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北原夏美 四十路 初裏無修正

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投稿者:MMさん教えて 投稿日:2005/01/22(Sat) 13:33

どこの道を何処に向かって走ったのか、覚えが無いほど動揺していましたが、池村
が病院かも知れないと言っていたせいで、気が付くと以前義父の入院していた、こ
の街唯一の病院まで来ていました。
しかし何処の駐車場にも妻の車は無かったので、諦めて家に帰って携帯に電話する
と意外にもすぐに繋がり。
「今何処にいる?今からそこに行くから待っていろ。」
「車の中です。ごめんなさい、私が帰ります。」
池村は体の関係を否定していましたが、何回かのトラブルで法律に詳しくなって否
定しているだけで、あの男に限って清い交際など無いと確信を持ったので、家に一
人でいると、妻の体を脂ぎったあの男が好きにしている光景を想像してしまい、気
が狂いそうでした。
妻は入籍していなかったので戸籍上初婚でしたが、実は大学を出てすぐに、親に決
められた何処かの会社経営者の次男坊と、婿養子に入ってもらう約束で一度結婚し
ています。
箱入り娘で育てられた妻は信じ難いほど初心だったのに、相手の男も初めてだった
らしく、結婚式当日の夜、式を挙げたホテルの部屋に入るや否や、突然全裸になっ
て迫って来たそうです。
妻は男性のペニスを見たことも無く、ましてや既に大きく勃起しているのをいきな
り見せられ、怖くなって泣きながら逃げ回りました。
それでも男は強引に抱き付いてキスをしようとした為に、妻は相手を突き飛ばして
逃げ帰り、そのまま離婚となったようです。
私とは入籍を済ませてからでしたが、やはり関係を持つのに、優しく諭しながら一
ケ月以上掛かりました。
妻は未だに性に関しては閉鎖的で、普通の週刊誌ですらヌード写真が載っている物
は、目の届く場所に置いてある事を嫌がります。
セックスも、楽しむ為の行為では無く、子供を作る為の行為だと言った事が有り、
そんな妻は自分から求めて来た事は無く、行為中も終始受身でした。
口でして欲しいと何度か頼んだ事も有りましたが、人間のする事では無いと断られ、
未だに、一度も口でしてもらった事が有りません
私は多少物足りなさも感じていましたが、二人で決めた週一回のセックスは拒んだ
事が無かったので、そんな初心なところも好きで結婚したのだと、自分に言い聞か
せてきました。
現実を受け止めなければいけないのに、そんな妻が他の男に、ましてやあんな男に
抱かれていたなどとは、正直、未だに信じられません。
帰って来た妻は、部屋に入るとすぐにまた無言で土下座しました。
「真理はどうした?」
妻は頭を下げたまま。
「実家に暫らく預かってもらいます。学校へは母が車で送り迎えしてくれるそうで
す。勝手な事をしてごめんなさい。」
私は出来る限り穏やかに話そうとしました。
「今日は今まで何処にいた?あいつの所か?」
「いいえ、車で一人考えていました。」
確かに池村の駐車場には、高級外車が二台止まっていただけで、妻の車は有りませ
んでした。
「関係の無い事を聞くが、ママは車で仕事に行っていただろ?車は路上駐車か?」
「何故です?お屋敷と塀の間を入って行くと、裏に小さな駐車場が有ります。」
これで、今日私が行った時も、どこかの部屋に隠れていた可能性が出てきました。
「本当は今日も行っていたのだろ?正直に話してくれ。」
「いいえ、一人で車にいました。」
妻の返事は消え入りそうな小さな声だったので、嘘をついていると思いましたが、
これ以上聞いても答えないだろうと思い。
「そうか。それよりママは俺の事を嫌いになったのか?俺は未だに信じられない。」
「いいえ、嫌いでは有りません。」
「それならどうしてあんな男に抱かれた?半年も毎日抱かれていたのだろ?土曜日
は仕事だと嘘をついて朝から晩まで、いや、実家に泊まると言って、日曜の朝まで
抱かれていたのだろ?あの男の事を知っているか?あいつは今でも何人もの人妻と
付き合っているのだぞ。お手伝いの麻子さんとも関係が有るのだぞ。」
私は妻の真意が分からず、次第に声を荒げていました。
「体の関係は有りません。それに実家に行っていたのは本当です。月に一度か二度
は日曜日に大事なお客さんが来られるので、遅くまでその時出すお料理の下準備を
して、次の朝仕度をして帰る事があったので泊まりの日も有りましたが、体の関係
は有りません。本当です。住み込みの麻子さんに聞いて下さい。」
妻は機転が利く方では無いので、咄嗟にこの様な嘘を言える女で無い事は分かって
います。
池村が私に告白したのは、妻にとって予期せぬ事だった為に子供部屋に逃げ込みま
したが、おそらくその後は池村に、この様な事を聞かれたら、こう答えろと指示さ
れているのでしょう。
「トラブルに成らないように、そう言えとあいつに言われたのか?第一どうして会
社の事務に行っていると嘘をついていた?そんな事を信用できる訳がないだろ。」
妻はようやく顔を上げて、涙を流しながら。
「お手伝いとして働くのは、パパに反対されるだろうと思って。お願いします、離
婚して下さい。パパの事は今でも好きですが、パパより彼を愛してしまいました。
彼とは離れられません。愛してしまいました。」
声を出して泣きながら、また妻は頭を下げました。
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投稿者:MMさん教えて 投稿日:2005/01/21(Fri) 19:43

車の中でしばらく考えていると少し冷静さを取り戻し、相手の情報が無い事には対
処の仕様も無いと思っていると、車を走らせてすぐに、玄関先で立ち話をしていた、
五十代らしい奥さん二人を見つけて車から降り。
「突然すみません。そこの角を曲がった所の、池村さんについて少し教えて頂きた
いのですが。」
「なに?東京にいる娘さんの縁談?それとも外国にいる息子さん?」
「詳しくは話せませんが、その様なもので。池村さんとはどの様な方ですか?」
「縁談だと話し難いな。娘さんも息子さんも凄く良い子だから。ただ父親は。」
「決してお聞きした事は言いませんからお願いします。」
「言い難いけど、あの人の事を良く言う人はいないわ。かなりお金を持っているら
しいからチヤホヤする人もいるらしいけど、この近所では真ともにお付き合いして
いる人は誰もいないわ。ただ、縁談となると子供達は本当に良い子だから、これ以
上は言い難いわ。」
言い難いと言いながら、初対面の私にこの様な事を話す事から、近所では嫌われて
いるのだと思いました。
「いいえ、実はお子さんの縁談ではなくて、池村さんについて調べているのです。
奥さん達の事は決して言いませんから、知っている事が有りもしたら、どの様な事
でも結構ですから教えて頂け無いでしょうか?」
「分かった、興信所の人でしょ?またよその奥さんに手を出したの?懲りない男ね。」
「またと言いますと?」
この奥さんの話では、池村は若い時に年上の人妻に手を出して妊娠させてしまい、
散々揉めた挙句、その人と結婚して子供を二人もうけたのですが、その後も人妻に
手を出す癖が治らずに夫婦喧嘩が絶えず、結局奥さんを家から追い出してしまった
そうです。
金儲けは上手いらしく、バブルの時代に可也土地の売買で儲け、悪運が強いのか鼻
が利くのか、バブルが弾ける前に全て売り払い、それを掴まされた人の中には何人
か自殺までした人がいると噂されたそうです。
その後は金に物を言わせて人妻に手を出し続け、奥さんに手を出されたらしいご主
人と、玄関先で言い争っていたのを何回か見ているとの事でした。
「未だに殺されないのが不思議なくらいだわ。反面教師なのか子供達は二人共、真
面目で優しい子共達だったから、そんな父親が嫌で高校を出ると相次いで家を出た
のよ。あなたはお隣だから、もっと知っているでしょ?」
するともう一人の奥さんが、待っていましたと言わんばかりに話し出しました。
「住み込みでいるお手伝いさんも、元は池村さんが手を出した人妻だったと聞いて
いるわ。その事が原因で離婚されて行く所が無かったので、住み込みで働くように
なったと噂よ。その他にも、たまに来ている人妻らしい人を何人か見ているけど、
良し悪しを別にすれば五十代半ばで凄い精力ね。うちの亭主も少しは見習って欲し
いわ。もしかして調べているのは、もう一人お手伝いとして、毎日通いで来ている
色白の若い奥さんの事?」
ズバリ言い当てられ、咄嗟に興信所の振りをしてしまい。
「いいえ。色々教えていただいたのに申し訳有りません。守秘義務が有って、私か
らはあまり答えられないのです。」
しかし、私の動揺が顔に出たのか。
「そうなのね?池村さんの趣味なのか普段は着物を着せられているけれど、時々凄
い格好でいるのよ。あの奥さんは凄く色が白くて可愛い感じだから三十代前半に見
えるけど、本当は三十代半ばでしょ?」
守秘義務が有ると言いながら、動揺していた私はつい。
「いいえ、三十九歳です。」
「やっぱりあの奥さんの事だったのね。三十九歳なの?普段は着物に着替えている
けど、三十九にもなって、たまにパンツが見えそうな凄いミニのスカートを穿いて
いたり、時には赤や黒の下着が透けて見えるシースルーの服を着ている事も有るの
よ。行き帰りは大人しい服装なのに、あんな格好に着替えて男の気を引こうなんて、
いやらしいったら無いわ。可哀想に、あなたに依頼したご主人は、まだ何も知らな
いのでしょうね。あっ、勘違いしないでよ。お隣を覗いている訳ではなくて、洗濯
物を乾している時や取り込んでいる時に、ベランダから見えてしまうのよ。」
次第に考えた事も無かったような、私の知らない妻の姿が浮き彫りになり、動揺を
隠せませんでした。
「顔色が悪いけれど大丈夫?」
「そうですか?別に何も。それよりも、もう一つ教えて欲しいのですが、仮にその
奥さんと池村さんが不倫しているとしても昼間のお手伝いなので、会える時間はそ
れほど無いと思うのですが?」
「何を言っているの。昼食はほとんど自宅に帰って来て、二、三時間いる事も有る
し、昼に帰って来ない時は午後に帰って来て、二時間ぐらいいることもざらよ。そ
れに、土曜日は朝から門まで閉めて一歩も外に出て来ない事が多いし、月に二回は
泊まりらしくて日曜の午前中に帰って行くわ。そうそう、以前社員の人が、急用が
出来たらしくて土曜日に来た事が有ったけれど、門の外で三十分以上待たされた上
に、土曜日は何が有っても来るなと怒鳴られていたわ。自治会の用があっても土曜
日は居留守を使われて誰も出てこない事が多いから、私も土曜日は行かない事にし
ているの。門まで閉めて中で何をしている事やら。」
まだ尋ねたい事は有りましたが、立っているのがやっとの状態で、それ以上聞いて
いる事が出来ませんでした。
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投稿者:MMさん教えて 投稿日:2005/01/20(Thu) 21:42

この様な時に会社に行っているはずは無いと思っていても、携帯が繋がらないので
探しようが無く、あの男の所へ行ったのかとも思いましたが、自宅も分からないの
で、妻の勤め先に行ってみるしか有りません。
会社に行くと、何故か事務所は暗くて誰もいなかったので、外でトラックに重機を
積んでいた二人組に。
「社長にお会いしたいのですが。」
「社長?今日はたぶん来ないよ。土曜日は現場の者だけで事務は休みだから、部長
に任せて社長はめったに来ない。部長ならもう来る頃だから、部長では駄目か?ど
うしても社長に急用なら自宅へ行きな。ただ土曜日は急に行くと機嫌が悪いから電
話してからの方がいいぞ。」
妻は土曜日も仕事だと言って、毎週出社していたので不安は大きくなり、池村の自
宅を聞いてから、妻の事を何か聞き出せないかと思い。
「そういえば以前、飲み屋で意気投合した夫婦の奥さんの方が、ここに勤めている
と聞いた覚えが有るのですが、元気にしてみえますか?たしか弥生さんという名前
だったと思いますが。」
「弥生?そんな人はいないぞ。」
「おい、あの人の事じゃないのか?社長の。」
もう一人の男が小指を立てながら言うと。
「そうだ。あの色が白くてオッパイのでかい奥さんは、確か弥生とか言ったな。彼
女なら最初ここの事務をしていたが、半年ぐらい前から社長の家のお手伝いさんを
しているよ。事務をしているより給料がいいらしいからな。」
「いや、給料と言うよりお手当てだろ。お手伝いと言っても前から一人いるし、大
きな家だと言っても、二人も必用なほど仕事も無いから、両手に花でいったい何の
お手伝いをさせている事やら。社長は女癖が悪くて、それも人妻専門だからな。い
けねー。調子に乗って喋り過ぎた。社長に会っても今の話は内緒にしてくれよ。」
私は妻の事を完全に信用していて、何も知らない間抜けな亭主でした。
まさかと思っている事が、どんどん現実の物と成っていきます。
池村の家は会社から車で五分程の所に有り、高い塀で囲まれていて、大きく立派な
アルミ製の門扉がある、寄棟作りの豪邸でした。
二人組の言っていたとおり門が閉ざされていたので、インターホンを押しましたが
返事が有りません。
諦めきれずに押し続けていると、ようやくあの男の声がして、家の中から開ける事
が出来るのか、次の瞬間ガチャッという鍵の開く音がしました。
「今開けたから入って来い。家に入ったら玄関のすぐ右の部屋にいるから、勝手に
上がって来い。」
私だと分かった事が不思議で上を見ると、そこには防犯カメラがこちらを見ていま
した。
部屋に入ると、すでにそこにはバスローブを着たあの男が座っていたので。
「弥生を出してくれ。ここにいるのだろ?」
「残念ながらここには来ていない。君に殴られて口の中が切れ、頬も腫れているの
で、今日は休ませてくれと電話があった。暴力も立派な離婚理由になるから、診断
書を貰っておけと言っておいた。女を殴るとは男として最低だな。女を手荒に扱っ
てもいいのはアレの時だけだ。ワッハハハハ。」
その時、年の頃四十二、三歳の着物を着た綺麗な女の人が、お茶を持って来てくれ
たのですが、慌てて着たのか何処となく着崩れしている様に見えました。
私が目で追っていると、池村もそれに気付いたのか。
「今まで何をしていたか分かってしまったか?ワッハハハハ。着物ぐらいきちんと
着て来い。」
彼女は下を向いて、恥ずかしそうに小さな声で。
「申し訳ございません。」
「そんな事はいい。弥生は本当にいないのか?」
「君の想像通り、わしは今こいつを抱いていたから、わしには何処にいるのか分か
らん。たぶん今頃はわしが指定した病院で、診断書を貰う為に診てもらっている頃
じゃないのかな。疑うなら家中探してみるか?」
「今までこの人を抱いていた?お前は妻と結婚したいのだろ?」
「それとこれとは話が別だ。いけないのか?わしは毎日出したくて仕方が無い。浮
気が駄目なら弥生を抱いてもいいのか?ワッハハハ。」
「ふざけるな。」
「そんな事より早く探さなくてもいいのか?おい、家中案内してやれ。」
「はい、旦那様。」
あまりに落ち着き払った態度と、自信ありげな声だったので。
「もういい。必ず訴えてやるからな。」
「訴える?何の罪で?よその奥さんと付き合っているだけで何の罪だ?うちの弁護
士先生によると、身体の関係を持てば不貞行為とやらで民法に触れるらしいが、キ
スぐらいでは罪にならないらしい。今のわし達はそれすらも無い。仮にもう弥生を
抱いた事が有ったとしても、刑法には触れないから金で済む。それに第一証拠も無
い。さあ、何で訴える?」
それまで法律の事など何も知らなかった私は言い返す事も出来ず、情け無い事に負
け犬が尻尾を丸めて逃げるように車に戻りました。
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投稿者:MMさん教えて 投稿日:2005/01/19(Wed) 22:58

