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北原夏美 四十路 初裏無修正

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道明 12/21(日) 17:42:27 No.20081221174227 削除
小学校の夏休みももう終わりだ
知子は化粧台の前で、身につけているミニのワンピースに少し恥じらいだ
30歳前半の女性とはいえ、人妻が着るには丈が短すぎる
乳白色の素足が描く脚線美・・・・それが男の目を釘づけにしてしまう

汚れた台所に立ち、重なった食器を洗う知子
居間に寝転び、その後姿を眺める蓬莱の男根がぴくりと跳ねた
長い時間を費やして、ようやくこの女をここまでさせるまでになった
蓬莱の家庭は既に壊れている・・・・
家庭崩壊の代償として得た、美しい人妻との不倫関係
その人妻の性を自分の手で開発していく・・・・ああぁぁ、止まらない
蓬莱は男一人の気楽な生活だ・・・この女を手放したりしない

「山本先生、朝から申し訳ないなぁ・・・そんなことさせちゃって」

知子は一郎が東京に赴任すると
週に1度、蓬莱の家に呼び出され、家事をやらされている
洗い物が終わると、朝食を作る・・それが終わると、部屋の掃除・・それが日課だ

(そろそろ、ここでも嵌めてやるか・・・)
蓬莱はいきり立つ朝立ちの息子の慰め方を、美人の人妻教師の素足を眺めながら考えていた

「今日は一段といい艶してるじゃないか・・うん、この太腿は・・」

「あっ!やめて下さい・・蓬莱先生」

「いいじゃないか・・先生のこの生の素足を見ているとムラムラしちゃってさぁ」
蓬莱の手は太腿からパンティーの上から、お尻を撫でまわす
更に硬くなった己が男根を背後から押し付ける

「山本先生・・・欲しくないか、コレ・・うん」

「やめて下さい・・旅行の時だけとの約束じゃないですか・・」

「そう、そうだったか・・・しかし、今朝の私はもうこんな状態なんだ・・・いいじゃないか、山本先生・・・・そんな約束、守ったところでもう何にもならない」

「あぁ!やめて・・」
蓬莱は知子のパンティを引き降ろす、そして潤み始めた女陰に指を這わす

「ほらほら、私の息子が貴方の娘さんに会いたがってもうこんなだ・・・それに、娘さんもヒクヒクと喜んでいるじゃないか・・・」

「いや、やめて・・いや・・・・・うっ!」
蓬莱は2本の指で、女陰を甚振り・・・そして、唇を奪う

「やってみたかったんだよ・・・台所での立ちバックをさぁ」

「あっ!・・・」
バックからの挿入を果たした蓬莱の息子は
勢い良くダッシュを繰り返す

「山本先生・・・どうだい?朝の私の息子は元気がいいだろう?」

「あん・・・あぁ・・・」

「さぁ・・・山本先生、旅行の時のように楽しもうや・・・先生が逝くまで、待っててやるさ・・・さぁ、逝きなさい・・・逝くんだ」

台所に水道の水が流れている
蛇口の水が知子の髪を濡らす・・・そして、女の淫声も濡らしていく
・・・・・・人妻の持たねばならぬ、夫への貞操という観念
肢体に擦り込まれる女の快感・・・・・・不倫している罪悪感とスリル
これらが・・・・知子を狂わし、さらに暗い井戸の底へ落としていく
道明 12/22(月) 19:29:41 No.20081222192941 削除
9月になり、学校は第2学期が始まる

一郎は東京に行ったきり、一度も大阪には帰ってこない
・・それどころか、電話もあまりかけてこなくなった
知子は、さすがに夫の一郎のことが気になり始めていた


「あなた・・仕事は、上手く行ってるの?」

「ああ・・なんとか漸くゴールが見えてきたよ・・それにしても、知子が電話してくるなんて珍しいじゃないか」

「ええ・・私、まだ一度もあなたのところに行ってないでしょう・・・だから、次の土・日にそちらに行ってみようかと思って・・」

「・・・・次のって・明日じゃないか?」

「ええ、そうよ・・・明日、なにか不都合でもあるの?」

「いや・・突然で驚いただけだ・・じゃ、待ってるよ」
一郎が電話を切った・・・


夫の話す口調がどうも何時もと違う
それに、夫は自分から先に電話を置くことはしない
なにか・・・・
知子は一郎の微妙な変化を敏感に感じ取っていた

知子は時計を見る・・・まだ、東京行きの最終には十分間に合う


その頃、一郎は美恵子と夕食を共にしている
週末の金曜の夜には、美恵子が一郎の元に訪れる
そして、身のまわりの事はもちろんのこと、一郎の愚痴の聞き役にもなってくれる
美恵子が話す言葉・・・声、そして仕草が、困難な事業に正面から取り組む一郎の疲れた心を癒し、新たなエネルギーを生み出していた

「室長・・・奥様からの電話ですか?」

「ああ・・知子が明日、ここに来るらしい」

「それじゃ・・・私・・・」

「かまわないよ、美恵ちゃん・・・明日、知子が来たら紹介するよ。私がこんなに頑張れるのは君のお陰なんだから・・・」
一郎がそっと美恵子の肩を抱くと、美恵子優しい笑顔を見せる

「でも・・・・・・」

(この人は、人を疑がうことをしない・・・でも、ほかの人はそうではない)


その日の午後11時
知子が一郎の玄関のチャイムを鳴らす

「どなた?」
一郎の声だ

「あなた・・・私、明日が待てずに今日来ちゃった」

「知子!!」
道明 12/23(火) 12:30:57 No.20081223123057 削除
玄関ドアが開く
知子の驚きと疑いの目が、出迎えた二人の男女に注がれる
夫の一郎と、少し後ろに隠れて見覚えのある女性が出迎えていた

「あなたは確か・・・藤崎さん?」
一郎は妻の第一声に驚き、二人の女性を交互に見つめる

「お久しぶりです・・・・知子さん」

「でも・・・どうして、あなたがここに?」

「ちょ、ちょっと待って・・・二人は知り合いなのか?」
美恵子が先に頷き、そして知子が一郎を見る

三人はリビングに入り、美恵子が珈琲を用意する
知子は黙って肘掛椅子に腰を降ろし、その対面の長椅子に一郎が座る
美恵子は珈琲を知子に、そして次に一郎に出して一郎の隣に腰を降ろす
知子の目に夫の一郎とその側に座る女性・・・美恵子が映る

(なんなのよ?この二人・・・まるで私が余計な者のようになって)
・・心が通じ合う者同士が持つオーラが漂っているように感じたのだ

知子の目がつりあがる

「ねぇ、一郎さん・・・私に分かるように説明して、どうして藤崎さんがこんな時間に、ここにいるの?」

「うん・・・藤崎君は私の部下で、ここの仕事を手伝ってくれているんだ・・知子、それより先に君と美恵ちゃん・・いや、藤崎君はどんな関係なんだ?」

「美恵ちゃんですって!!あなたと藤崎さんはそんなに親しい関係なの?」

「まぁ・・落ち着けよ、知子!・・藤崎さんは私より1年早く入社し、私が配属された電算室にいて、その頃からの同僚だ。今は上司と部下の関係だが、無二の仕事上のパートナーなんだ。今回の東京本社での厄介な仕事にも、わざわざ大阪から来て助けてもらっている。それだけだよ・・知子、変な勘違いをするなよ」

「勘違い?あなた、仕事は昼間にするんでしょう?私が聞きたいのは、こんな深夜にどうして二人でいるのか聞いているの?」

「知子・・・システム開発の仕事というのはなぁ・・昼も夜も、そして曜日も関係ないんだよ・・・教師の君にはわからないのも無理はないが、住まいも職場同然の感覚なんだ。何時プランが浮ぶか・・何処で対処方法に気が付くか・・それが電算システム開発の完成度を決定付ける・・まさに常時戦場なんだよ」

「戦場ね?・・・あなた、おとなの男女二人で楽しく語らい、お茶を飲んでいて戦争なんですね」

「知子!何が言いたいんだ」

知子は、一郎と美恵子・・二人を包むオーラに向けて容赦なく矢を射掛ける
道明 12/23(火) 21:00:44 No.20081223210044 削除
知子は攻撃の相手を美恵子に向けた

「藤崎さん、中学の卒業以来かしらね・・・あなたに会うのは」

「はい・・・・・・」
美恵子は知子の顔を見ないで応えた

「あなた・・私の主人をどうしたいの?女の私には分かる・・あなた、色目を使って主人を誘惑しているんでしょう・・・どうなの?はっきり言いなさいよ・・もう主人に抱いてもらったの?」

「知子!!君は・・・なんて事を言うんだ・・美恵ちゃんに謝れ!」

一郎は、矢面に立ち自分の大切なものを守ろうとする
美恵子はそんな一郎の腕を掴んで押しとどめる
その美恵子の仕草を見た知子は更に激高した

「やめて!藤崎さん・・・私の主人に触れるのは!!」

「どうしたんだ、知子・・・変だぞ、今の君は」

美恵子が顔を上げ、知子を見据えて話し出した
「室長は知子さんが考えているようなことは絶対にしません・・ただ、私は・・」

「ただ?・・・なによ」

「私は・・私は室長が好きです・・・ずっと、昔からあこがれてもいました・・・」

(えっ!何を言い出すんだ、美恵ちゃん)

「ほら・・ごらんなさい・・・一郎さん」

一郎は黙って俯いている
・・一郎はかつて美恵子を妻にしたいと思い、何度もデートに誘っている
しかし、その美恵子には好きな男が別に居ると思っていたのだ・・・それが


なんと美恵子は好きな男の妻がいる、このような場面で告白をしたのだ
そして・・

「室長は私に気を遣ってくれて、優しくしてくれました・・でも、それは仕事上のこと・・・室長はいつも仕事が第一で、女性のことは妻の知子さんだけ・・でも、その、知子さんがしていることを何も知らない室長が、お気の毒で、私は苦しくて・・」

