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北原夏美 四十路 初裏無修正

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WA 11/19(水) 16:48:34 No.20081119164834 削除
「タクシーを呼んである、それで帰ろう」
「はい、有難う御座います」
「僕も一緒に乗っていいかな」
「えっ、でも方向が違います」
「兄が茨城の守谷に住んでいる、今日は気分がいい。
久しぶりに会って酒を飲みたくなった」
「でも、悪いです」
「そんな事はない、ご主人のアパートのある町とは利根川を
挟んですぐだ、車だからわけはない」
「恐縮します、お言葉に甘えさせて頂きます」

本当はもう少し常務さんと一緒に居たかったのです。

料亭の待合室でタクシーを待っています。

「ネックレスとブレスレット着けてくれたんだね。
良く似合っている、とても綺麗だ」

そっとネックレスに触れました。その手は少し下がって、ほんの数秒、
乳首にも触れたのです。間違っての事だと思いました。私は何も
言えません。只、顔が赤く染まり、乳首が硬くなるのが解りました。
それを悟られるのが嫌で黙って俯いていました。タクシーが来ました。
常務さんが先に乗り、私が続きます。

暫く二人は無言です。お酒を頂き、気持も高揚して、車の心地良い揺れ
も手伝ってリラックスしています、それに常務さんが横にいるのです。

「君を初めて見た時、びっくりした。僕の描いていた理想の女性だった。
おまけに中国語に堪能で、僕を助けてくれた。
君を忘れられなくなってしまった」

そう言ってネックレスとブレスレットを優しく手に包んで撫ぜています。

「それに君はこれを着けて来てくれた」

常務さんの言葉は女心を擽るのです。そこには次を期待している女が
いるのです。アパートに帰っても主人は居ないのです。常務さんのそんな
言葉は私の寂しさを埋めてくれるのです。

ネックレスを触っていた手が下りてきます。ワンピースの上から優しく
触れるでもなく、触れないのでもなく乳房の上で遊んでいます。時々、
乳首が布を通して、手の温もりを感じます。布でさわさわと擦られる
のです。乳首が硬く尖ってきます。常務さんに解ってもいいと思って
しまいます、いいえ解って欲しいのです。

「常務さん、いけません。お止めになって下さい」

常務さんの手を払いのけようとしました。でも形だけの抵抗です、
力はありません。

主人の顔が浮びました。でも主人も他の女の人を抱いている、
そんな思いが常務さんの手を受け入れてしまったのです。
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WA 11/19(水) 16:45:49 No.20081119164549 削除
次の週の月曜日、出社しますと所長に呼ばれました。

「明日、中国のお客さんがこちらにお見えになる。よろしく頼む」
「えっ、又私にですか」
「ああ、この間急病で倒れた方はもう60間際のお年だ。
この機会に早期退職された。君に負担を掛けるが宜しく頼む」

暫くして、常務さんからも電話を頂きます。

「明日は初めてのバイヤーさんだ、夜の会食は東京になるが、
頑張って欲しい」
「はい、解りました」

明日は東京です。会食になれば夜遅くなります、久しぶりに主人の
アパートに泊まろうと思います、主人と夜を一緒に過ごせると思うと
気持ちが弾みます。

「かおるです。明日、東京で中国のお客様の接待なの。
明日の夜、泊まります。明くる日は午前中お休みを頂いたの。
久しぶりに朝御飯作ってあげるわ」
「そうか、それは嬉しいが、今日から大阪に2泊の出張なんだ。
僕は居ないが、泊まっていってくれ」

主人は居ない、気持ちが空回りしてしまいます。

当日、バイヤーさんは先ず茨城の事業所に工場見学にお見えになります。
東京への移動は夕方です。

新しいバイヤーさんの始めてのご訪問です。身だしなみにも気をつけ
なければいけません。アースカラーのワンピースにブラウンの細いベルト
を腰に巻きます。主人に買ってもらったミディアムのトレンチコート
を羽織ります。アクセサリーは常務さんに頂いたネックレスとブレスレット
を身につけます。今までつけた事がなかったイヤリングもつけました。
ドレッサーの鏡に映った自分を見ていると、主人にも見せたかったと
言う気持ちになるのです。

出社すると、男性社員の方が冗談めかして声を掛けてくれます。

「江村さんて、凄い美人なんですね。いつもジーパン姿しか
見ていないから。いや失礼ジーパンも格好いいんだが、
正装すると見違えるね。若い頃の黒田福美にそっくりだ」

そんな言葉に私の気持も少しですが晴れてくるのです。

バイヤーがお見えになります。常務さんは来ていません。

「山下常務は東京での会食から合流する予定ですが、来られるか
どうか今は解りません」

本社の若い営業の方と二人でバイヤーさんをご案内、ご説明をします。
4時ごろにそれも済み車で東京へ向います。車の中で思ったのです。
折角、常務さんに頂いたネックレスとブレスレットつけたのに、
つけたところを見て欲しかった、夜の会食には来て欲しい。知らず知らず
に常務さんを待ち焦がれている女がいるのです。

6時過ぎ料亭に着きます。お料理が出てくるまで少し時間が掛かります。
でももう食前酒がテーブルに並びます。その数は5つです。バイヤーの
お二人、営業の男の方、私ともう一つは常務さんのものに違いありません。
早く常務さんに来て欲しい。食前酒が並ぶと同時に常務さんが見えられ
ました。

「会議が長引き遅れて申し訳ありません」

常務さんは、バイヤーさんに深々と頭を下げて遅れたお詫びをするのです。
私の方には一瞥もくれません。何か、ネックレスとブレスレットが
気恥ずかしくなってしまいます。

食事の席では、やはり今後の取引の事がメインになってしまいます。
工場見学と商品紹介に満足した事、今度、中国に来る時は是非私に
来るようにとお誘いがありました。バイヤーさんは満足して帰られました、
営業さんがホテルまでお送りします。常務さんと二人きりになりました。

常務さんは今日、初めて私に声を掛けてくれます。

「良かった、成功だ。又君に助けられた」

と大袈裟に仰ってくれるのです。
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WA 11/18(火) 21:07:42 No.20081118210742 削除
地元に戻るともう5時を回っています。そのまま家に帰ります。

アパートに帰り、ドレッサーの前に座ります。ネックレスとブレスレット
をつけてみたのです。とても素敵でうっとりと眺めてしまいました。

2日後はお給料日です。明細をみて驚きました、額が2倍程になっている
のです。間違いだと思い、所長さんにお聞きします。

「あのー、お給料の事ですが、何か計算違いがあると思います」
「いや、間違いではない。この会社は能力に支払っている。
江村さんの働きがそれだけ評価されているし、
期待もされているのだと思う」
「でも、私こんなに頂けません」
「私に言われてもね、本社が決めている事だから。
まあ嬉しい事だからいいじゃないか」

何か割り切れない気持のまま6時頃帰宅しました。携帯に着信があります、
常務さんからです。

「江村です」
「山下だ。携帯で初めてだな、携帯が通じるか試してみた」
「まっ、変な人。通じました、おめでとう御座います」
「はは、おめでとうは良かったな」
「常務さん、今お話していいですか」
「何なりと」
「今日10月分のお給料の明細を頂きました。
お給料が2倍に増えていました」
「それは人事部の決定だよ。君の働きと、これからも
中国からのお客さんの通訳をしてもらう事もある。
当然の決定だよ」
「でも回りの人に悪いです」
「そんな事はない。当社の能力主義は誰でも知っている。
変に思う人は誰もいないだろう」
「解りました。有難う御座います」

自分で意識しなくても、中国からお客さんが来た時には常務さんの指示
に従わなければならないと言う気持が芽生えてきたのです。

その日、主人に電話で話します。

「貴方、私のお給料、2倍になっちゃた」
「どうして」
「この間、お話した中国の方の通訳で認めて頂いたの」
「それにしも2倍とはな」
「能力主義なんですって、その代り中国の方が来た時には
任せるから頑張るようにって」
「君も頑張らなければいけないな」

ネックレスとブレスレットの事は言えません。
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WA 11/18(火) 21:04:17 No.20081118210417 削除
嫌味のない強引さです。結局、常務さんの後について行きました。

案内されたレストランは高級感がありますが、カジュアルな感じで安心
しました。一般のテーブル席ではなく、個室に案内されます、個室と
言ってもドアーは無く、開放的なお部屋です。二人きりで隔離されている
訳ではなく、緊張感も解けます。常務さんのお心遣いが伝わってきます。

「昨日は本当にどうなる事かと思った。君が居て本当に助かった」
「久しぶりに中国の方とお話したものですから、あれで良かったのか
心配でした」
「いや、見事だった。ところで江村さんはパートさんだったね」
「はい」
「中国語は何処で覚えたんだね」

私の出身と経歴をお話します。

「それは勿体無い。本社で正社員として働くは気はないかね。
君だったら、人事部も異論はないだろう」
「いえ、私は事業所のパートで十分です。それにもう東京まで
通うつもりはありません」
「そうか、残念だが、諦めるか。しかし君の能力をこのまま
埋もれさせてしまうには余りにも惜しい。江村さん、どうかな
中国のお客さんが来た時には、是非通訳として、いや渉外を
任せたいのだが」
「私にそんな能力は無いと思います。でも何かあれば、お手伝いは
させて頂きます」

何かあった時にと携帯の番号を交換しました。仕事のお話の流れで
自然とそうなってしまったのです。不自然さは感じなかったのです。

男の方と二人きりで食事をしたのは、結婚して以来ありません、何か
ドキドキしながらお食事を頂きました。常務は上司とその部下として
接してくださいます。食事の時間は1時間余り、久しぶりにわくわく
した気分で過ごせました。