とにかく妻の話を聞きたくて急いで帰ると、そこにはいつもと変わらぬ笑顔の妻が
いたので少しホッとしました。
「パパ、今日はいつもより遅かったのですね。真理だけは食事を済ませたので、私
達の食事をすぐに仕度しますから、先にお風呂に入って来て下さい。」
「いや、それより話がある。」
私の深刻そうな顔を見て、娘はお風呂に入るように言って連れて行き、戻って来る
と、下を向いて小さな声で。
「何か有ったのですか?」
「ああ、ママの勤めている会社の社長の事だ。」
妻の顔が見る見る青ざめていきます。
「あいつに話が有ると言われて今まで会っていたが、あいつは気が狂っているぞ。
体の関係は無い清い交際だが、ママと半年も付き合っているとか、ママが自分の事
が好きで結婚したがっているので、早く離婚してくれと言われた。そんな事は有る
はずが無いのに、あの社長は変だし気味悪いから勤めは辞めろ。」
妻の目に見る見る涙が溜まり、それが流れ落ちるのと同時に声を出して泣き崩れま
した。
「エッ。うそ。どうして泣いている?なぜ否定しない?悪い冗談は止めてくれ。」
泣き崩れた妻の両肩を掴んで起こした時、妻が小さな声で一言。
「ごめんなさい。」
妻の肯定した言葉を聞いてその瞬間、思い切り頬を叩いてしまいました。
思わず叩いてしまいましたが、今の状況が自分でも理解仕切れずに動揺していると、
妻の泣き声を聞いた娘が慌ててお風呂から出て来て。
「ママをいじめないで。パパ嫌い。」
そう言いながら娘も泣き出しました。
「真理、違うの。ママが悪いの、パパは悪くない。ママが悪いの。ごめんね、ごめ
んね。」
「ママが悪いと言う事は?うそだろ?そんな馬鹿な事って。」
「ごめんなさい、この子の前では。明日きちんとお話ししますから今日は許して下
さい。」
妻は泣きながら逃げるように、娘を子供部屋に連れて行って出て来ません。
すぐに後を追おうと思いましたが、あまりに急な展開に、これが現実に起きている
事なのかどうかも判断出来ずに、後を追う気力も問い詰める気力も湧いて来ません
でした。
私にとっては、それほど予期しない突然の出来事だったのです。
次第に不安は怒りに変わり、中々寝付かれずに何度も娘の部屋の前まで行きました
が、その度に妻のすすり泣く声を聞いて、事実を受け止めるのが嫌で何も言わずに
戻って来ていました。
しかしいつの間にか眠ってしまい、起きると会社へ行っていなければ時間だったの
で、一瞬慌てましたが今日は土曜日だった事に気付き、それと同時に昨夜の事も思
い出し、娘の部屋に行きましたが妻も娘もいません。
おそらく妻は寝ずに私が眠るのを待って、家を出たのだと思います。
携帯に電話しても繋がらず、妻の実家に電話すると義母が出て。
「弥生?何を言っているの、今日は土曜日よ。いつもの様に真理を預けて仕事に行
ったわよ。あなた大丈夫?」
義母は本当に何も知らないようでした。
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投稿者:MMさん教えて 投稿日:2005/01/18(Tue) 23:37

池村は返事もしないでガツガツと料理を食べていましたが、こちらも見ずに突然。
「弥生を俺にくれ。」
「は?意味が分かりませんが。」
「意味?聞いたとおりだ。弥生と結婚するから離婚してくれ。」
「勝手に決められても弥生の気持ちも有るし、離婚など出来ません。」
こんな理不尽な事はもっと怒って、きつく断れば良かったのですが、あまりにも突
然の事で頭がついて行かず、断る言い訳をしていました。
「弥生は承諾しているから後は君だけだ。弥生もわしと一緒になりたいと言ってい
る。付き合い出して半年経つから、君も薄々は知っていたのだろ?」
私に思い当たる事は全く無く、自分でも仲の良い夫婦だと思っていました。
それどころか、先週の金曜日の夜も普通にセックスをしたばかりです。
この男は妄想癖が有るのか、もしくは狂っていると思って席を立つと、ようやく箸
を置いて私を睨み。
「付き合っていると言っても誤解するな。法に触れるような事はしていない。中学
生のような清い交際だ。いや、今時の中学生なら半年も付き合えばやっているか。
ワッハハハハ。」
「弥生に限ってそんな筈は無い。訳の分からない事を言うな。」
「そうカッカするな。だから先に飯を食えと言っただろ。」
「こんな馬鹿な話は、腹が減っていようが満腹だろうが関係ない。」
「そう喧嘩腰にならないで男らしく諦めろ。弥生はわしの事を好きだと言っている。
結婚していても気持ちまでは縛れんぞ。君よりわしの方を好きになったのだから仕
方が無いだろ?君にはまた君に合った女が現れる。気持ちが他の男に移ってしまっ
たら一緒に居る意味が無いだろ?毎日弥生を見ていて、早くわしのマラでヒーヒー
言わせたくて仕方が無から、出来るだけ早く離婚してくれ。ワッハハハハハハ。」
「あんた頭がおかしいのか?はっきりと断る。」
車に乗っても、まだ心臓がドキドキしていて訳が分かりません。
私は大学生の時に相次いで両親を亡くし、親の借金が残りましたが、今の家を手放
すのが嫌で相続を放棄せずに中退して働き、少しずつですが毎月返済していました。
借金を返し終わるまで恋愛など出来ないと思っていましたが、あるサークルでの隣
町との交流会で妻と知り合い、最初私の事をからかっていると思ったほど、純粋で
世間に擦れていないところが可愛く好きになりました。
何故か妻は両親に対して、恋愛をしている事に罪悪感を持っていて、妻の希望で秘
密の交際を続けましたが、私の借金が完済出来た時に、妻との結婚をお願いしに行
きました。
しかし妻の両親は激怒し、借金は返し終わっていてもお金が無い事、大学を出てい
ない事、何より家柄がつり合わない事を理由に、何回行っても門前払いだったので、
最後には、親兄弟のいない身軽な私は、妻も1人っ子なので養子に入る覚悟もした
のですが、異常にプライドの高い妻の両親は、私の事を野良犬とまで言って受け付
けません。
結局何にでも一途な妻が、初めて親に逆らって家を飛び出し、私の家に来て一緒に
暮らし出しました。
何年かは子供に恵まれませんでしたが、その後娘が生まれると、やはり孫は可愛い
のか、妻と娘は何かに付け家に近づけるように成りましたが、大事な一人娘を奪っ
た憎い私の事は受け付けません。
義父が入院した時も見舞いに行くと妻に言ったところ、その日に義母から電話で。
「あなたに会うと興奮して良くないから、出来れば遠慮して下さい。」
歳を取ってから出来た一人娘が可愛いのは分かっても、この執念深さには怒りを覚
えましたが、正座して私に誤る妻を見て、その時はぐっと怒りを飲み込みました。
そのような思いまでして結婚し、その様な思いまでして私に付いて来てくれた妻に
限って、池村が言ったような事は決して無いと信じています。
何より、ほとんど大きな喧嘩もしないで仲良くやって来たし、今でも金曜日の夜は
毎週愛を確かめ合っていました。
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投稿者:MMさん教えて 投稿日:2005/01/18(Tue) 23:35

私四十四歳、妻三十九歳、小学校三年生の娘がいます。
それは半年前の金曜日。
仕事が終わって車に乗り込むと携帯が鳴り、見覚えの無い番号だったので不振に思
いながらも出てみると、聞き覚えの無い低い声でした。
「突然申し訳ない。弥生のご主人か?わしは池村組の池村だ。いつも弥生には世話
になっとります。」
それは、妻が一年前から事務の仕事に行っている先の、土建屋の社長でした。
その会社は、今では多少事業を縮小したもののバブル期に急成長した会社です。
妻の父親も数年前までは会社を経営していて、以前この社長と一緒に商工会議所の
役員をしていた事から懇意になり、その関係で妻は雇ってもらったと聞いていまし
た。
「お世話になっています。妻が何か?」
「電話では話せないので、これから一緒に飯でも食いながら話そう。わしの会社を
知っているか?会社から1キロ位北に行った所の右側に寿司屋が有る。そこで待っ
ているからすぐに来てくれ。」
そう言い終ると、私の都合も聞かずに一方的に電話を切ってしまい、余りの強引さ
や、会社ではそうなのかも知れませんが、私に対しても妻を呼び捨てにする事に良
い気はしませんでしたが、妻の事を考えると邪険にも出来ません。
妻の携帯に電話しましたが電源が切られていたので、いつもの様に実家に行ってい
ると思い、一応自宅にも電話しましたがやはり出ません。
それと言うのも、義父は病気になり入院していたのですが、今は自宅で義母が看て
おり、妻はほとんど毎日仕事が終わると実家に行っています。
義父の心臓にはペースメーカーが入れてあるので、実家にいる時は携帯を切ってい
ると言われています。
会社の建物は、隣の街に有る妻の実家に行く途中の国道沿いに有り、建物自体そう
大きくはないのですが、周りがほとんど田んぼで、わりと目立つために以前から知
っていました。
寿司屋に着いて個室に通されると、そこには高そうなスーツを着た小太りの男が、
大皿に盛られたハマグリを手掴みでガツガツと食べています。
「すまんな。少し待ってくれ。」
初対面で、それも自分から呼び出しておいて、なんて失礼な奴だと思いながらも、
少ない髪に垂れそうなほど整髪料を付けてオールバックにしている頭と、異様に大
きく突き出たお腹で汗を掻きながら、必死に食べている姿が何処か滑稽で、そんな
姿を見詰めながら待っていると、ようやく食べ終わっておしぼりで手を拭きながら。
「悪かったな。わしは酒が呑めんのにハマグリの酒蒸しには目が無くて、温かい内
に全部食ってしまわないと気が済まん。女のハマグリはもっと大好物だが。ワッハ
ハハハハハ。おーい、ビールと料理を持って来い。」
伊勢海老のお造りなどの豪華な料理が並び、ビールを勧められたので。
「車なので、アルコールはご遠慮します。それよりも妻が何かご迷惑でもお掛けし
ましたでしょうか?」
「そう焦らずに料理を食え。人間、腹が減っていては短気になって冷静になれん。」
「いいえ。先に聞かせて頂かないと、落ち着いてご馳走になれません。」
私はこの男と一緒に食事する気に成れずに、早く帰りたくて焦っていました。
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投稿者:KYO 投稿日:2006/03/11(Sat) 11:52

「あの時の顔や身体、恥ずかしい格好を撮られて春日さんに見せら
れるのが始めは嫌でした。そのうちに、後で自分で一人で見るのが
だんだん楽しくなって来ました。ああ、自分もまだまだこんなに奇
麗なんだ、こんなに男の人を興奮させることができるんだと思うと
嬉しかったんです。時々それを見ながら一人で……」

以前の妻はこんな露骨なことを言う女ではありませんでした。春日
に開発されることで妻は変身してしまったのでしょうか。

変わったと言えば私もそうです。春日もそうでしょう。人生の秋を
迎えて、それまで自分に似合うと思っていたものが急に不釣り合い
に思えてしまう。あわてて脱ぎ捨てて新しい季節の衣装を懸命に探
す。

「私と離婚しますか?」

妻は顔を上げて私をじっと見ます。それまでの私に詫びるような気
弱な表情ではなく、まるで牝として私を挑発しているように思えま
した。

妻は本当に春日に心を奪われなかったのでしょうか。春日が話した
ようにあのビデオは合成や編集が行われたものなのでしょうか。妻
は本当にビデオや写真を私にみられることはないと思っていたので
しょうか。

私は徐々にそんなことがどうでもよくなってきました。ここにいる
ひとりの女を自分のものにしたい、思う存分犯したいという獣のよ
うな衝動が身体の中に湧き起こってきたのです。それは私にとって
極めて新鮮な感覚でした。