「えっ??」
知子と一郎は同時に声をあげた

「奥さんが不倫しているのに、困難な仕事に一生懸命に頑張っている夫・・・そんな室長が可哀そう・・・・だから私ができることは何でもしてあげようと」

知子の顔がみるみる青ざめていく
そして、驚きの表情で美恵子を見つめる一郎

「み、美恵ちゃん・・・知子が不倫をしているって?」

「ごめんなさい、室長・・・私、室長に黙って知子さんのこと調べてもらいました」

「そ、それで・・・美恵ちゃん・・知子が?」

「はい・・知子さん、同じ学校の蓬莱という先生と二人で旅行をしています・・・今年の7月も合わせて、これまでに3回、それに8月からは相手の家にまで・・・」

「と、知子!!今の美恵ちゃんの話・・本当のことか??旅行は友達と行ったと言ってたじゃないか」

「・・・・そ、そんなこと・・」

攻守の立場が逆転した
道明 12/24(水) 18:39:19 No.20081224183919 削除
知子は青ざめたまま黙り込んだ・・・
その様子を見た一郎は、珈琲に一口付けると大きく息を吸い込む

「知子・・知子・・・いったい君に何があったのか、話してくれないか」

知子は沈黙する

「室長・・・これが私に届いた調査会社の報告書です」

美恵子が一郎に分厚い封筒を手渡す


「美恵ちゃん・・・君は先にやすんでくれないか。私の家庭のことに巻き込んでしまって申し訳ない・・妻の君に対する誤解は私から話しておくから、安心して」

美恵子は一郎の顔を見つめ、席を立った


一郎が知子に語りかける

「知子・・・私と美恵ちゃんは何もないよ・・・それは、君ならわかるはずだ。私が女と遊ぶ男かどうか・・ましてや、君を裏切って部下の女性を抱く男かどうか・・・・もしも、もしもだ・・私が君以外の女性を抱くとしたら・・それは、君と別れた後だ・・・私はそんな男だろう?」

「・・・そう・・・そうね、あなたはそういう人だった・・でも、二人が並んで座っているのを見ると何だか妬けちゃって・・あなたを盗られたと思ってしまって・・ごめんなさい」

一郎は傷心している知子の肩を抱き寄せる


「もう今日は疲れたろう・・話は明日にしよう・・君は私のベッドで寝るといい」


「・・・あなた・・有難う・・」


知子は一郎の寝室で薬を飲む
精神安定剤だ、睡眠をとるのに薬の助けが必要な身体になっていた
モンスターペアレントの対応で傷ついた心が、蓬莱との関係で更に深い傷となっている

(ああ、とうとう夫に知られてしまった・・どうしよう?どうしたらいいの・・)



翌朝・・・朝の光が知子の顔を照らす
その光が、知子にこれまでのことを正直に一郎に話すように囁く

(そうするわ・・・そうしないと・・私・・もう、もどれない)


知子はベッドから起き出し、朝の光を全身に受ける
寝室に備えつけられた鏡に知子の全身が映っている
髪をかき上げポーズをとる
パンティを身につけただけの知子の白い肌に陽があたる


(どこまで正直に夫に話すの?・・・知子)


知子の白い肌に、男の手が這い回る
その手が形の良い乳房をギュッと握り締め・・乳首を弾く
知子の横顔にキスをする蓬莱の顔が浮ぶ


(駄目だわ、やはり全ては話せない・・きっと夫は私を許さない、そして藤崎さんに・・)
道明 12/26(金) 00:03:24 No.20081226000324 削除
知子がリビングに入ると、一郎が珈琲を飲んでいる
一郎は昨夜から一睡もしていない

「おはよう・・・あなた」
知子は一郎に目を合わせられない

「あなた・・・・藤崎さんは?」

「彼女は会社に出かけた、何しろシステム開発の大詰めの段階だから・・」

「そうなの・・・土曜日だというのに、本当に大変なのね」
知子は作り笑いを一郎に見せる


「そんなことを君が心配しなくていい・・・それより、なんだ、この写真の君は!!」

その写真は旅館から出るときに撮影された、知子と蓬莱の写真だった
知子は一郎の前の椅子に腰を掛け、目を伏せながら話し出す

「あなた・・あなた、ごめんなさい・・私、2年前の夏の親睦旅行。そこで二人の学生と蓬莱先生に・・私、無理やり犯されてしまって・・」
知子の目には涙が溢れている


「なに?2年前に・・・犯された?」
・・・・・・そのことは報告書には記載がない

「そう・・私を犯した蓬莱先生に脅かされて、3度も二人だけの旅行をさせられたの・・・そして、あなたが東京に赴任してからは自宅にも呼び出されて・・」

「えー!・・・・」

「私、犯されたことをあなたに打ち明けるべきだった・・でも、あんな変人に犯された私を、あなたがどう思うかと考えると、私、怖くなってしまって・・その後、蓬莱先生の要求は酷くなるし・・・・私、もうどうしていいか分からなくて言いなりになってしまったの」

「そんなことが・・それじゃ、この写真、今年の山陰への旅行の時のこの服装やメイクも、蓬莱の仕業なのか?」

「ええ・・そうなの」

知子は満身に恥ずかしさを漂わせ、そして一郎に辛い表情を見せる


一郎が手にしている写真が震えている・・

それは、女性教師の服装とはほど遠く
ストッキングをしていない太腿も露わな原色のワンピース姿
小ぶりな乳房の知子だが、それでも膨らみの見えるほど胸の部分がカットされている
顔のメイクもまるで普段の知子と別人だ


「蓬莱のやつ・・・なんてことをさせるんだ」

一郎はその写真一枚を見ただけでも激しく興奮し、理性がなくなってくる
蓬莱と腕を組んでいる写真・・・蓬莱の手が知子のお尻を触っているもの
肩を抱かれ、蓬莱の手が太腿にあてられ、うっとりとした表情の知子・・

「あぁ・・・」  一郎はため息をつく

「ごめんなさい・・・言うことを聞かなければ、あなたにばらすと脅かされて」


「それじゃ・・・・知子、君は不倫じゃないと言うんだな?」

「ええ、私があんな変人となんか不倫などするもんですか・・犯されたんです」

「でも知子・・君のこの表情!脅かされて無理やりやらされている顔なのか?」

「それは・・・ごめんなさい・・・一緒にいるときは蓬莱の妻の振りをしろと・・愛し合ってる夫婦の顔を見せろと言われて」

「これが愛し合っている夫婦の妻の表情か?知子・・・・今までに、こんな君の顔を私は見たことがない・・・それに、私たち夫婦も愛し合っていたはず・・」

「信じて、あなた・・・その写真の私はやらされているの!私はあなたが大好きなの」

「・・・・そう信じていいんだな、知子」

「あなた、私は嘘なんかついていない・・あなた、信じて・・そして、こんなになった私を助けてくれるのはあなたしかいない・・ねぇ、あなた・・お願い」

知子は涙を流しながら必死の懇願を続ける
道明 12/26(金) 20:04:58 No.20081226200458 削除
一郎は昨夜、美恵子から手渡された知子に関する報告書を何度も読み返し
妻の不貞に対する怒りで一睡もしていなかった
それがどうだ
知子が2年前の親睦旅行中に同僚教師と学生二人に犯されていたなんて
その同僚教師に脅かされて関係を続けていたと・・・・

気が付かなかった・・・・
そう言えば・・・・卒業写真に感じた違和感
それに、夫婦の営みで妻に変化があったはず!!
一郎は妻との生活を淡々と送っていた自分に腹が立つ
理由はなんにせよ、自分の妻がもう既に他人と肉体関係にあるという事実
もはや、取り返しが付かない
一郎は、妻への同情や哀れみよりも、妻が汚されたこと
そして、他人によって妻がいいように扱われることに我慢がならない
しかし、もう遅すぎる・・・・


「許すも許さないもない・・知子の話が事実なら、君は犯罪被害者なんだ。君と二人で蓬莱と戦うしかない・・・とにかく、学校には迷惑がかかるが、君はすぐに休職させてもらえ・・そして、蓬莱とは一切接触を断つんだ・・・しかし、君がこんなことになっているなんて」

一郎は深いため息とともに目を瞑る


知子はホッとして、目を細めた・・・・しかし、不安はまだある

夫の理解を得たと思った知子だが、美恵子の存在が気になっていた
主人のことを私の前で、好きだと言った
これは、明らかに妻である知子への戦線布告だ
知子が一郎を試す

「・・あなた・・ベッドの側に女の人の髪の毛が・・」

「えっ・・髪の毛?・・それは、たぶん掃除の時にでも付いたんだろう。昨日、美恵ちゃんが寝室を片付けてくれたから・・」

一郎の言葉には淀みがない

「あなた、あなたは清廉潔白でほんとうに優しい人・・・だから、余計に私は心配なの・・藤崎さんとあなたが一緒にいるのは嫌なの・・・こんな私が言えたことじゃないかもしれないけれど・・・あなたが心配なの」

「そのことは、美恵ちゃんも同じようなことを言っていたよ・・でも、私がお願いした。それほど今度の仕事は、私の将来を決定するほどの大プロジェクトで難航している・・・今、少し彼女の助けが必要なんだ・・・知子、分かって欲しい・・彼女は仕事のパートナーで、この家は寝泊りができる職場なんだ」


知子には理解できないが、一郎の気持ちは本当のことなんだろう・・

「そうね・・・私、心配だけど、あなたを信じます。あなたの言うとおりに、私は学校への休職手続きをして待っています・・・だから早く帰ってきて、あなた」

「ああ、早く帰れるように頑張るよ・・私が帰るまで、君は実家に帰っている方が安心だ・・・絶対に蓬莱と会うんじゃないぞ」

「ええ・・・そうします、あなた・・有難う、あなた」
道明 12/27(土) 08:56:52 No.20081227085652 削除
東京本社のシステム開発室にいる美恵子に、一郎から連絡が入った
知子が大阪に帰ったと・・・