「ご馳走様でした」
「結構旨いだろう。僕も楽しい時間を過ごせた。
一度会社に戻ろう、君に渡したいものがある」
「はい」

役員室に戻り、綺麗に包装された小さな箱を手渡されます。包装紙には
アクセサリーで有名なブランドが書いてありました。

「これは何ですか」
「今日、午前中時間があったから銀座に行ってきた。
君の好みかどうか解らないが、似合うと思う。
開けてごらん」

開けて見ました。そこには女性なら誰でも憧れるブランドのネックレスと
ブレスレットが入っていたのです。

「こんな高価なもの頂けません」
「君の昨日の働きの何万分の一のものだ、いや将来の事を考えると
何十万分の一かも知れない。会社からの報償として受け取ってくれないか」
「でも・・・・・」
「受け取ってくれないと、僕が会社から叱られる」
「はい、解りました、頂きます。有難う御座います」
「良かった。今日はこのまま直帰していいんじゃないかな。
所長には電話しておこう」
「はい、今日は有難う御座いました。お食事とっても美味しかったです」
「僕の方こそ楽しかった」
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WA 11/18(火) 13:32:33 No.20081118133233 削除
明くる日、出社すると所長に呼ばれます。

「江村さん、昨日はご苦労様、山下常務も大変喜ばれていた。
よくぞ江村さんを採用してくれたと私も褒められた」
「まあ、嬉しいです。でもそんなに言って頂いて、私は
只言われるままに通訳しただけです」
「そんな事はない、商品もよく知っている。
ところで常務がお礼をしたいそうだ、本社で
お待ちになっている。急で悪いが本社に行ってくれないか」
「えっ、今からですか?でもここの仕事が」
「こっちは大丈夫だから行って来なさい」
「はい、解りました」

ドキドキしながら本社へと向かいました。大きな商社に勤めた事はあって
も役員さんとは話した事もありません。今の会社も総勢で500人くらい
とは言え東証二部上場を目指しています。本社に向かう途中、私は後悔
しだしました。いつもの通勤着のまま飛び出したのです。下はぴったり
としたジーパン、上は白いカシミヤのV-ネックのセーターです。家に
一旦帰って着替えてくるべきだと思ったのです。でも今はもう時間
がありません。

役員室の前で立ち竦んでしまいます。自分の姿を役員室の前の硝子に
映したら、とても入れる格好ではありません。でも仕方ありません、
ドアーをノックします。

「どうぞ」

山下常務の声が聞こえます。

思い切って入ります。

「よく来てくれました」
「あのー、済みません、こんな格好で」
「いや、僕の方が悪かった。急に呼び出して、
かえって、恥ずかしい思いをさせて申し訳ない」
「そう仰って頂くと私も気分が楽になります。
でもこんな格好で伺って申し訳ありません」
「いや、とても素敵だ。ジーパンにセーターか。
君に良く似合っている」

そう言って山下常務は私の頭の先から爪先までじっと見入っていました。

「いや失礼、君があまり綺麗だから見とれてしまったよ」

お世辞でもそう言って頂くと悪い気はしません。幾つになっても男の方
から褒められると女は嬉しいものです。

「履歴書も見させてもらったが、特技に何も書いていなかった。
どうして中国語を書かなかったんだね」
「募集している内容に関係がなかったものですから」
「奥ゆかしい人なんだね。ところで薫子は、かおるこって言うんだね」
「はい、でもみんなには、かおるって呼ばれます」
「おっと、もう12時か、近くに旨いイタリアンを予約してある。
さあー行こう」
「でも私、こんな格好ですから」
「大丈夫だ。そんな事を気にする店じゃない」
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WA 11/18(火) 13:28:06 No.20081118132806 削除
その夜、アパートに帰ったのが10時頃、久しぶりに気持が高揚して
いました。主人に報告したら何と言うかしら、主人のアパートに電話
します。

数回掛けなおしました電話はコールしているだけです。携帯に電話を
して今日の話をします。

「かおる、どうした?こんな時間に携帯に電話をくれて」
「今日、こちらに中国からお客さんが来たの、通訳の方が来れなくて、
私がピンチヒッターをしたの」
「上手く行ったのか?」
「もちろん、喜んで帰られました」
「それは良かった、君も昔とった杵柄を又使えたと言う訳だ」

主人に褒められて嬉しかった。でも心にしまっていた事を思い出して
しまいます。アパートの電話に出てくれなかったのが切っ掛けでした。
まだお仕事で外で頑張っているんだと思っても、否応なしに私の心に
広がるのです。

主人と別れる半年ほど前の事です。

”いつも主人は自分の部屋で背広を脱いでお風呂に入ります。この日は
酔いすぎてその気力もないようです。服を脱がし、バスルームまで肩を
担ってあげました。脱がせた物を主人の部屋で片付けます。背広の
内ポケットに何か封筒のようなものがありました。いけないと思いながら
封筒の中を覗いてみます。メモが入っています、女の方の流れるような
文字でこう書かれていました。

『昨夜、嬉しかったです。私は貴方の女になれました。今日もお店に
来て頂いて有難う。メール読んで頂けましたでしょうか。真理子』

まさかと思いました、主人が浮気をしている、信じられません。主人の
携帯も背広の内ポケットに入っています。携帯を見ようか見まいか、
誘惑に駆られます。震える手で受信ボックスを開けました。真理子と
言う女性の着信メールを読みました。そこには彼女の今までの主人への
思い、昨夜の出来事が綴られていました。私はそのショックに打ち
のめされながらもそのメールを私の携帯に転送しました。もしやと
思い主人が出したメールも見てみます。只一言返信していました、
明日は店に行く
からと。

気を取り直して、リビングに行きました。コーヒーを飲んでも味が
しないのです。主人は仕事柄、クラブにはよく行きます。その殆どが
接待です。主人は女の方にもてる方だと思います。銀座のクラブに
足繁く通っていれば、男と女の浮いた話の一つや二つあっても、
それはそれで仕方が無いと思っていました。でも現実にそれが起きて
しまうと私の心が受け入れてくれないのです。年に数回のそれもごく
淡白な私達の行為、悔しくなってしまうのです。それに主人はもう私の
事を女だとは見てくれていない、そう言う思いが私の心を占めて
しまいます。このまま年をとったその時には私は主人に見放されて
しまうのでしょうか。女はそこまで考えてしまうのです。

茫然としてリビングのソファーに座っていますと、自然と涙が出てきます。
バスルームのドアーの開く音がします。私は急いで涙を拭いました。

「かおる、酔っ払って悪かったな。悪いが先に寝る」

酷く酔っているからでしょうか、私の悲しみに気がついてくれないの
です。私はリビングに一人取り残されてしまいました。”

東京と茨城に別れて住む時に主人は自分のアパートには来るなと言った
のです。ひょっとしたら真理子さんと言う方が主人のアパートに来るの
ではと思ってしまうのです。
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WA 11/17(月) 16:03:47 No.20081117160347 削除
山下常務は私の方を向いてびっくりされた様な顔をしていました。

『どうして、こんな現場に中国語を話せる女性が居るんだ?』

そんな顔をしていました。

その後、2時間程、中国の3人の方、劉さん、商さん、洪さんと山下常務、
営業さんと技術的なお話、商談の通訳を務めます。

「江村さんと言ったかな、今日は有難う。助かった、
君が居なければ、この商談もどうなっていたか解らなかった」

江村は私の旧姓です。

「いいえ、私は只、通訳のお手伝いをしただけです」
「申し訳ないが、今夜の会食に付き合ってくれないか?
何しろ言葉が解らない」
「お断り出来そうもありませんね、解りました。
ご一緒致します。只場所はどちらですか?」
「赤坂だが、君の住まいは?」
「この近くです。赤坂は少し辛いですわ」

結局、私の我侭を聞いて頂き、この近辺のターミナル駅の近くのステーキ
ハウスをご紹介しました。この町で一番のお店だと聞いていました。

「常務さん、このステーキハウスでいいですか?」
「解った、君に任せよう」

会食が終わり、劉さんが山下常務に話します。

「山下さん、貴方も人が悪い。こんなサプライズを用意しているなんて、
貴方は本当に商売人だ。美人の通訳に旨い飯、これでは取引を増やさざる
を得ない」

さすがにこの言葉は通訳し辛かったのですが、日常会話は山下常務も
お解りになった様です。

「いや、これはハプニングです」
「こんなハプニングならいつでもOKです。
日本へ来る回数を増やしたくなった」

山下常務は、営業さんと一緒に劉さん達を東京までお送りし、そのまま
お帰りになりました。

「江村さん、今日は本当に助かった。江村さんのお陰だ。
このお礼はさせて頂く」

山下常務はこの当時50才、浅黒く引き締まった顔に微笑みを浮べて言って
下さいました。
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WA 11/17(月) 16:01:33 No.20081117160133 削除
考えるとは言ったものの、何を考えていいのか闇の中です。妻との事
は別れるのか、それとも、このまま一緒に暮らすのか、この点だけ
でしょう。私が一緒に暮らしたいと思っても、バレテしまった妻は
男の下に走るかも知れません。敢えて引き止めるつもりはありません、
引き止めてまで一緒に暮らそうなどとは思いません。私のこれから
取る道は男を潰す、ただその一点です。それには男の事を知る必要
があります。明日一番で興信所に男の身辺調査を頼むつもりです。
妻とはその後話す事にします。

------------------

私の恐れていた事が現実となりました。やはり主人は気がついたのです、
いつかこんな日が来ると思っていました。止めなければ、止めなければと
思っていたのです。主人と一緒に住み始めて、この機会にはと思って
いました。主人に打ち明けて主人の裁断を待とうと思っていたのです。
それがずるずるとこんな事になってしまいました。主人を愛していたのに、
いいえ今でも愛しているのに。

主人と別れ、私は茨城の県庁所在地にアパートを借り一人暮らしを
始めます。主人が破産した時に私の車も手放して、今は自転車が私の
移動手段です。私の職場はその自転車で20分くらいの所にあります。
私の身分はパートです。月々のお給料だけでは私の生活を賄う事は
出来ません。主人から毎月幾ばくかの仕送りを頂いていました。主人は
2ヶ月に一度か二度私のアパートを尋ねてくれます。でも抱いてくれるのは
稀な事でした。主人が来てくれれば、それだけでも嬉しいのですが、
帰った後は寂しさがつのります、心も体も寂しいのです。貧しいなりにも
満足していました、主人と又、一緒に暮らせる日を楽しみに待っていました。
そして・・・・・