私はしばらく考えるふりをして、口を開きました。

「いや、離婚はしない」

妻の顔色がパッと輝きました。

「だが、ケジメはつけてもらう。春日には慰謝料を請求し、二度と
関係しない旨の誓約書を書いてもらう。慰謝料は……50万円くら
いで良いだろう」
「私にも……慰謝料を……」
「紀美子の場合は慰謝料などではすまない」

妻の表情が急に曇ります。

「着ているものを今すぐ全部脱げ。素っ裸になってこれを大声で読
み上げろ」

私は用意していた1枚の紙を妻に手渡します。妻の顔がみるみる赤
くなりました。

「許して……階下の父と母に聞こえてしまいます」
「もうぐっすり休んでいるから大丈夫だ」
「でも……」
「離婚されてもいいのか」

妻は覚悟を決めたように服を脱ぎ、素っ裸になると直立の姿勢をと
り、口を開きます。

「ひ、一つ、チンポ大好きの……」
「声が小さい!」

私は妻の大きなヒップをピシャリと叩きます。意外と大きな音が部
屋に響き、妻はおびえたような顔付きになり、声を張り上げました。

「一つ、チンポ大好きの淫乱妻、○○紀美子は今夜、最低8回はイ
クことを誓います」
「一つ、チンポ大好きの淫乱妻、○○紀美子は今夜、愛する夫であ
るあなたにお尻の処女を捧げることを誓います」
「一つ、チンポ大好きの淫乱妻、○○紀美子は今夜、お口、オマン
コ、お尻の3つの穴を使って、愛する夫であるあなたに3回は気持
ち良くなっていただくことを誓います」
「以上、3つの誓いに違反した場合は、どのようなお仕置きも喜ん
でお受けすることを誓います」

ようやく言い終えた妻はそれだけで気分が高揚したようで、身体を
ふらつかせます。私は妻をしっかりと受け止めて、片手で乳房を乱
暴に愛撫しながらもう一方の手で秘園をまさぐりました。そこは早
くもじっとりと潤っていました。私は指先を濡らした愛液を妻の頬
になすりつけるようにします。

「淫乱女め……」
「ああ……」

妻はうっとりと目を閉じました。私は妻の唇を奪うと、ベッドの上
に押し倒しました。その夜、妻が三つの誓いをきちんと守ったかど
うかは読者の皆様のご想像にお任せします。


(完)
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投稿者:KYO 投稿日:2006/03/11(Sat) 11:51

私は妻の実家の門の前に立ち、チャイムを鳴らします。扉を開けて
顔を出した妻は驚きに目を見開きます。

「あなた……」
「お義父さんのお見舞いに来た」

妻の後から顔を出した義母も私の顔を見て驚きます。

「家内がお世話になっています。お義父さんのお加減はいかがです
か」
「おかげさまでここ2日ほどは調子が良くて、、XXXXさんには不自
由をかけてすみません。私もだいぶ良くなったので、紀美子には早
く帰るように言っているのですが」

義母の言葉に妻はうつむきます。

「まあ、上がってください。あの人も喜びます」

私は家に上がると、病床に横たわる義父を見舞いました。義父はし
ばらく見ない間に一回り小さくなったような印象がありますが、思
ったよりも顔色は良いようです。私は義父と義母と少し話し、病人
が疲れないうちに妻の部屋に行きました。

しばらくすると妻がお茶をいれて上がって来ました。

「……有り難うございます。父も母も喜んでいました」
「いや……思ったよりも元気そうで良かった」

その先は会話が続かず、妻はじっとうつむいています。

私は妻にプロポーズした日のことを思い出していました。始めに申
し上げた通り、見合いして一カ月目のことです。その日にプロポー
ズするつもりだった私ですがなかなか言い出せず、川べりの同じ道
を何度も行きつ戻りつしたことを覚えています。その日の妻も私の
次の言葉を待つように、ずっとうつむいていました。

「メールを読んだ」

妻は弾かれたように顔を上げました。

「その後もう一度春日と話した」

妻の表情が緊張を見せます。

「春日にも聞いたことだが、紀美子にももう一度確認したい。どう
して春日と関係をもった? 俺との夫婦生活の悩みを解決するため
とメールにあったが、本当にそれだけか? 春日に対して本当に愛
情はなかったのか? 愛とはいえないまでも、情のようなものはな
かったのか」

妻はしばらく唇を噛んで黙っていましたが、やがて口を開きました。

「あなたとの夫婦生活に悩んでいたのは本当です。特に、あなたが
風俗に行くようになるとその悩みは大きくなりました。あなたは私
が気が付いていないと思っていたようですが、色々なことからすぐ
にわかりました」
「どんなことで?」
「お店に行く日のパターンが決まっています。第2、第4水曜日と
か……。それと帰ってきた時の汗の臭い。女の子の名刺がワイシャ
ツのポケットに入ったままのこともありました」

うまく隠していたつもりですが、妻にとっては普段と違う私の行為
を見破るのは容易だったのでしょう。

「私がセックスについて淡泊とあなたは思っていたようですが、人
並み、いえ多分それ以上の興味がありました。特に子供を生んでし
ばらくしてから……。あなたに対してそれを言い出せなかったのは
恥ずかしかったこともありますし、やはり、最初の体験の痛みへの
恐怖があったのだと思います」
「小夜子から春日さんとの体験について聞いたのは一昨年の暮れご
ろです。小夜子も私と同じように、それまで本当のエクスタシーを
知らなかったのですが、春日さんとの関係でそれを感じるようにな
り、夫婦生活もうまく行くようになったといいました」
「夫婦生活が改善するというのも魅力でしたが、私は小夜子が語る
本当のエクスタシーという言葉に引かれました。女として生まれて
40年にもなるのに、このまま本当のエクスタシーを感じないまま
年老いるということが、とても寂しく感じました」
「俺と一緒にそれを追求しようとは思わなかったのか?」
「そうすべきだったのかも知れません。でも私は、自分の身体のど
こをどうすれば感じるのかすら分からなかった。それに、私がそん
な欲求を持っているということをあなたに告げるのが恥ずかしかっ
た。軽率でした。申し訳ありません」

妻は深々と頭を下げます。

「どうしてビデオや写真をPCに入れていたんだ?」
「あなたに見られるとは思っていませんでした」
「あんな簡単なパスワードなのにか? 手帳にシールまで貼ってい
たぞ」
「あなたの脇の甘さを笑えませんね……」

妻は苦笑しました。

「パソコンの設定はパスワードを含めてみんな春日さんにやっても
らいました。ファイルのコピーもです。春日さんは自分だけがビデ
オや写真を持っていると私が不安だろうという理由で私のパソコン
にファイルをコピーしました」
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投稿者:KYO 投稿日:2006/03/11(Sat) 11:50

私は昨日、妻がテーブルにこぼした涙のことを思い出していました。

「私は次第に、奥さんを自分のものにしたいという欲求にとらわれ
始めました。それでエクスタシーを得るために必要なプロセスだと
説得して奥さんに私の名を呼ばせて、愛していると言わせているう
ちに、奥さんも本当は私を愛してくれているのではないかと錯覚し
始めました。しかしそれとは逆に、奥さんがご主人との行為でエク
スタシーを感じるようになってからは、奥さんは私との行為の中で
も、時々感極まってご主人の名前を呼ぶようになりました」
「そんなことは……ビデオには……」
「後で見るとつらくなるので編集して全部カットしています。その
場面をお見せしても良いですよ」

春日は寂しそうに言いました。

「どんどん奥さんの気持ちが離れて行く――いえ、始めから私のと
ころにはなかったかもしれないのですが――そう思った私は卒業旅
行だと言って奥さんを温泉に連れ出すことにしました。少々のこと
でご主人に対する気持ちが揺れないかテストすると適当な理由を付
け、2日間春日紀美子としてふるまえという私の言葉を奥さんは疑
いもしませんでした。私にはなんとかこの2日で、奥さんに最高の
快楽を経験させることによって、奥さんを自分のものに出来ないか
と考えていました」
「近くの公園で露出させたのは?」
「最初にそこまで経験させることでショックを与えようとしたので
す。奥さんはもちろん抵抗しましたが、なんとか説得しました。も
ちろん周囲に人がいないことを十分確認して撮影しましたが、あれ
は悪乗りだったと思います。申し訳ありません」

春日は頭を下げました。

「旅行の初日とその夜で、私はありとあらゆるテクニックを駆使し
て、奥さんを自分のものにしようと思いました。しかしついにそれ
は果たせませんでした」
「そんなことはないだろう。妻は春日紀美子として振る舞い、春日
紀美子として……」

何度もイッていたぞ、という言葉を私は呑み込みました。

「あれは編集です」
「何?」
「旅館での夜、奥さんがその……イク場面を集めたもの、あれは編
集なんです」
「編集なのは分かっている。実際は一晩かかったのだろうからな」
「違うんです。いや、それも編集ですが、奥さんがイク時に叫んで
いる声、それが編集、いや合成なんです」
「どういうことだ」

私は春日が言っていることの意味が分かりませんでした。

「最初の1、2回は別にして、奥さんは訳が分からなくなってくる
とイク時にご主人の名前を呼ばれました」
「えっ」
「私はそれが口惜しくて、後で本当の声の上に、私の妻である春日
紀美子としてイク、と叫ぶ声を重ねました」
「本当か」
「ちょっと見たり聞いたりするだけでは分かりません。私はビデオ
の編集にかけてはプロ並ですからね。でも、専門家が見ればたちど
ころに合成や編集だとわかります」
「……」
「他にもビデオにはいろいろな箇所に編集が施されています。要す
るにあれは奥さんの本当の姿ではなく、私の願望が混じったもので
す」
「私は若いころからずっと色々な女性遍歴を重ねて来ました。結婚
に付いてはあきらめていたつもりでした。でも、この年になってこ
れからもこんな生活を続けるのか、年老いて一人になったらどうす
るのかと思うと急に焦りと、恐怖のようなものを感じるようになり
ました」
「紀美子さんに出会い、理想の妻というのはまさにこんな人かと思
いました。セックスについては奥手でしたが、開発して行くうちに
素晴らしい肉体をもっていることも分かりました。まさに名器とい
って良いと思います」
「ご主人のご指摘どおりです。私は奥さんを愛していました。自分
のものにしたいと思いました。でも、それが無理だと分かった以上、
未練がましく追いかけるつもりはありません」
「教えて欲しいことがある」
「なんでしょう?」
「あんた、女の前では関西弁を隠すのか?」
「そんなことはありません。これが地ですし、女を口説く時はむし
ろ関西弁の方が便利です」
「なら、どうして妻の前では関西弁を抑えていた?」
「それは簡単です。ご主人が標準語でしゃべるからです。奥さんか
らの希望でした」
「あと一つ聞いても良いか」
「はい」
「妻の……その、お尻の処女を奪ったのか」
「奪っていません」

春日は即答しました。

「しかし……妻はビデオで、あんたに捧げると」
「あれは言葉だけのことです。奥さんはご主人に許していない箇所
を、私に許すことはありませんでした」

独りの女を守り、多くの女を知らないまま年老いることに焦りを感
じた私、多くの女を知り、独りの女を得ないまま年老いることに焦
りを感じた春日。私達は似た者同士なのかも知れません。

春日と別れた私は会社に向かいました。一日休んだだけで仕事はか
なり溜まっており、木曜、金曜と私は業務に忙殺されました。金曜
の夜、仕事を終えた私は新幹線に乗り、妻の実家に向かいました。
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投稿者:KYO 投稿日:2006/03/11(Sat) 11:50

12月4日から5日にかけての旅行はいわば妻の「卒業試験」だっ
たようです。春日に開発され女として完全に自信を持った妻は、そ
のお礼としてさらに12月24日に、全身にリボンをかけた自分を
春日に捧げます。

それで2人の関係は終わったようで、その後のメールのやり取りは
一切ありません。

メールを全部読んだ私は、複雑な気持ちになって考え込んでいまし
た。

メールを見る限り、妻は春日に対する愛情はないようです。私につ
いての惚気のような表現はありますが、春日への愛情表現はありま
せん。春日も妻に対してはメールの上では生徒に対する先生のよう
でした。

私は、妻の自分に対する愛が失われていない、少なくとも私よりも
春日を愛した訳ではないということを知って安堵していることに気
づきました。そう、私はまだ本音では妻を失いたくはなかったので
す。

ですが、どうしても納得出来ないことがあります。それは妻と春日
のメールでのやり取りと、実際にビデオや写真で撮られた2人の姿
のギャップです。ビデオや写真での2人の姿は、私には愛し合って
いるように見えました。メールでのやり取りがいかにそうではない
と言っていても、簡単には信じられません。

私は翌日、会社には医者に立ち寄ると連絡して春日に会うことにし
ました。

今回は会社の近くの喫茶店は避け、駅の近くの公園に春日を呼び出
しました。朝の公園は人も少なく、周囲に話を聞かれる心配があり
ません。

春日はほぼ時間どおりに、中年太りの身体を揺すりながらやって来
ました。

「どうも、わざわざ近くまで来ていただいて申し訳ありません。本
来なら私の方が出向かなければならないところですのに」

春日は深々と頭を下げます。あくまで低姿勢です。

「いえ、会社に行く途中ですから」

私はうなずき、本題に入ります。

「メールは全部読ませていただきました」
「そうですか」
「確かにあそこからは、妻はあなたに対する気持ちはないようだし、
あなたも同様だと読める」
「はい」
「春日さん」

私は春日の目を真正面から見据えました。

「あなたは、本当に妻を愛していなかったのですか?」
「えっ」

春日の目にわずかな動揺が走りました。

「ですから……それは」
「本当のことを言ってください」
「……」

私の追求に春日はうつむきました。

「……愛していました」

春日は小さな声で答えました。

「私は結婚に失敗して以来、色んな女をとっかえひっかえして遊ん
で来たのは本当です。出来るだけきれいに遊んで来たつもりですし、
人妻に手を出して修羅場になったこともありますが、きちんと慰謝
料を払ってなんとかおさめて来ました。前にも話しましたがこれは
私の性癖のようなもので、治らないと思っていました」
「旦那との性生活に悩んでいる何人かの人妻の相談にのって、実地
指導付きのセックスカウンセリングまがいのことをやったのも事実
です。私としては人助けをしているような気分になっていました。
そんな人妻の中に奥さんの友人がいて、始めはその人経由で奥さん
の相談を受けました」

