私が言えた立場じゃないけど気分良くないわ。そんな話を聞くと胸が苦しくなる」

「俺も胸が苦しいよ。今回の件も決着がついていないし、お前の方が酷いんじゃないか?」

「・・・もう別れてる・・・決着はつけたつもりよ・・・・」

そんなに簡単に気持ちの整理が出来るのでしょうか?

「あいつから電話があったよ。お前にもあっただろう。
お前は逢いたがってるのに俺が出さないんだろうってさ。
そんなふうに言ってないよな?上手く言い包めてるんじゃないのか?
だから信ちゃんが強気になってるなら俺の立場はないな。
それにな、別れたなら男の部屋に置いてきてる下着や、撮られた画像は如何するんだ?
妻のそんな破廉恥なものを持っている男が存在するなんて夫として許せると思うか?
子供達にだって会わせる顔がないだろう?俺だって情けなくて言えないよ。
だいたい何度も寝た相手と簡単に別れれるものか?また逢いたくなるんじゃないか?」

「・・・・・・・・・」

反論がありませんでした。里美が言った通りなのかと思ってしまいます。
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未完 18

修司 6/27(土) 06:03:52 No.20090627060352 削除
私はベッドに寝そべり目を瞑って妻との話を思い起こしていましたが、やっぱり自分のベッドは落ち着きます。
ホテルは如何も熟睡出来ませんでした。何時の間にか寝入っしまったのですが、異様な感覚に目が覚めたのです。

「本当に愛してるのは貴方だけなのに」

寝てる私の身体に唇を這わせています。
パジャマのボタンが外されて、下も半分ずり下がっていました。
私は寝たふりを決め込むのでした。

「こんなに愛してるのに傷付けてごめんね。私、馬鹿だった。もう貴方しか見ないから許して」

唇はどんどん下へ降りて行き、私の物を指で触りながら舌を絡めて愛撫しています。
それは今までの、どの時よりも情熱的で巧みなのです。
脳裏に焼きついた男の物を咥える姿が過りました。

「誰にも渡さない。私だけのものよ。あぁぁぁ・・愛してる・・・愛してるのに」

「随分と上手くなったじゃないか。だいぶ仕込まれたようだな。
ちょっとしなかっただけで、そんなに疼くのか?」

寝ているはずの私の声に、一瞬妻の動きが止まりましたが、それでも直ぐに舌が絡みつきました。

「彼の事なんか関係ない。これくらいは前から出来たのよ。貴方が求めなかったからしなかっただけ」

「それにしても積極的だな」

「貴方に好きな女がいるって聞いて、胸が苦しくて。悔しいのよ。誰にも渡さないから覚えておいて。
誰にもわたさないから・・・・絶対放さない・・・・」

「勝手だな。お前は石川と共有で俺には何もさせないってか?」

「私も貴方だけよ。もう二度と馬鹿はしない。これからの私を見て欲しい。ねぇ、欲しいの・・・」

この年になると、情けなくも話をしてる間に私の息子は元気がなくなってしまっています。

「悪いが、その気になれない」

このところ女性の身体から遠のいていましたので一旦はその気になりかけたのですが、気持ちが急激に萎えてしまったのでした。
若い男と比べられたくないと、消極的になってしまったのかもしれません。

「・・・・分ったわ。その代り今日は一緒に寝てもいい?」

「今日だけな」

私の腕を枕にして、顔を胸に埋めています。

「こうしてると安らぐの。幸せな気分になれる」

その幸せを壊したのは妻自身なのです。

翌朝、目を覚まし居間に入ると朝食の準備をしていました。

「俺の事は構わなくていい。昨日、約束したじゃないか」

「食べてくれなくてもいいの。私の気持ちだから」

要らないと言いながらも、食欲をそそる匂いにテーブルに着いてしまうのでした。
それもそのはずで、好物ばかりが出てくるのですから。

「いやに豪勢な朝飯だな」

自然と手が伸びてしまいます。

「朝に栄養つけなきゃね。如何?美味しい?食べてくれて嬉しいわ」

傍から見れば幸せな夫婦。しかし、お互いに心の中は強い風が吹き、高い波が荒れ狂ってます。
何処の家庭も悩みを抱え苦悩する時があるのでしょうね。

会社も定時に終われ郊外の大型書店で本を立ち読みしてると携帯が鳴り出しました。
出ると石川からでした。直ぐに切って無視したのですが何度も掛け直してくるのです。

「何だ?何か用か?お前と話す気はないんだがな」

「そっちになくても俺にはあるんだ」

相変わらず大柄な野郎です。

「それなら早く言え」

「あんたが課長を会社に出さないのか?そんな事したって俺達を引き離せないよ。
無駄な努力はしない方がいい」

「なんで俺にくだらん話をするんだ。直接あいつに聞いてみろよ。あぁ、そうか。
掛けても出てくれないんだろう。
それで俺に電話か?お前こそ無駄な努力をしない方がいいんじゃないか。情けない男だな」

図星だったのでしょう。男から電話を切られてしまいました。
さっきまで楽しく眺めていた少しエロい雑誌も色褪せてしまうのでした。
本屋を出て車に乗ろうした時、また携帯が着信を知らせます。
男かと思い確認すると、今度は珍しく里美からでした。
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未完 17

修司 6/22(月) 22:15:40 No.20090622221540 削除
里美と別れて自暴自棄になっている時に妻が現れ動揺したのを覚えています。
スレンダーな長身で、脚が綺麗で足首が細い事。顔は当然、可愛いか目鼻立ちがくっきりしている。
それらは人の価値に何の関係もないのですが、若かった私は女性の価値をそう決めつけていました。
里美がそうだったように由梨絵も私の欲求を満たす容姿なのでした。
数人で会って食事をしたり飲みに行ったりするうちに、本格的な交際が始まって今に至っています。
その間、私は絶えず妻に里美を重ねていたのではないだろうか?
単身赴任中に再会し愛が再燃してしまいましたが、その時は妻の元に戻ったのは家庭を守ったからだと言い聞かせていました。
でも、あの時に里美を追っていれば私は此処にいなかったはずです。
本当は、そうしたかったのが一般常識に縛られ出来なかっただけで、本心は違っていたのかもと思ったりもします。
あの時、私が情けなくも流した涙がそれを物語っていたのでしょう。
里美からメールが来ても答えなかったのも同じ理由で、連絡を取ってしまえばもう戻れなくなる。
私は別れた時から、彼女に心を残したままなのです。
しかし、妻と作り上げてきた歴史も無視出来るほど冷酷になれはしない。
そんな優柔不断さも今回の事件に繋がっているはずです。

「貴方に分らせようなんて、これっぽっちも思っていなかった。貴方の性格だもの。こんな事を知られたら離婚されると思ってたわ」

「じゃぁ、何故こんなに続いた?一緒に旅行をするくらいの間柄じゃないか。現実逃避のつもりでいても実は違うんじゃないか?
逢いたいと思うから実行したんだろう?」

「違うの。貴方に電話したって聞いて、もう終わりにしなければと思った。
それを彼に言ったら別れないって。私は離婚する気はないって言ったら、最後に旅行してくれたら考えるって言われて・・・」

「甘いな。まぁ、それはいい。それで石川と別れられるのか?俺は難しいだろうと思ってる。
残念だが、このところ俺よりも石川とセックスが多い。身体を合わせていれば心も通う。
泊まり掛けで出掛けて、気持の整理が出来たか?もっと逢いたくなったんじゃないのか?
別れられないと思っただろう?」

「そんな事ない。あれで終わりにしたつもりよ」

「あいつは、そう思っていないな。ますます絆を深めたつもりでいるよ。お前だって分ってるはずだ。
俺も素直になるから、お前も素直になれよ。この期に及んで隠し事はなしにしようぜ」

「私は正直に話してるつもりよ」

こんな時は、誰だってそう思い込みたいものです。
妻も今は本当に正直な気持ちなのだと思うのですが、核心のところまでは分かっていないはずです。
ですから私はぶつけなければなりません。私の本当の気持ちを。

「実はな、好きな人がいる。。昔、話した相手だよ。単身赴任の時に来ていたのも彼女なんだ。
また会ってるんだ。忘れられない人っているもんだよな。彼女は俺にとって、そうなんだよ。お前にとって石川は、そうならないか?」

私の話に弱い立場でいるはずの妻が反応したのです。

「酷いわね・・・人の弱みに付け込んで、そんな事するんだ・・・・貴方もちゃんと復讐してるんじゃないの」

「勝手な言い草だな」

「勝手だっていいじゃないっ!私も石川と別れたんだから、貴方も別れてっ!」

すんなり私の言葉を受け入れると思ってはいませんでしたが、こんなに激情するとも思っていなかった。
私への愛の深さからなのか?女の我儘さなのか?
愛してる人に気持を動かす人間が現れれば許せないのは男も女も同じです。
昔、里美がそうだったように妻も昂る感情を抑えられないのでしょうか?
自分の行動を棚に上げて激情をあらわにするのは、私を一番の男と思っているのですかね?

「好きな相手が出来たら、そんなに腹が立つか?俺は石川が渡したDVDを見てしまったんだ。
あんなものを見て、お前と暮らす気になれると思ってるのかよ。何が【何でもしてあげる】だ。
所詮、お前は俺から聞いた言葉に逆上してるだけじゃないか。どっちの傷が深いと思うんだっ!
勝手な事ばかり言ってるんじゃないっ!」

私も声が大きくなってしまいます。

「わあぁぁーーーーー」

しゃがんで号泣しだした妻との話は、これ以上無理です。
感情的になった女は手を付けられません。

「見ないでって言ったのに・・・だから見ないでって言ったのに」

「見られて困る事をしたのは由梨絵、お前だろう。あんなものを撮らせたのも、お前だ。
俺も立派な夫じゃないから、お互い様でいいんじゃないか?」

「嫌っ!嫌あぁぁぁーーーー」

「如何でもいいが冷静になれ。それから話の続きをしよう」

頷いて、ゆっくりと立ち上がった妻は浴室に入っていきました。
短時間で出てきて私の前に座った時には、幾分冷静さを取り戻していたのでしょう。

「取り乱してごめんなさい。もう大丈夫」

「そうか。お前は何を考えていた?」

「私の結論は出てるの。それは一緒に暮らしてもらいたい。別れるのは何時だって出来るでしょう?
私、何だってするわ。それを見てから決めてほしい・・・・」

見据える眼差しに意志の強さが伺えます。これ以上の進展は期待出来ないと思いました。

「・・・・困ったなぁ・・・確かに別居は金が掛かるしな・・・一つ条件を出す。
何だってするって言ったんだから了解してくれるだろう?
俺の条件は完全家庭内別居だ。お互いの生活に干渉しない。それを認めるなら此処にいよう」

じっと私を見詰めて、それから視線を外して頷くのでした。

「・・・・分ったわ」

「勝手な事を言って悪いが、飯の用意はいいが、洗濯は頼むな」

妻が少し微笑んで首を縦に振ったのは、絆が全て切れたのではないと思ったからなのでしょう。

「それから聞きたい事がある。お前の着けていた派手な下着。何処にある?」

「それは・・・」

「何処だ?」

「・・・石川君の部屋に置いてあります」

「あの部屋は石川のところか?」

「えぇ・・」

「それで如何するんだ?置きっぱなしにしておくつもりか?」

「処分してもらいます」

「甘いな。好きな恋人の残り香を捨てたりはしないさ。撮られた映像だって捨てたりしない。
これから面倒臭い思いをするだろうな」

「私の責任で遣らせる。石川君だって分かってくれると思うの」

「信頼が厚いんだな。俺の前で、あんな態度を取る男を信用してるんだ?
お前、俺があんちゃんに舐められてるのに
自分の立場しか考えていなかったものな。
あの時の俺はピエロだったよ。結局、そんなものだったのかな。
俺は石川にではなく、俺を庇わないお前に腹が立ったんだ。
それは今も変わらない。何でもするって言うけど、こじれた気持ちを解すのは大変だよ。まぁ、いいや。洗濯だけは頼むな」

「・・・そうだったね・・・私、貴方に知られたくない気持ちでいっぱいだった・・・自分の事しか思っていなかったわ・・・ごめんなさい・・・」

「ごめんなさいは聞き飽きた・・・俺の気持ちも察してくれ」

妻は、また泣きました。


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修司 6/22(月) 17:26:03 No.20090622172603 削除
一週間ほど空けただけなのですが、部屋に入ると他人の家に来た気分です。
出張から帰った時に感じる安らぎを感じられません。
人の気持ちなんて、その時の気分で感じ方が随分と違うものなんですね

「部下がいるのに、有給なんて大丈夫か?俺の所は簡単に取れないけどな」

「貴方が出て行った日に出社したら、部長が随分具合が悪そうだから溜まった有給取っていいから
休んだらって言ってくれたの。
私、落ち込んでたから、そう見えたのね。皆も心配してくれて」

「信ちゃんは何て言ってた?」

その名前を聞いて身体を緊張させるのでした。

「・・・・・帰る時、仕事が終わったら会いたいって・・・・断ったわ・・・もう会わないって言った・・・・・」

「それで済まないだろうな。電話も来ただろう?」

「・・・・・えぇ・・・何度も・・・・でも出てないのよ。もう貴方を裏切らないと決めたもの。それは信じて」

「職場で一緒になれば簡単にはいかないさ。お前だって嫌いな相手じゃないだろう?
何が起こっても不思議ではないと思ってる」

「そんな・・・・なら辞める。専業主婦になって貴方を支えていきたい」

「それは駄目だ。辞めさせようかとも思ったが考えが変わったよ。俺は別れる事になると思ってる。
そうなれば仕事は必要だろう?
家庭を二つ持つほど甲斐性はないからな。今回、一人で色々考えたよ。
夫婦の問題に、どちらかが一方的に悪いなんてないのかもしれない。責任は俺にもあるのんだろうな。
だけどさぁ、今回は痛かったぜ。これからも一緒にいられるか自信がないのは当然だと思わないか?」

「そんな事、言っちゃ駄目っ。これからの私を見てから決めて欲しい。
それに・・・・私、知ってるのよ。だから貴方には、それだけの義務があるんだわ」

「知ってるって何をだい?」

妻が何を知っているのか理解等できません。

「単身赴任の時、貴方、女の人がいたでしょう?
ある時から来いって言わなくなったし、貴方も帰って来なくなった。
おかしいなと思って、無理に休みを取って行ったのよ。
そしたら部屋に誰も居なかったけど何となく気配を感じたし、男の一人暮らしにしては整理が行き届いてた。女の感って鋭いものよ。
女の人がいるんだなって思ったわ。三流ドラマみたいよね。ショックだったのよ。頭がクラクラしたわよ。
頭にきてどんな女か確かめてやろうと思ったけど出来なかった。
あんな時に騒いだら貴方は頑なになってしまうでしょう?
それに私にも責任があったものね。仕事にかまけて行かなかったから不自由を掛けてたもの。
申し訳ないなって思ってた。
これだけ、ほっておいたら貴方みたいな人に女がいたってしょうがないのかなって無理に納得させたわぁ。
だけどね、本当に不安だったの。いっぱい仕事でミスをして、らしくないって怒られもしたわよ。
腹が立ってしょうがないんだけど言う自信もなかった。
でも、貴方は帰ってくると信じて待ってたのよ。その通り帰ってくれたしね・・・・
それからの貴方は私に真面目に向き合ってくれたよね。安心したけど、許せないって気持ちも消せなかったの」