お勤めが始まって一年半程経った時の事です、大掃除をします。明くる日に
中国から大事なお客様がいらっしゃる予定で工場の視察に来るのです。当日、
中国の方が3名と、本社の営業さんと中国担当の山下取締役が3時頃、来所
されました。本社の役員の方をお見かけするのは今日が初めてです。

私は製作された商品の整理をしていました。その現場に中国の方3名と
山下常務と営業さんが来られます。でも何か騒然とした感じです。

山下常務が拙い中国語で話しています。

「劉さん、申し訳ない。自分は中国語が達者でないもので」

そんな事を話しています。私が勤めている会社は、その取引量は中国との
お仕事が半分くらい占めています。中国語を話す方が2名居るそうです。
1名は今中国出張中で、この事業所に一緒にくる予定だったもう1名の方は
急病で来れなくなってしまったそうです。山下さんはご自分の話力でも
何とかなると思ったようですが、微妙なニュアンスが伝わらないのです。

私は外国語大学で中国語を専攻していました。前の会社でも入って間もなく
中国に中国語の研鑽を兼ねて、半年程派遣されました。そんな訳で中国語は
得意です。前の会社では中国の方との商談には必ず同席させられました。
中国語をお話になる男性の社員は大勢いらっしゃったのですが、女性の方が
場が和み、商談が上手くいくケースが多かったのです。この会社で私は主人
の部下として働いていました、私達夫婦は所謂職場結婚です。結婚して
暫く後に主人は独立したのです。

山下常務にお声を掛けようか迷っていました。山下常務は汗を掻き掻き
本当に困ってらっしゃる様でお声を掛けました。
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WA 11/14(金) 17:48:13 No.20081114174813 削除
俺に何か隠し事はないか?」
「えっ、何もありません」
「本当だな」
「はい」

直ぐに報告書を見せれば済むものを、妻を甚振りたくなるのです。

「2年半の一人暮らしは寂しかったか」
「はい、でも貴方も一人だと思うと耐えられました」
「そうか。しかしお前の体はどうだった?
お前の言うことを聞いてくれたか?」
「仰っている意味が解りません」
「疼く体をどうしていたのだと聞いているんだ。なー、かおるこさん?」
「・・・・・」

見る見る内に妻の顔が青ざめていきます。私が何を言いたいのか理解した
のです。妻の前に報告書とボイスレコーダーを放り投げます。

「お前は男にかおること呼ばれているんだな。
俺が気恥ずかしくて呼べなかった名前でな。
本当の名前でお前もさぞ嬉しかっただろう」
「・・・・・」
「返事がないな」
「・・・・・」

妻は号泣します。報告書には何が書かれているのか、見ずとも解ったの
でしょう。

「スカートを脱げ」

私は妻の陰毛が刈り揃えられているかどうか灯りの元で確認したかったの
です。

「自分では脱げないか?いつも山下に脱がしてもらっていたか?」

観念した妻はスカートを脱ぎます。そのまま突っ立っているのです。

「パンツもだ」
「脱げません」
「どうしてだ?山下には股を広げて見せていたんだろう。
来い、俺が脱がしてやる」

無理に脱がせても、妻の手は女陰を覆っています。私には絶対に見せたく
ないと体で言っているのです。手を払い、すぼめた股をこじ開けます。
灯りの下で始めてみ見る妻の女陰、申し訳程度にその上部に陰毛があります。
一緒に住みだして、刈り揃えるのは止めたのでしょうか、その周りには醜く
産毛が生え始めていました。

「自分のオマンコを良く見てみろ。それが今のお前だ」

手鏡を妻の方に放り投げます。

「今日は話をする気がしない。明日だ。
俺もどうするか考える。お前もよく考えておけ
携帯は2つともよこせ。俺が預かっておく」

そう言い残し2階の寝室に行きました。階下からは妻の号泣が聞こえてきます。
一頻り泣いた後、啜り泣きに変わったようです。
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WA 11/14(金) 17:42:52 No.20081114174252 削除
事務所で報告書を見ています。妻の浮気は紛れもない事実として
報告されています。しかし未だ信じられないのです。袋の中にある
ボイスレコーダーをパソコンに繋ぎます。いきなり二人の声が飛び込ん
できます。

「かおるこ」
「洋司さん」

何と二人は名前で呼び合っているのです。しかも私が照れくさく言え
なかったかおること妻を呼んでいます。その後声はくぐもります、
キスでもしているのでしょうか。もうこれで十分です、パソコンの接続
を解除します。二人の関係は昨日今日に始まった事ではないのが解ります。

妻は浮気に走るような女ではなかった、少なくとも私はそう信じてきました。
妻と別れてこの3年半、妻に寂しい思いをさせたのは事実です。しかし私も
寂しかった、性の欲求もありました。妻を思い他の女を抱く事もなかった。
しかし何故妻は他の男に走ってしまったのか?私への思いは私が思っている
いるほど重いものではなかったのか?他の男に走るくらいなら、どうして私
を3年半も待ったのか、どうして再婚までしたのか?勿論私に回答が見つかる
わけはありません。

家で妻の帰りを待ちます。私が帰宅したのが5時、今は7時。この2時間は永遠
の長さにも感じられました。

「ただいま」妻が帰宅しました。

私は返事をしません。

「ここへ座れ」
私が座っている向かいのソファーを指差します。

「どうかしたのですか」
「いいから座れ」

私は普段こんな物言いをした事はありません。妻も何かを察したのか神妙な
顔つきで座ります。
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WA 11/13(木) 15:25:04 No.20081113152504 削除
あくる朝、いつも通りに目が覚め、妻もいつも通りに朝食の用意を
しています。妻はいつも通りの事をしているのでしょうが、私の気持ち
が違います。報告書を見たわけではなく、今はまだ疑いの段階です。
しかし私の気持ちの中ではそれはもう疑いのない事実になっています。
妻のいつも通りの態度が白々しいのです。浮気をしたその次の朝に、
よくも日常の生活が営めるものだと思ってしまうのです。

「今日は朝飯はいい。胃の調子がおかしい」
「大丈夫ですか、お医者に行きますか」

そんな言葉さえ白々しいのです。

「いや、すぐ治るだろう」

この日は全く仕事になりません。仕事は諦めて興信所からの電話を
待ちます。1時過ぎに電話があり、興信所で話を聞きます。

「残念です。奥様は浮気をされています」
「ホテルで会っただけで浮気だと断定出来るのですか」
「我々は奥様と山下さんが会っただけで断定しているのではありません」
「我々?」
「はい、用心深い方は女と男が別行動をとる時があります。
その時の念の為です」
「それで」
「奥様は山下さんとずっとご一緒でした。楽な調査でした」
「どうして山下だと解った」
「奥様が山下常務と呼んでいました」
「そうか」
「これが報告書です。写真も貼ってあります」

妻が一人で居る写真、山下と会った場面、腕を組んでエレベーターに乗る
場面、部屋に入る場面、出てくる場面。まだまだあります。もう十分です、
後は見る気がしません。

これだけの材料を見せられても未だ信じられません。

「部屋に入っても抱き合っているとは限らない」
「ご主人、奥さんを信じたい気持ちは解りますが、会議を
する為に大の男と女が5時間も部屋に篭りますか」
「しかし」
「それから、ボイスレコーダーです」
「ボイスレコーダー?」
「部屋の中での奥さんと男の声が録音されています」
「そんな事ができるのか?」
「我々プロには簡単な事です。今お聞きになりますか?」
「いや、いい」

支払いを済ませ事務所に戻り報告書を見ます。
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WA 11/13(木) 15:22:28 No.20081113152228 削除
事務所に戻ると今日中に処理しなければならない仕事が山ほど
あります。仕事に没頭している時は妻の事も忘れられます、いや、
忘れてはいませんが、頭の片隅に追いやる事が出来ます。4時を
回り仕事も一段落します。一度妻の事を思い浮かべるともう何も
手につきません。早々に仕事を仕舞います。家に帰って妻を待つ
のは何か釈然としません、かと言って飲み屋で陰気な顔をして一杯
傾けるのも私の生に会いません。結局事務所の冷蔵庫を開け、
ビールを飲みます。

2年半も待ってくれたあの妻が浮気などする訳がない。しかし、
隠すようにしていたもう一つの携帯、一緒に住みだして気がついた
妻の代わり様。浮気を打ち消す私の心に墨のように浸み込んで
いきます。探偵さんは結果が解り次第連絡すると言ってくれましたが、
それは断りました。結果が黒であれ、白であれ明日の夕方までは
知らずにおこう、それまでは綺麗なままの妻として見ておこうと思った
のです。

探偵さんが言った言葉、浮気した妻は帰ってきて普段と違った行動
をする。普段の妻がどうだったか良く覚えていません。普段着に
着替えて居間のソファーに座ってお茶を飲んでいたような気がします。
遅く帰ってきて、風呂に直行した時もあったかも知れません。
そんな程度なのです、如何に妻を見ていなかったかを思い知らされます。

私は11時ごろ帰宅します。外灯も家の灯りも点いていません。玄関を
開けて家の中に入っても寒々としています。私が妻より早く帰宅する
ケースは今までも数多くありました。今まではこんな感じはしなかった
のです、まるでもうここには妻が居ないような気がします。妻を信じて
いる筈の私の心がそうさせているのです。