小夜子さんのことだろうか、と私はふと考えました。

「だから奥さんとの関係も、最初はそれまでの人妻たちと全く変わ
ることはなかったです。ただ、何度かメールをやり取りしているう
ちに、奥さんが他の人妻と全然違うことが分かりました」
「他の人妻は旦那とのセックスの問題を解決すると言いながら、実
際は私とのセックスについても興味津々でした。旦那も遊んでいる
のだから、私もこの機会に楽しんで見たいという気持ちが見え見え
でした。ですが、奥さんについては全くそういうことがなく、私か
らそういった話題を振ってものってくることはありませんでした」

確かにメールでの妻の対応はそうでした。

「しかし、妻は私も風俗で遊んでいるのだからお互い様だといって
いたぞ」
「それは私が言っていたことをそのまま言っているだけで、本心で
はないと思います。奥さんはご主人が風俗にはまることそのものが
自分のせいだといって、深く悩んでいました」
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投稿者:KYO 投稿日:2006/03/09(Thu) 21:37

しばらく私は放心状態のようになっていましたが、突然携帯電話が
なりました。発信者は春日です。別れ際に今後の連絡のために番号
を教え合ったのを思い出しました。

「春日です。奥さんと話は出来ましたか」
「あんたに心配してもらうことじゃない」
「すみません。ついさっき、泣きながら電話をかけて来はったので、
気になって……」
「いまだに連絡を取り合っているのか、やはりあんたと妻は深くつ
ながっているようだな」

春日は私の皮肉にもめげず、話し続けます。

「ご主人、ビデオと写真をご覧になったとおっしゃってましたが、
メールも見られたんですか?」
「いや……」

メールはパスワードが解除出来なかったので見ていません。

「この際メールも見てください」
「お前たちの不倫のやりとりなんか見たくない」
「そうじゃないんです。いや、全然そうじゃない訳じゃなくて、い
つ会うかの約束なんかも当然ありますが、ほとんどそうじゃないん
です」

どういうことでしょう。春日が何を言いたいのかさっぱり分かりま
せんでした。

「いいですか、パスワードを言います。『xxxxlove』です。わかり
ましたか? 『xxxxlove』です」

春日はそう言うと電話を切りました。

xxxxというのは私の名前です。どうしてそんな言葉をパスワードに
しているのでしょう。私は自分の部屋に向かい、PCの前に座ると
バックアップしたメールソフトを起動させました。

パスワードを要求されたため、春日に言われた通りxxxxloveと入力
しました。ロックは解除され、メーラーが立ち上がりました。

私は送信フォルダを開きました。最初の妻から春日へあてたメール
は去年の2月のものです。メールの内容は私にとって驚くべきもの
でした。

妻は春日に対して、私が風俗にのめり込むようになったのが、自分
が私の欲求に応えることが出来ない、性的に魅力のない女であるこ
とが原因であることを嘆いていました。特に処女喪失時の痛みが精
神的外傷となって、どうしてもいわゆるオルガスムスを感じること
が出来ないことが、妻としてはともかく、女として面白みがない存
在になっていると訴えていました。

春日は妻のメールに対して、確かにそうかもしれないがそれは十分
治療することが出来る。自分は実際に不感症に悩む人妻の治療をし
たこともある。今はその人妻は旦那と幸せな性生活を送っているな
どと返信していました。

このように書くといかにも妻の悩みに付け込んで、春日がたらし込
もうとしているようで、実際それに続くメールを読んでいてもそう
言ったところはあるのですが、妻からのメールは私との夫婦生活の
悩みで満たされており、このままセックスがなくなって行くと、私
の妻に対する愛も消えて行くのではないかという不安で一杯のよう
でした。

春日からの返信も妻に引き込まれるように真剣になっていきます。
春日の結論は、このまま放っておいても良くなることはない。妻と
私は本当の夫婦のセックスの良さに気づくことはないというもので
した。

妻と春日が始めて関係を持ったのは4月始めです。関係を持ったそ
の日、妻は延々と夫を裏切ったことについての悔恨を綴っています。
春日がそれにやや閉口しながらも妻を必死でなだめる様子が伝わっ
て来ます。

妻が始めて絶頂を感じたのは6月です。妻はその喜びもメールで伝
えていますが、その大半は、これで私に満足してもらえる女になれ
たというものです。

春日はそれに対して、まだ安心しないほうが良い。男とはもっと複
雑なものだとたしなめています。男の予想通り、妻が私と久しぶり
にセックスをした昨年の7月、春日との行為で感じたエクスタシー
を感じることが出来なかったとがっかりした妻のメールがあります。

その後、妻がパニックになったようなメールが続きます。6月の春
日との行為でケジラミを移されたことが分かったのです。春日は妻
との関係の傍ら、風俗にも通っていたようで、自分の不覚を平謝り
に謝っています。ケジラミを私に移したかもしれないと恐慌に陥っ
ている妻を、きっと風俗から移されたと考えるだろうと春日は必死
に宥めています。さらに「ケジラミの治療」ということで悪乗りし
た7月15日の行為(春日の誕生日で妻が始めて剃毛され、さらに
アヌスを責められた日です)のことを詫びるメールが続きます。

妻が弾けたような喜びのメールを春日に送ったのは、私との行為で
始めてエクスタシーを感じた10月のことです。私の身体の上で女
の悦びを極め、ともに絶頂を感じたこと、結婚以来始めて本当の夫
婦だと感じた幸福を春日に伝え、これもすべて春日のおかげだと感
謝しています。春日はやや苦笑しながらも妻を祝福し、自分から卒
業する日も近いことを告げています。

妻の春日へのメールには、春日への愛を表すものは何一つありませ
んでした。そこにあるものは私に対する片思いに似た激しい愛情。
私と身も心も一つになりたい、そのためなら何でもするという熱情
だけでした。
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投稿者:KYO 投稿日:2006/03/09(Thu) 21:12

「珈琲、私もいただいても良いですか?」

またうっかり2人分つくってしまったようです。こんなところで意
地悪をするのも大人気ないと思った私は「ああ」と返事をします。

ソーサーとカップを出して、2人分の珈琲を用意した妻はいきなり
キッチンの床に土下座します。

「あなた、ごめんなさい。許してください」

私はいきなりの妻の振る舞いに驚きましたが、気を取り直して意地
悪く聞きます。

「会ったらすぐに土下座をしろと男から教えてもらったのか」
「違います。本当にごめんなさい」
「そんなことはやめろ。ポーズだけの詫びは見たくない」

私は冷たく言い放ちます。

「お前はもう身も心も春日に捧げているんだろう。奴も独身だから
ちょうど良い。別れてやるから一緒になれ。一生変態プレイで楽し
ませてくれるぞ」
「春日さんと一緒にはなりません」
「なぜだ? 旅行では春日の妻として振る舞ったんだろう。春日紀
美子と宿帳にもサインしたんだよな。ごていねいに記念写真まで撮
りやがって」

私は自分が放つ言葉にどんどん激高していきます。妻は土下座した
まま私の罵声にじっと耐えています。

「お前みたいな淫乱な女を妻にしたのが間違いだった。すぐにこの
家から出て行け。子供にもこのまま会わさん」
「あなた……」

じっと黙っていた妻が顔を上げ、口を開きました。

「あなたに一つだけ質問させてください」
「なんだ?」

妻の思い詰めたような表情に、私は思わず気圧されます。

「あなたは、結婚してから、私以外の女を抱いたことはありません
か?」
「えっ?」

私は予想もしていなかった質問に意表をつかれました。

「答えてください。私一人だけを守ってくれましたか?」
「それは……」

確かに一時、風俗にのめり込んで月に2度も3度も通ったことがあ
ります。私は返事に詰まりました。

「風俗だから良いという考えですか? 春日さんは私にとっては風
俗のようなものです」
「それとこれとは全然違う」
「どこが違うのです? 男の方はお金を払えば欲望を処理出来る場
所があります。女にはそんな場所はありません」
「紀美子の場合は一人の相手、それも会社の上司だろう」
「あなたにも馴染みの女の人はいたでしょう」
「……」

私はぐっと押し黙ります。

「春日を愛しているんじゃないのか」
「愛していません。愛しているのはあなただけです」
「それじゃあどうして春日に抱かれた? 俺が風俗に通ったから、
その仕返しだとでも言うのか」
「そうではありません」

妻はうつむいて涙を流し始めました。

「私は……寂しかった」

妻の涙がポタポタとテーブルの上に落ちます。私は何を言ったら良
いか、言葉を失いました。

「寂しかったから春日に抱かれたのか」
「違います……あなたに、抱かれたかった」

風俗にのめり込んでいる間、それまでも疎遠気味だった妻とのセッ
クスはますます少なくなりました。セックスレスといっても良い状
態です。

しかし私はずっと妻はセックスに対して淡泊であり、それでも不満
はないのだと思っていました。

「あなたが私の醜い姿を見たから、もう私とは一緒にはいられない
という気持ちも分かります。今日はこのまま実家に戻ります」

妻は顔を上げると少し冷めた珈琲をすすりました。

「珈琲、ご馳走様でした。もう、この珈琲も最後になるのですね」

妻はそう言うと立ち上がり、玄関に向かうとそこにおいてあった荷
物を持ち、深々とお辞儀をしました。

「長い間お世話になりました」

そのまま妻は家を出て、私一人が残されました。私は妻に何も声を
かけることができませんでした。
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投稿者:KYO 投稿日:2006/03/09(Thu) 21:10

春日は額を床に擦り付けるようにして哀願します。

「なぜだ? 2人とも愛し合っているんじゃないのか」
「愛し合っていません」
「なんだと?」

「愛し合っているのか」と聞いてあっさり「はい」と答えられるの
も腹が立ちますが、「愛し合っていません」と即答されて私は一層
怒りが増しました。

「どういうことだ? 愛し合っていないとは何だ? お前たちは遊
びで一つの家庭を壊したのか」
「ですから……壊してほしくないんです。慰謝料はお支払いします。
よければ奥さんに請求する分も私が払います」
「さすがに銀行の次長ともなれば金持ちだな。離婚するのだから妻
とお前にそれぞれ500万円ずつ請求するつもりだが、払えるのか」
「それは……2人で100万円くらいなら」
「話にならん。払えないのなら偉そうなことを言うな」
「いえ……離婚されないのならそのあたりが相場かと……わかりま
した。2人で200万円でどうでしょう?」
「バナナのたたき売りじゃないんだ」

私は怒鳴り声を上げました。

「それと、離婚するかしないかは俺達夫婦の問題だ。お前が口出し
をするな」
「ごもっともです」
「それからさっきからのお前の関西弁も気に入らない。ふざけてい
るのか」
「ふざけていません。私はもともと関西出身で、これが普通です。
銀行でも関西弁で通しています」
「ビデオの中ではそうじゃなかったぞ」
「あれは……奥さんが標準語で話してくれと……」

妻がどうしてそんな希望を出すのでしょう。私は首をひねりました
が、今はそれどころではありません。

「とにかくお前はどうして責任を取らない。俺が妻と別れたら妻と
一緒になるのが責任だろう」

私は本当は妻と離婚してからも、妻が春日と一緒にはなって欲しく
ないのですが、自虐的になってわざとそういう聞き方をします。

「私は誰とも結婚しません。奥さんでなくても同じです。結婚した
ら必ず相手を不幸にします」
「何?」

私は春日の奇妙な言葉に混乱します。

「どういうことだ」
「私も結婚の経験はあるのですが、職場の女性に何度も手を出した
ことで、愛想を尽かした妻に出て行かれました。融資業務部という
のは問題融資の期日管理や利払いの処理をしている部署で、銀行の
中では裏方、日のあたる場所ではありません。私がこの年でそんな
部署の次長に留まっているのは女で何度も失敗したのが原因です」
「……」
「やめよう、やめようと思うのですが、女ぐせの悪さは生まれつき
のようで、やめられないのです。もう、病気のようなものです。だ
から結婚は諦めてますし、一人の女性を好きにならないようにして
います」
「お前の身の上話を聞きたいんじゃない。とにかくこれから妻をど
うする積もりだ」
「どうすることもありません。してしまったことを否定はしません
し、出来る限りの償いはします。それと、ご夫婦の問題であること
は重々分かっていますが、奥さんとよく話をしてください。お願い
します」

確かに春日はすべて非を認めているため、夫婦の問題を片付けない
ままこれ以上彼と話をしても仕様がありません。仕事を途中で抜け
てきたこともあって、春日にはいったん帰ってもらうことにしまし
た。

一人になった私は、何か当てが外れたような気持ちになっていまし
た。妻と男に手酷く復讐してやると思っていたのが、春日の態度を
見ているとまるで私が独り相撲を取っているような気がしてきたの
です。

私は応接間のソファに深々と腰を下ろし、ぼんやりとしていました。
このマンションにも暮らし始めて10年以上になります。購入した
当時の、まだ幼い子供を抱いて真新しい部屋を順に巡った時の妻の
うれしそうな顔を思い出します。

子供たちの入学式、入園式、お宮参り、始めてわが子を抱いた時の
うれしさ。お産を終えた妻の安堵した表情。家族の歴史が時間を逆
流するように私の脳裏に浮かんできました。

うっかり私はソファで寝込んでいたようです。外はもう夕方で薄暗
くなっています。完全に目が醒め切れない私は珈琲をいれることに
しました。

珈琲がポットの中に溜っていくのをぼんやり見ていたら、玄関のチ
ャイムが鳴りました。子供達が学校から帰ってくるには随分早いな
と思いながら玄関に向かうと、そこに荷物を持った妻が立っていま
した。例のお気に入りのグリーンのコートを着ています。