美恵子は夕刻に一郎のもとへ戻ってきた
一郎は昨夜からの疲労で、寝室でぐったりと熟睡していた
美恵子の手が、眠っている一郎の髪を撫で、頬へと流れる

(知子さんの前でこの人を好きだと言ってしまった・・でも、この人の心はまだ・・)

美恵子の唇が一郎の唇に重なる・・優しく、さらに優しく
美恵子はまだ男を知らない
そうだ・・・キスもこれが最初だ
ただ、ただ・・優しく重ねる

「うーん・・・」
一郎が目覚める
一郎の視界に優しく微笑む美恵子の顔がぼんやりと映る

「ああ・・美恵ちゃん、帰ってきたのか・・・お疲れ様」

「室長こそ、大変お疲れでしょう」

「ああ・・でも美恵ちゃんには心配をかけたね」

微笑む美恵子に秋の夕日が映える
再び美恵子の唇が一郎に重なる
今度は少し口を開いて、舌で一郎の唇をくすぐる

「えっ!美恵ちゃん?何を・・」

寝室にさしこむ夕日は少しずつ弱まり、部屋の色がブルーに染まる
その中で乙女が衣服を脱いでいく
ブルーの闇の中に、白い裸の乙女が立っている
その乙女は微笑みを絶やさず、そっと一郎の蒲団の中に入っていく


「あぁぁ・・・・・・・美恵ちゃん、どうしたんだ?」

長い黒髪が一郎の頬をくすぐる
そして、乙女の白い乳房がゆらゆらと揺れ
一郎の口元に可憐な蕾が近づいていく
乙女は愛しい男の髪を撫で・・・男の瞳に愛を送り込む


「室長・・・お願い・・・私を抱いて、抱いてください」

「美恵ちゃん・・・君は?・・・私も、君が好きだった、ずっと・・好きだった、美恵ちゃん・・・・・でも、それはもう過去の・・」

「いいえ、まだ続いている・・・続いているの・・・室長、やっと、やっと・・ねぇ・・・私を、私を抱いて・・」

一郎は目を瞑った
甘い蕾が口の中に送り込まれる
自然と舌がその蕾を舐める

何時しか、夕日は沈み月の光が二人を照らしだす

一郎の頭の中に、犯されたとはいえ知子と変人教師の肉交の情景が浮んでくる
そして、あのうっとりとした表情の妻の顔・・・・

(くそ!・・畜生!・・)

目の前には、一郎を愛している女がいる
ずっと、一郎を愛し続けていたという女だ
男根が硬さを増していく・・・・・・・
一郎は美恵子の乳房を強く握り締める
そして、怒張が美恵子の女陰に近づいていく

(美恵ちゃん・・・)

「うっっ・・・一郎さん・・・うれしい・・・あぁ・・」

一郎はゆっくりと・・そして、優しく・・挿入を始め
美恵子の華奢な白い手が、一郎の両頬を撫でた
道明 12/27(土) 21:27:04 No.20081227212704 削除
あくる朝、二人はまだベッドの中にいる
今朝は霧がかかっている
霧の中から、仄かに陽の光が部屋中に差し込んでくる
美恵子が先に目覚め、一郎にキスをする
すると、一郎が目覚め美恵子を抱きしめる
二人には・・・・昨夜の余韻がまだ残っていた

美恵子が起きだし、シャワーへと向かう
一郎が暫くして後を追う
部屋を出るとき一郎が振り返った・・・・
シーツに付いた処女の赤い証

シャワー室から美恵子が先に出て、朝食の用意にかかる
一郎はまだシャワーに打たれている

(知子・・私も・・私も、こんな時に美恵ちゃんを)

一郎は昨夜の美恵子とのセックスを思い出していた
あんなに興奮した思いは初めてだ
そして、知子とでは得られなかった充実感

(愛か?互いに相手を思いやる心か?それとも、妻が犯されたことへの腹癒せか・・・)


一郎は強くシャワーの水を顔にぶつける

(夫婦とは何なんだ・・他人も羨む充実した生活・・幸せな家庭と思っていた・・・・それが、妻が他人に犯され、その男との関係を夫に内緒で続けていた・・私も、思いを寄せていた女性をこの手で抱いてしまうとは・・・夫婦なんて・・絆なんて・・信頼なんて)

シャワーの水を口内にぶっかける

(あぁぁ・・これじゃもう夫婦と言えないじゃないか・・)


「一郎さん・・・もう出てきて・・・朝食の用意が出来ましたよ」
美恵子が室長と呼ばずに「一郎さん」と呼んだ

「ああ・・美恵ちゃん、ありがとう・・直ぐに行くよ」

一郎は思った
さあ・・厳しい現実に引き戻されると、それぞれがしたことの責任を取らねばならぬと

(うん?)

 何かが囁く

・・一郎・・一郎・・お前は何を悩んでいるんだ
知子を信じているのか?
犯した男と旅行をし、あんな表情の顔をするもんか、あれは楽しんでいる顔だ
よーく覗いてみろ、お前の妻の心の中を・・・お前は馬鹿にされているんだ
それに比べて、美恵子はいい女だ・・・妻にしたかったんじゃなかったのか
それに、もう抱いてしまった
今からでも遅くはない・・ほんとにいい女だ・・・美恵子は
やり直すんだよ人生を・・・

(美恵子と人生をやり直す?・・駄目だ・・今、妻の知子を見捨てるなんて)
道明 12/29(月) 08:57:24 No.20081229085724 削除
黙々として、美恵子の作った朝食を食べる一郎
その様子を見て美恵子は願った

(昨夜のこと・・決して謝らないで一郎さん)


一郎が箸をおいた、そして美恵子を見つめる

「美恵ちゃん・・・知子は不倫ではなく、2年前の親睦旅行で学生二人と蓬莱に無理やり犯され、脅かされて関係を続けていたと言うんだ」

「知子さんが犯されて?・・・・いちろ・いや、室長」

「美恵ちゃん!もう、一郎でいいよ・・・美恵ちゃんへの誤解は解けたんだけど・・・君とは、知子が心配していたとおりになって・・・」

「室長、いや一郎さん・・・聞いていいですか?」

「何かな・・・美恵ちゃん」

美恵子は核心を問う
「・・・・後悔されていますか?昨夜のこと・・・知子さんが不倫じゃないんなら」

「後悔?・・いいやそんなこと思わないよ、美恵ちゃん・・・私は知子も大切だが、ずっと君を愛していたんだと思う・・・昨夜、そのことが良く判った・・君の気持ちもね・・」


一郎は、腰掛けている美恵子を後ろからそっと抱きしめる

「美恵ちゃん・・・君がいない人生など、私はもう考えられない・・好きだよ、美恵子」

一郎が美恵子と呼んだ・・・

美恵子は頸を傾け、一郎にキスをせがむ
そのしぐさに、一郎は頬を寄せ美恵子を強く抱きしめ、唇を合わせる

一郎が変わり始めている・・・・
この男が心血を注ぐシステム開発の過程には、必ず悪魔と天使が現れる
そう、カオスの世界をシステム化するには・・・・徹底した現状の分析に拠って、天使のように大胆に構想を練り理想の姿を描く、次に実践段階には悪魔の如く細心になって、実行していくことが必要なのだ
この男、一郎はそれを身に纏っている・・・

一郎は美恵子と甘いキスをしながら
ふと鏡に映る自分の姿が目に入った、手は好きな女を優しく抱きとめ、そして目はその女の顔をみる優しいものから、次第に厳しい眼差しに変わっていく・・・・

(兎に角・・・妻の知子を犯したという・・あの蓬莱は絶対に許せん!)
道明 12/29(月) 20:23:05 No.20081229202305 削除
月曜日の放課後の職員室
知子に蓬莱が周りを見渡しながら近づいてくる
蓬莱は、調子に乗ってそっと知子の肩に手を置き、服の上から乳房を撫でた

「イヤ!!何をするんですか!・・・蓬莱先生」

知子が大声をあげた
俯いていた先生が驚いて一斉に顔をあげる
教頭が声をかける


「どうかしたんですか?山本先生」

「教頭先生・・蓬莱先生が私の胸を、胸を・・」

「えっ!」

先生全員の疑いの目が蓬莱に注がれる


「私は何も・・・」

「していないのですか?蓬莱先生!教頭の私は見ていましたよ・・さっき、あなたがしたことをね」

「ちぇっ!見てたのか?・・で、どうするの?教頭先生」

「まぁ・・校長室で、お話しをお聞きしましょうか、蓬莱先生・・・私はね、気付いていたんですよ・・あなた、随分前から山本先生にセクハラしていたでしょう!」

俯き胸を押さえている知子を睨みつけながら、蓬莱は校長室へと消えていった・・

地域社会の悪徳教師に対する批判の高まりも考慮して、教育委員会の動きは素早かった
1週間後には、蓬莱に懲戒免職処分が決定された
処分理由は同僚教師へのセクハラ行為を繰り返していたというものだった
その対象教師である知子は、蓬莱のセクハラ行為等による、精神疾患で6ヶ月の自宅療養を申請し、すでに学校から休職辞令が手渡されていた

そう・・このシナリオは一郎が知子に伝えたものだった



蓬莱は自宅で寝転んで天井を睨みつけている
そして、ビデオ再生の映像がうつるテレビ画面に目を向ける
知子との最初の旅行で秘密に撮影したベッドシーン
知子の痴態が次から次と映し出される