里美との事を知っているとは思いもしませんでしたから、攻める立場が逆転してしまいました。
妻の言う事にも一理ある以上、此処は聞いて遣らなければいけないのでしょうが、全てを私のせいにされるのでは堪りません。

「復讐だって言う訳か?」

「そんなんじゃないけど、あれを見ていなければ、こんな事にならなかったかもって思うの。だから復讐だったのかなぁ。
私って何なのかっなって悩んだもの。そんな思いは貴方が傍にいてくれても消せなかった。悔しさが消えないのよ。
だから気持ちの何処かに、隙があったんでしょうね。その隙に入って来たのが彼だったんだと思ってる」

「そして溺れたか」

動揺しそうな気持ちを落ち着かせる為に言葉を挟みました。

「・・・・そうね・・・溺れたのね・・・・彼といる時は貴方を忘れていたんだもの・・・・」

「嫌われないように必死だったんじゃないのか?あれを見た時、そんな気がしたが」

これは正直な気持ちです。

「それはないわ。溺れたのは彼にじゃなく、非日常的な時間にだと思うの。
貴方へのくすぶった思いを消せないし、仕事でのストレスも溜まって現実から逃げたかった」

「奴に何の感情もなかったと言うのか?お前の避難場所に行くのに必要な道具だと?」

「・・・・そうとも言えるわ・・・・・」

「それなら何故言いなりになって、俺とのセックスを阻んだ?遊びの道具なら、そんな約束を守る必要はないだろう?
見ている訳じゃないんだから、俺に抱かれたって構わなかったはずだよな。
心の繋がりがあったからじゃないのか?そう考えるのが普通だと思うがな」

「・・・・それを言われると言い訳出来ない・・・でも、上手く言えないけど少し違う・・・・
貴方は、そうなの?」

穴さえあれば誰でもが男の特徴(私はです)なのだと思いますが、ここでは言えません。

「俺は好きな相手との約束は守りたい」

「男と女は違うと思う」

「本質に大きな違いなんてないだろう。お前は石川を好きなんだ。認めたくなくても愛しているんだよ。
だから約束を守った。もっと言うなら、不倫が俺に分かってもいいと気持ちの何処かで思ってたんだろう?ずぼらな俺が気付くんだから、大胆に行動をしたんだよ」

石川から電話が来なければ気付かなかったと思います。
ですから妻が、さほど大胆な行動を取っていた訳ではありませんが此処は心理戦なのです。
頭に浮かぶ事を妻にぶつけているのですが、妻の気持ちも分からなくはありません。
しかし、お互い様で済ませる気持にはなれませんでした。
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未完 15

修司 6/16(火) 21:03:15 No.20090616210315 削除
仕事が終わりホテルの部屋に入ってバッグを開けると、色々な日常品を忘れてきてるのでした。
何時も出張の用意は妻がしてくれていたので、細かなところに気が回らなかったのです。
近くのコンビニに買いに行き、ついでに食べ物もと思いましたが食欲をそそる物がありません。

【初日くらいホテルで食うか】

そう思いつつも誘惑が騒ぎ出し、ホテルに帰る途中で電話を掛けてしまいました。

「今、何処にいるの?よかったら飯でも付き合わない?」

「帰る途中なのよ。迎えに来てくれるなら付き合ってもいいわよ」

相手は里美です。以外と近くにいたので車を出して迎えに行く約束をしたのです。
少し走らせると、約束した場所に立っているのが見えました。

「急に悪かった。約束はなかったの?」

「何もないわよ。こんなおばさん、誰も誘ってくれないし」

「そんな事ないさ。僕が誘ったじゃないか」

「あら、そうね。私も捨てたものじゃないのかしら」

二人で声を出して笑いました。
何処か行きたい店がないかと聞くと郊外に洒落た店があり、気にしていたけれど一人じゃ入り難いから行っていないと言います。

「あそこに行ってみたいわ」

小さなレストランは、彼女好みの上品な店で駐車場は何台かの車が停まっています。
中も外装と同じく洒落ていて居心地がよく私も気に入りましたし、出された料理も美味しく車で来ていなければワインでも飲みたい心境です。雑談をしながら楽しい時間を過ごし、帰ろうかと思っていると痛い事を聞いてきました。

「何かあったのね?奥さんの事でしょう。やっぱり浮気してたの?」

私は暗くならないように答えなければなりません。

「うん。遣られたよ。しばらくホテル暮らしだ。金が掛かるから、そのうち何処かへ転がり込むかもな」

「それって私のところ?ひょっとして別れるつもりなの?」

「分らないが、そうなるかな。でも自分の気持ちに整理が付かなくて、浮気されたのに悔しい気持ちも何処か遠くに置いてきた感じなんだ」

「気持ちの中を見ないようにしているんじゃない?愛していれば浮気されて何も感じないなんてないわ。
修司さん、プライドが高いから傷付いている自分を認めたくないんでしょう?」

触られたくないところを突かれました。その通りなのです。自分で気持に蓋をして気取っているのです。

「・・・そうだね。認めたくないんだよ。あいつが浮気するなんて思っても見なかったから・・・」

「こらっ、あの時の私の気持ちがわかったか」

悪戯っぽく笑い、舌をぺろっと出した表情が何とも可愛い。

「しょげていたって、しょうがないわ。男なら逃げないで立ち向かえ」

女に励まされるんだから私も大した男ではありません。

「そうだね。気持に整理が付いたら、ちゃんと話し合うよ」

里美を送り届け帰ろうとすると遠慮がちな声がしました。

「寄って行かない?」

「今日はホテルに泊まる。払ったお金が勿体ないしね」
 
「そう。あのね、私の所は何時来てもいいから。外食ばかりだと身体に悪いわ。
ちゃんとしたもの作ってあげるから、遠慮なく来て。何なら一緒に住んだっていいのよ」

また悪戯っぽく笑うのでしたが、車を降りたい誘惑に抵抗してホテルへと向かいました。

家を出て三日位経ったころから、日に何通も妻からのメールが届くのです。

【ちゃんと食事はしてるか】と母親みたいなものから【傷つけてしまって、ごめんなさい】【許して欲しい】
【早く帰って】等、同じような内容で食傷ぎみで返信は一度もしませんでした。
私も一人で居ると色々考えるものです。悔しさも怒りの感情も湧いて来ていますが、何か落ち着いた気持ちでいるのが不思議でした。
これ以上のホテル暮らしは金が続かないなと思い、一旦帰ろうと退社後に駐車場に行くと車の横に妻が立っているのです。
同僚や部下達に冷やかされるのには閉口しました。

「今日はデートですか?」

「綺麗な奥さんですね。もしかして愛人じゃないですよね?」

勝手な事を言って帰って行きます。

「如何した?会社は大丈夫なのか?」

少し見ない間に、随分とやつれてしまったようです。

「大丈夫。有給を取ってるから・・・・迎えに来たのよ・・・帰りましょう」

「俺も、そのつもりだった」

一瞬、妻の表情が明るくなりましたが、私の固い雰囲気に何か感じたのでしょうか。
手を握ってきて、グッと力を入れてきました。
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修司 6/4(木) 17:50:52 No.20090604175052 削除
「俺は寝れそうにない。もう遅いんだ。お前は寝たらいい。今日は遅刻して行くよ」

「私は休みます。もし、貴方が休めるなら一緒に出かけたいなぁ。忙しいから無理よね」

「そうだな。それもいいか。最後の思い出作りかもな」

「・・・そんな事・・・・・」

二人で軽く酒を飲みましたが会話は当然はずみません、腫れものに触るような態度が癇に障ってしまいます。
でも、そんな態度が自尊心をくすぐってくるから不思議です。
とにかく私を繋ぎ止めておきたいのでしょうが、その話になると私は口を閉ざしました。
その日、本当に久し振りに求められ抱きたいと思ったのですが私の物は萎えたままでした。

「駄目だ。その気にならない」

あの男が【俺の仕込んだ女は如何よ】そんな声が聞こえてくるようで・・・・

「・・・抱いてくれないの?・・・」

それに色仕掛けで陥落させようとしているようで嫌悪感も感じるのです。

「悪いな。酔いすぎたよ」

離れて背を向けた背中に擦り寄って顔を埋める妻に、さっき見ていた映像がだぶってしまいます。
声をひそめて泣いているようですが、私にも熱い感情が湧き出ています。
ただ、それは善意のものではなく悪意の黒い塊なのですが。

軽い眠りから覚めベッドから会社に休むと連絡をいれた時には、もう隣に妻は隣に居ませんでした。
ある準備を済ませて居間に入ると朝食の準備をしています。
二人で食べてから出かけ、欲しがっていたのですが高くて躊躇していたバッグを買ってやりました。
その後も買い物に付き合いましたが、女性用の下着売り場の近くに来ると表情が変わってしまったのでしょう。
そんな私の変化に気づき腕を絡めて、その場から離れるように誘導したものです。
それ以外は側から見ても、仲の良い夫婦に見えたと思います・・・・・
夕方に早めの夕食を取りマンションに帰ると、もう暗くなる時間になっていました。
入れてくれたコーヒーを飲んでから、ゆったりとした夫婦の時間を過ごしました。
夜も更けベッドに横になっていると、また求めてきましたが応じる気持にはなりません。

「悪いな。今日は疲れたよ」

「・・・・そうよね・・・しなくていいから抱いて寝て欲しい・・・・」

妻を抱きしめて目を瞑り考えるのです。
今日一日、私は男の話は一切しませんでしたし、妻も触れてきませんでした。
まさか、このまま何も無かったように何時もの生活を送れるとは思っていないと思います。
これから起こるだろう色々な問題を如何考えているのでしょうか?
私は明日から、しばらく家を出ます。その後の結論は出すためですが、落とし所をどのようなものにするか決まっていません。
綺麗にさよならとはいかないでしょう。それでも今日は最後のサービスのつもりでした。
出るといっても少しの間だと思っていますし、出張でよく泊まるホテルの系列がこの街にもあります。
あそこなら手頃な料金でしょうから、一週間くらいなら大して負担にもなりません。
それからの事は、その時考えればいい。

朝になって私は昨日準備しておいたスーツケースとバッグを持って伝えました。

「昨日は久しぶりに楽しかったよ。もっと、こんな時間を作ればよかった。俺も勝手だったな・・・
しばらく家を出る」

「えっ!」

「しばらく距離を置くと言っただろう。お互い考える時間が必要だ」

「そんなに急に言われたって」

「お前も考えるんだ。そして互いのまとまった結論を話そうや。答えが出るまで一人でいたいんだ。
ちょっとした出張だと思ってくれるといいさ」

これ以上、何を言おうと止められるだけです。
私を追って玄関まで来た妻を振り切って廊下に出ましたが、エレベーターまで付いて来るのでした。

「そんなに長くないわよね?直ぐに帰ってくれるんでしょう?」

「そうだな」

如何なるかは分らないのに空約束をして開いたエレベーターに乗りましたが、妻も入って来る勢いでした。

「此処まででいい。もう一人にしてくれ」

強い言葉に諦めたようでしたが、ドアが閉まる時に見た表情は今にも泣き出しそうで私も複雑な心境です。

【まだ愛しているのか、いないのか、分らなくなってるな。愛していても、いなくても地獄だな】

車に荷物を積み込み、ふと見上げて目に映る我が家の窓に複雑な思いがしましたが、これからが復讐の始まりなのです。
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修司 5/31(日) 18:56:39 No.20090531185639 削除
時計を見ると、まだ夜中の二時を何分か回った時間でした。
少しだけしか眠れませんでしたが、色んな夢を見たように思います。
それらは妻が浮気をしているのではなく、私の浮気がばれて焦っているものでした。
しかし、夢の中の私は反省などしてなく、見つかったのを焦っているだけでした。

【あいつも、そうなのだろうか?】

寝惚けた頭が覚醒すると、そんな事が過ります。
横を見ると妻は居ません。ベッドを抜け出して居間に入るとソファーに横になっていました。

「起きたの?」

妻も寝てはいなかったのでしょう。

「あぁ、目が覚めてしまった」

「私が神経を昂らせてるのね。今日も仕事があるのに・・・・」

この時間から酒を飲むわけににもいきませんし、また寝室に戻るのも何かなと思い、テレビのスイッチを入れてボーとしていました。

「ねぇ、貴方・・・色々考えたわ。私って本当に馬鹿よね・・・
如何したら許してもらえるかなんて考えちゃうの・・・・
こんな事言えた立場じゃないのは分ってるけど・・・私・・・如何すればいい?
如何すれば貴方の気持ちを和らげられる?」

上目使いで、ぽつり、ぽつり、と話し掛けてきました。

「それは無理だ。お互い気持の整理が必要だろう。だから少し距離を置きたいんだ」

口に出した時に、この気持ちは先ほどのように揺れ動くものではなく確信だと思いました。
その感情の中に里美の存在が大半を占め、流れに任せて行きつくところまでと考えています。
彼女が何と言うか分かりませんが。

「あいつのプレゼントの中の女と、お前が同じ女と思えないんだ。
・・・・お前には、あんな一面もあったんだなぁ。俺が満足させてやれなかったのかなぁ・・・・
俺の責任なのかもな?そんなに情けない男だったか?それなら悪いのは俺だよな。
謝るのは俺なのか?」

「・・・・如何して、そんな事言うの・・・・悪いのは・・・私・・・」

今回の件で妻が初めて泣いたのでした。
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修司 5/13(水) 19:37:35 No.20090513193735 削除
居間に戻ると先ほどと同じ姿勢でソファーに座っている妻がいます。

「大した楽しみようだな。信ちゃんのサービスは凄いじゃないか。
お前も色っぽい下着を穿いてAV女優顔負けだ。
感動ものだったよ。しかし由梨絵は案外、淫乱だったんだな。
いっぱい出してなんて普通言わないぜ」

自然と私の声は冷たくなってしまうのは当然の事でした。
頭の回路が今見た映像を処理出来ないからなのか、激情するでもなく何故だか冷静でいられました。
そう言うと気取った感じがするでしょうが、本当はショックでパニックだったのだと思うのです。
しかし、この時は心の中まで知る余裕もありませんでした。

「・・・・言わないで・・・ごめんなさい・・・・ごめんなさい・・・・・・」

かぼそい声が聞こえました。

「・・・ごめんなさいか・・・」

向かい合って座り、煙草に火を点け何を言うべきか巡らせても次の言葉が出てきません。
感情が昂ってさえいれば暴れでも出来るのでしょうが、そんな気分にならないのです。
そんな態度が妻の不安を煽るのか、ますます小さくなっていくのでした。