風呂に入り、居間で又酒を始めます。点けているテレビは目に
入りません。

妻は12時半頃帰ってきます。

「ただいま、遅くなりました」
「お帰り」

妻は私の顔も見ず、風呂へと向かいました。

そうか、前にも何度かこんな事があったかも知れない。泊りがけの
出張もこの2ヶ月に3度ありました。それも単なる出張では無かった
のかも知れない。

「かおる、先に寝る」

風呂場に声をかけて、私は寝る事にします。
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WA 11/12(水) 17:53:44 No.20081112175344 削除
携帯の中身を見る機会は以外に早く来ました。食事が済み、私が
風呂に入った後妻が風呂に向かいます。ひょっとしたら携帯はまだ
収納棚にあるかも知れないと、そこを探してみます。ありました。
着信メールは開封されています。最新の物を見てみます。月曜日
18:00Aホテルロビーで待つとありました。妻からの返信は了解
しましたと只それだけです。後のメールは全て削除されています。
妻のこの携帯の番号、メールアドレス、送信者の携帯番号、メール
アドレスを控えます。送信者の名前は山下常務と記されていました。

妻を問い詰めるのはまだ早いでしょう、仕事の連絡と言われれば
それまでです。今問い詰めれば、もし浮気であれば、これから警戒
するでしょう。それに私は妻を信じています。浮気である筈が無いと
思っています。しかしこの家に一緒に住みだしてこの2ヶ月の事を思い
浮かべます。最初の頃は今までの空白を取り戻すように毎晩愛し合って
いました。それが日にちが経つにつれ、その頻度も減り、その内に妻に、
今日は疲れたから、と拒否される事も増えました。12時を過ぎて帰る事
も増えましたが、仕事だから仕方がないと思っていました。

紹介が遅れましたが、妻の勤めている会社は中国を含めたアジアに小物
を輸出しています。妻が茨城で勤めていた部門は、その小物の製造事業所
だったのです。ある切っ掛けで妻の中国語の能力が認められ本社採用に
なったのです。中国からバイヤーが来た時は接待をする事もあるのです。
山下常務の名も妻からやり手の常務だと聞いた記憶があります。

「貴方、すみません、今日接待で遅くなります」
「そうか」

妻はそう言って出かけました。

浮気ではないと妻を信じていても、心にしこりが残ります。しこりを
残したまま今まで通りの生活が出来るとも思えません。妻が出勤した後、
朝一番で駅前の興信所に飛び込みます。妻の写真を渡し、会うであろう場所、
時間を伝えます。探偵さんの第一声は、これは簡単だ、これだけ材料が
揃っていれば一発だと言う事でした。簡単な調査でも纏めるのに半日はかかり、
報告書をもらえるのは火曜日の夕刻になるそうです。帰り際、探偵さんに
言われます。帰ってきた奥さんをよく見て下さい、浮気して帰れば普段と
違った行動をする筈です、風呂に直行というケースが多いようですと。
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WA 11/12(水) 17:51:03 No.20081112175103 削除
翌日は土曜日です。今は仕事も落ち着いて土曜日の半分は休み
を取っています。

「貴方、お話が」
「何だ、改まって」
「茨城でお勤めしていた会社なんですが、
来週から本社にお勤めします」
「それは前から聞いていたが、どうかしたのか」
「アルバイトではなくて、本社では正社員になるんです。
それに出張もあるかも知れないのですって」
「仕方がないな。今、君に勤めを止めろとも言えないし」

今はまだ、妻に勤めを止めさせる余裕はありません。本社は東京の
中心部にあります。ここから楽に通えます。

経理、決算等は近所の税理士さんにお願いしています、年間で30万円
くらいです。税理士さんの代わりに妻をと言う訳にはには行きません。
妻の給料を自分の家を持つ為にも当てにしなければいけないのです。

妻が本社に勤め始めて2ヶ月位経ったある日曜日、妻は近所のスーパー
に買い物に出かけました。携帯のコールが鳴っています。私の携帯の音
でも、妻の携帯の音でもありません、初めて聞くコール音です。何となく
胸騒ぎがします。コール音を頼りに探します。探している途中でコール音
が途切れます。しかしその音の方向をたどり探し当てました。何とキッチン
の上部収納棚に隠すようにありました。

どうして妻は携帯を二つ持っているのだ、しかも、どうしてこんな所に
隠さなければならないんだ。しかしこの時はまだ妻を疑う気持ちは無かった
のです。しかもこの携帯は妻の物とは限りません、誰かの物を預かっている
のかも知れないのです。携帯を見てみます、メールの着信があります。
中を見てみたい誘惑に駆られます。しかし、見る勇気がありません、
中を開いた事が妻にばれる事を恐れてしまったのです。
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WA 11/11(火) 19:22:38 No.20081111192238 削除
一度、破産した人間が再度、身を立てようとするのは並大抵では
ありません。破産する前に懇意にして頂いていたお二人から
その会社の製品の商権をそのまま頂きました。幸いな事にその
製品のユーザーさん達も、新商法で起こした私の資本金5万の会社
から買っていただく事になります。人の情けが身にしみました。
新しい会社の住所も私のアパートです。

最初の1年は土曜日も日曜日もありません。仕入れ、営業、帳簿付け、
全て私一人でこなします。薫子に会いたいと思っても、会いに行ける
のは2ヶ月に一度位です。薫子から電話も毎日あったのが、週に3度、
2度と段々頻度も減ってきます。たまに会った時も抱きたい、抱きたい
と思っていても、疲れきった体が言うことをきかないのです。
そんな時、薫子は言ってくれるのです。

『私なら平気です。体を労わって下さい。私は何時までも待ちます』
と。

その言葉を励みに2年半が経ち、借家ですが一軒家を借りる事で出来、
曲りなりにも事務所も持つ事が出来ました。そして薫子と再婚した
のです。

妻に違和感を感じたのは再婚して今の家で最初の夫婦の営みを持った
時です。この2年半の間、妻が私のアパートに来た事は確か10回位
だったと思います。これは私が来ないようにと言ったからです。
まだ町金融の影があると思ったからです。しかし一人暮らし最後の
方は妻は殆ど私のアパートを訪れなくなりました。私が妻のアパート
に行ったのは十数回、抱いたのは数回だっと思います。その時には
妻の異変には気がついていません。その時には異変は無かったのか、
それとも私の気持ちが仕事に向いていた為か、今となっては解りよう
がありません。家で妻を抱いた時に異変を感じ取ったのは、仕事の
事を忘れ、妻に集中したからだと思います。

今までは妻は受身100%の女でした。私の男根を触る事も稀でした。
それが男根に手を添え口を寄せ、最後には貴方の精が欲しいとまで
言うのです、最後は妻の口に精を放って終わりました。それと妻の
陰毛が刈り揃えられているような気がします。妻との行為では灯り
をつけません、刈り揃えられたものかどうかは手の感触だけで、
はっきりとした確信は持てません。

「かおる、久しぶりだった。随分と積極的なような気がしたが」

薫子、本当はかおること言います。しかし、私はかおること呼ぶの
が何だか照れくさく、いつもかおるで通しています。

「ずっと貴方を待っていた。いつも今みたいにしたいと思っていたの。
愛しているの、貴方を」

そうだったのかと言う思いになります。しかし陰毛の事は言い出
せません。
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WA 11/11(火) 19:09:21 No.20081111190921 削除
私、高島研二と薫子は47才と42才で2度目の結婚です。2度目と
言っても違う相手との再婚ではありません。私と薫子は一度離婚し、
又結婚したのです。再婚した後の話です。一人暮らししていた頃の
妻の回想が大きな部分を占めます。この物語の重要な要素ですので
省けません。冗長な話ですがご容赦下さい。

離婚したのは約3年半前の事です。小さいながらも、それなりの
商社を営んでいました。資金繰りが怪しくなり、銀行にも見放され、
町金融に手を出したのが始まりで、後は坂を転がるように、行き着く
ところまで行ってしまいました。まっとうな所からお借りした金は
それなりに待って頂いたり、金額を減らしてでも返済する事が出来ます。
しかし町金融にはそれが通じません。自宅の前で朝に晩に大声を出される
ようになり、このままでは妻にまで危害が及びそうに感じたのです。

幸いな事に自宅は担保に入っておらず、売却すれば町金融の債務は
返せると思っていました。ところが清算する段になって元金が3倍にも
なっている事を知らされます。自己破産し清算は出来たのですが、
町金融の嫌がらせは続きます。法的には私に何の落度はありませんが、
妻の事を考え離婚することにしたのです。

私が44才、妻、薫子が39才の時離婚しました。娘の朋子は京都の大学
付属高校の寄宿舎住まいです。娘には私達夫婦が離婚した事は知らさず
にいました。

薫子には『3年の内にはきっと君を迎えに行く』と、私は東京郊外の
千葉の北部の以前の住まいの近くにアパートを借りました。薫子は自分
の出身地、茨城の県庁所在地にやはりアパートを借り、そこで住むよう
になります。私のアパートからは100km程離れています。なにも、
そんなに遠く離れたところに借りる必要はなかったのですが、町金融の
事が頭にあり、出来るだけ遠くの場所にしたのです。それから薫子の
親元に近いと言う事もありました。

それと一番大事な要素は薫子の仕事です。自己破産した後も私は細々と
仕事を続ける事が出来ました。しかし自分の生活と娘への仕送りが精一杯
です、薫子の生活までは手が回りません。そんな時募集広告があったのです。
その会社の本社は東京ですが、製造事業所はその県庁所在地にあり、条件に
地元出身の人のみとありました。薫子はその面接に受かり、そこにアパート
を借りたのです。薫子のご両親の住いもその県庁所在地にありますが、
離婚したとは言え、ご両親に迷惑をお掛けしたくはなかったのです。
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男とは? 8/3(日) 10:44:53 No.20080803104453 削除
外房の○○まで、一番早い道を選びます。首都高を抜け、東関道で外房へ、それが
一番早い筈です。アクセルを噴かします。パトカーに捕まっても事情を話せば
解ってくれるだろう、そんな気持で急ぎます。○○についたのは4時半、春の初めの
陽はもう暮れかかっています。旅館のあった場所に急ぎました。