よくも知子のやつ
こんなことをして、俺と別れることができると考えていたなんて
・・・・お陰で退職金も収入も消えてしまった

ふん!・・・
これで俺も本気で知子に食らい付かなければ生きていけなくなった
見ていろよ、知子
こちらには、あの最中のこのビデオテープがあるんだ
これを見た仕事一筋のお前の亭主が、どんな顔をするか

お前のからだはもう、俺からは離れられないんだよ・・知子
そんな事も自覚できていないのか・・・・ええ、知子
まあいいや
知子・・亭主からお前を堂々と奪った後で、キツイお仕置きをしてやるから
待っていろよ

道明 12/29(月) 23:15:48 No.20081229231548 削除
11月になり
一郎は東京でのプロジェクトを完了し大阪に復帰した
妻の知子も実家での療養から一郎の元に戻ってきていた
今、二人は寝室にいる
そして、知子は髪を梳かしている・・


「ねぇ・・あなた、美恵子は元気?」

「ああ・・美恵ちゃんはいつもどおり・・変わりないよ」

「あなたと美恵子のこと、疑ったりしてごめんなさいね・・私、あの時どうかしてたわ」


ベッドに先に横になっている一郎の横に知子が腰を降ろす
一郎の鼻に香水の匂いが届く


「ねぇ・・あなた・・今夜、いいでしょう?」

一郎の返事を待つことなく、知子は夫のパジャマのボタンを外す
自らもパンティだけの姿になると改めて一郎の顔を見る

「ねぇ・・・・あなた」

「うん・・・・ここにおいで、知子」


知子は一郎の腕の中に入り込む
久しぶりの夫婦の契りはキスから始った・・・・・

しばらくして愛のかたちが変わる
妻は夫の男根を・・そして夫は妻の女陰を愛撫する
夫も妻も・・・・それぞれ、別の異性と経験している
そのことを夫に知られている知子は、より積極的だ
・・もう蓬莱に教え込まれたテクニックを隠す必要は無いし
・・夫に尽くすことで、夫からも快楽を与えて欲しいと思っている

オスの激しい息遣いとメスの甲高い淫声が混じりあい
夫婦の寝室は果てしなく淫靡な痴態が繰り広げられていく

一郎は知子のしなやかな両脚を自分の肩に担ぎ上げ
激しくピストン運動を繰り返している
知子は頭を左右に振り、夫から与えられる快感を貪っている
そして
これまで夫婦の契りで聞こえることの無かった
知子の絶頂の叫びが、初めて一郎の耳に響いた
道明 12/29(月) 23:17:30 No.20081229231730 削除
電算室長の机には、今日も一輪の花が生けられている
書類に目を通す一郎の姿が、以前より男を感じさせる
それが何か・・・・その男に愛を捧げ、自分を女にした男だからか・・


「室長・・お茶をお持ちしました・・・それと手紙が届いております」

「そう・・・有難う、美恵ちゃん」


近づいてくる美恵子の姿を見つめる一郎
美恵子の心がときめく・・・・・・・やはり、違う、以前と違う
立ち去ろうとする美恵子に近づき一郎が抱きしめる


「イヤ・・・一郎さん、やめて・・・ここは、あなたの仕事場です」

「あっ!・・・ごめん、美恵ちゃん」
一郎は美恵子の言葉で我に返った


美恵子が退室すると、一郎は郵便物に目を通す

(なんだ!これは?)

それは、蓬莱からの封書・・・・開けてみると、手紙と写真が入っていた

 知子の主人へ
 是非、一度会って話がしたい
同封した写真のネガ
その他にも、別途撮影したビデオテープあり、それもあなたに渡したい
あなた自身はもちろんのこと、知子が大切と思うなら、必ずくるように・・・


 写真は、知子が男の怒張を咥えているもの・・・
     騎上位で二人の男と交わっているもの・・


・・・・・あぁ・・知子・・こんなことまでやらされていたのか!

(蓬莱のやつ・・破れかぶれになって、私に絡んでくるか・・・・いいだろう、とどめを刺してやる・・・・・あんたの考えているようには絶対にならないんだよ、蓬莱・・元先生・・・・・・あんたは知子を抱いたことで地獄に落ち、その夫が私であったことで、その地獄からは這い出せないんだ・・・・・思い知るがいい)
道明 12/29(月) 23:20:18 No.20081229232018 削除
駅前の鄙びた喫茶店の奥
ひげ面の蓬莱と、スーツ姿の一郎が座っている

「ご主人・・ショックだろうなぁ、どうなんだよ?こんな奥さんとは別れちまいなよ」
「・・・・・・」

「いつまでも、そんな写真を見ていてもしかたないだろう」
「・・・・・・」

蓬莱は嵩にかかって一郎を追い込む
「それに、あんたの奥さんが淫乱で、俺の怒張を大好きと言ったビデオ・・見るかい?・・これだ・・・俺のマラで何度も逝っちゃてさぁ」
「・・・・・・」

「何だって?はぁ・・・その若さで大企業の管理職なんだろう?いくらでもいい女が相手してくれるよ・・・心配すんなって、なぁ」
「・・・・・・」

「もう・・しょうがねぇなぁ・・教えてやるよ、やり方を・・この写真とビデオを見せて知子をギャフンと言わすんだ・・あいつのことだ、私は無理やり犯されました、脅かされましたとか言ってんだろうが・・・・嘘つき女、サインしろ・・こういうこったぁ・・わかったかい?・・知子はあんたを裏切って、騙し続けているんだよ、このビデオを見れば良く判るはずだ」


初めて一郎が声をだす
「・・わかりました・・・妻と別れます・・この写真とビデオお借りできますよね」

「おお!やっぱりもの判りがいいねぇ・・大企業の管理職さんだ・・でもな、舐めるんじゃないぞ俺を・・そのビデオと写真はあげるよ、あんたの元妻の思い出の記念にしときな」


その後も、蓬莱は目的を果たしたことで上機嫌となり、自分が仕込んだ知子の性癖を、自慢げに一郎に喋り捲る

一郎はその一つひとつを頭に書き込んでいった・・・

(よくも私を騙したな、知子!・・・お前には、もっと、もっと・・・)


それからというもの

一郎は蓬莱と会ったことを知子には知らせず

蓬莱から聞き取った妻の性癖の、一つ一つを確認するかの如く毎夜、知子と愛し合う

知子は夫の積極性に驚きながらも、自分が望んでいた夫婦の契りに溺れていく

それが毎夜続く、また続く

もう、知子の身も心も、完全に夫の一郎から離れられなくなる

そうだ・・・これが一郎の描いた知子のあるべき妻の姿、知子が望んだ夫との関係

やがて、一郎の待っていた、その時が来た
道明 12/29(月) 23:22:54 No.20081229232254 削除
早朝の電算室長席に電話がかかる

「山本一郎さんよ・・・どうなってるんだい?俺を舐めているのかい?あれからもう1ヶ月以上経ってしまったじゃないか・・ええ」

「やぁ・・蓬莱さん、私もあれからいろいろ悩みましたが、漸く決心がつきました・・今夜、知子に離婚の話をすることにしました」

「そうかい・・・また、怯むんじゃないだろうな?ええ・・一郎さんよ」

「知子が承知するかどうかは別にして、離婚自体は形式上、今日中に成立しますよ」

「えっ?なんだって」

「私を騙して淫乱行為に耽っていた妻を、許したりはしないですよ・・・しっかりと、罰も知子に与えたつもりです・・本人はこれから気付くでしょうが・・」

「知子に罰を?・・おい!言ってることが分からんが・・」

「じゃ、切りますよ・・あなたと話すのもこれで終わりになるでしょう・・後は、あなたと知子の問題だ・・もう、私には関係が無い・・じゃ」


一郎の机の上には離婚届の用紙がひろげてある
一郎は淡々と夫欄に署名して押印する・・そして、妻の欄も筆跡を変えながら
夫婦の協議離婚は離婚届が提出されると成立する・・役所は形式審査なのだ
夫婦と証人2人の署名・押印がされていれば、本人確認などしない
だから・・これに対抗するには離婚届の不受理の申出しかない
今の知子がこの申出をしていることなどありえない
知子は・・・夫の一郎を信じきっている


手に一輪の花を持った美恵子が顔を出す

「おはよう・・美恵ちゃん」

「おはようございます・・室長・・・今日は、お早いですね」

「ああ・・ちょっとね・・美恵ちゃん、君に話があるんだ・・明日の土曜、君のマンションに行っていいかい?」

「私のマンションに・・室長が?」

「ああ・・・大事な話だ・・・いいだろう?」

「・・・は、はい、お待ちします」

美恵子は震えていた、この女の直感が知らせている

・・一郎が何か行動を起こす、それが自分の運命にも関係すると
 そう伝えている・・・・・・・一郎の目と声色が、そう言っている

美恵子の心は一郎と出会った時から決まっている
・・・・・・・どんな運命であろうと、私はこの人とともに生きたいと


その夜

暖かい部屋の外は、白い雪が降り始めていた

そう・・・今年はホワイト・クリスマスになった

知子は一郎の帰りを待ち焦がれている

食卓には一郎の好物が並び

それは、知子が夫のために一生懸命に作ったものだ


玄関のチャイムが鳴る

知子は笑顔で愛しい一郎を迎える


ドアを開けると・・・・・・・・そこには、一郎の顔をした悪魔が立っていた

「知子・・・今、帰ったよ」

「あなた・・お帰りなさい」

「君も知ってる人が、いいビデオを貸してくれた・・・・・今夜は、そのビデオでも見て楽しもう」

「ええ、・・・あなた」

                    完
道明 1/12(月) 15:46:43 No.20090112154643 削除
季節はもう春だというのに、一郎のこころの中では真冬の木枯らしが吹いている
ここは家庭裁判所の調停離婚の関係者控え室
一郎は妻、知子との離婚調停を申し立て、今日が第一回目の調停期日である