「・・・ごめんなさい・・・」

同じ言葉の繰り返しです。妻にしてみれば、そんな言葉しか出てこないのかもしれません。

「ごめんなさい・・・かぁ・・・はぁ~~」

漠然と言い返し、出るのは溜息だけです。こんな時に何を言ったら恰好がつくのか。
男の置いていったプレゼントは潜在意識に大きな傷をつけたのだと思います。
妻を寝取られて激情出来ないのは自分を無意識に守っているからなのでしょうが、
その時は気づいてはいませんでした。
思いもしない妻の不倫で情けない男になってしまい、心が崩壊してしまうのを自己防衛していたのだと今は理解しています。

「・・・嫌いになったでしょう?別れたいと思うでしょう?・・・でもね・・・でもね・・・・・」

「そうかもな。嫌いになったと言うより、俺、呆れてしまってパニックになってるよ」

精一杯に嫌味を含めて言った言葉に俯いていた顔を上げました。

「私が遣った事だから弁解は出来ません。でも、こんな事は二度としない・・・
本当に・・ごめんなさい・・・」

「また、されたら堪ったもんじゃない。と、言うより、もう終わりかな」

「・・・そんな・・・」

「当り前だろう。てめぇのかみさんのエロビデオを見せられて喜ぶ男が何処にいるんだ?いるんなら探してこい!
隣のオヤジにでも、お前の会社の男にでもいいから聞いてみろ!
そんな馬鹿いるもんか!」

怒鳴っているのではないのですが、自然とドスの利いた言い方になっていました。

「・・・もう、しないから」

「もう逢わないってか?」

「・・・はい・・・」

「会社を辞めるのか?」

「・・・・・それは・・・」

「お前の覚悟は、そんなもんかい。同じ職場にいるんだから逢わない訳にはいかないよな」

「二人っきりでは会わない」

「馬鹿か!そんなに簡単じゃないぜ。仕事なら二人っきりになる事だってあるだろう。
そんな時は無視するってか?俺が見ていなければ何とでも言えるわな。
だいたい会うと逢うじゃ違うんだ。お前は会わないつもりでも、あいつは逢いたいと思うだろう?
避妊もしないで入れさせた相手に言われれば、お前だって心が動くんじゃないのか?何れ縒りが戻ってセックス三昧だろうよ。
それに不倫相手と毎日顔を会わせてるのは、俺にしてみれば気分がいいものじゃないさ。逆の立場なら如何思う?」

「・・・そうね・・・・」

「だけど、仕事を辞めたら今後の生活に困らないか?別れた後は援助なんかするつもりはないぞ。
それでも辞めるって言うなら勝手だが後は責任は持てない。覚悟して決めろ。
だがな、そのくらいの誠意をみせてみろよ。
それなら、その時考える・・・何の約束も出来ないがな」

そうしたからって許せないだろうと思っていますが整理が付いていないから、こんな言葉で曖昧に濁してしまいました。
逢わないからって、これ迄の行為を【はい、そうですか】とはいかないでしょうし。

「辞めたら考えてくれるの?」

気持ちを見透かしたような言葉です。

「だから分からないって。とにかく今は落胆している。最低な女だと思ってるよ」

「・・・・・・・・・・・・」

ビンタの一発くらい食らわしても罰が当たらないのにしなかったのは、映像が余りにも現実離れしていたからなのでしょうか?

「少し距離を置こうか。長く暮して、お互いに大切さを見失ったようだ。改めて自分たちを考え直す必要があるのかもしれない」

自由な行動を取れるのは悪くはありませんし、妻の浮気をいい事に私だって好きにしても誰にも文句は言わせません。
生殺しにするのも一つの方法です。その時どんな顔をするのか見てみたい。

「別居するって事?」

「そうだな。即、離婚だって言われるよりはいいだろう。お前も考えてみな。
奴と遊びのつもりだと思っていたのが、案外本気だったのかもしれないしさ。
また抱かれたくなっても都合がいいぞ。
そうなら、俺と一緒にいるのは苦痛になってしまうからな」

「・・・そんな・・・そんな事ない・・・許してくれないかもしれないけど・・・・」

はっきりとした言い方に本当の気持ちなのかなと思ってしまうのは、私の気持ちにもそんな部分があるからなのでしょうか?
単身赴任している訳でもないのに、この年で一人暮らしは辛い。気持は揺れ動いているのでした。
それでも天邪鬼なので受け入れる気持になれません。

「毎日、顔を会わせるのは辛いぜ」

「・・・・ごめんね・・・・ごめんね・・・・」

それだけの言葉を繰り返すだけでしたが、それ以上言えないのでしょう。
私も本当の気持ちが浮かび上がってくるまで、何をしても演技になってしまうと思うのです。

薬剤師 43.
津島正義 5/12(火) 20:15:38 No.20090512201538 削除
7月12日土曜日、村澤の奥さんがわが家にやってきました。

「暑い中をお越し頂き恐縮です。家内が検査入院しておりまして生憎留守にしています。」と私は挨拶して事情を説明しました。奥さんは背は低いが、小太りで目がクリクリとした可愛い女性でした。年令は妻と同じくらいかなと思いました。

「入院ですか?どこか悪いのですか?」
「検査入院です。3ヶ月間媚薬を投与されていたもんですから、身体に異常がないか検査して貰っています。」私は奥さんの顔を見ながら言いました。

「このたびは村澤がいろいろとご迷惑をお掛け致しまして申し訳ありませんでした。心よりお詫びいたします。また媚薬を使っていたんですね。あの人はそういう薬には長けていて、15年ほど前から薬を調達してましたが、それだけでは飽きたらず何時の頃からか自分でそういう薬を調剤して女性に使っていたようです。奥様には後遺症がないことを願うばかりです。私たちは約束どおり正式に離婚することにしました。」

「約束?」私は思わず聞き返してしまいました。
「ええ、あの人が不倫したのはこれで2度目になります。7年ほど前に同じ会社に勤めていた人妻に麻薬の入った媚薬を投与して1年ほど不倫を続けていたことがあります。それが最初です。
 相手の奥さんは身体がボロボロになり、入院して不倫が発覚したのです。相手の旦那さんがお金を必要としていたため示談で解決に応じてくれましたが、今度同じような問題を起こしたら離婚する約束でその時は元の鞘に収まったのです。」奥さんはハッキリとした声で説明しました。

「村澤は17~18年ほど前に陰茎の増強手術をしました。なんでも若い女性に男のシンボルが小さく、そのうえ早漏だとバカにされたのが手術をする動機だったようです。手術をしたことは許しましたが、その頃から女性問題を引き起こすようになりました。男の機能に自信を持つようになったのでしょう。
 1~2回の浮気は数え切れないと推測しています。私は村澤との行為を避けるようになっていましたので、その程度は許してきましたが、相手のご家族を巻き込んでご迷惑をお掛けすることだけは絶対に許せません。」奥さんはさらに説明を続けました。
 
「村澤は浪費家なものですから、お金は私が握っています。ですから私が慰謝料をお支払い致します。200万円と思っていましたが、入院していることを考慮し入院費として50万円を上乗せし、250万円でお許しください。奥様もスキがあったことでこうなったと思いますが、主人が計画的にやったことですので、奥様に対しては慰謝料を一切請求いたしません。」奥さんはキッパリ言い切りました。随分歯切れのいい奥さんだなと私は思いました。

「はい、それで私も忘れるようにします。」私はごねてもしょうがないので手を打つことにしたのです。

「ありがとうございます。会社は会社として処分するようですが、それとは別にけじめを付けさせていただきます。銀行口座番号を教えてください。」そう言って奥さんはメモを取って帰りました。

7月12日、妻から携帯電話がありました。 「お医者様があなたにお話ししたいと言っています。明日の日曜日午後3時に病院へ来てくださいということです。検査結果をお話ししたいそうです。」

「分かった。13日午後3時にそこの病室へ行けばいいのか?」私は念のため聞きました。

「私が後で聞いておきますので、あなたはこの病室に来てください。それからタンスの一番下から着替えの下着をもう一組持って来てください。」妻が私に言いました。
「分かった。持っていく。昨日は娘が夜食を作ってくれたよ。」と報告して私は電話を切りました。
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未完 11

修司 5/7(木) 15:12:35 No.20090507151235 削除
私は変に感心してしまいました。
男は直ぐに求めるものと思っていましたが、なかなか本陣へ攻め込まないのです。
頭のてっぺんからストッキングに覆われた爪先まで、余すところなく指と舌を這わすのでした。
それは執拗に続き、のたうつように身体を反らせ泣き声にも似た呻き声を漏らし堪らずに男の物に手を伸ばすのですが、それでも手と舌を器用に動かし急所を外して責め立て続けるのです。

『ああぁぁぁ・・・・信ちゃん・・・・私・・・・もう・・・・さわって・・・・あぁぁぁぅ』

感度を高められ敏感にされた妻は、感極まった声を出しています。

『もう少し我慢しなよ。もっとよくなるから』

焦らしに焦らして止めを射すつもりなのでしょう。マンネリ化した夫婦に欠ける行為ですね。

『もう・・・私・・・もう・・・ああぁぁぁん・・・
お願い・・・・もう我慢できないっ!お願いっ!早くっ!』

画面からは妻の悲鳴のような喘ぎ声が途切れる事なく聞こえています。
男はやっと小さな下着の中に手を入れ動かし始めました。敏感にされた身体には強烈なインパクトがあったのでしょう。
切羽詰まった声を上げ陥落寸前なのが分かります。

『あぁぁぁんっ!駄目っ!ああぁぁぁ・・そこ弱いっ!如何しようっ・・・逝くわっ・・・
ああぁぁぅ、駄目っ!逝くっ!逝くっ!あああぁぁぁ・・いっくうぅぅぅっ!』

いとも簡単に年下の男に陥落させられ仰け反る女は妻と別人のように映るのでした。

『早かったですね』

男の声が先ほどより冷淡な言い方です。

『・・・・信ちゃんが焦らすからよぅ・・・凄く感じちゃった・・・もう欲しいわぁ』

絶頂の余韻に浸りながらも男の胸に顔を埋め挿入をねだる妻に、

『少し濡れすぎですよ』

ティッシュを渡し煙草に火を点け年上の女を焦らせるのは、何度も身体を合わせているからの余裕なのでしょう。

『意地悪なんだからぁ』

恨みっぽく言って切ない部分を拭き再び男の背中に両手を回し、後ろからキスを求める態度は、単なる不倫関係の男と女ではなく、恋人同士に見えてしまいます。
煙草を揉み消すと妻と唇を重ね、またフルコースでの愛撫から始まりました。
それに応じるように男の物を妻も責めていますが、与えられる快感に負けて大きな呻き声を洩らすのでした。

『口でしてくれませんか』

仰向けになり、私には殆どしない行為を求めるのです。

『いいわよぅ。私、信ちゃんのこれ好き』

妻も何の抵抗もなく応じています。
アダルトビデオに出てくる女優のような口使いに唖然としてしまいました。

『あぁぁぁ・・気持ちいいですよ・・由梨絵さんのこれ・・堪らないな・・」

『信ちゃんが喜んでくれるなら何でもしてあげる』

しばらく口での行為を楽しんだ後シックスナインを命じ、お互いに愛し合うのですが、その音が随分と大きいのでした。
きっとカメラを意識してなのだと思います。
妻はもう限界に近づき、男の物を口に含むどころではないようです。

『あぁぁぁ・・信ちゃん・・お願い・・・早くきて・・・ああぁぁぁ
・・私・・私・・もう我慢出来ない・・・
あんっ・・そんなにしたらっ・・・ああぁぁ・・ああぁぁぁ・・
早く・・お願いっ!もう駄目っ!早く入れてっ!』

身体を弓なりに反らせ、切羽詰まった声で訴えるのでした。

『もう少し楽しみましょうよ』

『ああぁぁぁぅ!あああぁぁぁぁぅ!いやっ!ああああぁぁぁっ!そこいやっ!
あああああぁぁぁっ!だっめえぇぇぇっ!』

この声は男が電話で私に聞かせた部分だと思います。
ここから録音したものを流したのでしょう。

画面にめを移すと、妻の半狂乱と言う言葉がぴったりな痴態が映し出されています。
男もそれに応えて、妻の上になり避妊の準備もしないで挿入を開始しました。

『ああうっ!ああぁぁぁぁ!いいっ!いいわっ!
ああぁぁぁぁぅ!今日もいっぱい出してぇ!あああぁぁぁっ!いいぃぃ!』

【いっぱい出してって、子供が出来たら如何するつもりだ】

この行為は未来を約束してこそ出来るものなのではないのか?そこまで深い関係を構築してしまっているのだろうか?

ストッキングを穿いた足を男の腰に絡め、与えられる快感を少しも逃すまいと腰を振る妻に強いショックを受けてしまいます。
こんなに乱れるのを私は見た事がありません。
不倫では普段出来ない行為も出来ると聞きますが、そんな状態なのでしょうか?
男が発射するまで悲鳴のような声を出し何度も昇りつめ、その間に何回も体位を変え射精した時には放心状態でぐったりとしていました。
これ以上は見ていられません。私はパソコンの電源を落として席を立ちました。
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未完 10

修司 5/7(木) 14:59:27 No.20090507145927 削除
色々な感情が心の中を渦巻いていますが、何処かに冷たい部分があるのは何故だろうと考えるのです。
きっと、今の状況を完全に理解していないからだろうとも思っていました。
少し時間が経てば冷静な部分もなくなってしまうのかと怯えにも似た気持ちで妻を見詰めていたものです。男も何も喋りません。後は妻が如何出るのかを、男二人が待っているような妙な雰囲気です。まるで道化師だ。
何故に夫婦の間に他人が介入し、こんな修羅場の登場人物を演じなければならないのか。

「お前が起こした問題に俺が巻き込まれ、こんなガキに舐めた口を叩かれるのは惨めな気分だよ。
遣った事の尻くらい自分で拭くんだな。俺はどっちを選ぶんだなんて言わない。
好きにすればいいさ。黙っていないで自分で決着をつけろ」

私は立ち上がり男を睨みつけると、向こうも同じ態度なのです。
思わず相手の頬にビンタを張ってしまいました。

「痛いな。まぁ、この位は仕方がないか」

向かってくる素振りもなく、にやけた表情で言ってのけました。
その態度にキレてしまい拳を振上げた時に妻が割って入るのでした。

「石川君、帰ってちょうだいっ!貴方もこれ以上乱暴はやめてっ! 此処からは夫婦の問題なのっ!」

男が殴られるのを庇ったのか私を不利にしたくないと思ったのか、そこまでの気持ちは分りませが面白い気分ではありません。

「夫婦だけの問題では済まされなくなっている。簡単に考えるな」

妻の言い分には納得しかねます。

「簡単になんて思っていません。でも今日はこれ以上・・・・」

「課長、いいんですか?また同じ事を繰り返すんですよ。
僕と一緒になりたいと言った事もあったでしょう。
せっかくチャンスなのになぁ。まぁ、帰れと言うんなら今日のところは帰りますが、
ご主人に、こんなプレゼントを持って来ました」

持ってきていたバックの中から、DVDを一枚取り出しています。
妻はその内容を知っているのでしょう。必死に取り上げようとするのでした。

「あんた何故そんな物をっ!」

この内容がどんな物なのか知ってるからの態度です。
私だって想像はついているのです。奇麗な風景画を置いて行くわけはありません。
妻との情事を映したものだと思います。まったく何なんだこの二人は。
見てみなければ分りませんが、撮影を許可したなら情事の時は私の事等忘れ若い肉体に溺れた結果です。