昔の旅館はもうありません、瀟洒なペンションが建っていました。妻が泊まっている
か聞きました。主人は渋っていましたが、免許証を見せ夫である事を確認してもらい
ます。妻は泊まっていたのです。

良かった。ほっと安堵してその場にしゃがみ込んでしまいます、安堵と共に大きな
溜息をつきました。妻は散歩に出ています。この辺りは海岸線から少し小高い崖に
なっています。突き出た小さな半島の西側に位置しています。今正に水平線に
沈もうとしている太陽が崖の端に揃っている松の間から垣間見えます。ベンチが2つ
並んでいます。その脇に白いワンピースを着た女性が佇んでいました。

「由里子」
「あっ、貴方、来てくれたのですね」
「来い」
「来てくれると思っていた、きっと来てくれると思っていました」

妻は私に倒れこむようにして抱かれます。

「許して下さい」
「許さない、一生許さない」

妻を骨の折れるほど抱きしめました。

「何を見ていた」
「来て下さい、この花です。一輪草です」

白い可憐な一輪草。一つの茎に一つの花しか咲きません、それはつがいの夫婦かも
知れません。浜風に耐えるように咲いていました。

「野村、由里子は此処に居た」
「そうか、あんたの勘が当たった訳だ。今日はそこに泊まっていけ」
「ああ、そうさせてもらう」

その夜、妻を抱いたのは言うまでもありません。窓から漏れる月明かりにもKTの文字
も見えなかったのです。

今、私達二人は日常の生活を営んでいます。しかし、私も妻も時折フラッシュバック
に襲われる事があります。それが来た時には必ず妻を抱きます。妻が本当に例の依頼書
を信じたのか今はもう聞きません。本当に信じて行動したのだと自分に言い聞かせて
います。

これからも乗り越えなければならない事が幾多あると思います。しかし時が癒して
くれるでしょう。時折、妻は私の腕枕で眠りたいと申します、妻の体温を感じて
眠っています。

長い間、読んで頂いて有難う御座いました。皆様には親身になって心配して頂きました。
本当に有難うございました。
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男とは? 8/3(日) 10:18:30 No.20080803101830 削除
「なあ、北上。昔を思い出して見ろよ。四人で此処でよく飲んだよな」
「ああ、懐かしいな」
「悪いが幸子にあんた達の事を話した」
「いや、構わない。どうせ何時か解る事だ、その方が気が楽だ」
「幸子なら、由里子さんの行方が解るかも知れない。
あの二人は何処へ行くのも一緒だった」
「いや、いい、俺が一人で探す」
「早く探せ、こんな事は言いたくないが、由里子さんの事だ、
万が一の事もある」
「解った」
「そうか、今日は飲もう、昔みたいに夜明かししよう」

野村は気のいい男です、一晩付き合ってくれます。暖かいお湯をかけられた氷の
ように心が溶けていきます。野村が家に送り届けてくれたようです、あくる朝
10時頃目が覚めました。いつもの習慣で新聞を取りに行きます。

新聞受けには、新聞の他に大きめの封筒が入っていました。メモとDVDが一枚
入っていました。

・・・津岡亜希子です。三浦がとんでもない事をして申し訳ありません。
   三浦の部屋を整理していましたら一枚のDVDが出てきました。
   このDVDを見るまでは由里子さんにも責任の一端があると思って
   いました、由里子さんに慰謝料も請求しようと思っていました。
   でもこのDVDを見ると・・・
   
文章はそこで終っています。DVDを見ます。

タイトルはありません。多分初期の物でしょう。三浦が自分の男根を妻の顔に
差し向け、咥えさせようとしています。妻は顔を背け、唇を噛んでいます。
噛んだ下唇から血が流れ出していました。もう後は見る必要はありません。

妻が持っていたDVDを見て解っていた筈です、妻はずっと耐えていたのです。私
の心がそれを封じ込んでいたのです。私は何と言う情けない男か、野村に心を
溶かされ、亜希子さんにまで由里子は悪くないと言われるまでそれを封じ込んで
いたのです。私の中の男とは何だったのでしょうか、自分で決断出来ない男とは?
自分の妻を守ってやる事さえ出来ない男とは?妻の氷の心を溶かす事が出来るのは
私しかいないのです。

妻を捜しに行こう、そう決断すると、不安な事が押し寄せてきます。野村でさえ、
万が一を心配していました。妻の事は私が一番解っています、妻が心配です。

妻が行くかも知れない所2箇所に絞ります。一つは妻にプロポーズをし、初めて
妻を抱いた場所。もう一つは野村達と四人でよく行った場所、そこには楽しい
思い出が一杯詰まっている筈です。何れも房総、一つは外房、もう一つは内房。

賭けてみます、私はプロポーズした場所に行くことにしました。途中、野村に電話
をします。

「野村、悪いが幸子さんに内房のXXに行ってもらえないか?俺は外房の○○に
行って見る」
「解った。幸子の運転じゃ心許ない、俺も一緒に行く」
「済まない」
「由里子さんの携帯に電話したのか?」
「切られている」
「泊まった旅館には電話したのか?」
「20年以上も前の事だ、今はもうない」
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男とは? 8/3(日) 10:13:57 No.20080803101357 削除
月曜日、朦朧とする頭を押さえながら本社に出社します。机の上には処理しなければ
ならない仕事が積まれています。字の列を眺めてもその内容は頭に入ってきません、
頬杖をついて思案していますと、野村が声をかけてくれます。

「北上、ちょっといいか」
「ああ」

応接に入ります。

「元気がないな、由里子さんとは上手く行きそうか?」
「いや」

野村には一応の事は報告してあります。勿論、昨日妻が出て行った事は言っては
いません。

「ABCXYZの件だがな、契約は終了させる。量販店への直販に切り替える。
しかし、暫くの期間はABCXYZにはロイヤルティーを支払う予定だ」
「それがいい。津岡社長も安心するだろう」
「由里子さんはどうしてる?」
「・・・・・」
「どうした、何かあったか?」
「・・・昨日の朝、俺が寝ている間に出て行った」
「出て行った?」
「ああ」
「由里子さんの話を聞いてあげなかったのか?
事情が事情じゃないか」
「何を聞けばいい?俺の為に大変な目に会ったな、
ご苦労さんだったと言えばいいのか?」
「そうじゃない。由里子さんはお前を守ろうとしてやった事だ」
「自分の女房がそうなっても、そんな事が言えるか?」
「いや・・・。出て行った先の心当たりはあるのか?」
「検討がつかない」
「由里子さんが見つかるまで、会社を休め。あんたの仕事は部下に
手配しておく」
「いや、そう言う訳には行かない」

野村には検討がつかないと言いましたが、妻の行きそうな所は2箇所心当たりが
ありました。しかし、逃げるようにして出て行った妻を今は捜す気になれないの
です。三浦と一応の決着がついた今は、妻の態度が気に入らないのです。何故、
逃げてしまったのだ。

仕事をそれなりにこなします。難しい数式を見ている時は妻を忘れる事が出来る
のです。もう夕方です、野村が声をかけてくれます。

「5時か、まだ早いが、ちょっと付き合え」

野村と行った所は都心部からは少し離れた古いバーです。20数年前から通い始め、
数年前までは月に2度くらいは通っていました。工場が私の住まいの近くの郊外に
新設された為、私の足は遠のいていました。ママが覚えていてくれました。ママと
言っても、もう60は過ぎているでしょうか。

「北上さん、久しぶりね。元気だった?」

私が返事しあぐねていますと、野村が助け舟を出してくれます。

「こいつが萎れているもんだから、ひっぱって来た」
「そう、元気出してね。昔は貴方達二人と由里ちゃんと幸ちゃんとよく来たわね」

幸ちゃん、幸子さんは野村の奥さんになっています。結婚前から四人でよく飲みに
来ました。懐かしさが込み上げてきました。

「ママ、北上と秘密会談がある、奥の部屋、開いてるかな?」

野村はおどけたように言ってくれます。
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男とは? 8/2(土) 14:51:00 No.20080802145100 削除
妻は頑なまでに拒むのです。脱がそうとする私の手を必死で押さえています。
構わず私は強引に脱がせます。股を割り、妻の女陰が露になりました。剃られた毛
が醜く生え出しています。擦られて赤くなった太股の付け根には未だ薄っすらと
kとTの文字が残っていました。

「許して下さい、未だ消えません」

その二つの文字を見ますと、みるみる私の物が萎えていきます、気持のやり場が
ありません。

「未だお前の気持も消えていないんだな」
「気持なんか初めからありません。文字が文字が消えないんです」

妻が三浦と使ったであろう一本のバイブを思い出しました。

「待ってろ、いい物を持ってきてやる」

バイブを見た妻は泣き叫びます。

「そんな物使わないで下さい」

そのバイブには一本の角が生えています、その角も一つの生き物のように細かく
振動するのです。抵抗する妻に構わず、膣に挿入します、角はクリを可愛がって
います。妻は反応しだします。

「三浦だと思っているんだろう、お前は」
「・・・・・」

妻は絶頂に達します。

「良かったか、三浦にしてもらえて」

萎えてしまった遣る瀬無さ、バイブを使い揚句に三浦の名前を出してしまった
意気地無さ、ベッドに横になっても眠れません。酒を浴びるほど飲み、気絶する
ように眠ります。

翌朝、目が覚めたのは11時を過ぎていました。下に降りて、リビング、台所を
見回しても妻は居ません、2階に上がり妻の寝室を覗いても居ないのです。
買い物にでも行っているのかと思いコーヒーを淹れ、ダイニングの椅子に腰を
降ろしますと、テーブルの隅に丁寧に畳んだ便箋がありました。

・・・浅はかな私を許して下さい。一言貴方に相談すれば済む事でした。
   でも私にはそれが出来なかったのです。今日こそ言おうと毎日思って
   いました。でも言えませんでした。ずるずると気がつけば刺青まで
   されてしまいました。私は汚れきってしまったのです。
   私が居れば貴方は苦しんでしまいます。そんな貴方を見ている事
   が出来ません。私は出ていきます。
   最後まで自分の事しか考えていない私を許して下さい。
   由里子・・・