あのクリスマス・イブの夜
一郎は知子に蓬莱が隠し撮りしたビデオを見せ、離婚を迫った
しかし、知子はあくまで被害者であることを一郎に訴え続け
また、自分が一郎をどれほど愛しているか、そして、二人の子どもの為にも
離婚は嫌だと一郎に懇願した
すでに、一郎が離婚届を役所に提出し、受理されていることを話すと
知子は半狂乱となり、実家に帰って行ったのである

地方裁判所からの呼出状が一郎に届く
それは、知子が起こした「離婚届の無効の訴え」

ビデオに写る淫乱な女・・そんな自分を見た知子
これで、夫婦間の信頼は消し飛び、婚姻関係の継続など当然ありえないはずだった
しかし、知子は一郎の一方的な行為を許さない
そして、離婚届は一郎が一人で記載して役所に届け出たものであるから
裁判の結果は明らかであった

知子は言った
「あなたは恋愛ムードに酔っているだけ
・・・絶対に、美恵子の思うようにはさせない」と

一郎の今回の一連の行動は、美恵子の存在が影響している
夫が知子を許さないのは美恵子がいるから・・・・そう思っているのだろう

一郎は直ちに次の行動を起こし、家庭裁判所へ離婚の調停の申し立てた


人も羨む家庭・・・夫婦であった
何が、一郎と知子の人生を狂わしたのか・・・
旅行先でのたった一度の気の緩み・・それに起因した知子の不貞行為
それを正直に話さなかった妻、犯され、汚された妻を
どうしても許すことができない一郎

それが・・・・一郎を思い続けていた美恵子を巻き込んでいく
まさにカオス・・・・男女の愛欲が入り乱れて混沌の中に入り込む
果たして、光は何処を指し示すのか

人は生を受け、家庭を築き子孫を為す・・・そして人生を閉じる
所詮、人間の人生は一度限り、生まれる時も、死ぬる時も結局はおのれ一人
ならば、自分のこころの赴くまま、生きてみたい
今、自分が心から欲しているのは、自分を真に慕う女性を幸せにすることだと

そう決心する一郎がいた
道明 1/13(火) 19:23:11 No.20090113192311 削除
今より遡ること、約2ヶ月・・・


一郎から離婚を言い渡され、実家に戻っている知子に電話が掛かる

「知子・・・教頭先生から電話ですよ」

知子は一郎との関係を親にも、学校にもまだ話していない、いや話せないでいた



「山本先生・・明けましておめでとうございます」

「おめでとうございます、教頭先生・・学校には大変ご迷惑をお掛けして申し訳ございません」

「いいんですよ、山本先生・・・先生は辛い経験をされたのですから、しっかり静養して元気を取り戻してください・・・・教頭として、もっと早く対処しておればと反省しているんです・・その後、お体は良くなりましたか?4月から復帰できそうでしょうか・・・ああ、ごめんなさい、正月からこのようなことをお聞きして・・」

「いいえ、教頭先生・・いろいろ気を使って頂いて有難うございます」

「山本先生?・・お声からですが、まだ少しお元気がないように感じられるのですが」

「ええ・・・少し・・」

「私でよければ、なんでも相談してください、山本先生・・・」

「ご親切に・・有難うございます」

「山本先生・・お顔も見たいし、一度お会いできますか?・・悩み事は人に話すだけで、少しは気が晴れるといいますし、私でよければ・・・」

「有難うございます、教頭先生・・・では、復職のこともありますし・・・」



教頭の加藤は電話を置くと、美しい知子の顔を思い浮かべていた


あれは、去年の夏休みだった
職員親睦旅行に揃って参加しなかった知子と蓬莱
この二人には、同学年の担任である以上の親しい関係が感じられた
美人で評判の知子と変人教師の蓬莱という組み合わせには違和感がつきまとう


その日は、知子の学年の奉仕活動で、グラウンドの除草作業があった
午前中に作業は終わり
午後になると知子と蓬莱の二人だけが残って倉庫の片付けをしていた

加藤も手伝おうと倉庫へ行った時だ
倉庫の扉が閉まっていて、もう片付けは終わったように思った
立ち去ろうとした時、倉庫の中から人の声が聞こえてくる
加藤は少し扉を開け、中を覗いて身が固まってしまった

蓬莱が知子を抱き寄せ耳元で何か呟いている
知子は頸を左右に振って嫌がっていた
蓬莱は左腕で知子を抱きとめ、右腕を動かしている
その腕は知子の胸の部分を動き回り、そして下肢へと降りる


「やめて下さい・・蓬莱先生・・ね、お願い・・ここは学校です、ね、お願い」

「良いじゃないか・・山本先生・・誰もいないし、少しだけ」

「嫌・・・ね、お願い・・やめて」

蓬莱の背中側から覗いている加藤は、止めに入ろうとした
その時だった


「分かったよ、旅行の時以外はしない約束だったなぁ、山本先生・・それじゃ、アレをしない代りにもう少しだけいいだろう?」

「・・・・・・」

(どういう関係なんだ?この二人は!)



蓬莱が知子の唇を奪う
そして、知子の胸を触っていた手がTシャツを捲り
そのまま、ブラジャーを上に押し上げると白くて形の良い乳房が飛び出す
蓬莱はすぐさま乳首を唇に含むと
知子は仰け反り、その様子に蓬莱はますます増長する
蓬莱の右手が下肢のジャージの中に入り、思う様動き回る

(これは!セクハラとは言えない・・・・どうなっているんだ?この二人!)


やがて、知子の口から愉悦の声が漏れはじめる
その様子は男が女を貪り食うように見える・・・が・・・
両の乳房を握り締め、そして乳首を舌で転がす
男の右手が女のジャージの中から引き出され
女の愛液で光る二本の指を女に見せ付けた後、自分の舌でその指を舐める
その口が女の唇を再び襲い
女の手が、男の固くなった怒張を擦りだした
そして、蓬莱自慢の太い怒張が女の女陰にジャージの上から擦りつけられる

(これは・・もう、これは・・セックスをしているのと同じじゃないか!)


頸を振り回し愉悦に浸る美しい女の顔が、加藤の脳裏にしっかりと焼き付けられる
・・・・・美人教師と変人教師の痴態・・・その息遣いが
この時、52歳になる加藤に、忘れかけていた男の現象を復活させる
加藤は己が分身を固く勃起させたまま、その場を立ち去っていった
道明 1/14(水) 22:21:38 No.20090114222138 削除
県下一の大河の流れの見える洒落た喫茶店

ここはワンフロアーの造りだが、お客同士の顔は見えないように仕切りがしてある
その一番奥の席に、知子と教頭の加藤が座っている

加藤は知子の話すことに相槌を打ちながら
視線は夫から一方的に離婚届を提出され、悲嘆にくれる美人教師の風情を眺めている


「山本先生、少し聞きにくいことなんですが
・・ご主人が離婚したい理由は、ひょっとして懲戒免職になった
蓬莱との関係でしょうか?」

「ええ、教頭先生、夫は私が被害者であることを否定して
・・私が不貞をしたと、夫を裏切って騙していたと」

「そ、そうなんですか・・・
ご主人は、先生があの蓬莱と不貞をしたと?」

「ええ、私は決して不貞などしておりませんのに・・」


加藤は、美人教師が辛そうな表情を見せ、髪を掻き揚げる風情に心が奪われていく


コーヒーカップを持つ細くて白い指

・・・・・この指で蓬莱の一物を擦っていたんだ

スカートから伸びるしなやかな両脚

・・・・この両脚を割ってあの男は怒張を押し付けていた



 「教頭先生?」

 「は、はい・・・・」

 「私は、絶対に不貞はしておりません・・・
       脅かされて、無理やりなんです」

 「そ、そうでしょうね
  山本先生があの変人教師と不貞など考えられませんね」

 「ええ・・・でも、夫は信じてくれません」

 「先生、ご主人が信じないのには何か
    不貞の事実が分かるものでもあったのですか?」

 「はあ・・・それは・・・
  蓬莱先生が隠し撮った写真とビデオがあって」

 「えっ!隠しビデオと写真・・・
   もしや、セ、セックス場面の?」

 「・・・・・・・・」


色の白い知子の項が真っ赤に染まる

(蓬莱のやつ・・・こんな美人を)


知子の白い指が他人に話した恥ずかしさで震えている
加藤は、その知子の震える手を両手でしっかりと握り締める


「山本先生、私が力になります
 友人に弁護士をしている者がいますので心配なさらずに
 ・・いいですか、私を信じて全てを話してください、私がその友人と相談して対応を考えますから」


加藤を見上げる知子の目から涙が零れる
加藤は知子の手を握り締めたまま、大きく何度も頷き返した



知子は加藤の薦めに従い、絶対に離婚しないという自分の意思を夫の一郎に示すため
加藤の友人の弁護士を法定代理人にして
「離婚届の無効」を地方裁判所で争う道を選んだ

そして、勝訴した
知子は戸籍上、一度は消された妻の座に復活したのである

しかし、一郎のこころは変わらない
協議離婚が整わない夫婦が本来取るべき手続きである
家庭裁判所での離婚調停の手続きが開始されたのであった
道明 1/17(土) 20:29:51 No.20090117202951 削除
家庭裁判所での調停の日の前日
藤崎美恵子が一郎の自宅を初めて訪れていた
一郎からこの間の経緯は聞いているものの、判断と行動が迅速で直線的、そして徹底し過ぎているように思えた
美恵子には、それが自分に対する一郎の愛情の深さであり、嬉しくはあったが短兵急な行動には不安が付き纏っていた