「この期に及んで見苦しい真似はするな。有り難く貰っておくよ」

「見れば、きっと決心がつくさ。男ならな」

男は冷たい笑顔を私に向け帰りました。妻の方を見ると青白い顔をして放心状態です。

「此処でもしていたんだ。馬鹿にするにも程がある。許せない事だぞ。
これからの身の振り方を考えた方がいいかもな。せっかくのプレゼントだ。
ゆっくり見せてもらうよ」

私も男を見習って冷たい笑みを浮かべて声を出しましたが、かすれ気味で様になりませんでした。

「・・・・貴方・・・それ見ないで・・・・」

訴えてるのではなく、一人語との呟きみたいな声でした。
如何すればいいのか分らないのでしょう。身体が小刻みに震えているのが分ります。
隠しておきたい全てが白日の下に晒されると知ったら、こんな風になるものなんでしょうかね?
私の性格を熟知しているだけ尚更なのでしょう。
見て欲しくなくても止める事なんて出来ない。
それが、年下の男とのセックス場面と来たら堪らないでしょう。
でも、それは妻が望んで行った行動なのですから仕方がないですよね。

隣室に入りパソコンを立ち上げ、DVDをセットし再生してみました。
そこに映し出されたものは、何処か分らない部屋で恥ずかしそうに微笑む妻の顔の
アップ。
何時もと違い化粧も濃く派手目にしています。
カメラは徐々に引いて行き、全身を映そうとしているようです。

『こんなおばさんにエッチな格好させてカメラで録るなんて。信ちゃん、悪い趣味よ。
本当に悪趣味。私、恥ずかしいのよ。
ねぇ、信ちゃん。そんな事より、早くこっちに来てよぅ』

年下の男に甘えて誘っています。

『そんなに焦らないでよ。由梨絵さんの奇麗な身体を残しておきたいから』

この会話だけで二人の親密度が伺えます。
カメラが妻の全身を捉えると、その格好は確かに卑猥なもので、私は顔をしかめてしまいました。
黒いブラジャーに、私に見せた事もない陰部を隠すのがやっとの黒いTバッグ。
それに、これも黒のガーターベルトに黒いストッキングを吊っています。

【これが男の趣味か。こんな派手な下着は家にはなかった】

年齢に不釣り合いな派手な下着を付けて、若い男との情事に期待を膨らませる女に滑稽さを感じました。
ここまで見ただけで、これから演じられる痴態が頭の中に浮かびますが、こんな下着、どんな顔をして買うんでしょうね。

『まだなのぅ?早く来てってばぁ』

妻の甘えた声が聞こえてきます。

『カメラを固定するまで待ってよ。うん、ここなら全部映るな。お待たせしました』

話振りからも、この男はマザコンなんだろうなと伺えるのです。
女にと言うより、母親に話しかけるような口調なのです。
カメラの前を横切って男が前に立つと、妻から抱きついていました。
妻の顎を指で上げさせ唇を重ねるのですが、この時も妻が積極的に見えるのです。
何秒かの口づけなのでしょうが、見ている私には長い長い時間に感じられるのでした。
男の手は背中から胸へ、休み事なく動いています。
口を離すと、いたわるように易しく後ろのベッドに妻を寝かせ、慣れた手つきでブラを外しました。

「少しは抵抗すれよな」

正直な私の気持ちです。お互いの了解の下で行われているのですから抵抗なんかするはずもないのですが、そんなふうに求めてしまいます。
妻の意志ではなく、何らかの事情があって仕方がなく。それなら気持に逃げ道があるでしょう。
しかし、そんな期待を持つ私が甘いのです。

画面の中では、あらわになった乳房を揉みながら、舌を首筋から肩まで丹念に這わせています。

『あぁぁぁぅ・・・気持ちいい・・・あぁぁぁぁぅ』

妻の吐息を洩らしました。こんな声、私はしばらく聞いていません。

薬剤師 37.
津島正義 5/4(月) 19:27:22 No.20090504192722 削除
6月27日、マンションから自宅へ帰る途中、7月4日に会う約束を迫られましたが、その日は私が帰国する予定になっているため、妻は断りました。

 その代わりとして村澤から翌週の7月11日に夜のデートを約束させられました。旦那にもっともらしい理由をつけて外出しろと言うのです。

「これがあなたの留守中に私が取った行動のすべてです。この3ヶ月弱の間、私は取り返しのつかないことをしてしまいました。あなた、ごめんなさい。」と言って妻はまた床に這い蹲り頭を床につけて謝っています。

「俺が中国で苦労しているときに、菜穂子は、他の男に抱かれ性の快感に溺れていたのか?村瀬のオチン〇ンをいじくった手で俺に料理を作ったのか?村澤に散々抱かれた身体を昨日俺は抱いたのか?」俺は怒りと嫉妬で散々妻をなじりました。

「ごめんなさい、ごめんなさい。」妻は涙を流しただ謝るだけです。

「菜穂子は不倫をどう考えているんだ?良いことなのか、悪いことなのか?」
「……悪いことです…してはいけないことです…。」

「悪いことと知りながらなぜすぐに止めなかった?」
「…あなたに申し訳ないと思っていましたが……止められませんでした、ごめんなさい……。」


「不倫したのも不倫を続けていたのも媚薬のせいなのか?」
「その影響があったかも知れませんが、媚薬のせいにはしたくありません。私が本当にバカだったんです。警戒心が薄く村澤にスキを突かれてしまいました。意思が弱くてなかなか止められませんでした。お詫びする以外にありません………ごめんなさい。」 

「俺がまだ帰国しなかったら、不倫を続けていたんだろ?」
「はい、少しは続いていたかも知れません。でもあなたの帰国がもし伸びたときには、私は牙を剥くつもりでした。村澤の脅迫に屈していたのはあなたの帰りが分かっていたからで、それまではと堪えていました。この原稿用紙の最後に弁護士事務所、警察、三嶋社長の自宅、村澤の自宅などの住所リストがありますよね。これはいざというときに使おうと思って作ったんです。
 既に弁護士事務所の中島民雄先生に相談しております。もしあなたの帰国が遅れた場合、思い切ってすべてを中国にいるあなたと、三嶋社長や村澤本部長の奥さんにお話するつもりでした。必要なら警察にも相談するつもりでした。」

 「俺の帰国を待たなくても、中島先生と相談した後も、村澤と淫乱な関係を続けていたんだろ?ヤツとの関係を絶つため何故すぐ行動しなかったんだ?別れる決心をしながら何故俺の帰るまで村澤と淫らな関係を持ち続けていたんだ?」私は素朴な疑問を妻にぶつけてみました。

 「今考えれば村澤本部長とすぐ関係を絶つべきであったと思います。実は中島先生からも、手を切るのは早いほうが良い、と助言されていたのです。でもあの時は、これだけの重大な過ちを犯してしまったのですから、電話やメールではなくどうしてもあなたの前ですべてを告白し謝罪すべきだと考えていました。ですからそれまではと思っていたのです。」と妻はスラスラと答えました。

どうも私の前ですべてを話して謝罪するという形式を妻は重んじたようなのです。私には疑問が残るのですが、全体像を知るため話を先へ進めることにしました。

「村澤が好きではなかったんだな!」
「仕事はできるし、私を女としてみてくれました。ちょっと言いにくいのですが、性の悦びを教えてくれました。ですから最初の1カ月半ぐらいはあの人に好意を持っていました。」妻は正直に言っているのですが、その答えが気に入らなくて、私はまた怒ってしまうのです。

「それじゃ村澤を愛していたのか?」
「違います。愛したことはありません。私が愛しているのはあなただけです。信じてください。」妻は必死に訴えました。

「愛していないけど、好意を持っていた?それはどんな感覚なんだ?俺にも分かるように説明してくれ!」
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未完 9

修司 5/3(日) 01:30:10 No.20090503013010 削除
妻は焦点の合わない視線を向け、しばらく沈黙していましたが重い口を開き始めます。

「貴方から変な電話があったと聞いた時に彼からだと思いました。
私には貴方が必要だし、別の男の人には興味を持った事もなかった。
だから部下の一人としか意識していなかったんだけど・・・
でも仕事も出来るのに妙に私を立ててくれるし、したってくれるの。
男として意識をした訳じゃないけど好感は持ってたわ」

「それからズルズルか」

「そんな事ない」

この時ばかりは、きっぱりと答えたのです。

「・・・・彼は年下だし、私にとっては部下の一人でしかなかった・・・・でも飲み会なんかの時は何時も隣に座って私みたいな人と結婚したいなんて言うの・・・・
そんなのが続いて意識するようになってしまって・・・・」

それでも身体の関係については話しません。

「同じ部屋に泊まったんだから男と女の関係だよな」

「・・・・・・・・・」

俯いたまま口を閉ざしてしまいました。

「ここへ来てもらおう。呼んでくれないか」

妻の携帯を取り上げ、まずは履歴を見ていましたが分りません。
それでも慌てたようです。

「お願い。やめてっ!彼がここに来たってどうなるって言うの」

「それならそれでいい。どれが男の番号だ?面倒だ。お前が掛けろ。
男を呼ばないのならこれまでだな」

私の気迫に押され携帯を繋げたようです。私は取り上げて耳にあてました。

「こんな時間に珍しいですね。旦那、まだ帰っていないんですか?」

「その旦那だよ」

「あぁ、ご主人ですか。何か御用ですか?」

驚いた様子でもなく、ふてぶてしい声が聞こえてきます。

「これから家に来てくれ。要件は分ってるな。好きな課長の家だから場所は知ってるんだろう?」

「えぇ、知ってますよ。それじゃぁ、これからお邪魔しますか。車を停める所は空いていますかね?」

【何が車を停める所だ】

私の言葉に動じる訳でもなく、淡々と話してくる相手に不気味さを感じてしまいます。
それから、そう経たないでやって来たのには驚きました。

「あいつはこの辺に住んでいるのか?」

「・・・・・・・・・・・」

答えようとしない妻に、理解したものです。

「まさか、ここに入れてはいないだろう?」

「・・・・・何度かは・・・・」

「ここで寝たのか?」

「・・・・そんな事は・・・・」

「ふざけるなっ!馬鹿にするにも程があるぜ。ここで何をしたのか聞いてみる。
もしも・・・・許さないからな」

妻を促し部屋からロックを解除し、上がってくるように促しました。
部屋に入って来た男は悪びれもせず入って来ました。

「こんなに早く逢えると思ってなかったですよ。楽しい旅行でしたね」

私を無視して笑みを浮かべ妻に話し掛けるのです。
このふてぶてしい男の意図を知らなければならないと思い、じっと二人を観察しました。
俯いたまま妻は何も語りませんが、その態度が二人の関係を物語っているのでしょう。
緊張に身体を固めたまま、たまに此方の様子を伺うように一瞬視線を向けます。
男に返答しないのは、何かを口にすれば全てを知られてしまうと思うからなのでしょうが、もう遅いのです。
妻は私との絶縁を望んでいないなら、冒険のし過ぎたとしか言えません。
一瞬のアバンチュールを楽しんでいたとは言わせません。

「僕はよかったと思うんだ。だって課長だって望んでいたじゃないですか。
何時も二人だけの時は、この時間がずっと続けばいいって言っていたでしょう。
この機会にはっきりしましょうや」

私の事なんか眼中にないように妻に語りかけています。

「なぁ、君も社会人だろう?そんな話をする前に言うことかあるんじゃないのか?」

さすがに焦れて言葉を挟んでしまいました。

「僕たちの間に貴方は邪魔なだけなんですよ。それをはっきりとしなければ次に進めません」

悪びれずに私から視線を離しもしないで言い切る男に覚悟を垣間見た気がします。
これは深い関係を結んでいるから出来る芸当で、妻を持ち去る自信があるのでしょう。
妻に目を遣ると、俯きながらも握られた両手に青筋が立っています。

「課長、僕と暮らそう。会社を辞めたって仕事は困らないし金の心配もさせない」

この舐め切った態度に切れそうになった時、妻が先に声を出しました。

「人の家に来て馬鹿言ってるんじゃないわよ。何故来たの。私は家庭を壊さないって言ったでしょう。帰って。直ぐ帰ってっ!」

強い口調ですが、出来レースの様に思えてしまいます。
これ以上、関係の深さを知られたくなくて言っている気がするのです。

「呼んだのは俺だし、帰ってもらったら困るんだ。知りたい事が山ほどある。
石川君。妻と肉体関係を持っているのだろう?何時からなんだい?」

余りにも端的な質問に妻が私を凝視した後、男に縋るような視線を向けました。
これ以上は言ってくれるなと訴えているのでしょう。
しかし、男はそんな気持ちを無視して話したのです。

「もう一年になりますよ。かなり前から、ご主人は夜のほうは拒否されていたでしょう?
貴方に抱かれる課長を想像しただけで堪らない気持ちになってしまうんで、僕がお願いしたんです。
その分、代わりに満足させていましたからね。それほど愛してるんです。

最初は関係を持てるだけで満足していましたが、今は一緒になりたいと思っています。
母を早くに亡くしたせいか、年上の女性にしか関心を持てないんですよ。
僕にとって課長は理想なんです。年上だし何処に出しても恥ずかしくない容姿をしている。
そんな課長がたまたま結婚していた。だけど、ご主人。好きになってしまったものはしょうがないじゃないですか。
離婚してくれるように頼んでも、いい返事をしてくれないから、あんな電話を掛けてしまいました。
あれは済まない事をしたと思っています。男として格好悪いでしたね。課長にもコッテリ絞られましたしね」

本当に悪びれない男です。肝が据わっていると言うより、非常識な人間です。
殴りつけたい衝動を抑えて、冷静さを保つのに努力が要りました。

「此処で関係した事はあるかい?」

この質問をした時に、妻が悲鳴に近い声を上げました。

「やめて。もうやめてっ!お願いだから、これ以上は言わないでっ!」

わなわな身体を震わせる姿に、男が優しく声を掛けます。

「何時かは乗り越えなければならない壁なんです。そうしないと前に進めないじゃないですか。
はっきりさせる時期が来たんですよ。責任は僕が全部取りますから任せて欲しいです」

「責任を取るって何を取るのよっ!私はこの人と別れないって言ってるじゃないの。
それを如何取れるって言うのっ!」

これほど激情した妻を見るのは初めてです。
さすがに男も表情を強張らせましたが、それも一時で私の質問に答えたのです。

「お宅でのセックスは僕も抵抗がありましたが我慢できなくなってしまったんです。
課長は抵抗しましたが無理矢理に・・・課長には申し訳ないと思っています」

「・・・・お願い・・・もうやめて・・・もう話さないで・・・・」

男は妻に対して申し訳ないと言い、妻も男に話すなと言っています。
此処に私の存在はありません。何とも言えない焦燥を感じていました。
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未完 8

修司 5/3(日) 01:22:11 No.20090503012211 削除
隠し事を持っていると、些細な事にもビクビクしなければなりません。
どんなに旨く隠しているつもりでも、もしもと思う気持ちが働くのです。
今の妻は、その恐怖に怯えているのかも?