「明日まで帰らないのじゃなかったのか」
「両親に断って、あれからすぐに家を出ました。早くあなたにお話
ししたくて。上がっても良いですか?」

私がうなずくと妻はブーツを脱いで上がって来ました。キッチンに
入った妻は、珈琲が出来上がっているのに気づきました。
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投稿者:KYO 投稿日:2006/03/09(Thu) 21:09

「お義父さんやお義母さんにも聞いてもらったらどうだ」
「それは……」

妻が切羽詰まったような声を出します。私も本音では夫婦間のゴタ
ゴタに病に倒れている義父まで巻き込みたくはありません。41歳
にもなる娘の育て方についていまさらその親に苦情を言ってもしょ
うがないことも分かっています。

「わかった。今家には俺しかいない」
「すみません、すぐにかけます」

私が受話器を置いてから3分程しかしないうちに、電話がなりまし
た。

「紀美子です……」

私は妻の声を不思議なほど遠くに感じました。それは遠い実家から
かけているということだけでなく、気持ちの上の距離感だったと思
います。

「話したいことって、なんだ」
「あの……」

妻は口ごもります。

「春日さんと話されたんでしょう」
「奴から連絡があったのか」
「はい……」
「いつも連絡を取り合っているんだな」
「違います」
「まあいい、おまえの話を聞こう」

私は妻を促します。

「ビデオと写真をご覧になったんですね」
「それは俺が春日に言ったことだ。夫以上に信頼している人間の言
葉をわざわざ俺に確認しなくても良いだろう」
「それは違います。私があなた以上に信頼している人はいません」

私は本当は「信頼している」というより「愛している」と言いたか
ったのですが抑えました。そう言って妻に否定されないことを無意
識のうちに恐れていたのかも知れません。

「まあいい、それよりもさっきから質問ばかりだな。紀美子が話が
あるというからかけたんだ。その話を聞こうじゃないか」
「それは……やっぱり電話で話しにくいです」
「それなら俺から話すことはないから、これで終わりだ。離婚届を
送って置くから署名捺印して返せ。後は弁護士を通す。おまえはも
うここに帰ってくる必要はない。お義父さんの看病も必要だし、ち
ょうど良い。ずっと実家にいろ」
「そんな……離婚なんて言わないでください。あなたが考えている
ような関係ではないんです」
「俺は何も自分の考えを付け加えていない。お前たちの嫌らしいビ
デオと写真から判断しただけだ」
「待ってください、私の話を聞いてください。水曜日には家に帰り
ます」
「水曜日……今日中に離婚届を速達で送るから水曜日にはそちらに
着く。お前はそこで待って受け取れば良い」

私は一気にそこまで話すと電話を切りました。その後何度も電話が
鳴りましたが、私は出ませんでした。そうこうしている間に玄関の
チャイムが鳴りました。ドアを開けたらそこには緊張した面持ちの
春日が立っていました。

「ご主人、申し訳ありません!」

春日は玄関に入るや否やそう叫ぶように言って、その場に土下座し
ました。私はしばらくあっけにとられて春日の様子を眺めていまし
た。

「入れ」
「はい」

私は春日を応接間に通しましたが、春日はソファには座らず、床の
上に直接正座しています。私はそれを見てふと、春日は以前にもこ
のような修羅場を経験しているのではないかと感じました。

「あんたとももちろんだが、あんたの奥さんと話がしたい。出来れ
ばこの場に呼べ。あんたの奥さんも被害者だからな」
「……ご主人、私には妻はいません」
「何?」

春日は私より少し年上の40台半ばといったところのようです。今
時その年で独身の男は珍しくありませんが、銀行という保守的な業
種で管理職の地位にある人間が独身だというのはやや意外な感じが
しました。

しかしこれで春日の家庭も壊してやろうという私の願望は潰えたこ
とになります。私は苛々してきました。

「独身か。ならちょうど良いじゃないか。俺は妻と別れるつもりだ
から一緒になれるぞ。ただし、2人ともそれなりの代償を払っても
らうつもりだがな」

私はそう言いながらも、妻からはともかく、春日に慰謝料以外にど
のような代償を払わせるのか考えていました。社内不倫ということ
で銀行の人事部から処罰させることが出来るでしょうか。

「ご主人、私は奥さんと一緒になる気はまったくありません。別れ
るなんておっしゃらないでください」
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投稿者:KYO 投稿日:2006/03/09(Thu) 21:06

「春日さん、あなたは私の妻をどうするつもりですか?」
「えっ」
「ビデオと写真はすべて見させていただきました」

私の言葉に春日は見る見る青ざめ、いきなりテーブルに手を着いて
頭を下げます。

「す、すんませんっ!」

私は春日の行為にあっけにとられます。珈琲を持って来たウェイト
レスが目を丸くして私達を見ています。

「わ、私と奥さんのやったことは、法律的は不貞、不法行為です。
それについては償わせていただきます」
「償い?」

私は春日の言葉を聞きとがめます。

「償いとはなんですか」
「ですから……十分な慰謝料を……」
「いきなり金の話ですか。さすがに銀行は稼ぎが良いのですね」

私は春日を突き放します。

「償いはむろんしてもらいますが、私は妻をどうするつもりなのか
を聞いているのです」
「どうするとは……」
「あなたは妻と一緒になりたいのですか?」
「とんでもありません」

男は慌ててかぶりを振ります。

「そんなつもりは毛頭ありません。紀美子さんは○○さんの妻です」
「すると、あなたは妻を遊びで抱いたのですか?」

私の声が少し大きくなったようで、周りの客数人が怪訝そうな表情
をこちらに向けます。

「どんなつもりであったにせよ。責任は取ってもらいます。私はも
う妻とは離婚するつもりです」
「離婚……」

春日は目を丸くします。

「それはいけません。離婚はいけません」
「なぜですか? あんなことをした妻とはもう一緒にはやっていけ
ない。妻もビデオの中であなたの妻としてやっていきたいと言って
いたではないですか」
「あれは違うんです」
「どこが違うんだ」

さすがに私は怒りをこらえ切れず、言葉が荒くなります。

「それにあんたが始めに言った、法律的には不貞とはどういう意味
だ。法律的には不法だが心情的には正しい、純粋な愛だとでもいい
たいのか」
「○○さん、勘弁してください。この店は銀行の人間も出入りしま
す」

店中の視線が私達に集まっています。私はさすがに少し興奮が冷め、
席に座り直します。

「今日、昼休みにかけて外出の時間をとって、○○さんのお宅にお
邪魔します。その時にきちんとお話させてください」
「わかった……」

私もここでこれ以上の話は無理と見て承諾しました。とにかく少な
くとも春日がはっきりと妻との不貞行為を認めたのですし、銀行員
という社会的立場上逃げ隠れはしないでしょう。私はいったん鉾を
収め、家に帰って春日を待つことにしました。

春日に対する先制攻撃はなんとか成し遂げたのですが、もう一人か
たをつけなければならない相手がいます。そう、妻の紀美子です。

家に帰った私は、留守電が入っていることに気づきました。確認す
ると妻からです。お話したいことがあるのですぐに携帯に連絡して
ほしいとのことでした。時間を確認すると、ちょうど私が春日と別
れた10分ほど後です。

私と話をしたければ携帯に電話をすればすむことです。妻は私が家
にいないことを知りながらあえて家の電話にかけて来たということ
は、私とすぐに話すのを避けたかったからでしょうか。

私は妻の希望をわざと無視して、実家の電話にかけます。病に倒れ
ている義父やその看病で疲れている義母を巻き込みたくはなかった
のですが、妻にも私が味わった嫌な気持ちの何分の一でも体験させ
なければ気が済みません。何度かのコールの後、受話器を取ったの
は妻でした。

「はい、△△(妻の実家の姓)です」
「俺だ」
「あなた……」

電話の向こうで妻が息を呑む様子が見えるようです。

「すみません、こちらからすぐにかけ直します」
「この電話では話せないことか」
「すみません……近くに父と母が……お願いです」

妻は受話器に口を近づけ、小声で哀願するように話します。
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投稿者:KYO 投稿日:2006/03/09(Thu) 21:06

妻と男の情交の記録を見続けた私は、到底妻とやり直すことは不可
能だと思っていました。妻とは離婚する。子供たちの親権も渡さな
い。財産分与と養育費は相殺して妻を身一つで放り出し、さらに妻
と男に対して慰謝料を請求するつもりでした。

また、私が営々と気づき上げた家庭が崩壊した訳ですから、男の家
庭も崩壊させるつもりです。男の妻に対しても事態を明らかにする
のです。男の妻から私の妻に対して慰謝料の請求があるかも知れま
せんが、それは離婚を決めた私にはもはや関係のないことです。

私は男と対決するにあたって、不倫や離婚にかかわる法的責任につ
いて十分頭に入れて行きました。本当なら妻を奪った男をぶん殴り、
職場にも男の所業を言い触らして男を破滅させてやりたいところで
すが、そうなると私の方が罪に問われかねません。

私の心は男と妻に対する復讐心で一杯であり、男と妻の関係を終わ
らせ、妻とやり直すなどという発想はまったくありませんでした。

私は妻が冷蔵庫にマグネットで貼っているパートのシフト表から、
妻の所属部署と直通電話を調べていました。銀行の始業時間前をね
らって、携帯から電話をかけます。

「お電話ありがとうございます。A銀行融資業務部です」
「そちらにお世話になっている○○の夫ですが、春日健一さんをお
願いいたします」
「次長の春日ですね、少々お待ちください」

春日は喜美子の勤める部署の次長のようです。銀行での出世の早さ
がどう入ったものなのか良く知りませんので、優秀なのかそうでな
いのか分かりかねます。電話が保留にさせる間、聞き慣れたクラシ
ックのメロディが流れました。私は必死で気持ちを落ち着けます。

「はい、春日です」
「はじめまして、私、○○紀美子の夫です」
「ああ、奥様にはいつもお世話になっております」

春日はわざとらしく陽気な声を出します。私は春日の話振りがビデ
オとは違う関西弁のアクセントがあることに気づきます。

(別人か?)

私の胸に不安がよぎります。ビデオの男がなんらかの理由で春日の
ふりをして、妻がそれに調子を合わせたということも有り得ます。
いずれにしても電話では声質もよく分かりません。私はここはあえ
て慎重に下手に出ることにしました。

「実は家内のことでご相談したいことが有ります。お忙しいところ
申し訳ございませんが、少しお時間をいただけないでしょうか」
「ああ、ああ、もちろん良いですよ。いつがよろしいですか」

春日は声に余裕が有るようです。私の不安が膨らみますが、思い切
って切り出します。

「実は今、銀行のすぐ近くまで来ています」
「えっ?」

一瞬春日の声音が変わったようです。

「向かいのビルの地下に、モナコという喫茶店があるのをご存じで
すか」
「……知ってます」
「そこで待っていますので、ご足労ください」
「今からですか?」

春日の声にためらいが見られます。

「さほどお時間は取らせません。お願いします。それでは」

私はそう言って電話を切ります。

男と春日が別人だった場合、私の行為はやや奇異なものと見られか
ねませんが、仮にそうであったとしても男は妻の職場の人間である
ことはほぼ間違いないと感じています。春日から男についての情報
を得ることは可能でしょう。

私はモナコという喫茶店に入り、店の奥の方に席を取り、珈琲を注
文して春日を待ちます。やがて落ち着かない風情で春日が現れまし
た。黒縁の眼鏡をかけ、額がやや上がった腹の出た中年男、間違い
なくビデオの男でした。

私は春日に向かって手を上げます。春日はきょろきょろしながら私
の方に近づき、深々と頭を下げました。

「どうも、春日です。奥様にはいつもお世話になっております」
「いえ、お世話になっているのはむしろ家内の方でしょう」

私は込み上げる怒りを必死で抑えてそういいます。春日は皮肉を言
われているのを感じたようですが、何も言い返せなくて口をパクパ
クさせています。

「お座りください」

私が声をかけるとようやく春日は席に着きました。春日が何かしゃ
べろうとした途端、ウェイトレスが私に珈琲を持って来ました。

「ご注文は」
「あ、こ、珈琲を」

春日は明らかに平静を失っています。ウェイトレスが去ったところ
で私は春日に切り出しました。
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投稿者:KYO 投稿日:2006/03/08(Wed) 21:35

「一番上はどこだ」
「み、耳たぶ……」

男が羽帚で妻の耳たぶをくすぐると、妻は「ヒッ」と声を上げて首
をすくめます。

「そんな答え方じゃ駄目だ。ちゃんと教えた通りに言わないか」
「わ、わかりました。ち、チンポ大好きの淫乱妻、春日紀美子の一
番上の性感帯は耳たぶです」

再び男の羽帚による攻撃が妻を襲います。妻は何とかイクのをこら
えたようです。

続いてうなじ、腋の下、胸元、乳首が順に責められます。妻が自分
の性感帯をはっきりと告げるたびに私は何か複雑な気分になって来
ました。妻とのセックスでそれぞれの箇所を愛撫したことはありま
すが、そこが性感帯であるということをはっきり意識していたでし
ょうか。私は妻の身体について無知であったことを思い知らされま
した。

性感帯を順に執拗に責められた妻はもはや懊悩の極致といった感じ
で、素っ裸をガクガクと痙攣させています。あと少し責めればあっ
けなく絶頂を極めてしまうでしょう。

「さて、次は……」

男の羽帚が妻の下腹部から下に降りてくると、妻は恐怖に目を見開
きます。

「クリトリスとオマンコは勘弁してやろう。さすがにそこを責める
とあっと言う間にイってしまうだろうからな」

妻は一瞬安堵したようですが男の羽帚が双臀の狭間に触れると、途
端に「アアッ」とうろたえたような声を出しました。

「どうした? クリトリスとオマンコは勘弁してやるが、次は駄目
だぞ。いくら淫乱妻の紀美子でも、まさかこんな所を責められてイ
クはずはないからな」
「ハ、ハイ……」