「一郎さん・・・いよいよ、明日ですね・・後悔されていませんか?」

「後悔なんてしていないよ、美恵ちゃん・・これでいいんだ
・・私は君と人生をやり直すと決めたんだ、そう決めた限りは必ず知子と離婚をする」


一郎は美恵子を抱き寄せる

「でも・・知子さん、これから・・・」

「大丈夫だよ、知子は・・・彼女には教師としての職がある、生活には困らない・・ただ、あの蓬莱と寄りを戻すようだとまともな人生は送れないかもしれない・・そうならないように知子にはすべきことはしたつもりだ」

「そうならないように、すべきことを・・?」

「うん、知子の肢体から蓬莱という男を追い出したと思ってもらえれば・・・・」

「肢体から男を追い出す?」

「うーん・・・それは、余り聞いて欲しくない・・私としてもやり過ぎたと反省しているんだ」

「そうですか・・それと、あなたのお二人のお嬢さん・・・さぞ心配なさっていらっしゃるのではないですか?」

「それなんだ・・・幼い子ども達には可哀そうなことになってしまって、母親の知子と離れるのは寂しいだろうとは思うんだけど・・・親権は私が持ちたいんだ」

「一郎さんは、お嬢さんたちを知子さんに渡したくないんですね?」

「ああ、あの知子に子どもたちを育てられると思うと、我慢がならない・・・それに、子どもを渡すとなると、知子から何かと条件が出てきそうで」

「一郎さんはそこまで考えられているんですね」

「美恵ちゃんはどう思う?・・子どもたちは知子に渡して、君との新しい家庭を築くことも考えられるんだけど・・・」

「いいえ、お子さんたちは私たちで・・・ね、そうしましょう・・・一郎さんと一緒に、私も頑張ります・・いくら時間が掛かっても良き母になれるように努力します、そして良き妻にも」

「美恵ちゃん、本当にいいんだね、それで・・・・・・本当に有難う、美恵ちゃん」


再び一郎は美恵子を抱き寄せると、美恵子は一郎の胸に頬を寄せた
美恵子の香りが一郎の鼻を擽る
二人はベランダに出ると肩を寄せ合い遠くの夕日を眺めていた
辺りは太陽が沈み、夜の暗闇が訪れるまでのマジックアワー
自然に、一郎の手が美恵子の肩を抱き、髪を優しく撫でた
そして一郎の唇が美恵子の唇に重ねられていった


その様子が、写真に収められていく

(一郎さんよ、あんたも相当な男だなぁ・・・知子を追い出し、早速、知子に劣らぬ美形の女を家に入れる・・・罰が当たるぞ、調子に乗りすぎると)

へらへらと笑う蓬莱の顔がそこにあった
道明 1/18(日) 21:47:55 No.20090118214755 削除
蓬莱は山本夫婦が離婚となれば、知子を簡単に自分の女にできると思い込んでいた
知子は、蓬莱自慢の怒張から離れられない女になっていると・・・

ところがどうだ
あれほど言いなりになっていた知子が
一郎から三行半を突きつけられたというのに、全く蓬莱を無視してくる

電話を掛けても、全く相手にされない
仕方なく、知子の実家の周辺を窺っていると
教頭の加藤と知子が頻繁に接触しているではないか・・・

(知子のやつ・・・教頭に相談をかけたか?)

蓬莱の生活資金はそろそろ底に尽きかけている
公務員にとって懲戒免職処分は身に凍みる・・・再就職もその所為でできそうにない

そして、知子に関する情報も収集できない蓬莱は、自分の持つ勘を頼って
一か八かの行動に出るしか方法は無い



ここは、以前に一郎と会った・・・鄙びた喫茶店
今、蓬莱の前に座っているのは教頭の加藤だ


「教頭先生・・・お久しぶりです」

「蓬莱君、時間が無いんだ・・山本先生に関する大事な話って何なんだい」

「教頭先生・・お忙しいんですね?でも、それは残念ですなぁ・・折角、私と知子の肉弾戦をナマで見せてあげようと思っていたのに・・・」

「何を言い出すんだ、君は!」


「知子のやつ、教頭先生に地獄の閻魔役をやらせちゃって、私はこの様だ・・・今度は、あなたに応援団長の役回りまでさせちゃって・・・・本当にしたたかな女なんですよ、あいつは」

「君の言ってることが良く判らないんだが?」

「まあ、この写真を見てくださいよ、教頭先生」
それは、一郎にも見せた知子と蓬莱のセックス場面の隠し撮り写真
加藤の目の色が変わる
その変化を蓬莱は見逃さない

「それにもう一つ・・・これが決定打なんですが・・・隠しビデオ・・これ」
加藤の喉が鳴る

「教頭先生・・旦那が離婚を決めたビデオ・・これ、このビデオを受け取りに、知子が今日、私の家に来ることになっているんですよ」

「・・・・・・・」

「知子の本性を見せてやりますよ・・・ね、教頭先生・・私は、知子を何度も抱いて、あいつを逝かせちゃているんですよ」

「そ、そんな馬鹿なこと・・・山本先生は、もうそんなことは」

「そう思うでしょうね・・普通は・・でも、知子はそんな女なんですよ、実際」

「そんな筈は・・・」

「じゃ、騙されたと思って、隠れて見てて下さいよ・・証明しますよ、ね、教頭先生」

「・・・・・」


性獣が五十男の心の底を擽り、オスの本性を呼び覚まさせる

「教頭先生、見てくださいよ・・この写真の知子の肢体・・・・そして、この表情・・・男だったら、こんな女と姦ってみたいと思うのがあたりまえ・・へへ・・それで、つい私も手が出ちゃいましてね・・・・気が付いたら、この女の虜にね・・・最後は上手く切られちゃって・・・・このざまだ」

「・・・・・」

「私は教頭先生を恨んだりはしていませんよ・・・・ただ、処分を受けて生活が苦しくなってね・・・・・だから、少しばかり助けて頂けないかと・・・その代りに、上手く抱かせてあげますよこの女を・・・・どうです?教頭先生」

「・・・・・」

蓬莱は写真を見つめたまま、返事をしない加藤を見て確信した
五十を過ぎた、この男も俺と同じ運命を辿ると・・・・
食い殺されるか、どうかは・・・この男の力量次第

(女は現金な動物だ・・知子と関わりあうのはこれが最後だ、とにかく駄賃を貰えるだけ貰うだけよ・・)
道明 1/20(火) 10:05:32 No.20090120100532 削除
一郎は年配の男性と、女性の調停委員に自らの考えを誠実に訴える

「私は、もう知子とは婚姻関係を継続していく意志はありません・・・彼女のした行為は、夫である私の心を踏みにじるものであり、到底、許せるものではありません」


女性の調停委員が問いかける

「でも、一郎さん・・・あなたの奥さんは、暴力によって犯され、その事実をあなたに知られることを恐れて、従っていたと仰っています・・・・そんな、奥さんにあなたは夫として、同情や哀れみの感情は湧いてこないのでしょうか?子どもさんもいらっしゃるし、考え直す余地はないのでしょうか?」

「知子は私にもそう言いました・・・自分は被害者だと・・・私も、一度は知子と加害者と戦う決心をしました・・・しかし、その加害者という男が私に見せたビデオを見る限り・・・・辛いことですが、妻の言っていることが嘘に思えてくるのです」


男性の調停委員も問いかける

「一郎さん、そうすると・・あなたは、奥さんが言っていることが嘘、偽りで・・そのビデオを見たあなたの感覚で不貞を働いた淫らな妻と断定しているのですね?・・そして許せぬと」

「はい・・それに、私は自信がないのです・・理由はどうであれ、私以外の男に弄ばれた妻を、仮に今許したとしても、いずれ夫婦関係に支障をきたすと思うんです」


女性の調停委員が再び問いかける

「奥さんは、あなたには女性がいて・・・それで、離婚を望んでいるとも仰っているのですが?」

「はい、私はその女性と人生をやり直すつもりです・・しかし、私がそういう気持ちになったのは、知子と別れると決心した後のことですから」

「でも奥さんは、そのようには思っておられませんよ・・・あなたが奥さんに理解を示し、加害者の男性を懲らしめる指示をし、奥さんはそれに従った・・・そして、夫婦関係は以前にも増して良くなっていたと・・・それなのに、突然にあなたが一方的に離婚届を作成して役所に提出された・・・・これは、あなたがその女性にやらされていると」

「そんなことはない・・・確かに、知子にも酷いことをした、でもそれは私の意志だ・・その女性は知子を気遣っている・・・私が、知子に我慢がならなかっただけなんだ」

「そうでしょうか?いずれにしても、離婚となると財産分与、お子さんの親権、そして養育費など、どのようにするのか決めていかねばなりません・・・その覚悟は、おありなんですね」

「当然です・・・その覚悟はしております」


再び男性の調停委員が問いかける

「一郎さん・・私たちは先ほど奥さんのお話をお聞きしたのですが・・いい奥さんじゃないですか・・・お可愛そうに、大変な目に遭われた・・・あなたは、あくまで奥さんが嘘を言っていて、別れると仰るのですね?」

「やめてください・・あなた方は知子に騙されている・・・あのビデオを見れば考えも変わる・・私もそうだったんだ・・あんな淫らな女とは思いもしなかった・・嫌なんだ、あんな淫らな女が、私の妻であり、子どもたちの母であるなんて」

「・・・・・・・・」

「今日の調停はここまでにしておきましょう・・・一郎さん、もう一度よく考えてみてください、奥さんのこと、そして二人の子どもさんのこと・・・・そして、もう一つ・・これは、差し出たことかもしれませんが、あなたが人生をやり直すと仰っている、相手の女性のこと、良くあるんですよ、こういったケースが・・・・・では」

一郎は大きな溜息をついた
これでは、一郎が女に騙され、その女に夢中になって、酷い目に遭った妻や罪のない子を捨て去ろうとしていると・・・・・・
道明 1/21(水) 19:27:37 No.20090121192737 削除
知子は一郎より先に調停委員との面談を終え
家庭裁判所の玄関ロビーで一郎が出てくるのを待っていた
肩を落とし、伏し目がちに・・愛しい夫、一郎が階段を下りてくる