妻は出て行ってしまったのです。

茫然としました、まさか妻が出て行くことはない、そう思っていました。何も手に
つきません。三浦と連絡を取り合って、三浦の後を追ったのではないか、そんな事
まで考えてしまいます。昼間から浴びるように酒を飲み、夜まで飲み続け、
そのまま寝てしまいます。
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男とは? 8/1(金) 11:15:21 No.20080801111521 削除
「ずっと申し訳ないと思っていました。でも貴方のした事だと思っていました。
悔しかった」
「あんな紙切れ一枚を本当に信じたのか?」
「はい、最初見せられた時は訳が解りませんでした」
「・・・・・」
「でも、貴方に聞いてはならない事だと思いました。
考えている内に、あの製品はいつも貴方が、どうしても成功させなければ
と仰っていたのが思い浮かびました。もしあの依頼が本当だったら、
私が断ったら大変な事になると思ってしまいました」
「そして、お前はあいつの言う事を聞いてしまった。」
「貴方には絶対に悟られてはいけないと思っていました」
「ばれたら困るのはお前達だからな」
「貴方を傷つけたくなかった。出来るだけ普段通りにしようと決心していました」
「俺を裏切っていた事に違いはない。途中で変だと思った事も
なかったのか?」
「思いました。でももう遅かった」
「ばれなければ何時までも続けるつもりだったんだろう」
「いいえ、違います。早く見つけて欲しいと思いました」
「言えば済む事だ」
「言えませんでした。3週間前に貴方に最後に抱かれた夜、これで貴方は
見つけてくれると思いました」

妻の倫理が解りません。三浦に抱かれて苦しむくらいなら、私に話せば済む事です。
勿論私は妻を責めるでしょう。しかし、それは一時的な事です、もし妻が私を愛して
いるなら、三浦の事が好きでないなら続ける方が苦しい筈です。

「お前の毛が刈られているのは何となく解った。しかしそんな事は
口に出せない。俺が鈍感で良かったな、お前達はまだ続けた」
「・・・・・」
「お前は変わっていった。三浦に変えられたんだ。以前は俺のものを
口にした事もなかった。自分からしてくれと言える女じゃなかった」

「お前は自分が変わってしまったのに気がついていたか?」
「・・・・・」
「淫乱になったのに気がついたかどうか聞いているんだ」
「ご免なさい、気がついていました。でもどうしようも無かった」

その言葉に反応して、また妻を打ってしまいます。
妻は正座して俯いています。俯いたその首筋に女の色気を感じてしまいます。

「こっちへ来い」

妻を引き寄せ口づけします。久しぶりに嗅いだ妻の匂いに、私のものも反応して
しまいます。妻を抱けるかもしれません。

「服を脱いでみろ」
「許して下さい。出来ません」
「何故だ?三浦の前では裸でポーズまでとったろうが。俺に裸を
見られるのが、そんなに嫌なのか?」
「違います。でも今は・・・」
「いいから脱げ」

妻の頬を叩きます。DVDの中の三浦と同じ事をしています、弱い女を力ずくで言う
事を聞かせようとしているのです。

後ろを向いた妻はそろそろとブラウスとスカートを脱ぎました。括れたウェスト、
張り出しだ尻、思わず私は妻に飛び掛ります。ブラを外すと乳房が飛び出てきます。
もうK、Tの文字はありません。妻が擦って消したのでしょうか?乳輪は赤く染まり、
所々血の滲んだ後がありました。

「擦ったのか?」
「消したかった、ずっと擦り続けました」

妻の乳首を親指で擦り上げ、親指と人差指で摘みます。ショーツ越しに妻の女陰を
甚振ります。どれくらい時間が経ったでしょうか。妻は喘ぎ声を洩らし、私の指
にも湿りが感じられます。私はショーツを脱がせにかかります。

「駄目、嫌です、そこは」
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男とは? 7/31(木) 11:40:06 No.20080731114006 削除
「話してみろ」
「亜希子とは上手く行っていたつもりだった」

三浦と元妻の亜希子さんとは日常の生活では可も無く、不可も無く普通の夫婦生活
を営んでいたようです。しかし意見の衝突するような事があると亜希子さんは、自分
が社長の妹である事、三浦の会社での地位も自分と結婚したからだと言葉の端々に
出すようになったのだそうです。その亜希子さんの言葉が三浦の心に沈殿していった
のです。三浦は会社でも家でも自分の居場所がなくなってしまいそうに感じてしまい
ます。大容量メモリーの量販店との交渉の時、三浦は既に自分を無くしていたのです。

そんな時、ダンス教室で妻を見かけたのです。

「奥さんは亜希子に無いものを持っていた。ダンスを習っていても
講師の言葉に素直に頷き、頬を染めながら教えを受けていた」

「俺が一度だけ話しかけた時も、恥ずかしそうに下を向いて、只一言
はい、と言っただけだった」
「あんたは何と言ったんだ」
「いや、ダンスの素質がありそうですね、習えばきっと上手くなりますよ、
と言っただけだ」

妻は人見知りが激しいのです、特に初対面の男性には、目を見て話す事が出来ません、
話す言葉もごく短く、俯きかげんに話します。

「可憐だった、俺の想像はどんどん膨らんで言った」
「その揚句、脅かしか」
「済まない、奥さんは初めは激しく抵抗した、しかし最後は喜んでくれた。
こんなに感じた事はなかったと言ってくれた」
「そんな事を言いに来たのか」
「いや違う、俺もこの年だ、もう就職する場所もない。
兄が家業を継いでいる、そこの手伝いをしようと思っている。
田舎へ帰る」

「奥さんとそうなってからも、俺は何と言う事をしたんだと反省していた。
しかし家に帰って亜希子を見ると、奥さんへの思いは増すばかりだった。
止められなかった。ばれれば会社を辞めて田舎へ帰るつもりだった。
亜希子と結婚して、俺は有頂天になってしまった、何でも出来ると
思ってしまった。しかし、都会生活は俺の生に合うものではなかった。
それがやっと解った。田舎に帰る前にお詫びをしたかった」

三浦は会社での地位、自分の家庭と由里子を天秤にかけても、由里子を選んで
しまったのです。

「三浦、お前は帰れる所があって良かったな。
お前は俺に謝ってすっきり出来て良かったな。
俺も由里子はもう元には戻れない」

「三浦、あんたは何故DVDを2種類作った、俺に寄こした物と妻に渡した物だ」
「いつかあんたが来ると思っていた。その時に、奥さんは俺の物だとあんたに
言いたかった。奥さんに渡したものは本当の記録だ、奥さんに見せて、俺の
物になる様を解らせたかった」

三浦は一枚のメモを残し立ち去りました。そのメモには、念の為にと実家の住所が
記されていました。北陸の小さな町です、そこで実家は昆布、海苔とか乾物の卸を
営んでいるのです。三浦は会社での仕事が、亜希子さんとの生活が重かったのです。
都会での生活を清算したかったのです、あわよくば由里子を道連れにしようと思った
のかも知れません。

私の気持が少し晴れるのが解ります、三浦は会社を追われ、離婚され一人になり
ました。自棄になった三浦はまた妻に近づいてくるかも知れない、そんな気持が
重かったのです。妻とはあれから真剣に話し合った事はありません。今日は話せる
かも知れない、そんな思いで家に帰りました。

「貴方、お帰りなさい」
「話がある、こっちへ来い」

私が一番聞きたかったのは、不倫していた時の妻の態度です、その態度はいつまでも
シコリとして私の心に残っています。余程性悪な女で無い限り日頃亭主と接する時に
態度に表れる筈だと思っています。妻は2ヶ月余り不倫をしていました。私が相当
鈍感なのか知れませんが、その間妻の態度に罪悪感、寂寥感を見た事がありません。

「由里子、お前、三浦に抱かれている時はどんな気持だった?」
「・・・・・」
「答えないか」
「嫌でした、怖かった」
「嫌だった?お前達は別れ際いつもキスをしていた。あれはどう言うつもりだ」
「信じてもらえかも知れませんが、強要されていました」
「全て強要されていた訳か?そんな事信じられるとでも思っているのか?
あいつに抱かれて感じなかったのか?」
「・・・・・」
「感じたかどうか、聞いているんだ」
「感じました」
「感じただと」

妻の頭を打ってしまいます。私はどんな答えの聞きたかったのでしょうか、感じ
なかったと聞かされても、嘘だと言って打っていたかも知れません。

「俺に対する気持はどうだったんだ?」
「解りません、複雑でした」
「解らないだと?複雑だと?普通申し訳ないと思うのが当たり前だろう」

妻の言葉にまた激高してしまうのです。
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男とは? 7/30(水) 16:03:51 No.20080730160351 削除
「いやー、出て行けって言わないで下さい。傍に居て償えって言って下さい」

私はそれに返事をせず、2階に上がりました。階段を上っていますと、台所からの
ものでしょうか、私の好きな魚の煮物の匂いが登ってきます。妻の不倫が発覚して
から1週間経ちますが、私が食べないのにも関らず妻は毎日食事を用意しています。

可哀そうなような気がしますが、私の胃が受け付けてくれません。シャワーを
浴びてそのまま寝る事にします。妻はどう言う思いで食事を作っているのでしょうか。
私にいつか食べてもらえる日を待ち侘びているのでしょうか。その心情を思うと
切ないものが込み上げてくるのです。

明くる土曜日、兎に角、妻の居る家に居たくありません、もう愛していないから、
憎んでいるから、いや違います。この時、私が妻をまだ愛しているのか、それとも
憎んでいるのかさえ解らなかったのです。妻の惨めな姿を見たくなかったのです。

妻に声をかける事もせず、朝早く家を出ました。映画を見てもただ画面を追っている
だけ、喫茶店で本を読んでも頁をめくっているだけでした。妻と話合ってみようと
2時頃帰宅しました。玄関前に見知らぬ車が停まっていました、小さな1リッター
の車です。