「この前の電話だけどな、誰だか分かったよ。見せたいものがあるんだ」

着替えも済ませずソファーに座り、深刻な声で溜息を吐きながらなのですから都合の悪い話なのは感づいているはずです。
こちらに目を向ける妻の表情に不安の色を隠せないのが分かりました。

「悪いとは思ったが、色々調べさせてもらった」

視線に落ち着きがありません。

「電話の話をした時、由梨絵は誰だか分かっていたんだろう?」

「・・・いいえ・・・」

その後に何か続けたかったのでしょうが、言葉を飲み込んだようでした。
これから私がどんな話をしようとしているのか分からない以上、余計な事を話さない方が得策だと思ったのでしょうね。

「回りくどい話はしない」

興信所の調書を妻の前に突きつけたのでした。

「食事に誘った時に見ちゃったって言ったよな。
変な電話の後だったんでな。まさかと思いながらも疑ってしまった。それは知っていたよな。
あの後電話も来ないし、お前の様子も不自然だった。真面目過ぎたものな。
それで今回の出張に目を付けたのさ。
何かあるんじゃないかとね。でもな、信じたいと思う気持ちが強かった。
だから調べさせてたんだよ。ちゃんと目を通して答えてくれないか」

ゆっくりと封筒を開いて中の調書を見ている表情が暗くなり、顔色がみるみる青白くなっていきます。

「この前の人と一緒だったんだな」

「・・・・・・・・・・・」

「黙っていたって、そこに全てが記されてる。ホテルの部屋も一緒だったんだろう。
言い逃れは出来ないよな」

何か良い言い訳を考えようとしても、興信所の調書は完璧です。
言えば言うほど墓穴を掘るでしょう。そのくらいは妻も気付いています。

「何時から疑っていたの?」

視線を逸らし、時には合わせて聞いてきます。

「あの電話からだ。俺の番号を教えたのは、お前か?」

「違うわ。教えたりしない・・・」

「そうか。まぁ、いいや。だけど何時から、こんな関係になった?」

「・・・・・・・・・」

「俺と別れたいか?」

「・・・・そんな事、思っていないわ・・・・・」

うつむいて呟くように答えました。

いくら夫婦でも、長い歴史の中では色々な出来事が起こるものだと思います。
私だって潔白ではありません。道理的には妻だけを責める訳に行かないのでしょうが、自分の事は棚に上げるのが人間なのです。

「誤魔化しは利かないのだから、全て隠さずに話してくれ」

伏せていた顔を上げましたが視線が定まっていません。
どのような話を聞かされるにしろ、ショックなものになるのでしょう。
私も肝を据えて向い合います。

「・・・・貴方・・・ごめんなさい・・・・この書類の通りです・・・・でも・・・急に彼の助けが必要になって来てもらったの・・・・
こんな事は今回が初めてなの・・・・貴方が疑っているような事は・・・・」

「そうかな?初めてだろうが無かろうが、そんなのはいいじゃないか。
一回も二回も関係ないんだよ。
俺は初めてだとは思っていない。だいたいホテルで待ち合わせてたと記されてるだろう。急に来てもらったんじゃないな。騙そうとしても後が辛くなる。全て話せよ」

しばらく沈黙の後、私にぼんやりと視線を合わせてきました。

「何処まで知ってるのですか?」

「この調書以上は知らない。だけど俺にしてみれば、これが全てなんだ」

「・・・・許してくれるの・・・」

「・・・・分からない・・・・何故こんな思いをしなければならないのかも理解出来ていないいんだ・・・・」

私の眼光は、きっと鋭いでしょう。嘘は見逃しません。

「ごめんなさい。この通りです・・・でも・・・ごめんなさい」

『でも』の後に続く言葉は何なのでしょう。

「うん、それは此処に示されてる。俺は由梨絵が如何して家族を裏切ったのかを知りたい。何故こんな事に・・・・・」

私の気持ちも昂って次の言葉が出ませんでした。
この時、私は色んな感情が入り乱れて、これからの行き着くところが何処なのかも考えていませんでした。
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未完 7

修司 4/30(木) 22:24:22 No.20090430222422 削除
妻が帰って来た日は、妙に口数が多く楽しげに振舞っていました。

「やっぱり家はいいわぁ。ホテルだと何だか安らげないのよ。
たった数日なのに疲れちゃうわ」

仕事の事や会った人間の話等、私には興味のない話を永遠に話した後に、こう締めました。
人は後ろめたい時に、口数が多くなるか無口になるのかどちらかだと言います。

・・・・さて妻は、どちらなのでしょうか・・・・

それは直ぐに、はっきりするのです。
ここでは何も知らない顔をして聞いているのが得策なのだと思って我慢したのでした。

費用が掛かるだけあって、結果が出るのは早いものです。
全ての資料を提示されたのは、妻が帰った二日後でした。
報告によると出発した金曜日は確かに出張と言えるでしょう。仕事は当日で終わっていると記されています。
その気ならば当日か次の日に帰宅出来るのにしなかったのは、あの男と合流するためでした。
写真に写っている妻はスカート姿で、男の趣味に合わせているのでしょう。
裏切りを裏付けるに充分な証拠が揃っています。
改めて見せられた時の心境は複雑、いや、職員の前で表情を強張らせるほど大きな
」ショックを受けました。
不信感を持っていても、心の何処かで信じたいと思っていたのでしょう。
どれほど動揺していたかって、興信所から出る時に後ろの止まっていた車に不用意にぶつけてしまったのが物語っています。
私はこんな事故を起こした経験がありません。

男の名前は石川信夫とあり、妻と同じ会社の社員です。如何やって調べたのか年齢までも記入されています。
三十二歳で独身。

【一回りも違う相手との不倫か。由梨絵のやつ何を考えているんだ】

体力の有り余る年下の男にしがみついて腰を振る妻の痴態が目に浮かんでしまいました。
それもフェチと自ら公言していたからには、ストッキングを穿かせたままの情事の風景です。
パソコンでエロサイトを見ていた時に、そんな画像をみた事がありました。

【由梨絵は本当に、そんな姿で抱かれているのか】

胸の中に黒く得体の知れない黒い感情が芽生えるのを必死で押さえようとしますが成長を止めれません。

帰宅すると先に帰っていた妻は、私の趣旨に気付いているはずもなく陽気に話し掛けてきます。

「お帰りなさい。お腹空いたでしょう?ご飯の用意してるから、もう少し待ってね。先にお風呂に入ってくれたら丁度いい時間になるわ。
ねぇ、暇になったら一緒に旅行でもしない?久しぶりに貴方とゆっくり過ごしたいわ」

そんな言葉に唖然としてしまいます。
男と不倫旅行に行ったばかりで、今度は私とかい。
妻にしてみれば後ろめたさを感じ機嫌を取ってるつもりかも知れませんが、この無神経さに開いた口が塞がりません。

「そうだな。そんな日が来るといいな」

皮肉を込めての返答です。

「あら、時間って作らなきゃ出来ないのよ」

「作ろうと思ったら出来るかもな。その気がないから出来ないのさ」

「変な事言うわね。嫌な事でもあったの?」

何も気付いていないのです。夫婦生活が長く、お互いの行動に無関心になってしまったのを、逆手に取ったつもりなのかもしれません。

「あったさ」

鋭い言い方に何か感じたのかもしれません。振り返らないその姿に緊張感を感じました。

「飯は要らないから、少し話そうか」

「・・・・・・・・・・」

「こっちに来いや」

「もうすぐ出来るから。ちょっと待ってて」

気を落ち着かせているのでしょう。

「食欲がないんだ。今は話の方を先にしたい。どうせ食えないから止めていい」

私の前に腰掛けた表情が硬く見えるのは気のせいでしょうか。
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未完 6

修司 4/30(木) 22:20:42 No.20090430222042 削除
数日後の休日に買い物に行っている隙をみつけ、妻の持ち物を調べてみました。
パソコンのメール等にも疑わしいものを見つけられません。
タンスの中にも普通のものしか有りません。
もしも私が妻の立場で気付かれないように隠すとしたらどんなところだろうかと考え、あれこれ探してみましたが怪しいものは見つけられませんでした。
マンションのごく限られたスペースに、もう探すところはないでしょう。
そんなものは会社に置いてあったり男の部屋にあるのかも知れないのに、なんだか
ホットしてしまうから甘いのでしょうね。
いや、この期に及んでも逃げ腰なのでした。

私の言葉が効いているのか、このところ多少帰りが遅くなる事もありますが
疑わしい行動は取っていません。
男からの電話もなく口止めをされているのだろうと推測しました。

「来週、三日ほど出張があるの。相手の都合で週末からなのよ。
休日返上でいやになっちゃうわ。迷惑掛けるけど宜しくお願いします」

今までも出張で家を空ける事がありましたが、日曜に帰ってくると言うのは初めてですし、例の件があった後なので何らかの行動を起こすのではないだろうかと疑いました。

「今回も一人かい?」

「えっ?そうよ。今までだって大抵一人よ。人数が増えると出張経費が掛かるじゃない。会社も甘くないわ。何人かで行けると気が楽なんだけどね」

信頼を取り戻せるのか否か、一つの機会が訪れたと思いました。
費用が掛かっても興信所に頼むか、
休みを取って自分で調べるのか迷いましたが、休みを取るのは立場上難しいですし、
素人が簡単には出来ない行動だろうと思うのです。
部屋にこもりネットで調べ、目途を立ててから興信所に依頼しようと決めたのでした。
調べてみると色々出てくるものですね。
自分の住んでいる地域をクリックして、比較的に規模の大きそうなところに目をつけました。

あくる日の退社後に、さっそく興信所を訪問しました。
初めての経験で緊張していたのですが、個室が用意されていたりで、次第にリラックス出来ましたが費用が想像通り高額なのでした。
迷いましたが妻の出張時だけにターゲットを絞り契約を済ませました。
何だか不安が先立ち複雑な気分に陥りましたが、これ上の案も思いつきませんので仕方がありません。後は結果を待つだけです。

出張当日に私は何気に妻の服装に目を遣ると何時ものパンツスーツを着ています。
それほど大きなバッグも持っていないので、何着も着替えは入っていなと思ったのでした。

「一旦、会社に行くのか?」

「ううん。直接行くわ。駅まで送ってくれると嬉しいなぁ」

構内まで見送らないと私の性格を見抜いてなのでしょうか。
それに目的地で落ち合えば何の問題もないのでしょうから。
了解して車に妻を乗せ周りを注意深く観察すると、少し離れたところに極普通の車が駐車しています。興信所の人だろうか?
走り始めると、向こうの車も動き出し、確信したのです。
私が興信所に頼んでいるので気付いたのですが、普通は分からないでしょう。
さすがにプロだななんて感心したものです。その後の動きにも隙がありません。
これなら、正確な情報を伝えてくれるだろうと期待したのでした。
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未完 5

修司 4/20(月) 22:03:18 No.20090420220318 削除
彼女と過ごした時間を思い出しながら車を運転していると、妻から電話が掛かってきました。

「貴方、今何処?ごめんなさい。急に打ち合わせが入っちゃって携帯の電源を切っちゃたの。
こんなに時間が掛かると思わなかったものだから。本当にごめんね。
これから食べにいく?」

何が打ち合わせだ。

「もう食ったよ。帰ってる途中だ。お前も直ぐ帰ってこい。話があるんでな」

私の言葉に怒気が含まれていたのでしょう。

「・・・・そう・・・急いで帰る・・・・ごめんなさいね・・・・」

何かを感じたようです。嘘を見破られたと思ったかもしれません。
そうなら色々な言い訳を考えて帰ってくるのでしょう。
私は正面からぶつかってみるつもりです。

私がマンションの駐車場に車を止めていると妻が迎えに出てきました。
里美のアパートは中心地から離れているので、妻の方が帰りが早かったのです。

「お帰りなさい。せっかく誘ってくれたのに本当にごめんね」

「まあ、いい。早く入ろう」

妻は何を言われるのかと、緊張しているようです。
後ろめたいと全てにビクビクしなければなりません。私も単身赴任中に里美と関係があった時はそうでした。
着替えもしないで居間のソファーに座ると、言い訳がましい話を立て続けに話すのです。
語るに落ちると言いますが、こんな状態を言うのでしょうね。

「そうか。会社って勝手だからな。でも今日は違うだろう?俺さぁ、見ちゃったんだよ。会議なんてなかったよな?
あるとすれば個人的なミーティングだろう?あの男は誰だい?俺、見てたんだよ」

「・・・・・・・・・・・・」

「嘘は何ればれるものだ。嘘をつくと嘘を重ねなければならなくなる。
実はな、何度か電話があったんだ。
由梨絵との事を詳しく話してたよ。名乗らないし、非通知で掛けてくる非常識な奴だ。
だけど話の内容から、お前の会社の人間だろう。悪戯かと思いもしたけど、
今日あの場面を見て、ミーティングなんて嘘を吐かれたら、さすがにな」

「・・・・・そう・・・・ごめんなさい・・・・あの子、私の部下なの・・・・
個人的に問題があって・・・・
如何しても話があるっていうもんだから。誤解しないで。あくまでも仕事の話なのよ。立場上断る訳にはいかないし・・・・
貴方には悪いと思ったけど変に思われたらいやだから。でも、その電話は違う人だと思う。あの子はそんな事しないわ」

言葉を選びながら話していました。
妻はおそらく電話の相手は、その男だと思っているのでしょうが、突然の話に戸惑い庇ってしまったのでしょうか?
男から聞かされた、妻らしき女の悶え声の話もしようかと迷いましたが、如何しても言えないでいます。
そんな事を言っても違うと否定されたなら、くつがえす証拠がありませんし、何よりも臆病風に吹かれで話せないのです。

「仕事をしてれば色々あるだろう。それでも嘘を吐くな。月並みな言葉だが嘘は次の嘘を呼ぶ。今まで築いてきた信頼が台無しになってしまう」

「・・・・・ごめんなさい・・・・・」

「次はごめんじゃ済まないぞ」

男と関係があるなら、これからも嘘を吐くのでしょう。
妻の返答が思っていた通りの展開になったので、次の手を考えるのがベストだと気分を入れ変えたのでした。
不信感を持ったままでいるのは辛いので、真剣に考えなければなりません。

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未完 4

修司 4/20(月) 21:54:37 No.20090420215437 削除
車を走らせて言われた住所に着くと、アパートは直ぐに見つかりました。
部屋の前に立ちチャイムを鳴らすと直ぐに迎え入れてくれましたが、私の前に立つ
彼女は益々美しくなったと感じさせます。
彼女の声は、あの時代に時間を戻させます。

「久しぶりね」

懐かしい声が私を出迎えてくれました。。
眼に少しだけ恨みっぽい色をたたえ笑顔で見つめる彼女に、今の心境からぐっと抱きしめたい衝動に駆られましたが出来ません。

「修司さん少しも変わりがないのね。私は老けたでしょう?」

「いや、ますます綺麗になったね。何時も驚かされる」

「お世辞でも嬉しいわ」

「さっちゃん(里美)からメール貰ったのに返信しなくて御免な。気にしていたんだけど・・・・」

「ううん、いいの。修司さん奥さんが居るんだもの。でも、
何時かは会えると思ってたぁ」

屈託のない彼女の笑顔が今の気持ちを癒してくれるようです。
恨み事の一つや二つ覚悟していたのですが、そんな素振りを微塵も見せません。
ほっとして他愛のない話をしていると確信に触れられてしまうのです。