妻の声は恐怖と緊張、そして押し寄せる快感に震えています。私は
思わず画面に引き込まれていました。

「それじゃあ、次の答えをいってみろ」
「ハイ……チンポ大好きの淫乱妻、春日紀美子の上から10番目の
性感帯は、お、お尻の穴ですっ。ああっ……」

いきなり男の責めが開始されました。妻は電流に触れたように激し
く身体を震わせています。

「1分間我慢すれば浣腸は許してやるぞ。どうだ、我慢できるか」
「が、我慢……しますっ」
「そうだろうな。いくら淫乱妻だといっても、まさか、ケツの穴を
責められてイクほどの変態女じゃないだろう」
「ハ、ハイッ……」

妻は必死で絶えていましたが、30秒もたたないうちに降参します。

「あ、ああ……も、もうっ。駄目っ」
「イキたいのか」
「ハイッ、もう、我慢できませんっ」
「お仕置きは浣腸だぞ、いいのか」
「は、ハイっ。か、かまいませんっ」
「よしっ、それなら思い切りイケっ」

散々焦らされていた妻は「イクッ」と叫ぶと、魚が跳ねるような激
しさで全身をガクガクと震わせます。これほどのオルガスムスを感
じる妻を見るのは初めてでした。

その後のビデオは妻と男のセックスシーンが延々と続きました。一
晩中妻と男は愛し合っていたようですが、ビデオには妻の絶頂シー
ンを中心に編集が施されていました。妻はイク度に男からそう言う
ように命じられているのか、「チンポ大好きの淫乱妻、春日紀美子、
3回目、イかせて頂きますっ」などと叫ぶのでした。最後は声が涸
れるほどになった妻は「8回目、イかせて頂きますっ」と叫んで男
に抱かれながら失神するのでした。


妻は一番目の誓いどおり一晩で8回の絶頂に達しましたが、「2004
1204」と名づけられたビデオには妻の浣腸シーンや、アナルセック
スのシーンはどこにもありませんでした。念のために写真のファイ
ルもチェックしましたが、それは妻と男の翌日のスナップがほとん
どでした。前日のような刺激のある写真もほとんどなく、私には妻
と男が旅館の前で仲良く手を組んでいる場面や、土産物屋で楽しそ
うに買い物をしている場面が心に痛かった程度です。

その日と翌日にかけて、私は妻と男の記録、つまり7月15日から
12月24日までのビデオと写真を全てチェックしました。私にと
ってはどれも衝撃的なものでしたが、やはり男と妻が1泊旅行をし
た12月4日のものがもっとも刺激の強いもので、始めにそれを見
た私は不感症気味になったのか、他のものについてはいくぶん冷静
さを持ってみることが出来ました。

いよいよ連休明けの11日となりました。私は会社に電話を入れ、
急病のため休むと伝えました。年明け早々、また三連休の後で急に
休暇を取るというのは勤め人として褒められたことではありません
が、妻と男のことにけりをつけない限り、落ち着いて仕事も出来ま
せん。私はスーツを着ると、いつもの会社とは違う方向、妻のパー
ト先である銀行に向かいました。
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投稿者:KYO 投稿日:2006/03/08(Wed) 21:35

そうでなくても、今回の男が初めてではないという可能性もありま
した。妻の昼の顔と夜の顔が全く違う、あるいは夜の顔も私に見せ
るものと他の男に見せるものが違うということです。

しかし恐らくは、妻は今回、春日という男と出会うことで変貌させ
れれたようです。このようなことにもささやかな安堵を感じてしま
うのはこれまであまりにも衝撃的なことが多かったからでしょうか。

しかしどうして妻は変わってしまったのでしょうか。私との行為で
は淫らになれなかった妻が、男とでは淫らになれるのはなぜでしょ
うか。それほど男の妻に対する調教が巧みだったということでしょ
うか。

「紀美子のような淫乱妻に一晩付き合ったのでは流石の俺も体力が
もたん。最初の一回目は見ていてやるから一人でイけ」
「そんな……」

妻は嫌々と首を振ります。すでに妻の小ぶりの乳房は完全に露出し、
パンティは身体を隠す役割は一切果たさなくなっています。

「淫乱妻はチンポでないとイケないのか? 一度一人でイカないと
いつまでもハメてやらないぞ。それでもいいのか」
「あっ……それは嫌です。我慢できません」
「それならやるんだ。まずこう言ってから始めろ」
「ああ……」

耳元で何事か囁いてくる男に、妻は首筋まで真っ赤にしながらかぶ
りを振ります。何度か催促された妻はようやく諦めたように口を開
きました。

「あ……あなた……チンポ大好きな淫乱妻、春日紀美子がマンズリ
をかいてイクところを見ていてください。お、お願いしますっ」

男に秘部を嬲られながらそう言った妻は、「ううっ」と声を上げ身
体をブルブル震わせました。自分の発した淫らな言葉と男の玩弄が
シンクロし、絶頂に達したのでしょう。

画面が変わり、妻は布団の上で蛙のように脚を広げ、横たわってい
ます。豊満な尻の下には枕が当てられ、妻の無毛の秘部ばかりでな
く、双臀の狭間に秘められた肛門までが露になっています。

妻は右手に持ったローターを乳首にあて、左手に持ったバイブで膣
口からクリトリスをゆっくりと愛撫しています。2つの器具から発
せられるジーッというモーター音が次第に妻のハア、ハアという喘
ぎ声にかき消されていきます。

ビデオカメラの一台は妻の股間から全身を写し出す位置に、もう一
台は男が手に持っているようでローターやバイブの動き、また喘い
でいる妻の顔を写しています。

相変わらず男のビデオ編集は巧みで、まるで本物のAVを見ている
ようだ、などと変なところで感心してしまいます。

「黙ってマンズリをかいてるんじゃない。今どんな気持ちなのか、
どこが感じるのか、ビデオを見る人間がちゃんと分かるように実況
するんだ。上手くやらないとこのビデオをアダルトビデオの業者に
持ち込むぞ」
「ああ、嫌……それだけはやめてーー外を歩けなくなっちゃうーー」
「分かったら始めるんだ」
「ハ、ハイ……チンポ大好きの淫乱妻、か、春日紀美子は、今ロー
ターを乳首にあてて、お、おバイブをオマンコに当てていますっ」
「そんなことは見ていれば分かる」

男は妻のヒップをピシャリと叩きます。

「どんな気持ちか、どこが感じるのかを伝えろといっただろう。真
面目にやらないと紀美子のマンズリビデオが全国のビデオショップ
に並ぶが、それでもいいのか」
「いやーー、わかりました。ちゃんといいます」

男は妻が持ったバイブに手を添えるようにして、ぐいぐいと出し入
れさせると、妻は悲鳴のような声を上げて男に屈服します。

「き、紀美子の淫乱な乳首が、ローターのブルブルする刺激で、ビ
ンビンに感じていますわ。ク、クリトリスもおバイブのダイナミッ
クな動きに……ああ、き、紀美子、もう、負けちゃいそうっ」
「流石に淫乱妻は表現力が豊かだな」

男は楽しげに笑いながら、旅行カバンの中から小さな羽帚を取り出
します。

「この前の復習だ。紀美子の性感帯を上から順番に言え。間違えた
らお仕置きだからな」
「いやーー、今それをされたら」
「イってしまいそうなのか」

妻は声を上げることもできず、ガクガクと頷きます。

「全部言い終わるまでに気を遣ってもお仕置きだからな。今日はア
ナルセックスをするんだから、お仕置きは浣腸がいいだろう」
「浣腸なんて嫌ーー」
「なんだ、紀美子は経験があるのか」
「ありません、でも嫌ーー」
「嫌なら最後まで我慢するんだ。言っておくが途中でローターやバ
イブを身体から離してもお仕置きだ。いいか、始めるぞ」

男がそう告げると妻は覚悟を決めたようで、ぐっと歯を食いしばり
ます。少しでも気を緩めたらイキそうになるのを必死でこらえてい
るようです。
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投稿者:KYO 投稿日:2006/03/08(Wed) 21:34

部屋には既に豪華な布団が敷かれています。その横で真っ赤な下着
を身につけた妻が正座をしています。ビデオ後半はいよいよ男との
セックスシーンのようです。

下着は撮影の角度からはよく分かりませんが、それまで着ていた黒
のシースルーのものよりはずっと小さいと思われます。

部屋は煌々と明るく、備え付けの電灯以外に男が用意した撮影用の
ライトが灯されているようです。セックスの際はいつも明かりを消
すように訴えていた妻が、こんな明るい場所で男に抱かれるという
ことが信じられません。

「あなた……今夜はチンポ大好きな淫乱妻の紀美子を、思い切り可
愛がってください。よろしくお願い致します」

そういうと妻は深々とお辞儀をしました。

「よし、可愛がってやるから今夜の紀美子の目標を言ってみろ」
「ハイ……」

紀美子は少し恥ずかしげに目を伏せましたが、すぐに顔を上げて口
を開きます。

「一つ、淫乱妻の紀美子は今夜、最低8回はイクことを誓います」
「一つ、淫乱妻の紀美子は今夜、愛する夫であるあなたにお尻の処
女を捧げることを誓います」
「一つ、淫乱妻の紀美子は今夜、お口、オマンコ、お尻の3つの穴
を使って、愛する夫であるあなたに3回は気持ち良くなっていただ
くことを誓います」
「以上、3つの誓いに違反した場合は、どのようなお仕置きも喜ん
でお受けすることを誓います」

そこまで言い終えた妻はとろんと潤んだ瞳をカメラに向けます。妻
はそんな屈辱的な言葉をはかされることで明らかにマゾヒスティッ
クな悦びを感じているようです。

「立って見ろ」
「ハイ」

妻は素直に立ち、気をつけの姿勢をとります。

妻の下着姿の全貌が明らかになりました。赤い上下の下着は透けて
はいませんが面積は非常に小さく、妻は裸同然、いや、むしろ裸よ
りも恥ずかしい姿だと言えます。

「そのブラジャーはどうなっているんだ」

男の問いに妻は無言でほほ笑むと、ブラジャーに指をかけました。
ビデオカメラが妻の胸にズームインしていきます。

赤いブラジャーは生地にラメが入っているようで、キラキラ光るそ
れは下着というよりは踊り子の衣装を思わせます。

驚いたことにそのブラジャーは前が割れるようになっており、妻の
茶色の乳首が布地の間から飛び出しました。既に興奮しているため
か、乳首は堅く勃起しています。

男は数回妻の乳首を揉み上げるようにしていましたが、やがて妻の
下半身にビデオカメラのレンズを向けます。

妻のはいているパンティは、ストリッパーのやはりバタフライのよ
うな小さいもので、事前に剃毛していなければ黒々とした陰毛が横
からはみ出していたことでしょう。

「パンティーはどうなっているんだ」

妻はやはり無言でほほ笑むとパンティーに指をかけます。想像した
通りパンティーの前の部分は大きく開き、妻の無毛の陰裂が丸出し
になりました。

「さすが淫乱妻の下着は普通とは違うな。そんな助平な下着をどこ
で買って来たんだ」
「これは……あなたが……」
「俺がどうした? 俺はそんなものを買ってやったおぼえはないぞ」
「ああ……ごめんなさい。紀美子が、紀美子が自分で買いました」

男は妻を言葉で責めながら、同時に片手でパンティの割れ目越しに
妻の秘部を嬲り、空いた手の平で乳首を転がすようにしています。
それだけで妻は情感が迫って来たようで、「あっ、あっ」とこらえ
切れない喜悦のうめき声を上げ始めます。

「自分で買ったということは紀美子はこんな助平な下着が好みだと
いうことだな」
「ハイ……淫乱妻の紀美子は助平な下着が大好きです……ああっ」

妻の興奮はますます高まり、鼻息が荒くなっていきます。

「初めてのときはいかにも貞淑そうな白い下着をつけていた癖に。
明るいところで抱かれるのも、マンコを近くから見られるのも嫌が
っていた癖に。あの時の紀美子は猫を被っていたのか」
「ハ、ハイっ。猫を被っていましたっ。本当は淫乱なのを隠してい
ましたっ」

興奮して妻は叫びます。

私は男と妻のやりとりで、2人が初めて関係を持った時の様子のほ
んの一端を知りました。私が心の底で本当に恐れていたのは、妻が
結婚した当初から私が考えていたような人間ではなかったというこ
とです。それならば私と妻の15年以上の結婚生活はすべて無意味
なものとなってしまいます。
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投稿者:KYO 投稿日:2006/03/07(Tue) 22:36

場面は変わり、妻は露天風呂の洗い場で、風呂の縁に腰をかけた男
の前に正座しています。

「あなた……綺麗にして頂いて有難うございます。お礼として、た
っぷりご奉仕させていただきますわ。チンポ大好きの春日紀美子に、
あなたのザーメンをいっぱい飲ませてね」

妻はそういうと男に深々とお辞儀し、髪をぱっと後ろに払って男の
ペニスにむしゃぶりつきます。

「おっ……随分うまくなったじゃないか……さすがはチンポ大好き
の淫乱妻だ」

そういいながら男は妻の頭に両手を当て、髪の毛をぐしゃぐしゃに
します。妻はうっとりした表情で男にしゃぶりつき、舌を犬のよう
に大きく出して男の玉袋をペロペロと嘗め、また口をすぼめるよう
にして激しく上下させます。それは昨夜私に対して発揮したのとま
ったく同じ技巧です。