「嫌です。出て行ってください」

ドアーの向こうから妻の声が聞こえます。

「待たせてくれ、頼む」

その声は三浦のようです。

急いでドアーを開け、中を見ました。

三浦が妻の肩に手を掛け、揉みあっているようすです。私はかっとして三浦の腹に
拳を打ちます。先程の二人の言葉の遣り取りから、妻を抱こうとしていたのでは
ない事は解っていました。しかし二人の姿を見て、衝動的に殴ってしまったのです。

「お前達は」
「北上さん、違うんだ」「貴方、これは違うの」

二人が同時に言いました。

「うるさい」
「北上さん、頼む、話を聞いてくれ」

暫し私は三浦を睨んでいました。

「解った、外に出よう」

妻を残し、私と三浦は外に出て、三浦の車に乗り込みました。

「高級外車はどうした?」
「見ての通りだ。全て手放した」

近くの公園に着き、そこで三浦は土下座をするのです。

「この通りだ。許してくれ」
「許す事は出来ない。しかし終った事だ、あんたも一応の制裁は受けた」
「北上さん、俺の話を聞いてもらえないか」
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男とは? 7/30(水) 16:02:20 No.20080730160220 削除
次の日も、その次の日も、更にその次の日もずっとその繰り返しでした。妻と本音
で話し合う事など出来なかったのです。泣いている妻を見ると益々自分が惨めに
なり、その矛先は妻に向ってしまいます。叩き、蹴り、髪を引っ張り引きずって
しまいます。あのDVDを見ていなければ、口づけの写真を見ていなければここまで
惨めにならなくとも済んだかも知れません、妻を許していたかも知れません。切欠は
解っているのです、妻は私を守ろうとしていたのかも知れないのです。

津岡とは慰謝料、念書等話さなければならない事が山程あります。しかし妻を抱いた
男と思うと会う気になれず、遣り取りは電話、メールで済ませました。本来は直接
会って、憎い男を目の前にして思いの丈を吐き出さなければいけなかったのでしょう
が、それが出来なかったのです。津岡も私の要求に淡々と答えて来ただけでした。
そんな津岡に不気味さを感じてしまいます。

金曜日の事です。この日、工場勤務の私に津岡社長が尋ねてくれます。

「北上さん、本来は圭介と同道すべきだが、彼からの預かりものです」

社長は慰謝料、津岡の詫び状を私に手渡してくれます。慰謝料の金額はX百万円、
詫び状には今回の顛末を詫びる旨、今後一切妻には連絡もしない、もし違えた
場合は如何なる処罰も覚悟する旨書かれていました。

「津岡は?」
「妹の亜希子とは離婚させました。会社の方は懲戒免職です」

その厳しさに一瞬絶句してしまいました。

「これに免じてとは言わないが、刑事告訴だけは許してやって欲しい」

元々、私には刑事告訴などする気はありません、これ以上夫婦の恥を公に晒したく
ありません。

津岡社長が津岡と亜希子さんを目の前に話したところ、その経緯の酷さに亜希子さん
はその場で離婚を決めたそうです。亜希子さんは気性がきついらしく、津岡の性格
に起因するところが大いにあるのでしょうが、既に家庭内離婚の状態だったようです。
津岡は浮気を繰り返していたそうです。しかし今までは人妻を相手にするような事は
なかったようです。それが今回の事で即離婚と言う結果になったのです。

「亜希子は気性の激しい女です。三浦は、あっ、三浦は圭介の
元の姓です。彼は亜希子に頭が上がらなかったようです。亜希子は
奥さんに慰謝料を請求すると言っていましたが、これは私が
何としても止めます」
「しかし、亜希子さんは離婚までされている、妻は慰謝料を請求
されても当然だと思いますが」
「いや、切欠が切欠です。そんな事をさせる訳にはいきません」

津岡社長の人柄が偲ばれます。その後津岡社長が話してくれました。

津岡夫婦が住んでいたマンションは亜希子さん名義である事、三浦のこれからの
住まいは津岡社長が手配した貸マンションである事もその住所と共に教えてくれます。
さすがに仕事は自分で探せと言ったそうです。

社長が帰った後、詫び状をコピーしました、コピーを妻に渡すつもりです。

「詫び状のコピーと慰謝料だ。俺はこんな汚れた金は要らない。お前も
亜希子さんから慰謝料を請求されるだろう。この金を持って出て行ってくれ」

自分でも思ってもいない言葉が出てしまいました。妻の泣きそうな、縋るような
表情が私にそんな言葉を言わせてしまったのです。
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男とは? 7/29(火) 11:19:21 No.20080729111921 削除
家に帰ろうと思っても未だ4時にもなっていません。妻と何を話していいか
解らないのです、このままでは只罵るだけになってしまいそうです。かと言って
離婚を決心することも出来ません。喫茶店で、公園で時間を潰しても、何の言葉
も浮んではきません。公園のベンチに座って、若い母親が子供を遊ばせているのを
眺めています。この母親達もこの日常から離れて不倫などする事があるのかと、
漫然とその若い尻を眺めていました。その尻が妻の尻とかぶって見えるのです。

津岡の声が耳にこびり付いて離れません。

「由里子は尻を振って善がっていたぞ」

それが嘘でも本当でも大差はありません、その言葉の響きなのです。
高く掲げた尻を後ろから甚振られて果蜜を流していた妻、刺青を入れられた時に
女陰を光らせて耐えていた妻、男の腰に足を絡めて絶頂に達した妻。何にも
増して、別れ際男の首に縋りつくようにして口づけしていた妻。妻は本当に身も
心も男に預けてしまったのでしょうか。

それにしても今日の津岡の態度も気に掛かります。何かふてぶてしいまでの、
その態度。普通は社長がお詫びしろと言えば、その気がなくとも、形だけでも
土下座の真似をする筈です。あれでは社長の心象を悪くしてしまい、その処分も
きついものになるでしょう。津岡の真意が解りません、妻と何か言い交わした
事でもあるのかも知れません。私の想像は悪い方へ悪い方へと膨らんで行くのです。

もう8時、4時間も時間を潰していた事になります。ここで考えていても始まらない、
妻を見て出た言葉が自分の気持だと言い聞かせ、家へ向いました。

「お帰りなさい」
「ああ」
「お昼過ぎ、会社に電話しました。もうお帰りになりましたって」
「何で会社に電話する。携帯があるだろうが」
「済みません。何だか貴方が遠くへ行ってしまいそうで」
「詰まらん事で一々電話するな。俺を見張っているのか?
大事な津岡を潰されたら堪らないだろうからな、お前は」
「あの人は大事な人なんかじゃありません。私には方法がなかった」
「だから何故俺に相談しなかった。何度も言わすな」
「本当に貴方には聞けなかった。どうしたらいいか解らなかった」
「その揚句お前は津岡に抱かれてしまった。それも善がってな。
もう一度DVDを見てみるか」
「いやー、もう言わないで」
「好きな津岡に可愛がってもらっているところを見るとお前も興奮するだろう」

妻は俯いたまま小さな声で言いました。

「好きではありません。私には貴方しかいません」

妻のどんな言葉も私を癒してはくれません。どんな言葉を聞きたいのか解りません。

「愛しているのは貴方だけです」「一生お傍に居て償っていきます」
「どんな罰でもお受けします」「別れるなんて絶対に言わないで下さい」

そんな言葉を欲しいのかも知れません。
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男とは? 7/29(火) 11:15:38 No.20080729111538 削除
「あの圭介が。文書を偽造して、脅迫紛いの事までして。
何と言う事をしたんだ」

暫くの沈黙の後、社長は正座して頭を床に擦り付けるように土下座をします。

「北上さん、この通りだ。許してくれ」
「社長、貴方に謝って頂こうとは思っていない。
頭を上げて下さい」
「私の気が済まない、私で良ければ存分に殴ってくれ」
「いや、それは出来ない」
「圭介の処遇は私に任せてもらえないか、あんな偽文書まで
作っている。社長としての管理責任もある。社長として会社と
して責任持って対処する。それに慰謝料の方も考えさせてくれないか。
申し訳ない、慰謝料などと言う言葉を使って」
「彼の処遇はお任せします。しかし慰謝料は私と彼の問題だ。
私の方で話をつけます」
「解った。圭介を呼ぼう」

社長が内線で津岡を呼び出します。津岡は私が訪問している事を未だ知りません。
応接室に入った津岡は私を見て呆然と立ち尽くしています。その第一声は、

「北上さん、あんたは個人的な問題を会社に持ち込むのか」
「津岡、何を言っているのだ。嘘ででっち上げた会社の事を
出したのはお前の方だろう。あの書類がなければこんな事はしない」

私がそう言うが早いか、津岡社長は

「馬鹿、お前は何を言っているのか解っているのか。
先ずはお詫びするのが、当り前だろう」

と津岡の頬を思い切り叩きます。

「見下げ果てたヤツだ、お前は。そんな男じゃないと思っていたぞ」

津岡は渋々、頭を下げ一言、申し訳ないと言いました。

「それがお前の謝り方か。済まない、北上さん、この通りだ」

津岡社長は再度、土下座をして詫びてくれます。

「社長、もう結構です。彼は席を外させてください」

津岡は部屋を出ざまに言うのです。

「由里子は初めはいやいやだった、しかし最後はいつも尻を振って
善がっていたぞ」
「この野郎、人の女房を呼び捨てにしやがって。
それがここで言う言葉か」

さすがに私も切れました。津岡の顔に腹に拳をみまいます。

その後、社長とは代理店の話をします。市場の動向、大量販売店の意向、
織り交ぜて話します。

「こう言う時期が来るとは思っていた。只、何らかの緩やかな終結を
考えて頂きたい」
「勿論です」

代理店のその後の事は社長と営業部に任せる事にします。私の本題は別に
あります。妻との事を考えなければいけません、仕事の方が楽なのです。
頭と心が痛みます。
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男とは? 7/28(月) 12:33:21 No.20080728123321 削除
「妻が津岡と不倫している」
「まさか、お前の勘違いだろう?」