「何かあったんでしょう?そうじゃなきゃ会いたいなんて思わないもの・・・何があったの?話してくれると嬉しいわ」

身体の関係を持っていた気安さからか、このところの出来事を話してしまいました。

「そんなに思われてるって幸せな奥さんね。羨ましいわ。
修司さんの話だけだから何とも言えないけど、きっとその通りかもね。
でも女が浮気するって勇気がいるわぁ。きっと何かあったんだと思う。奥さんだけ責めないで修司さんも反省する事なかった?
誰かと浮気してたとか」

言われれば心当たりは山程あります。
浮気はしていませんが、話を適当に聞いていて覚えていないし、愚痴は言っても相手の悩みを真剣に受け止めていなかったり。
何処かで妻を家政婦のように扱っていたんだと思うのです。何時から妻に女を感じて遣らなくなったのか。

「流されてしまう時だってあると思うの。怖がっていないで話し合わなければ。
それが思う通りの結果じゃなくても仕方がないんじゃないのかなぁ」

証拠がない等と考えていたのは、現実から逃げていたのかもしれません。
彼女の言う通り話さなければ何も進展がないのですから。
これから妻にぶつけても、きっと適当な言い逃れをすのでしょうが、その時はその時です。
その後二人で外で食事をして別れましたが、別れ際に私に言いました。

「私に逃げちゃだめよ。修司さん何時もそうなんだから。また会えるなら貴方が楽しい時がいいなぁ」

この言葉は彼女が精一杯の抵抗だったんだと思うのです。

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未完 3

修司 4/16(木) 07:25:32 No.20090416072532 削除
苛立ちながら車を運転している途中で、私はもうしないと誓っていた番号に躊躇しながらも電話を掛けてしまいます。
携帯のアドレスには里美商会と入れてありました。
万が一、妻に見られてもいいように用心しての事でした。

「久しぶりだな。元気だったかい?
この街に住んでるって連絡くれてたけど、返事しなくて御免な。
もし、よかったらこれから会ってくれないか?ちょっと都合が良すぎるかな?」

「何時か電話くれると思ってた。いいわよ。私のアパートに来てくれても」

私は運転しながら、あの時代を思い出していました。
まだ若造と言われる頃、愛し合っていた女性がいました。
彼女と知り合う前まで何人かと交際をしましたが、これが恋なんだと教えてくれた女性でした。
結婚相手はこの人しかいないと思っていましたが若かった私は過ちを犯し、彼女はそれを許してくれなかった。
軽い気持ちで遊んだのが、ばれてしまったのです。
それも一度や二度じゃなかったので当然だったでしょう。
何度も許しを請いましたが駄目でした。

『凄く愛していたから、如何しても許せない』

最後に聞いた言葉です。
自分が彼女の気持ちを、どれだけ傷付けてしまったか、その時にやっと自分の愚かさを本当の意味で悟りました。
半年も落ち込み立ち直れないでいる私の耳に聞こえて来たのは、もう恋人も出来き幸せそうだと言う話でした。

【女の割り切り方は凄いんだ】と、教えてくれたのも彼女です。

その数年後、愛を育みあった恋人と結ばれと共通の知人から聞かされて時も、大きなショックを受けたものです。
私の傷は癒えていなかったのですね。つくずく女々しい男だと思い知りました。

・・・・・そんな私を救ってくれたのが妻なのですが・・・・・

それが単身赴任中に、ばったり会ったのはスーパーで買い物をしている時です。
何を食おうかと物色していると『久し振りね』と声を掛けられ振り向くと彼女が立っていたのです。
別れた時と少しも変わらず、いや、もっと大人の魅力を纏った姿は美しかった。
こんな所で会うなんて、運命的なものさえ感じたものです。
時間が経ちわだかまりも消えていた私達は、スーパー内の喫茶店で今の境遇を話し合いました。
驚いたのは彼女が離婚したと聞いた時です。幸せに暮らしていると思っていただけに飲み込もうとしていたコーヒーが喉で止まり咽そうになるのを、笑いながら見つめる
彼女に暗さはありません。

『夫の仕事でこの街に来て離婚し、そのままここで暮らしてるの。子供が出来なかったし気楽なものだわ』

あっけらかんとしたものです。

『貴方のせいなのよ。あの時本当に苦しかった。忘れようと付き合った人と結婚したけど、そんなの駄目ね』

悪戯っぽく微笑みながら男殺しの台詞を吐く彼女が悪魔に見えました。
頭の中はもう、あの時代に戻っています。割り切りが早かった訳じゃなかったのか。

『今でも済まなかったと思ってる』

私がそう言うと

『思っているなら何時か食事でも奢ってね』

何日か後に教えてくれた番号に電話をして食事をしましたが、青春時代の再来です。
それでも一時の浮気を許さなかったこの人に、妻帯者の私がそれ以上踏み込めなかったのですが、休みの日なんかに部屋を掃除して
くれ食事も作ってくれる彼女と、男と女の関係を結ぶのは自然にも思えたものです。
家から遠く離れ何ヶ月かに一度位しか帰れませんし、仕事を持つ妻も滅多には来られません。
そんな渇きを抑えられなかったのです。

『私って悪い女ね。奥さんがいる人とこんな事をしてるなんて。
あの時もっと大人で貴方を許せたらよかった』

妻への後ろめたさと、この時間が永遠に続いてくれればいいと思う気持ちが入り乱れて何も答えれません。
しかし、そんな時間が長く続く訳がありません。
欠員が出たとかで本社に戻らなければいけなくなってしまったのです。
それを伝えると悲しそうに呟きました。

『こっちで仕事探せばいいのに・・・・貴方には無理よね・・・・分かってた』

【若かりし頃、彼女から別れを告げられ、今度は私から告げるのか。
本当に縁がないのかな】

何もかも捨てて、ここに居たい気持ちなのですが私には出来なかった。
しばらく連絡がありませんでしたが、帰る数日前に部屋を訪ねてくれました。
引越しの準備が済んだ寒々しい部屋の中を見て、綺麗な瞳に涙を浮かべています。

『本当に行っちゃうのね。寂しい。ここに居て欲しい。別れたくない』

『・・・ごめん・・・』

思いっきりビンタをし、飛び出した彼女を追う事はしませんでした。

【追ったら帰れなくなる】

一度ならず二度も傷つけてしまった。私も涙がこぼれ出る顔を両手で覆い、その場にしゃがみ込んで声を出して泣きました。
あんなに泣いたのは何時以来だったでしょうか。
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未完 2

修司 4/16(木) 07:06:39 No.20090416070639 削除
妻と何時も通りの週末を送り、また仕事をしている自分がいます。
休みを二人で過ごした時間に何の違和感もなく、また私も男の電話の話をしなかったので平凡ですが穏やかな休日を過ごせました。

    ・・・・・やっぱり悪戯なのかな・・・・でも何のために・・・・・・

気になりはしますが、今は静観しているしか方法がありません。
休み明けは何かと忙しいもので、残業が待っていました。
妻も同じだろうと思い、帰りに待ち合わせて食事をしようと電話をすると
『私もそう思ってたの。やっぱり夫婦ね。気持ちが通じてる』
と声が弾んでいます。
何時も私の好みに合わせる、そんな妻に今日は好きなものを食わしてやろうと思うと自然に仕事のペースも上がるのでした。
そんな時に、また非通知の着信が来たのです。

「今日は何だい?そんなに悪戯が面白いのかな?」

出なければいいのに、不信感を植え付けられ気にしているので出てしまう私でした。

「悪戯じゃないですよ。これを聞けば分かる」

携帯からおもむろに女の声が聞こえてきました。

【ああぁぁぁぅ!あああぁぁぁぁぅ!いやっ!ああああぁぁぁっ!そこいやっ!
あああああぁぁぁっ!だっめえぇぇぇっ!】

聞き覚えのある声です。
何処か妻の声に似ていますが、携帯での音なので確信が持てません。

「奥さんの声ですよ。聞き覚えがあるでしょう?
あっ、そうそう。この前スカートを穿いて帰ったでしょう。
出勤する時は何時も通りパンツスーツでしたよね?それが帰りはスカート。
あれ僕の好みなんです。何時も僕の好みに合わせてくれる。
ご主人に僕の存在を知って欲しくて、そのまま帰したんですよ。
そのまま帰るの嫌がっていましたが、僕の言う事は何でも聞いてくれるんでね。
奥さん、スタイルが良いから、あんな服装が似合いますよねぇ。
あのストッキングも素敵だったと思いませんか?
あれねパンストじゃありませんよ。ガーターで吊ったストッキングなんです。
知っていました?分らなかったでしょう。
気づいてたら、一騒動あったでしょうね。
あのストキングを穿かせたままセックスするんです。
僕、ストッキングフェチだから。
奥さんも嫌じゃないと思いますけどね」

こいつは私を舐めきっている。
会社では、それなりの立場にいる45歳の男が顔も見せない男にからかわれるのは
無性に腹が立つのです。

「好きに言ってればいいさ。だけどな、お前の言う通りなら大変な事になるぜ。
お前の話から、由梨絵と同じ会社にいるんだろう?あんまり俺を舐めるなよ」

「ええ、そうですよ」

また男から切られてしまいましたが、挑発的な答え方に動揺してい様子は伺えませんでした。
男の声は私よりは若い。話の通りなら妻の部下なのか?
それであれば、妻に反感を持つ者の嫌がらせなのかもしれませんが、スカートと
ストッキングの件はどのように考えたらいいのか。
やけに詳しいのは男の言う通りなのかもと思えてしまうのです。
あの日、妻がどんな服装で出勤したのか覚えてはいません。
しかし、朝に違和感を感じていなかったのですから、何時も通りだったのでしょう。
では妻がもしも男と密会しているとしたなら、出勤時の服は如何したのでしょうか?
帰宅した時には、何時ものハンドバックしか持っていなかったと思うのですが。
それなら妻の服を男が持って帰ったか、男の部屋で逢っていたかのどちらかなのでしょう。
性格から言って会社で着替えるとは思えません。何故か男の部屋のように思えてるのです。
何の根拠もないのですが、その場所で男の好む格好に着替える姿が浮かぶのでした。
そしてベッドの上で年下の部下に抱かれ、私にも見せた事のない痴態を演じる卑猥な場面が頭の中に映るのです。
その空想を振り切って仕事を終わらせ、妻の会社付近に着きました。

目立たないところに車を止め待っていると、直ぐに妻が数人の社員と一緒に出て来たのが見えました。
車を動かそうとした時、その中の一人の男が戻ってきて何やら話し始めたのです。
私はその様子をしばし見ていると、妻はしきりに周りを気にしているように思えます。
距離がある程度離れているので話の内容は分かりませんが、妻が困惑しているように見え、その場を離れようとするのですが、
男も付いて来るのでした。
私が迎えに来るので焦っているのでしょうか?ドンドンと会社から離れてついに私の視界から消えてしまうのでした。
交通量の多いこの場所では、車で追うのは難しい。まして細い路地に入られたらアウトです。
車を降り後を追おうとした時、携帯が鳴りました。

「貴方、近くまで来てるの?ごめん。少し遅くなる。悪いけど待ってて」

妻が話してる途中に男の声が僅かに入り込んでいます。

『行くなって』

「誰かいるのか?声が聞こえたが」

「・・・会社の中だから・・・誰かの声が入ったのかも・・・」

これは妻の嘘。会社を出ているのを私は見ているのですから。
誰だって、あの男が電話の相手なのではないかと思うでしょう。
携帯で話しながらも私は二人の後を追いましたが、見失ってしまいました。
仕方なく車に戻り時間を潰すしかないのですが、色んな妄想が頭の中を駆け巡ってじっとしていられません。
焦れた私が電話をしましたが出ないので、何度も掛け直すと電源が切られてしまいました。
どれだけ車の中で時間が経った事か。ゆうに一時間は過ぎています。
業を煮やし再び電話を掛けましたが音信不通のままです。
二人を見失ったのを後悔しましたが今更仕方がありません。
苛立ちを抑えられない私は車を動かし家路につくしかありませんでした。
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未完 1

修司 4/16(木) 06:54:59 No.20090416065459 削除
誰が見ても中年と言われる歳になれば、多少の不安や悩みはあるものだと思うのです。
私も人並みには持っていますが、この程度の事なら今の時代、幸せな方なのだろうと納得させていました。
それが一本の電話で壊れてしまうのですから脆いものなのですね。

残業を終わらせて時計を見ると7時を過ぎ帰り支度を急いでいる時に、その電話はやって来たのでした。
携帯のディスプレイを見ると非通知でしたが、得意先の相手かもと思い出てしまいました。迂闊ですね。

「もしもし」

少しの沈黙の後、男の声が聞こえました。

『・・・奥さん、今日は帰りが遅くなりますよ・・・』

私よりもずっと若い声に感じます。

「はぁ?どちら様ですか?」

『・・・今日は返さないかもしれないな・・・よろしく・・・・』

意味不明な電話で、相手にしてもしょうがないと思い切って帰路につくと、そんな事も忘れてしまいました。
妙な事が当たり前に起こる時代に一々気に等していられません。

私の勤める会社は中心地から少し離れているので、自家用車での通勤が許されています。
愛車に乗り走らせていると今度は妻からの着信です。

「貴方、悪いんだけど少し帰りが遅くなるわ。明日は休みだから
飲み会をやろうって皆が言ってるの。私だけ付き合わない訳にもいかなくって。
申し訳ないんだけど食事は外で済ませて。ごめんね」

偶然の一致なのでしょうが、さっきの男は妻の帰りが遅いと伝え、妻も遅くなると連絡してきました。
週休二日の会社で今日は金曜日。休みの前の日に残業や付き合いで帰りが遅くなるのは、よくある話ですが妙に引っ掛るのでした。

妻は総合職として勤め、社内でも数人の部下がいる課長の肩書きを持っています。
出産後に産休を少し取っただけで、それなりのキャリアですから当然の立場なのでしょうが下で働く男達はどんな気持ちなのだろうかと考えたりもします。
男女同権の時代ですから特別なものではないのでしょうね。
立場上、残業で遅くなる事や出張で数日家を空ける事もありますし、飲み会だって付き合わなければならない時もあるでしょう。
お酒が好きな方なので、そんな時は帰りが遅いのも仕方がありません。
私は近所のコンビにでつまみを買い、好きな日本酒をチビチビやりながらテレビを見ているうちに眠ってしまったようです。
そんな眠りを携帯の着信音が妨げました。