「あなた……後ろを向いて」

妻の言葉に男は後ろを向き、尻を妻のほうへ突き出します。何をす
るのかと見ていた私は次に妻が行った行為に驚愕しました。

妻は男の双臀を開くようにすると、男の肛門に接吻したのです。

「どうだ、俺のケツの穴の味は」
「ああ……美味しいですわ」
「もっと舌先をすぼめて、ケツの穴に押し込むんだ」
「ハイッ」

なんということでしょう。男の排泄器官にまで奉仕する妻──娼婦
でさえ嫌がるような行為を進んで行うとは──あの清楚な妻がここ
まで堕落するとは信じられないことでした。

たっぷりと男の肛門に奉仕した妻は、再び前を向いた男の肉棒をし
ゃぶります。

「もっと強くしろっ」
「……ハイッ」
「そうだ……いいぞ……おお……もう、出すぞ……いいか、全部呑
み込めよ」

男はそう言うと「ううっ」と声を上げ、妻の口の中に一気に欲望を
放出しました。妻は一滴もこぼすまい、といった風に男の射精を必
死で受け止めています。妻のうっとりした表情が大写しになったと
ころで長い一本目のビデオは終わりました。

私はどっと疲れがこみ上げてくるのと同時に、不思議な興奮を感じ
ていました。今まではビデオの中の妻の痴態を見ても怒りと悲しみ
が湧くだけで、勃起することはほとんどなかったのですが、今は私
のペニスは昨夜3回も射精したとは思えないほどの硬化を見せてい
ました。

いえ、正確には一度、妻がビデオの中で焦らすようにパンティを脱
ぎ、妻の白いお尻が徐々に現れる場面で私は興奮しました。それは
まるで妻が目の前で私に対して挑発しているように感じたからなの
です。

それでは今、妻が男に奉仕しているところを見て興奮したのはなぜ
でしょうか。

それはやはり、妻が私に対して奉仕しているような錯覚を感じたか
らだと思います。昨日の妻の絶妙なフェラチオ──ビデオの中で妻
は、私に対して行わなかった肛門への奉仕まで演じていますが、そ
のことがむしろ、より私を興奮させたのではないかと思います。

私は「妻物語」の愛読者ですが、決して寝取られ志向ではないと思
っていました。むしろ自分を裏切った妻やその相手に復讐するとい
うシチュエーションに興奮するほうです。不倫を盾にして妻を従属
関係に置くというのが好みなのです。しかし何故か最後には妻とは
ハッピーエンドになることを望むのが我ながら複雑ですが。

私はふと、男がビデオや写真の中で妻に対して行っている行為が、
日頃私自身が妻に対して試みてみたいと思って果たせなかったもの
だということに気づきました。

妻に対する言葉責め、軽い野外露出、剃毛などのソフトなSM、明
るい場所でのストリップやコスプレ、いずれも私が妻に行ってみた
いと思っていたことです。

実際に妻に対して冗談交じりに提案したこともありますが、妻はそ
んな変態的なことは出来ない、恥ずかしいといってどれも拒絶して
きました。どれも変態的というほど大層なものではないのですが、
確かに完全に正常な行為とはいい難いので、私もそれ以上強く要求
することはありませんでした。

しかし妻が男に命じられて演じている行為は、いずれも不思議なほ
ど私の嗜好に一致するのです。妻の不倫相手になった男がたまたま
私と趣味が一致する男だったのでしょうか。

もしそうなら、私の要求は聞けないで、男の要求は聞けるのはなぜ
でしょうか。やはりそれは私よりも男を愛しているから、というこ
となのでしょうか。

私はその回答が知りたくてビデオの後半にあたる「20041204b」とい
うファイルを開きました。
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投稿者:KYO 投稿日:2006/03/07(Tue) 22:35

完全に妻を失ってしまった。私が愛した妻はもうどこにでもいない。
今いるのは春日という男に身も心も捧げる一匹の淫らな牝でした。

私はこれまで妻のどこを見ていたのでしょう。人間は15年以上も
共に暮らした相手を、こうも残酷に裏切ることができるのでしょう
か。

今まで「妻物語」で楽しんできた不倫妻とその夫の物語。それは実
話であれフィクションであれ私にとっては「他人事」でした。しか
し、それが我が身に降りかかって来たとき、これ程辛いものとは想
像もしていませんでした。

私にとって最も辛かったことは信頼する相手に裏切られたことによ
る衝撃、妻が私が思っていたような人間ではなかったことからくる
失望よりも、愛するものを失ったという喪失感と悲しみでした。

そう、あれほどの妻の変貌振りを見せられても、私は妻への愛を捨
て切れていないのです。この耐え難い苦しみを断ち切るためには、
同時に妻への愛も断ち切らなければならないと思いました。

そのために私は妻の醜い姿を直視し、自分とは縁のない存在だと思
わなければならないと考えました。

写真が庭での散歩の場面からすぐに食事の場面に移っているという
ことは、その間はビデオで埋められていると思われます。

その一部、着衣のまま男に秘部を嬲られ絶頂に達する妻の姿はたっ
た今見た訳ですが、食事前に浴衣に着替えているからには、2人で
部屋に備え付けられている露天風呂に入ったに違いありません。

そういえば先程、ほんの短い時間ですが妻がタオルを身体にあてて
露天風呂に入っている場面がありました。私は深呼吸をしてビデオ
を再開させました。

妻は全裸になって露天風呂の前に仁王立ちの姿勢をとっています。
露天風呂は前面が完全に海に面しているため、目隠しは一切ありま
せん。夕日にキラキラ光る海を背景に立つ妻の裸身は、思わず見と
れてしまうほどです。

画面の中に男が現れます。男は片手に剃刀やシェービングクリーム
の入った洗い桶を、もう一方の手に手拭を持ったやはり全裸の姿で
す。

だいぶ前から気づいていましたが、男は2台のビデオカメラを使っ
て妻を撮影していると思われます。1台は固定、1台は手持ちで撮
っているようですが、撮影は相当手慣れておりまた編集も巧みであ
るため、映像の流れは極めてスムーズです。

しかし、ここでは妻の陰毛を剃るため男の手が塞がることから2台
とも固定で撮影されます。

1台のカメラは妻の秘部をクローズアップで撮るよう調整されてお
り、もう一台のカメラは妻のバストショットを収めるようになって
います。

「あなた……チンポ大好きの淫乱妻、春日紀美子のむさくるしいマ
ン毛を一本残らずお剃りになって、早く赤ちゃんのような姿にして
ちょうだい」

もはや「春日紀美子」という言葉を聞いても大きな感慨はありませ
ん。まるで他人の夫婦を覗き見しているような気分でした。

男は妻にシェービングクリームを吹きかけ、丁寧に剃り上げていき
ます。妻も最初のビデオで見せたような抵抗は見せず、うっとりし
たような表情で男にされるがままになっており、時折腰を浮かして
男の作業に協力したりしています。

「ああ、、あなた、、紀美子のクリトリスに間違って傷をつけたり
しては嫌よ」
「そんなへまをするもんか。ほら、もっとマンコをしっかり突き出
せ」
「これでいい? あなた……あっ、悪戯してはいや……綺麗にして
からゆっくりすればいいじゃない」
「はは、悪い、悪い」

妻と男はそんな言葉を交わしながら淫らな遊びに酔っているようで
す。

私は妻と男はいつからの関係なんだろうかと考えてみました。この、
まさに夫婦のような親密さに至るまで、2人の間でどれほどの密会
が交わされたのでしょうか。

私はふと、この「霽月館」という旅館が、土曜の夜などは1年前か
ら予約しないと取れないということを思い出しました。妻と男が泊
まった12月4日はまさに土曜日です。

すると2人は、1年以上前からの関係なのでしょうか。1年前の1
2月もやはり妻と男はどこかで関係を持ち、1年後はこの旅館に泊
まろうと約束を交わしたのでしょうか。

もしそうだとしたら私は妻に、想像以上に長い間裏切られてきたこ
とになります。この1年間の妻の笑顔、妻の優しさ、それはみんな
偽りだったのでしょうか。

ビデオの中の妻はすっかり剃り上げられたあげく、自ら男に対して
剃り残しのチェックをお願いしています。妻の恥丘から肛門の周囲
に至るまで念入りに点検した男は「よし」といって妻のヒップをパ
シッと平手打ちします。
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投稿者:KYO 投稿日:2006/03/05(Sun) 21:02

ビデオの中で妻が性器や肛門のクローズアップを撮られているのが
分かっていても、実際に高画質なその写真を見ると、妻の変貌が現
実のことだということを突きつけられるようなのです。

写真はようやく妻と男が散歩している場面に移ります。散歩という
のでてっきり私は2人が旅館の外に行くのかと思っていたのですが
そうではなく、妻と男は旅館の広い庭を散策しています。時々浴衣
に半纏姿の泊り客が写真の隅に写っています。和風の庭の中でシャ
ツブラウスと黒いミニスカート姿の妻はやや違和感があります。

ノーブラ、ノーパンのせいか妻の表情はいくぶん硬めです。私はて
っきり旅館の庭で野外露出を演じるのかと思っていたのですが、そ
ういう写真はなく場面はまた室内に移りました。

次は夕食の場面で、浴衣姿で豪華な食事を前に嬉しそうに微笑む妻
の姿が写っています。グラスに注がれたビールを飲み干す妻。

ちなみに妻は極端に酒に弱くビール一口で顔が真っ赤になり、グラ
スに半分も飲むとてきめんに気分が悪くなります。しかし画面の中
の妻はその限界を超えた酒量であるはずのビールを一気に飲んで、
飲み干した証拠を見せるようにグラスを逆さまにして微笑んでいま
す。

ほんのり顔が赤くなった妻が男に肩を抱かれた姿が写っています。
おそらく三脚とタイマーを使用して撮ったのでしょう。男の視線が
まるで画面越しに私を挑発するように思えました。

私はふと気づき、スライドショーをいったん閉じるとビデオを再開
させました。部屋の中でシャツブラウスと黒いミニスカート姿の妻
が立っています。

「気をつけ!」

男の号令で、妻は直立不動の姿勢をとります。

「股、開け!」

今度は妻は両肢をコンパスのように、ミニスカートの生地の限界ま
で開きます。

「スカートを上げろ!」

妻は素直に両手でスカートを持ち上げます。ノーパンの妻の裸の下
半身が露わになります。

「マンコ、突き出せ!」

男の言われるままに身体を反らせ、秘部をこれ見よがしに突き出す
妻。男は妻に近寄ると片手で上体を支えるようにしながら、残りの
手で妻の秘部をまさぐります。

「どうした、もうベチョベチョじゃないか」
「……」
「なぜこんなに濡らした、答えろ」
「あなたに……いつオッパイやあそこを……」
「淫乱妻があそこなんて気取った言い方をするな!」

男は妻のヒップを思い切り抓ります。

「い、痛いっ。オ、オッパイやオマンコを見せろと命令させるのか
と思うと……身体が……」
「自然に濡れてきてしまうのか」
「ハイ……」

妻はもじもじと身体をくねらせます。

「紀美子は、淫乱でマゾなだけでなく、露出狂だな……」
「ああ……ひどいわ」

妻は男の言葉に興奮をかきたてられたかのようにさらにくねくねと
身体を揺らせます。

「あなたが……あなたがこんな風にしたのよ。責任をとって」
「もちろん責任はとるさ」

男は妻の秘部を嬲りながら、そういいます。

「今日と明日だけじゃない。ずっと俺の妻でいろ。淫乱で、マゾで、
露出狂に調教してやった紀美子の面倒を一生見てやるぞ」
「嬉しいわ……あなた」

妻は男の言葉に更に興奮が高まってきたのか、喘ぐようにいいます。

「紀美子をずっと健一さんのものにして。もっと、もっと淫乱にな
るように紀美子を作り変えてっ!」
「マゾで露出狂にもしてやるぞ」
「わ、わかりましたっ。好きなようにしてっ」

そう叫んだ妻は男に唇を求められ熱い接吻を交わします。指による
責めで絶頂に達したのか、妻は男から唇を離すと「イクっ」と叫び、
身体を震わせました。お気に入りのスカートは妻の花蜜ですっかり
濡れてしまったでしょう。そこまで見た私は衝動的にメディアプレ
イヤーを停止させました。
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投稿者:KYO 投稿日:2006/03/05(Sun) 20:59

「紀美子がそんなに頼むのなら、後でたっぷり犯してやろう。しか
し、その前に腹ごなしの散歩だ。服を着ろ」

妻はうなずいて、パンティを穿こうとします。

「馬鹿野郎。俺は服を着ろといったんだ。下着を着けろとはいって
ない」
「えっ……でも……」
「淫乱人妻……いや、今日と明日は俺の妻なのだから、人妻はおか
しいな。淫乱妻の紀美子は散歩をするときに下着なんか要らないだ
ろう」
「はい……淫乱妻の紀美子は、散歩のときは下着は要りません。ノ
ーパン、ノーブラがふさわしいですわ」

妻が素肌の上から黒いミニスカートとパールホワイトのシャツブラ
ウスを着たところでビデオの場面が変わり、妻がタオルで前を隠し
ながら、個室についている露天風呂に入っているシーンになります。

散歩のときはビデオは持ち出さず、デジカメだけを持って出かけた
のでしょう。私は妻が散歩のときにどんなことをさせられたのが気
になり、いったんビデオを止めます。例の「20041204」というサブ
フォルダをクリックし、すでにチェックしたファイルは飛ばしてス
ライドショーを開始させます。

スライドショーの時間はいったん、宿までの旅程に戻ります。展望
台の上で2人仲良く腕を組んでいた後は、昼食に立ち寄った蕎麦屋
での妻の様子が撮られています。

妻は写真が苦手でしたが、特に食べているところを撮られるのを嫌
いました。しかし妻はここでは、男の前で美味しそうに蕎麦をすす
っているところまで撮らせています。その姿になぜか私は、セック
スしている姿よりも生々しいものを感じました。

昼食を終えた妻が蕎麦屋の前でポーズを取っている写真もあります。
古い民家風のそれなりに凝った建物ですが、特に記念写真を撮るよ
うな場所ではありません。蕎麦屋に出入する客たちが怪訝そうな表
情で妻のほうを見ているのが分かります。私は嫌な予感を覚えまし
た。