「あなた・・」

「・・・・・」

「一郎さん・・・少しお話ししたいのですが・・・」

一郎は厳しい目線で、知子を見ると
「調停中だ、君と直接話し合うことは余計な混乱を招く・・・じゃ」

「あなた・・いまでも、私を信じてもらえないのですか?」

「あたりまえだ・・・・もう、後戻りはできないんだ」

「後戻り?」

「ああ、そうだ・・・私は美恵子と約束している・・新しい家庭を築くと」

「そんな!あなた・・子どもたちの幸せも考えてあげて、ね・・私は、もう、一郎さん無しでは生きていけない・・精一杯あなたに尽くしていきます・・・ね、あなた・・考え直して・・ねぇ」

「やめろ・・もう決めたことだ」

「そんなこと・・・・一郎さん、私は絶対に諦めません・・・きっと、あなたの心を取り戻して見せる・・美恵子なんかにあなたを渡すもんですか」

足早にその場を立ち去る一郎の背に、知子の最後の言葉が重く圧し掛かった


その日の午後
知子は蓬莱の自宅を訪れていた
ジーンズにセーター姿
知子は蓬莱の申し出を受け入れたのだった

蓬莱の申し出は
自分はお金に困っているので
一郎が見たビデオや写真など全てを買い取って欲しい
そうすれば、今後一切、知子には関わりあわないと

しかし、あの蓬莱のこと、蓬莱の自宅で会うことはためらわれたが
自分のアノ写真やビデオが存在していたのでは何時か災いになる
廃棄できるのであれば、そうしようと
自分がしっかりしていれば、二度と蓬莱とは同じ過ちはしない
今の知子には、男は愛しい夫、一郎しか考えられなくなっていたのだ
それほど、一郎による復讐に近い夫婦の営みの影響が、知子の肢体に染み付いていた


「約束のお金は持って来ました、これで私に関するものは全てですね」

「ああ・・あんたが映っているものはネガ、マスターを含めて全部だ、安心しろ」

「私が映っているもの?」

蓬莱はニヤリと笑う


「それよりどうなんだい?旦那と別れて肢体が疼いて辛抱できないんじゃ・・」

「いいえ、私はそんな女じゃありません」

「よく言うよ、あんなにヨガリまくった女が・・・旦那の代わりに、欲求不満の解消に相手してやってもいいんだぜ」

「何て事を!・・私は今でも一郎の妻です・・誰があなたなんかと・・じゃ、帰ります」


席を退ちかけた知子に見えるように、蓬莱は数枚の写真を机に並べた

「ほう・・そうかい、たいした自信だなぁ
・・でも、旦那は新しい女とよろしくやってるぞ」

「・・・・・・」

その写真を見た知子の表情が険しくなった
道明 1/22(木) 20:38:53 No.20090122203853 削除
その写真は夕暮れ時に撮られたものだろう
薄暗さが、余計に男女の仲のよさを醸し出していた

「これはなぁ・・旦那の自宅での写真だよ・・いい女だなぁ、あんたに劣らず美人じゃないか」

「・・いつ、これを?」

「気になるかい?そうだよなぁ・・・撮影したのは最近・・でも、何と言うか、俺の感ではこの二人・・もうできているぞ」

「そんな・・・」

「見てみろよ・・この幸せそうな二人の顔を・・これは、愛し合って信頼しきっている顔だ・・・・知子、お前は旦那から完全に見限られた哀れな妻よ・・」

「うぅぅ・・・」

「悔しいだろう、悔しいわなぁ・・・・・もっとよく見てみろよ、愛し合う男女が口づけしている写真を」


蓬莱は小刻みに震える知子の手の動きを見逃さない

「ああそうだ・・お前とはこれでお別れだ、最後に俺がとっておきのジュースでもいれてやろう・・・・その写真、必要ならサービスしとくよ」

知子は蓬莱がジュースを用意している間、写真を睨みつけている

一郎の肩に頬を寄せている美恵子
そして、美恵子の肩を優しく抱いている一郎
互いに見つめ合っている
それに、キスまで・・

(どうしてなの一郎さん・・どうして私ではなく美恵子なの!)


喉が渇く・・・
蓬莱がジュースを知子の目の前に出すと
知子は何も考えずに一気に飲み干した

「気にいったようだなぁ・・・その写真・・・ああ、確かもっと撮っていたんだ、少しまってろ」


蓬莱は二間つづきの和室へ移動する
その襖は初めから少し開いていた
蓬莱は声を潜める

「お待ちどう様、教頭先生・・・・もう少しです、もう少し」

「あなた・・・何かあのジュースに?」

「ええ、ちょっとね・・・高くつきましたが、効果はその分いいようで」

「そんなことをして・・」

「大丈夫ですよ、毒ではありませんから・・それより、上手くいきそうですよ、教頭先生、この知子のエロ写真でも見て、スタンバイしていてください・・じゃ」
道明 1/23(金) 18:51:47 No.20090123185147 削除
知子はからだの異変にまだ気が付かない
少しからだが熱くなっている・・それは今見ている写真の所為と
そして、段々と気だるくなってくる


「ちょっと探すのに手間取ってしまった・・そうしたら、こんなのも出てきたよ」

それは、知子と蓬莱の三度目の旅行で
知子が軽く両手を縛られ、背後から大人の玩具で責められている写真

「写真はこれで全部と言ったじゃないですか・・・」

「ご免、ご免・・・いくらかは残して、摺りネタにと思ってね」

「約束が違うじゃないですか・・・・それも、全部もらいますよ」

「ああ、いいよ・・・・でも、よく撮れているだろう?この写真・・見ているだけで勃起してくるよ」


蓬莱は、自分のスラックスのテントを張った部分を、更に自分の手で擦る
知子は目を背けた

「それじゃ、帰ります」


立ちかけたようとした知子は、脚に力が入らずよろけそうになる
それを見た蓬莱がすかさず抱きとめ
蓬莱の手がセーターを押し上げている胸の膨らみを掴む

「おい・・・大丈夫か?」

「・・・・少し、気分が・・」

「無理もないさ・・・旦那のこんな写真を見ちゃ、ショックを受けるのも」


蓬莱の手は、セーターの上から乳房を揉み始めている
怒張がはちきれそうなジーンズのヒップに押し付けられる
そして、片方の手がジーンズ越しに太腿を擦る

「気分が治るまで・・・暫く休んでから帰るといい」


知子は既に蓬莱に何をされているのか分からないまま
顔を蓬莱の胸に預けたまま、眠りに落ちていった
道明 1/24(土) 09:10:22 No.20090124091022 削除
隣の部屋で様子を窺っていた加藤は、唾を飲み込む
蓬莱が眠りに落ちた美女の口を吸っているではないか
厳つい手がセーターの中に潜り込み、胸のあたりを動き回っている

蓬莱の視線が加藤と交差した

「教頭先生も、こちらに来て介抱してやってくださいよ・・あなたの部下でしょう?」

「な、なに・・・・・・・」

「それはそうと・・あなたには、この女を抱くには理由が必要ですね・・・私と同じように強姦という訳にはいきませんね」

「えっ?」

「こうしときましょうよ」

加藤は
蓬莱から、山本先生の様子がおかしいので迎えに来て欲しいと頼まれる
来てみると、既に蓬莱に甚振られた知子を見つけて介抱することになった
そうしたら・・

「その後は適当に、考えてください・・・・・後1時間くらいで気が付くと思いますから、上手くやってください・・・・・私は暫くは家を空けますので、あなたの思うようにやったらいい・・・ただし、教頭先生・・・お代は頂きますよ、宜しいですね・・・この女を抱くと10歳は若返りますよ、ははは・・・満足度は金額で示してくださいな」


そう言い残すと
蓬莱は知子が持参したお金を持って、さっさと家を出て行ってしまった


「うーん・・・」

知子が切なげに顎をあげ、頸を廻す
乱れたセーターを盛り上げている胸の部分が上下している


「山本先生・・先生・・・大丈夫ですか?」
加藤は知子の肩を揺すってみる

「・・・・・・」
知子は深い眠りに入っていた

山本先生・・・美しい・・・・なんて美しいんだ、この人は!
理知的で清楚で・・・それ以上に色香が漂う
どんな男も一度はこんな女と姦ってみたいと心を狂わせる
ジーンズにセーター・・こんな服装でも・・この男の一物は固くなり始めている

今、蓬莱のやつが、この口を吸っていやがった
この胸を触っていたんだ

加藤は周りを見渡した
誰もいない
加藤の唇が知子の唇にそっと触れる
加藤の手がセーターの中に潜り込む・・・そして柔らかい乳房を掴む

(蓬莱から呼ばれて来てみると、既に弄られた後の女がいる・・その介抱を?
・・・ああ!なるほど・・私が山本先生を抱いた後で介抱を・・・と言うシナリオか)

時間がない
加藤は、知子を抱きかかえると先ほどまで隠れていた部屋に運び込んだ
この男は、もうとっくに知子の上司であり分別のある教頭ではない
目の前の眠れる美女を陵辱したいだけの、年老いた獣に成り下がっていた
道明 1/25(日) 14:01:52 No.20090125140152 削除
知子は自分を誰かが呼ぶ声で次第に目覚めていく
その声は段々と大きく、そしてはっきりと聞こえてくる

「山本先生?いらっしゃるのですか?」
教頭の加藤の声だ

(何故?教頭先生が・・・・・確か私は・・・)