『奥さん今帰しました。だいぶ可愛がったので今夜は貴方の相手は出来ませんよ。
まぁ、貴方ぐらいの歳なら、そんなの気にもなりませんかね』

先ほどの男の声です。徐々に寝惚けた頭が回転し、同時に腹が立ってくるのも当然でしょう。
・・・寝惚けていなければ非通知なんかには出ないのに・・・

「あんた誰なんだい。悪戯も程々にしておけよ」

『悪戯か如何か奥さんに聞けばいい』

今度は男から電話を切られてしまいました。
気分治しにコップにお酒を入れて飲み直し始めてから、どのくらい経ったでしょうか。
ドアの鍵を開ける音がし、時計を見るともう日付が変わっていました。

「あらぁ、起きてたの。遅くなってごめんなさい。タバコの臭いが付いちゃって気持ち悪いからシャワー浴びてくるね」

何気なく見た妻の服装に違和感を覚えたのは何故でしょう・・・・
・・・・そうか・・・スカートを穿いている・・・・・

女性がスカートを穿くのはごく当たり前なのですが、妻は殆ど穿きません。

『仕事場は男の人が多いから、脚をジロジロ見らる人もいるのよ。それに女を意識したくないのよ』

分かるような気がします。
知り合った時から上昇志向の強い女でしたから、男と同じ立場で仕事をするのに服装だけでも女性らしさを避けていたのでしょう。
ただでさえ男性社会なのですから、つっぱているんだろうと思いながらも、もう少し肩の力を抜いてもいいのにと思ったものです。

シャワーを浴びた妻はパジャマに着替えていました。

「私も少し飲もうかな」

私の隣に座りコップを持つ妻から飲みに行った時にする酒の臭いがしません。
酒好きの妻が飲み会に行って飲まないなんてありえない。

『だいぶ可愛がった』

男の声が甦ります。

「だいぶ飲んだんだろう?そんなに飲んで大丈夫か?」

コップに注いだ酒を立て続けに何杯か飲み干すのは、酒臭くないのを誤魔化すつもりか?
私が気付いていないと安心しているのか、飲み会の出来事を楽しそうに話しています。
しかし、男の変な電話だけで妻を疑うのは長く連れ添った相手に失礼です。
疑いの気持ちは、もう少し奥に置いておきましょう。
男の話が本当で妻が不倫行為に走っているなら、そのうちに分かるでしょう。
何も考えないでいた昨日の私ではないのですから。

その日、ベッドに入り久しぶりに妻を求めてみました。

「ごめんね、貴方。もう酔っ払って駄目だわ」

男の言った通りの行動を取りました。
背中を向けて寝る妻に『なぁ、俺を欺いていないよな』何だか悲しい気分でした。


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[1033] マラソンを愛する妻4 投稿者:スポーツトレーナー 投稿日:2003/08/06(Wed) 01:42

ある日の午後、私は再び銀行のグランドに足を運んでいた。監督がスグ私のところに飛んできた。監督は、妻の恩師である。妻にいやらしいことを、たくさん教えた先生でもある。私と結婚してからも、妻を呼び出し、苦しめ続けた。先週、少し脅した。自分の立場を理解しているなら、妻には、もう電話をするなと、10才も年上の監督を叱った。

ベンチに座ると監督は、現在の選手の状況や銀行の運動部の厳しさなどを語った。私はそんなものに何の興味も無い。
突然監督が、練習している選手を呼んだ。妻と同僚の京子さんだった。「ご無沙汰しております。裕子(妻)さん、はお元気ですか」と挨拶をしてくれた。私たちの結婚式にも出てくれた。
「京子さんは相変わらず、がんばりますね」と言うと「もう、おばさんなんで、引退でーす」と。「27才でおばさんなら、高橋尚子さんは、どうなるの?」と聞くと「あの方は、オバケさんです。」と言って走って行った。

監督に「京子さんとも、ヤッタの?」と聞くと「まいったなあー、もう勘弁してくださいよ」と頭をかいた。
人の妻とヤッテおいて、勘弁しろは、ないもんだ。
私は訪問の訳を話した。妻は以前、オリンピックを目指し頑張っていた。現在も毎日10キロを走っている。競技のことが、頭から離れない、などと話をした。合併で無くなった○○銀行のユニフォームなど、もう身に付けたくないらしい、と。

「監督、妻に新しいユニフォームが欲しいんですよ。私をユニフォームフェチにしたのは、監督ですよ。」と言ってやった。
結婚前も、結婚後も、妻に競技用のユニフォームを着せて走らせ、
汗だらけのカラダやユニフォームを舐めまわしたのは誰だ。
(私がもう見たくないのだ。監督が舐めまわしたヤツなど、もういい!!、お古は妻で十分だ)

「妻に“全日本”のユニフォームをプレゼントしていただけませんか。出来れば、セパレートのヤツも含めて2着。」
監督は驚いて顔を上げた。陸上に詳しい方なら、ご存知かと思うが、シドニーオリンピックのマラソンで、高橋尚子選手や市橋有里選手、山口衛里選手が着ていたあのユニフォームである。
通気性に富み、生地も最高の品質だった。

ランニングシャツは白のメッシュで、右から左へナナメに赤のラインが入り、うれしいのは、へそ丈のサイズだった。走るとチラチラへそが見えるのだ。パンツは真っ赤でサイドに白のラインが2本入っていた。セパレートタイプは陸上選手で4人だった。
1万メートルの弘山選手、100m障害の金沢イボンヌ選手、走り高の太田陽子選手と今井美希選手だけだった。(それにしても、お父さんが黒人の、金沢選手のカラダとユニフォームは忘れられません。)
この、ユニフォームは水着と同じで、もちろんへそ出しです。
カラダの線がモロに出るので、カラダに自信の無い選手は絶対着れないものでした。このユニフォームのオフィシャルスポンサーは
○シックスでした。

監督は頭を抱えていた。「現在の会社のモノなら腐るほどあるけど」と言ったので、「○○○銀行ね、それは、うちにも無いから2~3着入れておいてよ。あっ、それから、妻のサイズは良く知っているよね。」と最後の言葉を残すとグランドを後にした。

あれから2ヶ月も経っていたので、ユニフォームのことなどすっかり忘れていた。入手出来なければ仕方が無いと思っていた。それほど難題を吹っかけたのだ。監督にすれば100万円の金でも出したほうがスッキリしただろう。夜遅く帰ると、私宛に小さなダンボール箱が送られてきた。発送元は○○○銀行陸上部だった。

「あなた、何をしたの!」と妻が血相を変えて叫んだ。
「開けてみよう、開けてみれば、分かる」と穏やかに言った。
中には、約束の“全日本”が入っていた。メッシュのランニング、
赤いパンツ、そして、あこがれのセパレートの上下。どうでもよかったが、○○○銀行のユニフォームが3着も入っていた。
はしゃぐ私を尻目に妻は呆然としていた。

「オレはお前のために、お前のために」とつぶやくと、「ばかね、ばかね、あなたって」と言いながら“全日本”のユニフォームを手に取ると泣き出した。そして、恐る恐る「ジョギング、行く?」と言うと「いこっか!」と“全日本”を持って脱衣所に行った。
まもなく、私に“全日本”をゆっくり見せもしないまま、マンションを飛び出し、○元公園に走って行った。

後を追いかけた、スゴイ、ペースだ。1キロ、3分を切る、スゴイ、ペースだ。“全日本”の後ろ姿がだんだん小さくなって行った。いい妻だ、なんていい妻だ、私の妻は“全日本一”の妻だ。
涙が溢れてとまらなかった。

         最愛の妻に捧げます
  君駈ける 風を誘うか道野辺に 色もゆかしき 矢車の花
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[1032] マラソンを愛する妻3 投稿者:スポーツトレーナー 投稿日:2003/08/05(Tue) 02:26

携帯電話の着信がきっかけで、妻が浮気している事実を掴みました。相手は、妻が所属していた銀行の陸上部の監督でした。独身の時に関係が出来、彼の子供まで堕胎していたのです。妻も、妻子ある監督との関係を断ち切ろうと努力したようでしたが、監督から半ば脅迫めいた呼び出しが何度もあり、結婚後も2年間に渡って続いていたのです。私は全然気がつきませんでした。誠に馬鹿で、オメデタイことです。

妻を全て許そうと思っています。監督に会いましたが、私が脅迫に来たと思い、ビクビクしていました。誠に情けない姿を目にしました。大企業に職を得、社会的な名声もあり、名選手を育ててきた人間が、自分の保身のために、金で解決しようとしました。
そのことを妻に告げると、裏切られたように呆然としていました。
許されない事と知りつつも、一時期、監督を愛していたのかもしれません。しかし、妻が離れられなかったのは、それだけではありませんでした。

妻から聞かされた監督のセックスの変態性は異常なものでした。
特に代々木公園や日比谷公園での“覗かせ”プレーや映画館での痴漢プレー、カップル喫茶まであらゆることを仕込まれたようでし
た。しかし、妻の告白を聞けば聞くほど股間を膨らませる、私の自
虐性を妻に見抜かれていました。ついには、どこから、どこまでが本当なのか訳がわからなくなっていました。ただ言えることは、早朝や夜間に、公園をジョギングしたあと、公園のトイレや木陰でのセックスに妻が異常に燃えることは事実でした。

金曜日や土曜日の深夜、妻とジョギングするのが常となりました。
嫌がる妻を無理やり説得し“思い出”の代々木公園や日比谷公園に車で遠征する時もありました。妻も私も陸上の競技用のウェアを忘れませんでした。木陰やベンチで抱き合うカップルを覗いたり、“ノゾキ”に見せたりもしました。

代々木公園で出会ったカップルは、自分の彼女を私たちに触って欲しいと言い近寄ってきまし。オカッパ頭で少女っぽい妻を見て、中学生かと思ってビックリしたそうです。確かに妻は胸というより、胸囲75cm、腰つきは少年のようです。「妻で26才です。」と紹介すると、私たちが触るつもりが、OL風の彼女の方が妻に積極的になり、レズの展開になったことがありました。
しかし、妻のアソコからは大量の蜜が溢れ、カラダに似合わぬ巨大な乳首は敏感です。そんな妻が大好きです。最近自分の本性は、ロリ趣味ではないかと疑っています。

私は、ある決断を持って妻に相談をしました。一瞬驚いていましたが、「あなたに任せる」との言葉に早速実行に移しました。あるサイトに“妻との公園プレー募集、インサートなし、20代限定1名”を掲示版に書き込みました。たくさんのレスがあり、困惑しましたが、丁寧なメールの男性3名と、直接携帯で話をし、妻の体の特徴も伝え、3人のうち妻とプレーするのはひとりで、後は覗きになることを伝えました。そして、ジョギングの用意をしてくることも伝えました。

土曜日の夜10時に常磐線のK町駅に集合してもらいました。
若い男性のひとりは現役の大学生で、学校名入りのジャージをしっかり着て待っていました。3人に私の車に乗ってもらい、妻の待機する○元公園に向かいました。想像以上に3人は性格の良い男性でした。車の中で、“ルール”を説明しました。挿入以外は全てOK
ただし、妻がOKしたら挿入可、と言ったら全員「ウォー」と声を上げました。

公園に着くと、妻に指定の場所に来るように電話しました。トップバッターの大学生をベンチに座らせ、私を含めた3人は、ベンチの裏の茂みに隠れていました。ここは、昼間の内から確認してある最高の場所です。家から持参した毛布も隠してあります。蚊取り線香火を付けようとすると、1人に男性が先輩「脱帽です」と笑いました。まもなく、妻がベンチの前をワザと早く駆け抜け、Uターンしながら、明るい声で「こんばんわー」と言い、大学生のいるベンチにチョコンと座りました。大学生もあまりの少女っぽさに驚いていました。もちろん、妻は私が後ろで覗くことは知っていますが、あと男性が二人いるとは知りません。

妻は陸上競技用のユニフォームを着ています。シャツの下はノーブラでランニングパンツの下はショーツを穿いていません。
妻は大学生を気に入ったのか積極的でした。自分からキスを求め
シャツをめくって乳首を舐めさせていました。妻はビニールの袋から、濡れたオシボリを取り出すと、ていねいに拭き、男性のペニスをパクリと咥えました。妻の用意のいいことにも関心しました。
まもなく妻は、男性の持っていたコンドームを口に咥え、亀頭にかぶせたとおもったら、スルスルと装着しました。座った男性にお尻を向け、ペニスを掴むと静かに腰を降ろしていきました。

二人の男性は、「スゴイ、スゴイ」を連発し、オナニーを始めましたが制止させ、コンドームを装着し待機しているように言いました。私は、ベンチに近づき、妻の乳首を舐め、キスをし、耳元で後ろに男性があと二人いることを告げました。ちょっと驚いたようですが、それから猛然と腰を振り始め、男性はアッという間にイッタようでした。その後の男性二人も5分と持ちませんでした。
なにか、妻は物足りないようでした。

それから、私たちは木陰や身障者のトイレで妻を攻め続けました。
いや、攻めさせられました。
3本のペニスの前に膝まずき、フェラもしていました。毛布を敷いた男性の上になり挿入した妻は、私に「あなた、いいわよ」と言い
ました。妻のポーチから、乳液を取り出し、妻のアナルにスリコミ、自分のペニスにもタップリ塗るとゆっくり、ゆっくり沈めて行きました。
見ている男達も、ただ呆然としていました。妻の下になっている男に「まだ、いっちゃーダメヨ、もう少しがまんしてね」とやさしく言うのでした。実は私のほうがキツクテだめで、下になっている男性のチンポが妻の膣と、アナルの壁1枚隔ててコスレ合い、イキそうでした。「あなた、だめよ、だめよ、もう少し、もう少し」と叫ぶのでした。男性3人は妻の強欲さに驚いていました。まして、中学生のような顔で、カラダであの行為ですから・・・。

公園の空がだいぶ明るくなってきたので、私の車の中に移動しました。K町の上りの始発まで、まだ1時間以上あるので、少し仮眠を取ることになりましたが、後ろの座席では、また妻が男性のチンポを舐め始めていました。
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[1029] マラソンを愛する妻2 投稿者:スポーツトレーナー 投稿日:2003/08/04(Mon) 20:11

私はその夜、監督に会って来たことを妻に告げました。妻は青ざめたまま無言でした。「もう、監督は電話して来ないし、安心しな」と言うと泣き出しました。妻に、何も言わずに穏便に夫婦生活を続ける方法もあると考えていました。しかし、私には、どうしても確かめなければ気がすまない事があります。私と初めて結ばれた時は、処女だと思っていました。証拠の出血もあり、普通の痛がり方ではありませんでした。それよりも、堕胎したのは、私の子供だったのか、監督の子供だったのか・・・。

妻は私の疑念にポツリ、ポツリと話し始めました。“初めての男”はあなただった、信じて欲しい、と何度も言いました。ある日、地方の競技大会に参加したのですが、散々の成績だったそうです。
その夜、ビジネスホテルで監督の部屋呼ばれ、今日の競技の反省と
これからの練習方法、日常生活まで細かい指示があり、メモを取りながら聞いていたそうです。
監督は全ての女子選手の生理日まで把握しており、合宿や遠征で監督1人の部屋に呼ばれれば誰もが、疑わず深夜でも行ったそうです。選手には激しい競争があり、普通の女性だったら当然警戒してしかるべき感覚が麻痺していたようでした。

