洋子 4/17(木) 15:23:40 No.20080417152340 削除
主人が座っている私の膝元ににじり寄ってくれます、傷口の絆創膏を剥がしてくれます。
傷口から新しい血が流れ出てきます。主人はその血を吸い取ってくれるのです。
私の太腿に頬を寄せて傷を舐めてくれるのです。太腿に主人の髭がチクチクと心地良い
のです。
これで許してもらったとは思いません。でも嬉しいのです、自然と涙が出てきます。
今までの涙とは違います、暖かい涙が主人の首筋に零れ落ちます。
「有難う、貴方」
抱きしめて欲しい、でも抱いてはくれません。
「今日はこれで帰る。明日の朝また来る」
じっと私の顔を見つめて、そう言って帰って行きました。明日の朝また来ると言って
くれたのです。
明くる朝、5時に起きます。朝ご飯の用意をします。昨日炊いたご飯があります。
でもそれは昨日までの物です。パンを買いに行こうと思いました。近くに6時開店の
パン屋さんがあります。そこまで自転車でパンを買いに行きます。家に帰ると主人が
水遣りをしてくれています。この3日ほど私は水遣りを忘れていました。大好きな
クリスマスローズに水遣りをしてくれていたのです。
「貴方、水遣りして頂いてるのですか」
「ああ、俺も水遣りが大事だと解った、花にも、女にも男にもな」
この日から主人はアパートを引き払い、この家で一緒に暮らしてくれます。
許すと言う言葉は言ってくれません、でも幸せです。この幸せを何があっても壊しません。
その後、間もなく佐伯が大阪に赴任しました。主人と私の心に影として残るでしょうが、
現実としてもう影響を受ける事はありません。
松下さんがご結婚を理由にお辞めになります、私は主人の会社に勤めだします。
松下さんは私が不倫した事をご存知です。ご結婚はお目出度い事です、でも私の為に
席を用意してくれたのです、いつも主人と一緒に居なさいとお辞めになってくれたのです。
私は周り人の気持で生かされているのだと思いました。
以前のような普通の夫婦の生活が始まりました。朝10時から夕方4時までが私の勤務時間です。
朝ご飯を作り、主人を見送った後会社に向います。帰りにスーパーに寄り、晩ご飯の
用意をして主人を迎えます。どこにでもある、ごく普通の夫婦生活です。
主人はいつもの様に優しく私に接してくれます。でも私の仕草に女を感じた時、主人の
表情が曇ります。佐伯との事を思い出しているのだと思います。私に女を感じてくれなく
ても十分幸せです。でも主人の気持を思うととても辛いのです。どう償っていけば良い
のか解りません。
夜も以前より多く抱いてくれます、色々試してもくれます。私の感じ方も以前より強く
大きくなっています。主人にそれをしてもらっていると思うと至福感に包まれます、これ
以上の幸せは無いと思います。でも主人が最後までいくのは3度に1度もありません、最後
までいく時はお酒を飲んでいる時です。
時々、「お前は佐伯に変えられてしまったな、この体はやっぱり佐伯のものなんだ、
佐伯と一緒になったらどうだ」
と言われます。
以前はこんな嫌味な事が言える主人ではなかったのです。主人には話していない事が
ありました。面と向っては話せません。主人が何とか私を信じようとしてくれているのは
解っていました。でも私の口が出ると全て嘘になってしまうと思ったのです。
サイトを検索しました、同じ様な方がいらっしゃるかも知れない、その方達の経験を
見る事が出来るかも知れない、そんな思いで検索しました。妻物語に行き着きました。
BBS4よりもBBS1に目が行きました。不倫した女の方の気持より、不倫された男の方の
気持を知りたかったのです。
BBS1の新しい更新のものから見てみました。直ぐに水遣りを見つけました。1を読んで
これは私達の事かも知れないと思いました、2を読んでそれは確信に変わりました。
酷い、私達の事をこんな場所に晒して、圭一さんは何て酷いだんと、最初は思いました。
でも最後まで読みました。ショックでした。佐伯とのSEX描写がショックでした、佐伯の
ザーメンでの私のオナニー描写がショックでした。でもその時の私の気持が恥かしい
くらいありのままに書かれていました。オナニーのシーンはもっとショックでした。この
オナニーを主人に見られていたのは自殺未遂する前に知っていました。でも水遣りで読んで
みて本当に私は酷い事をしていたのだと改めて知らされました。主人がどんなに悩んで
いたか改めて解りました。
皆様のご感想欄も読みました。主人は私に言えない事を皆様に言い、聞かれない事を聞かれ
それでも答えていました。時には私を守ってくれていました。水遣りと皆様のご感想を
読んでいくうちに、私はこんなにも愛されていたんだ、主人はこんなにも辛い思いを
していたのだと改めて知らされました。
私も決心しました。主人に言えない事はここに書かせて頂こうと。主人に相談しました。
反対されました、もうお前を晒したくないと。でも主人に言えない事も全て書くからと
お願いして、納得してもらいました。その代りにと条件を出されました、ご感想を頂いた
皆様に出来るだけお返事しなさいと。本編よりも皆様へのお返事で見えてくるものある
と言われました。
沢山の方から色々なご感想、ご意見を頂きました。私の事を本当に考えて下さっていました。
でもお返事を書くのが苦しくなってきました。余りにも核心を突いたご質問、優しくて
涙が出そうなご感想、私はお返事が出来なくなりました。途中主人が私に代わってお返事
をしてくれました、そしてここまで来ることが出来ました。
最後まで書けて良かったと思います。ここまで来る途中、自分の気持が少し変わったよう
な気がします。主人の私を見る目も変わってきたように思います。まだまだ乗り越えて
行かなければならない山が沢山あると思います。でももう大丈夫です。何があっても
主人について行けます。
今では、主人は抱きしめてくれます、私の目を見つめて口づけもしてくれます、まるで
少年と少女のような口づけです。「許す」「愛している」はまだ言ってくれません。
でも解ります、許してくれなくても、愛してくれている、主人の顔がそう言ってくれて
います。
『洋子、良かったわね、圭一さんのお傍で暮らせるのね。償いは考えた?』
『うん、嬉しいわ。償いはまだ解らない。でも圭一さんの好きな女になるの』
どうしたら償えるのかまだ解りません。でも素直な女になります。賢い妻にもなりたいの
です、でもそんな事より主人に素直な女になりたいのです。
私に与えられた主人の罰、恥ずかしくて書けません。主人に感想欄で書いてくれるよう
お願いしました。
皆様有難う御座いました。
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