「ああ・・嫌ぁ!」

知子は自分の手足が縛られていることに気づき、悲鳴をあげた
なんと、裸にされ人の字に固定されていたのである

「山本先生!そちらの部屋にいらっしゃるのですね!今、行きますから」


「ああぁぁ・・・駄目!入らないで・・」
知子の叫ぶ声と同時に、襖が勢いよく開かれた


「ど、どうしたんですか!その姿は!山本先生」

「見ないで!お願い・・・教頭先生、見ないで」

「でも・・・あなた、縛られているんじゃ
       ・・ああ・・あなた、それに・・その白濁」

「えっ?」

「な、流れた跡が・・・ほら太腿に、男の精液が!」

「そんな!」

「なんて奴だ・・私に、あなたを迎えに来いと電話してきて、あなたを犯していたなんて・・・これは犯罪だ、あなたへの復讐だろうが・・・これは、警察に知らさないと」

「警察!・・ま、待ってください、教頭先生!」

「えっ、待つ?」

「教頭先生!警察に知らせるのは待って下さい・・・それより、お願いです・・縄をほどいて、ほどいてください」


「それは警察が来てからでないと・・・そうしないと、犯罪事実の証拠が変わってしまう・・あなたが蓬莱に犯されたことを証明する証拠の写真を残さないと」

「やめて下さい、嫌です・・大勢の人にこんな姿を見られるなんて
それに、こんな姿を写真に撮られるなんて・・・私、恥ずかしい」



知子の目から涙が溢れている

「うーん・・・・その気持ちは分かりますが、私も見てしまった限りは警察に知らせる義務が・・・」

加藤は手を額に当て、考える込むように俯いた
その手の奥の加藤の目が笑っている・・・そして、口元も緩んでいる
道明 1/26(月) 22:31:25 No.20090126223125 削除
加藤は人の字に縛られた美人教師の女陰に
彼自身、十数年ぶりかと思われるほどの大量の精子を放出した
縛られて無抵抗にされた女を抱く・・こんな経験はしたことがない
まさか、二度も知子を抱けるとは・・・・それも、二度目は意識が回復した知子をだ

部下であり人妻の教師を相手に、老練な手管を駆使して思いを遂げた
白い陶磁器のような足
むっちりした太腿の間に、恥ずかしげに見え隠れする女陰
その、女の源泉から
おのが精液の白濁が流れ出る様を眺める快感
これは、女を征服した男の喜びの極致であった


「山本先生・・・これで、私も警察を呼べなくなった・・誤解しないでくださいよ、あなたの希望を叶えるには、私にも警察を呼べない理由が必要でしたまでですからね」

・・・・・・・変な理屈だ


「はぁ・・はぁ・・はぁ・・」

信頼していた教頭に強姦された知子の息はまだ荒い
なおも、加藤は理屈を捏ねる


「山本先生・・・・それにしても、しっかりと私の怒張をくわえ込んで、小気味よく締め付ける・・・・先生!私は驚きましたよ・・清楚で美人のあなたが、こんなシチュエーションがお好みだったとは・・・・・まあこれで、互いに相手の秘密を知る仲間、これからは遠慮しないで何でも甘えてください・・・・私も遠慮しませんよ」


まだ、人の字に縛られたままの知子に、再びメタボの50男の手が伸びる
男の指先が女の乳首を撥ねる・・・もう片方の手がむっちりとした太腿を擦る


「山本先生・・・それにしても、あなたの肢体は本当にすばらしい・・・こんな女性と離婚したいなどと・・・あなたのご主人の気持ちを、私は到底理解できない」

「うっ・・うん」

「先生?どうしました・・感じるんでしょう?・・もうそんなご主人なんか忘れて・・もう一度、ね・・・二回目ですから、時間をかけてゆっくりと・・ね」


身動きのとれない女の艶肌の上を、再び男の舌が這い回る
その舌が乳房から乳首そして項へと這い登ると
夫を取り戻す決意を固めていた女の目から
失意と無念の涙が溢れ出す

男が再び覆いかぶさり
ゆっくりと怒張を女陰に挿入し始める頃
何度も舌を吸われた女の口がすすり泣いた
道明 1/27(火) 20:59:11 No.20090127205911 削除
ポピュラーのムード音楽が流れる一郎の寝室
それは男女二人のデュエット曲

・・・貴方の一日が終わるときに側にいるね
何にも言わないで、優しくキスをして・・・
・・・そっと髪を撫でて、肩を抱いて側にいるね
貴方が眠るまで、優しくキスをして・・・

報われなくても、結ばれなくても
貴方は、唯一人の運命の人
・・・貴方の一日が終わるときに側に居られたら、明日なんていらない
髪を撫でて、肩を抱いて、貴方が眠るまで

この出会いに優しいキスを・・・・・これが運命なら



美恵子の膝の上で一郎が眠り
その男の髪を美恵子は愛しく、優しく撫でている

(私は・・・知子さんからこの人を奪った悪い女?妻の不始末に付け入り、夫婦の絆を切り裂き、家庭を破壊した酷い女?)


今日、一郎の長女が美恵子に言った

「お母さんをかえして・・・お父さんをとらないで」と

その幼い子の言葉が美恵子の胸をえぐる


美恵子は愛しい男の頬に細く、そして白い指を這わす
男の唇をそっと舌で愛撫する
すると、男は薄目を開け愛しい女の動きに合わせ口を開く
男の舌が女の舌と絡み合い
美恵子から甘い香りのする唾液が一郎に注がれると
それを飲み干し、再び男は安堵の眠りに就く

(私は、どんな苦労があろうともこの人と共に生きていく
・・・・もうこの人の側から離れはしない)

美恵子も、一郎の胸に頬をあて静かに眠り落ちていく・・・・
道明 1/28(水) 18:16:25 No.20090128181625 削除
季節は既に五月になっていた
一郎と知子の離婚調停は遅々として進展しない
互いの主張がぶつかり合っている

夫が言う・・・妻の不貞
このことについて、知子が真っ向から否定する
自分は被害者なんだと

妻が言う・・・夫を操る女の存在
このことについて、一郎も完全否定する
全ては自分の意思で判断していると、そして離婚が成立した後に妻にする女性だと

二人の娘の親権は、両者とも譲らない

離婚の調停は膠着状態に入り込んだ
このままだと、調停不調となり審判に移行することになる


その日、一郎は河川敷公園に早朝から散歩に出かけた
公園にはテニスコートがあり、若い男女の元気のあるプレーを眺めていた


「あれ!・・一郎君?山本一郎君じゃない」

一郎が振り向くと、阿部真一がにこやかに微笑んでいた
知子と同期の同僚の夫で、二家族一緒に旅行をしていた・・あの阿部先生だ

「しばらくです・・・阿部先生」

「どうしたの、ぼうとして?・・・テニス?やるか?」

「ええ・・・やりましょう」


この二人はスポーツマン
共に、テニスは専門ではないが腕前は相当なものだ
激しく、ラリーが続く
一郎がエースを取ったところで真一が白旗を揚げた


「一郎君は、陸上競技よりテニスのほうが良かったんじゃないか?」

「またまた・・阿部先生」


一郎は真一を兄のように慕い、真一は一郎を弟のように可愛がる
本当にうまの合う男同士である
道明 1/29(木) 18:01:52 No.20090129180152 削除
一郎と真一は木陰のベンチに腰を降ろした



「一郎君・・・知子さんと離婚の調停をしてるんだって?」

「ええ・・・・いろいろとありまして」

「ひょっとして、私が気をつけろと言ったことが切欠になったんじゃ?」

「まあ・・・・そうかも」

「すまない・・余計なことを言ってしまって」

「いえ・・・男と女の不義の事実は隠しとおせるものではないですから」



この河川敷は広い
対岸までは200メートル以上はある、一郎は遠くの対岸の景色を眺めている



「俺なぁ・・今年から知子先生と同じ学校になったんだ」

「知子の学校にですか?・・・あいつ、ちゃんと勤めてますか?」

「なーんだ、少しは心配してるんだ・・・もう、関係ないと言うかと思ったけど」

「阿部先生、それはないですよ・・・
十年以上も夫婦をやっていた相手ですから、あいつもなんとかと」

「そうか・・・その知子先生なんだが・・ちょっと・・」

「何かあるんですか?阿部先生・・・良かったら教えてください・・私は、知子と離婚するつもりで調停はしていますが、彼女は娘の母親・・彼女も幸せになって欲しいという思いでいますので」

「それなら、私が感じたことを話すが・・・怒るなよ」



真一の話はこうであった

今年の4月に知子の学校へ阿部は異動した
知子も休職から復帰して来た
清楚で誠実な雰囲気で人気のあった知子だったが・・
服装が少し派手になり、化粧もきつく・・・妖艶な女性に変身していると言うのだ
よく知子を知る、阿部ですら、その魅力に目が向いてしまうほどに

その知子に阿部の大学の先輩である加藤教頭がべったりと付き纏っている
どうも、その加藤教頭が知子にスキンシップだといって身体を触っているらしい
さらに、知子を加藤教頭がホテルに連れ込むところを同僚教師が見たと言う
阿部は、あの厳格な加藤教頭と清楚な知子の変身が理解できないと・・・



「なんですって・・知子のやつ、性懲りもなく再び淫乱女に」

「淫乱女?・・・・一郎君、それはちょっと酷いよ」

「阿部先生、知子はそんな女だったんですよ・・・それで、私は離婚を」

「一郎君、それは君の思い込みが過ぎる・・・私は、知子先生は悪女ではないと思っているよ・・・・時々みせる辛そうな表情や切ない雰囲気は、何か事情があるのではないかと思うんだ・・・・どうだい、一郎君!知子先生を助け出してやらないかい?」

「知子を助ける?」

「ああ、そうだ・・・彼女は助けを待っているんだ!きっとね」

「待っている?」

「今、助けてやらないと・・・知子先生、本当に駄目になって、壊れてしまうぞ」

「そ、それは・・・」



一郎の心に、真一の言った「知子が壊れる」の言葉が重く圧し掛かる

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