話が終わると、横になれと言われマッサージが始まったそうです。
監督もマネージャーも競技の後、有望選手にマッサージをするのが通例で、記録が落ちていた妻は、まだ監督に“見捨てられていない”と感じうれしかったそうです。監督から、付き合っている彼(当時の私)との肉体関係も聞かれ、正直に“ある”と伝えたそうです。そのうちに、昼間の競技の疲れ(1万メートルを走っていた)がドッと押し寄せ、眠ってしまったそうです。

下半身になにか、くすぐったい感じがするので、眼が覚めるとジャージと下着が脱がされいて、監督が下半身を舐めていたと言うのです。あわてて起きようとすると妻の体を抑え、口にタオルを当てながら「裕ちゃん、声を出さないで」言うと、監督のモノが侵入してきたそうです。当時、妻は150cm、38kg程度、まるで小学生のような体格です。抵抗しても無駄だったかもしれません。
それよりも、同僚選手が隣の部屋に寝ているので、その方が気になったそうです。

妻は涙を見せながら、語りましたが、私の下半身はなぜか、ビンビンに勃起していました。「もういい、分かった」と言いながら
小さい妻の体を抱きかかえ、ベッドに運ぶと着ているものを乱暴にはぎ取り、妻の下半身に唇を這わせていました。妻も感じているようで、「あぁー、あなた、ゆるして、ゆるして」と何度も叫んでいました。私も「愛している、裕子を愛している」と妻のカラダに激しく自分の勃起を打ち込み、爆発させていました。

その夜から、監督との関係を“白状”させながら、セックスするのが常となりました。妻も、話がリアルであればあるほど、私が興奮し喜ぶことに気がついていました。「いやらしい、もう、こんなにさせて、変態!!」とわざと、ののしることもありました。
監督は、妻を夜の練習場に、競技用のユニフォームの下に、下着も着けさせず呼び、4~5キロ走らせてから、汗だらけのカラダを舐めまわしたそうです。また、代々木公園で監督も一緒にジョギングをしたあと、林の中でフェラを強要し、“ノゾキ”に見せながら
セックスをしていたと言いました。

堕した子供は誰の子かと聞くと、「分からなかった。おそらく監督の子でしょう。だから、堕したの」と言い放ちました。
そして、「私たち、もうダメかしら」と冷静に言いました。
「ダメな訳はない、俺はお前を愛している」とすがるように言いました。「ちょっと走ってくるね」と言うので、思わず、妻に
「アレを穿いてくれないか」と、“お願い”していました。

妻はスグ理解し“ニヤリ”妖しく笑いながら寝室に行くと、胸に○○銀行と入った競技用のユニフォームに着替え、さっそうと自宅を出て、夜の水○公園に行きました。ランニングシャツの下は、大きな乳首がポツンと浮き出てノーブラでした。(もっとも、妻の胸はブラジャーするほど無く、乳首を隠すためですが)赤のランニングパンツの下は、下着を着けているかどうか、分かりませんが、これから私も行って、確かめねばなりません。急いで、妻の後を追いました。
              つづく
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[1028] マラソンを愛する妻 投稿者:スポーツトレーナー 投稿日:2003/08/04(Mon) 16:51


妻は150cm、40kgと小柄で、ちょっと強い風が吹くとよろめいたり、昔、コンビニの自動ドアを踏んでも開かなかったりしたそうです。私の勤めていたスポーツジムに初めて来たとき、20才くらいだと記憶していますが、彼女の体を見て驚きました。ハーフのパンツとチビT(へそのでるTシャツ)でしたが、まったく贅肉がなくへそも女性特有の縦筋にならず、まん丸で露出していました。腹筋も“8筋”(鍛えると、筋肉が8ブロックに分かれる)になっていました。

「○○銀行のSさんでしょ。」と声をかけると、ちょっと驚いて、少女のような笑顔で「はい」と大きな声でいいました。
「私も昔、走っていました。J大から○○自動車に行きました
」と言うと、「私も、ソコに誘われました。」と話していました。それから、週2回、夜7時から9時までトレーニングをするようになりました。彼女が来る日はなぜかそわそわしました。

私たちはそれから、急接近し、彼女の出る競技には、必ず応援に行きました。初めて彼女を抱いたのは、私のアパートでした。すこし膨らんだ胸と大きな乳首がなければ、まるで少年のような体です。濡れていましたが、彼女の入り口はあまりに狭く、かわいそうで途中でやめようかと思いました。
彼女は処女でした。

彼女は女子寮に入っていましたが、合宿や競技で全国を飛び回っていました。しかし、東京にいる時は、毎日のように私のアパートに来ました。私が留守の時も、掃除や洗濯も済ませ、食事の用意もして寮に帰る日もありました。
そして、彼女の競技の記録は次第に落ち始め、新人にも抜かれていました。私は、彼女の体の異変に気が付いていました。胸が以前より膨らんできたような気がしていました。

ある日の夜、真っ青な顔で私のアパートを訪ねてきました。
「赤ちゃんを、赤ちゃんを」と言いながら、泣き出しました
池袋の産婦人科に一人で行き、堕胎したようでした。銀行の競技部にも退部届けを出していました。どうして、私に言わなかったのか、しばらく分かりませんでした。将来有望な彼女とのセックスでは、避妊には気をつけていました。必ずコンドームを使っていました。それでも、彼女の体をキズつけしまい、競技生活を断念させたことを悔やんでいました。
1年後に私たちは結婚しました。私の収入もたいしたことはありませんが、何とかやっていけました。

ある夜のことでした。私が風呂から出て体を拭いていると、妻の携帯に電話があったようで、小さな声で“困ります”
と聞こえたような気がしました。なにか、胸騒ぎがして、妻が風呂に入っている間に最近の着信をいくつか調べました。
昨夜と同じ番号がいくつかありました。翌日、その番号に非通知でかけたのですが、予想どうりでした。

夕方、その銀行専用の練習施設に行きました。私は、監督にも面識がありましたし、尊敬もしていました。監督は私を見つけると顔面蒼白でした。なるべく冷静を装い「監督、ちょっと、時間をいただけませんか?」と言うと、「スグ、着替えてきます。」とあわてて着替えに行きました。

「どこか、喫茶店でも」と言いましたが、そこのベンチで、と言い、座りました。監督は、私が何をしに来たのか解っているようでしたが、私は妻と監督がどこまでの関係だったのか、知りませんでした。監督は「出来るだけの事は、したい」と言いました。“有名銀行の陸上部の監督”は自分の保身がまず頭に浮かんだのです。監督にはただ、これだけ教えてください、「堕胎費用を出したのは、監督ですか?」と聞くと、驚いた顔をし、「そうです」とうなだれました。自分の立場が解っているなら、もう妻には付きまとうなと言い、帰りました。
          つづく
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482 :621 ◆jnlT2G0izQ :2008/10/04(土) 20:44:38
3日間昏睡状態だった妻は4日めに目を覚ましました
両親の関係が壊れ始めたころからその時点までのおよそ3年間の記憶を全て失って
医者の話では耐えきれないほど辛い、自ら死を選択するほどの苦しみで心が壊れてしまわないように自我が記憶を封印してしまったそうです
ある種の自己防衛本能なのだそうです
妻が失った記憶を取り戻す可能性はかなり低いそうです、辛い記憶を取り戻すことを自我が拒否するから
でもうっすらと何かを覚えていたり、断片的に何かを思い出したりはすることはあるそうです

私が目覚めた妻の病室を初めて訪れた時、そこには度重なる不幸な出来事と些細なすれ違いで心が壊れ夜叉に変身してしまう前の
そう、私が心から愛していた昔のままの妻がいました、私に気がつくとうれしそうに何の屈託もない笑顔を見せて妻は言いました


484 :621 ◆jnlT2G0izQ :2008/10/04(土) 20:48:25
妻【心配させてごめんね、でも私いったいどうしたの?どうしてここにいるのか全然思い出せないし、誰に聞いても教えてくれないの】
 【覚えてるのはね、私真っ暗な何もないところで一人でいたの、すごく長い間いたような気がする、でもそれが1日なのか1年なのか10年なのかはわからないの】
 【とにかく長い間一人でぼうっとしてた、でね、ふっと気がつくと蝶が飛んでた】
 【それが見たことないぐらい綺麗な蝶でね、私一生懸命追いかけたの】
 【なかなか捕まえられなかったんだけど、一生懸命追いかけてやっと捕まえたって思ったら目が覚めてここにいたの】
 【何か不思議な感じだけど悪くはないよ、今は幸せな気分、あなたが来てくれたからかな?】


486 :621 ◆jnlT2G0izQ :2008/10/04(土) 20:52:23
それから1年が経ちました、今も私は妻と一緒に暮らしています
私はこれまで現在形で書いてきましたが、実際は1年前に私達が経験した事実を当時の私の日記をもとに時系列を現在に変更して加筆をして書いたものです
時々妻は何かを思い出しそうにふと宙を睨んだりしていますが、今のところ何も思い出さないようです
この1年の間、私は妻の記憶が戻ることだけをひたすら恐れてきました
あの忌まわしい3年弱の記憶を妻が取り戻すことがないように祈り続けてきました

妻が退院すると私はあのマンションに戻ることはしないで、妻と一緒に私の実家でしばらく暮らしました
両親には詳しい事情は一切話しはしませんでした
でも彼らは妻の様子を憐れんで、随分と気遣い優しく妻に接してくれました
当初妻はいきなり自分が3年もの歳月の記憶を失っていることに、戸惑い不安そうに暮していましたが、周りの温かい反応に次第に安心して落ち着いていきました


488 :621 ◆jnlT2G0izQ :2008/10/04(土) 20:55:25
カメ及び客達とはその約一か月後に彼らが全員で私に一括で2700万を支払うことで示談しました
おそらく金回りがいい客が他の客の分も立替えて支払ったものと思われます
その金額が果たして高いのか?安いのか?今もって私にはわかりません、ですが、
正直その時点ではすでに私は金などどうでもよかったし、カメや客達のことももうどうでもよかったのです
ただ一刻も早くこの問題にけりをつけて、妻からこの問題を遠ざけたかった、ただそれだけです
愛する妻を忌まわしい過去から守りたい、その思いでいっぱいでした
結局彼らは大きなダメージを受けながらも、私と戦う道を選択することは出来ませんでした
自らの人生がそれ以上のダメージを受けるのを恐れて
チキンレースは私の勝ちです


492 :621 ◆jnlT2G0izQ :2008/10/04(土) 20:58:16
あのマンションはすぐに売りに出しました、今私は妻と二人で私の実家の比較的近くに新しく中古で購入した一戸建てに住んでいます
マンションとは違い狭いながらもささやかな庭もあります
妻の母親もちょくちょく遊びにきてくれます
ジャックはしょっちゅう遊びにきます、当初は不思議そうに妻を見ていましたが
いまではごく普通に、なんのわだかまりもなく接してくれています
そして私は今は父の仕事を手伝っています
父は早く私にバトンタッチしたいようですが、まだまだ父には頑張ってもらうつもりです
なぜなら、もう私は以前のようにがむしゃらに働くつもりはありませんから
毎日なるべく早く家に帰り妻と一緒の時間を過ごしています
不幸な出来事や、悲しい疑念、家庭を蔑ろにしてしまった報い、そしていろいろな偶然も重なった結果、私は愛する妻を失ってしまいました
亡くなってしまった人、悲しみと絶望のあまり鬼に変わってしまった人は、もう決して元には戻らない、たとえどんなことをしようとも
実際それは真実でしょう、しかし奇跡は起こった、そう私は信じることにしました
もちろん色々な思いはあります、でも今私の傍らにいるのは心が壊れ、薄汚く汚れてしまった妻ではありません
そうなる前の純粋で綺麗な心のままの妻なのです


495 :621 ◆jnlT2G0izQ :2008/10/04(土) 21:03:57
私は失ってしまった3年間をもう一度リセットしてやり直す機会を与えられた、そう思っています
以前にはしてやれなかった旅行にも何度も一緒に行きました
毎日妻は幸せそうに、楽しそうに暮らしています、以前よりもずっと
私が仕事を終えて帰ると屈託のない笑顔で嬉しそうに私を迎えてくれます
私も今は幸せです、ただ妻がいつか失った記憶を取り戻す時がくるかもしれない
その不安だけが私にとっては小さな小さな抜けない棘です
しかしもう私はそのことを考えるのはやめにします
もうじき、後5か月足らずで私と妻の子供が生まれてきます
妻は毎日聞きなれないクラッシック音楽を必死で我慢しながら聞いたり、お腹の子供に話しかけたりしています
もしもいつか妻が記憶を取り戻したとしても、些細なことと笑い飛ばせるように二人で幸せな時間を積み上げていけばいいと思います
そして私もあの忌まわしい記憶を妻のように忘れてしまえばいいのではないでしょうか?
そうそう、昏睡状態から覚めて以降妻は蝶がとても好きになったようです
我が家のささやかな庭の花壇で蝶が飛んでいるととてもうれしそうにウットリと眺めています


496 :621 ◆jnlT2G0izQ :2008/10/04(土) 21:05:57
最後にカメと客達のその後を報告して終りにしたいと思います

カメ   離婚、ほとんど全ての仕事を干され現在はアシスタントのようなことをして何とか生活している

客1   離婚、会社は自主退職、現在就職活動中

客2   相当揉めたようだが離婚には至らず、フランチャイズ店の権利は売却

客3   離婚、社会保険労務士は廃業、現在は清掃会社で働いている

客4   現在も居酒屋オーナーただし以前と違い自分は店には出なくなった
     そして妻の親権下の子供がアルバイトで店を手伝っていたのだがあのしばらく後から顔を出さなくなった

客5   離婚はせず、会社は自主退職

客6   離婚、会社は自主退職、半年ほど前から不動産会社の営業として働いている

客7   離婚はせず、会社は自主退職、現在就職活動中

客8   業界から姿を消す、その後は不明
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362 :621 ◆jnlT2G0izQ :2008/10/04(土) 00:02:05

そしてその日の夜に妻は自殺を図った
彼女は以前両親の離婚問題に悩んで通院していた時に出された、睡眠薬や安定剤などを大量に残していたようで
昨夜の娘の様子があきらかにおかしかったことから、虫の知らせなのか、朝いつもより早く目覚めた義母が娘の様子を見に行って気がついた
すぐに救急車で運ばれた昏睡状態の妻は胃洗浄を受けた
幸い発見が早かったこともあり何とか助かりそうだ
ただ、今も妻は昏睡状態のまま病室にいる
俺が様子を見に駆け付けた時にも妻は昏睡状態のまま病院のベッドで寝かされていた
ある種の劣性遺伝なのだろうが、常人よりもかなり白い彼女の肌がよりいっそう白く青ざめて見えた
俺はそんな妻を見つめながらいろいろな思いが頭を駆け巡った
頑張れ、死ぬなって思う反面、目覚めれば嫌でも悲しく絶望的な現実が彼女を待ち受けている
このまま目覚めないほうが幸せなのかも知れない
しかし悲しみ絶望したまま死ぬのではあまりにも可哀そうだ
でもただ一つだけ確かなことは、もう決して俺達夫婦は元には戻れないだろうこと
妻が俺にあてた遺書にはたった一言だけ
【ごめんなさい】

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