報告書、例のご依頼所を前に、深くは話しませんが事の経緯を話します。

「信じられない。あの由里子さんが」
「あぁー、俺も今だに信じられない」

野村はご依頼書をまじまじと見つめています。

「由里子さんは、お前と、お前の製品と、ひいては会社を守ろう
としたんだよ」
「そうかも知れない、しかし俺に相談してくれれば良かった」
「由里子さんの性格からして、そんな相談をお前に出来なかったのだろう。
由里子さん一人で被ったんだよ」
「簡単に言うな、そんな綺麗事じゃない」
「そうだな」

「なあー野村、ABCXYZとの取引は俺に幕引きをさせてくれないか?」
「・・・・・」

野村は暫し考え込んでいます。

「ABCXYZだけではなく、他の代理店との事も考え直さなければいけない
所へ来ている。これだけ最終価格が下がれば量販店との直接取引も
視野に入れなければならない」
「ああ」
「解った。ABCXYZはお前に任そう。山下には社長預かりと言う事に
しておこう」
「悪いが頼む」

仕事に私情を挟むのは禁物です。しかし今回は特例中の特例だと自分の気持を
納得させました。

「野村、お前には全て報告する。今日はこれで帰る、あいつと会う積もりだ」

と言ったものの、津岡に伝えてあるわけでもなく、これからの行動を考えて
いました。こんな時自分が直情型の人間だったどんなにか気が楽だろうと
思いました。考えた末、やはり津岡の会社に行く事にします、これが正攻法
だと思います。

津岡社長と圭介の在社は確認しました。津岡社長に電話をします、私の会社と
名前を告げると簡単に社長に取り次いでくれます。社長に私の訪問の意を伝え、
津岡圭介の同席を求めました。技術担当の私の来社に社長は少し怪訝な声を
していましたが、用件は伺った時にと、圭介には私が訪問する事を行くまで
黙っていて欲しいと伝え電話を切りました。

応接室が用意されていました。社長が入ってきます、型どおりの挨拶が済みます。

「技術の専務さんがご来社とは、技術的なお話ですか?
常務をもう呼びますか?」
「いや、今日は個人的は話です。常務さんは、社長に一通り、話を
聞いて頂いてからで結構です」

妻と津岡圭介の話をします。
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男とは? 7/28(月) 12:31:16 No.20080728123116 削除
月曜日、本社に出社します。

こなさなければならない仕事がありますが、先ず山下の話をもう少し
聞いて見る事にします。今の私には仕事よりこちらの方が大事です、それに
やる事をやらないと仕事に身が入りません。

「山下君、ちょっといいか?」

山下君と小会議室で話をします。

「ABCXYZはその後どうだ?」
「芳しくないですね、売上は緩やかに落ち込んでいます。
でも心配はしないで下さい、他の代理店は上がっています」
「そうか、ところで津岡圭介と言ったかな、彼の態度が酷いそうだな。
彼について何か知っている事はあるか?」
「どうしたんですか?」
「いや、あの製品は私の子供のようなものだ、
何か心配になってね」
「そうですか。私なりにも色々調べました」
「それで?」

山下から聞いた内容は、津岡の会社のお客様である量販店には、我社が
津岡の会社に無理に製品を押し込んでくる、そうしなければ代理権を取り上げる
と我社が言っていると、だから量販店さんにもっと大量に買ってくれと、そんな
内容でした。

「実際はどうなんだ?」

解っている事を敢えて聞きました。

「勿論そんな事はしやしません。量販店には私が行って納得して頂きました」
「そうか、君も大変だったな」
「どうも、あの津岡はかみさんに頭が上がらないみたいですね、それも
極端に。何かあると社長の妹をチラつかせるようですね」
「そうか、有難う」
「それからもう一つ、言わないでおこうと思っていましたが・・・・・」
「何だ、どうした?」
「津岡に誘われた事があります、私の女房と3人で飲みに行かないかと。
勿論、断りましたが」
「そうか」

社長の野村にも話さなければいけない事があります。

「野村、ちょっといいかな」

野村と私は今の会社を立ち上げる前の会社でも同期です、30年来の友人です。
さん付けは出来ません。野村は営業、私は技術、お互いに了解しています。

「お前からとは珍しいな、どうした北上」

小会議室へと向います。

随分迷いました。しかし、今度の事は会社が絡みます。妻と津岡の顛末を話して
おく必要があります。それに野村は私の話を親身になって聞いてくれます、そう
言う男です。誰かに聞いてもらいたい気持もありました。

「いや、ABCXYXの件だが」
「売上は心配するな、手は打つ」
「違うんだ、常務の津岡圭介の事だ」
「酷いとは聞いているが、どうかしたのか?」

迷った末、話す事にしました。
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男とは? 7/25(金) 12:44:38 No.20080725124438 削除
津岡が私に寄こしたDVDの2番、3番を見てみます。

妻が激しく拒絶している部分は省かれています。勿論、津岡の顔、声も出ては
きません。このDVDの1番から3番を通してみますと、妻の苦悶の表情は快楽に
耐えている顔、苦渋の声も快楽を振り絞っている声に見え聞こえます。この
DVDでは妻は津岡の言いなりになっているように見えました。

津岡は妻に渡した生のDVDと私に寄こした編集したDVDの2種類を用意したの
でしょうか、この時の私には理解の出来ない事でした。妻に渡したDVDには津岡
の顔、声がはっきりと出ています。何故? 私に推測出来る事は自分の顔、声を
出す事により、妻に対して、お前は自分の女だと認識させようとしたのかも
知れないと言う事くらいでした。妻は誰にもこのDVDを見せる筈がない、そう
思い込んで、生のDVDを妻に渡したのでしょうか。

階段に立って階下を見やりますと、下の電気は全てまだ点けられていません。
リビングに降りドアーを開けますと、妻は泣き疲れたのかテーブルに突っ伏して
寝ています。電気を点け、妻の顔を見ると涙が通った後は化粧が落ちていました、
テーブルには涙が零れています。

いくら泣き濡れてテーブルに突っ伏していても、今は妻を許す事など出来ません、
否、未来永劫許せないでしょう。切欠と脅されて関係を持った事は解りました。
しかし、何故簡単に抱かれてしまったのか、何故私に相談してくれなかったのか、
済んでしまった事を私は悔やんでいました。今は妻に向けるべき怒りのその分も
津岡に向けるしかないのです。

寝ている妻に毛布を掛けてあげようと、押入れから持ってきましたが、出来ません。
こんな女には毛布の温かみも必要ないと思ってしまうのです。

「あっ、貴方」

妻は毛布に気がついたようです。

「これでも羽織って、そこで寝ていろ」
「お食事は?」
「要らないって言ってあるだろう。これからは一切俺の世話の必要はない。
世話したいんなら、津岡の世話でもしろ」

そう言い残して、私はシャワーを浴び寝る事にしました。津岡をどうしてやろうか、
考えても何も浮んできません。その内に眠ってしまいました。

朝起きますと妻はベッドにいません、ベッドも乱れてはいません。リビングに
行きますと妻は昨夜と同じようにテーブルに突っ伏していました。妻も私と同じ
部屋では寝れなかったのでしょうか、私は自分のベッドをもう一つの6畳の間に
移しました。

「由里子、俺のベッドは他に移した。嫌な俺がいなければ、お前も
自分のベッドで寝れるだろう。津岡を思い浮かべてオナニーも出来るしな」

自分の言葉に嫌気がさします。しかし津岡と決着がつくまでは、一切妻とは話は
しないと決めました。妻の携帯も取り上げてはいません、好きなようにすれば
いい、そんな気持でした。
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男とは? 7/24(木) 12:16:02 No.20080724121602 削除
ウィーンと音をたてて、シェイバーが妻の股間に近づいていきます。

「止めて下さい、絶対に嫌です」

妻は尻で後ずさりしています。カメラは妻の顔を捉えます。涙を流して激しく
顔を振っています。津岡の手が伸びて妻の髪を引っ張り下を向かせています。

「ほら、良く見ておくんだ。今に綺麗になるからな」

ジャリジャリとシェイバーが妻の陰毛を刈る音が響いています。

「ほら、綺麗になった。由里子の助平なクリもその下の口も
丸見えだ。見てみろ」

津岡は妻に手鏡を放り投げます。妻はうな垂れたままです。津岡は強引に妻の手
に鏡を持たせ、頭を抑え、その部分を見させます。

「どうだ、綺麗になっただろう」

妻は無言です。

「さて、今度を俺の印を入れなければな」

津岡は何かセットになった針と色材料のような物を用意しています。妻はそれ
を恐れの混じった目で見ています。

「何をするんですか」
「由里子の此処と此処に俺の名前を入れる。これは俺の所有物だからな」
「いやーっ、止めて下さい」

一瞬妻は画面から消えました。絵の無い所から音と声だけが聞こえてきます。
音は津岡が妻を叩いているものでしょうか? パシッ、パシッと数回聞こえます。

「まだ解っていないようだな。由里子は俺には逆らえられないんだぞ」
「・・・・・」
「ほら、股を大きく開くんだ」

妻は津岡の言葉に従いました。

津岡は妻の太腿の付け根に、左にK、右にTと墨をいれました。時々、針のような物で
陰核を甚振っています。その作業は20分位でしょうか、妻の女陰に光るものが見え
ました。

「由里子の此処は喜んでるぞ」

刺青は乳輪に移ります。時々、妻の顔がアップされます。痛いのでしょうか、
それとも快感に耐えているのでしょうか、妻は苦悶の表情を浮かべていました。

「刺青と言っても偽物だ、3週間位位で消えてしまう、消えたらまた、
同じ事をする。由里子の楽しみが一つ増えたと言うわけだ」

刺青が終った後、津岡は妻の刺青を施したその部分を時間をかけて舐めて、最後
は一つに繋がっていました。
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