やはり思ったとおり、次の画像は妻がシャツブラウスの前を開き、
黒いブラジャーを押し下げて乳房を露出させているものでした。さ
すがに周囲の人に気づかれるのを恐れているようで、妻は不安げな
表情を見せています。

蕎麦屋での写真は終わり、次は旅館の前で妻が佇んでいる写真です。
旅館は歴史のありそうな立派な建物で、部屋の中の様子といい、宿
代は相当かかるでしょう。大きな看板には「霽月(せいげつ)館」
と書かれています。

「霽月館」という旅館の名は私も聞いたことがあります。土曜の夜
などは1年前から予約しないと取れない、伊東でも有名な旅館です。
宿代は2人で10万円近いでしょう。教育費のかかるこども2人を
抱えた私にはとても連れて行けない高級旅館です。

次の写真は旅館の中で仲居さんの姿も写っています。妻はチェック
インしているところらしく、宿帳に名前を書いているようです。

(どうしてこんなところを写すのだろう……)

宿帳に名前を書いているところを写真に撮るなど、普通はしません。
不審に思っていた私ですが、次の画像が現れるとその理由がわかり
ました。

妻は、男の名の横に自筆で黒々と「春日紀美子」と記した宿帳をカ
メラのほうに向けて、にっこりと微笑んでいます。私はもう○○紀
美子ではない、もはや身も心も春日健一の妻だということを高らか
に宣言しているようです。

耐えがたいほどの屈辱感と敗北感に打ちひしがれている私の目に、
衝撃的な画像が飛び込んできました。

それは淫蜜をたたえてキラキラと光っている、妻の性器のクローズ
アップでした。クリトリスが屹立し、小陰唇が充血して膨らんでい
るのがはっきりと分かります。

少しずつ角度を変えたその部分の画像が続いた後、妻が肉穴をまる
で財布の口を開くように、指先でオープンしている画像が現れまし
た。妻の肉襞は白っぽい樹液ですっかり濡れており、膣口から溢れ
そうなほどです。

食虫植物を思わせる妻の性器、貪欲さまで感じさせるそんなものが
あの可愛かった妻の身体の一部だということが信じられません。し
かもそれは男に視姦されてはしたなく蜜まで流しているのです。

次に現れたのは妻の肛門のクローズアップです。妻は尻たぶを両手
で開くようにして肛門を露出させ、豊満な尻をカメラに向かって突
き出すようにしています。

細かい襞で縁取られた妻の肛門は形も崩れておらず、まるで菊の花
を思わせます。この形ならいまだ男の肉棒による凌辱は受けていな
いのかもしれません。

しかしその一方、男の視線を受けて恥ずかしげに窄まっているそれ
は淫らというよりなにか皮肉な滑稽ささえ感じさせます。排泄器官
まであからさまに晒した妻の姿がたまらなく卑猥で、哀れでした。

ビデオの中で男に従い、いわれるままに猥褻な言葉を発し、淫らな
ポーズをとらされる妻の姿を見るのもショックですが、日常的な場
面からいきなり臓物まで晒すような卑猥な姿へ転換するスライドシ
ョーも私にとっては堪えました。
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投稿者:KYO 投稿日:2006/03/04(Sat) 23:41

「指でマンコを開いてみろ」

妻は男に言われたとおり、ストリッパーが特出しをするように指で
陰裂を開きます。襞の中まで晒した妻を男は何枚も写真に撮ります。

ようやく撮影が終わりました。男は、興奮のあまりハア、ハア、と
荒い息をついている妻の顎を持ち上げます。

「こんな写真を撮られたら、これからはいくら上品な奥様面をして
もムダだな、紀美子」
「ハイ……」
「濡れマンコの写真を撮られて興奮したか?」
「はい、淫乱人妻の紀美子は、濡れマンコの写真を撮られて興奮し
ました」
「チンポ大好きが抜けているぞ」

男は妻の尻をピシャリと叩きます。男の片手は妻の秘部を弄んでい
ます。

「……チンポ大好きな淫乱人妻、春日紀美子は、濡れマンコの写真
を撮られて興奮しました……ああっ」

そこまで言った妻は軽くイったのか、電流に触れたようにブルブル
と身体を震わせました。そこをすかさず男が唇を求めると、妻は男
にしがみつくようにして口吻を交わします。

「今度はケツの穴の写真を撮ってやる。後ろを向け」

男は再び妻のお尻をピシャリと叩きます。妻は子供のように素直に
後ろを向きます。

「足を大きく開け」
ピシャリ!
「上体を傾けろ」
ピシャリ!
「両手で尻の肉を思い切り開け」
ピシャリ!

男は命令を下すたびに妻のお尻をスパンキングします。液晶画面に
妻の尻が大写しになります。男に言われたとおり両手で思い切り尻
たぶを開いているため、妻の菫色の肛門が丸見えです。

「そのままじっとしているんだ」

男はデジタルカメラを妻の尻に向け、何度もシャッターを切ります。
シャッター音のたびに妻の肛門はフルフルと息づいているようです。

男はようやくデジカメをおきましたが、妻は姿勢を変えることを許
されず、肛門を晒したままです。

「そのままお願いすることがあっただろう」

男にまた尻を平手打ちされ、妻は「ハイ」と頷きます。

「……あなた、今晩はあなたとの新婚初夜ですから、紀美子の処女
を捧げますわ」

私は紀美子の衝撃を受けました。処女を捧げる? 一体どういうこ
とでしょう。

「でも……前の処女は紀美子はもう失ってしまいましたから、後ろ
の処女を捧げます。あなた、どうか紀美子のお尻のバージンを奪っ
てください」

(紀美子……)

私は信じられない妻の言葉に呆然と液晶画面を見つめていました。

昨日私に抱かれたとき、妻はお尻の穴を責められて明らかに快感を
訴えていましたが、私がお尻の穴を犯すと言ったときにははっきり
と拒絶しました。

しかし、妻は男に対して肛門の処女をこの旅行の間で捧げると誓っ
ていたのです。前の穴は夫と共有するのは仕方がないが、お尻は男
が独占するというのです。

私は妻の裏切りを知ってから、妻が男を愛しているのは間違いない
と思っていましたが、ひょっとして私への愛の間で揺れているので
はと淡い期待を持っていました。15年以上の夫婦の絆はそれほど
簡単には崩れないと信じたかったのです。

しかしこれではっきりしました。妻は私よりも男を選んだのです。
私の心の中に悲しい諦めとともに、妻に対する復讐心が明確な形を
とって生まれてきました。

「ケツの穴を俺に犯されたいのか」

またピシャリと尻を叩かれた妻は「ハイッ」と大きな声で答えます。

「マンコを犯されるだけじゃ物足りないというのか。ほんとに紀美
子は淫乱だな」
「あなたがそういえと……」

再び男のスパンキングが妻の尻に飛びます。

「あっ、ハイ、マンコを犯されるだけじゃ物足りませんわ。ケ……
ケツの穴も犯してくださいっ」

妻の叫ぶような声がスピーカーから響きました。
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投稿者:KYO 投稿日:2006/03/04(Sat) 22:38

妻はまるで楽しんでいるように、時々カメラをちらちら見て微笑み
ながら服を脱いでいきます。シャツブラウスを脱ぎ、ブラジャーを
取ると妻の小ぶりの乳房が露わになります。

「相変わらず紀美子のオッパイは可愛いな」
「……意地悪」

妻は拗ねたような声を出すと、男のほうを軽く睨みます。

「紀美子のオッパイは貧弱だが、尻は凄く大きい。大きくてセクシ
ーだ。俺は尻の大きい女のほうが好きだ」

上半身裸になった妻は男の言葉には答えませんでしたが、くるりと
後ろを向き、黒いミニスカートに包まれたお尻をカメラに向かって
突き出すようにすると、スカートに手をかけ、お尻をくねくねと揺
らしながらゆっくりと下ろし始めます。

妻はお尻が大きいのがコンプレックスでしたが、今はむしろそれを
誇張するように男に見せ付けています。男からお尻の大きさを誉め
られているからでしょうか。

シースルーのパンティに包まれた妻のヒップがすっかり姿を現しま
す。妻は床に落としたスカートから足を抜くと、今度はパンティに
手をかけます。

妻は焦らすようにパンティを脱いでいきます。剥き卵のような白い
妻のお尻が徐々に現れてきます。呆然と画面を見つめていた私は、
いつしか股間が勃起していることに気づきました。

(こんな……)

妻が他の男の前で痴態を晒すのを見て興奮するなんて──私は自分
が情けなくなりました。妻がまるで私に向かって挑発しているよう
な錯覚に陥ったのです。

すっかり裸になった妻は、ビデオカメラに向かってゆらゆらとお尻
を振っています。私は昨日、妻の中に三度も放出したのにもかかわ
らず、今すぐビデオの中の妻のお尻を鷲づかみにして、思う存分犯
したくなるのでした。

「一度前を向いてみろ」

妻は素直に男に従い、くるりと前を向きます。腕を両脇に垂らして
いるため、妻の秘部は薄い繊毛から透けて、割れ目がくっきりと見
えています。

「だいぶ伸びてきたな」
「ハイ……」
「今日、風呂の中で剃ってやろう」
「……お願いします」

妻は恥ずかしそうに俯きます。

11個の映像ファイルのうち最初のものである7月15日のビデオ
で既に、妻は男から「ケジラミの治療」と称して陰毛を剃られ、前
後の穴を張り型で責められて絶頂に達するというとんでもない痴態
を晒していました。それなのに未だに男の前ではしばしば恥らうよ
うな態度を見せます。私は妻のその態度が男を挑発しているように
も思えるのでした。

「そんなお願いの仕方じゃ駄目だ。何度いったら分かるんだ」

男がやや語気を強めてそう言うと妻はびくっとして顔を上げ、「ご
めんなさい……」と詫びます。

「あなた……いつもお世話をかけてすみません。紀美子のむさくる
しいマン毛をお風呂の中で綺麗に剃ってね。紀美子、今夜は赤ちゃ
んのような姿で、生まれ変わったような気持ちであなたに抱かれた
いの」

そこまで言うと妻は再び羞恥に頬を染め、顔をそらします。

「まだいうことがあっただろう」
「ああ……」

妻の溜息の熱さがディスプレイ越しに伝わってくるようです。

「前の毛だけじゃなくて……お、お尻の穴の周りの毛も……忘れず
に剃ってね。お願い」
「よく言えたな、紀美子」

男は妻に近づくとぐいと抱きしめ、熱い接吻を注ぎ込みます。男は
まるで恋人同士のように妻と口吻を交わしながら、片手で妻の秘部
をまさぐります。

「もうこんなにびしょ濡れになっているぞ」
「嫌……」
「恥ずかしい言葉をいわされて興奮したのか。本当に紀美子は淫乱
な人妻だな。いや、淫乱なだけではなくてマゾの気もあるぞ」
「ひどい……マゾだなんて」
「股を開いて濡れているところを見せろ。証拠写真を撮っておくん
だ」

男はデジカメを取り出すと、レンズを妻の股間に近づけます。

「もっと股を開け」

男は妻の秘部に向かってパシャ、パシャとシャッターを切ります。
妻は羞恥の極といった風情で歯を喰いしばって耐えています。
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投稿者:KYO 投稿日:2006/03/04(Sat) 13:18

その時は、具体的にどうすると決めていた訳ではありません。しか
し今まで見たビデオや写真から、妻とはもう今までのような夫婦で
はやっていけないと感じていました。

だからといって妻と離婚するのか。夫婦としてやっていけないのな
ら理屈ではそういうことになるのでしょうが、妻に裏切られたいわ
ば被害者である自分が、家庭崩壊という不条理にみまわれなければ
ならないというのが納得出来ないのです。

妻の相手である男の家庭も崩壊させてやる。そして出来ることなら
妻を一生、座敷牢のような場所に閉じ込めて苦しめたい。淫乱女と
化した妻が牢の中から、男を求めて悶えるのを見ながら笑ってやり
たい。そんな思いまでが頭の中に生まれます。

ビデオの画面が変わり、場面はいきなり室内になります。2人は旅
館に到着、もう部屋の中に入ったようです。

私はそこでいったんビデオを止め、「写真」のフォルダの「200412
04」のサブフォルダを開きます。昨日確認した数枚のファイルを除
いた一番古いファイルを選び、そのままダブルクリックしようとし
ましたが思い直し、マウスを右クリックします。デジカメなどで撮
った写真をファイル名順にスライドショーで見せるソフトをインス
トールしていたことを思い出したのです。

メニューの中から「アプリケーションで開く」を選び、そのソフト
を選択します。ウィンドウズのデスクトップは消え、画面一杯にス
ライドショーが開始されました。

幸い、公園前での野外露出の写真はあれで終わりのようでした。妻
は見晴らしのよい展望台のような場所に立っています。晴れた冬の
朝の空は空気が澄んでいるせいか、妻の後ろに富士山がくっきりと
見えます。

美しい風景を背景にした妻の写真が何枚か続きます。たまに子供達
と一緒に、あるいは妻と2人で旅行に行く時、私が妻の写真を撮ろ
うとすると妻は恥ずかしがって撮らせようとしませんでした。しか
し、はっきりした顔立ちを引き立てるようなメイク、良く手入れさ
れた明るい栗色の肩までの髪でイメージが一変した妻。性能の良い
デジタルカメラで撮られたその姿は幸せそうで、自信に満ちてさえ
見えます。

次の写真は男と妻が寄り添って、腕を組んでいる写真でした。近く
にいる誰かに撮影を頼んだのでしょう。シャッターを押した人は男
と妻が本当の夫婦であることを疑いもしなかったに違いません。そ
れほど2人の間には自然な親密さが感じられました。

私は耐え難いほどの孤独感に襲われました。もはや妻は私のもので
はない。私の手から離れて、まさに見も心も男の妻「春日紀美子」
になっていたのです。

私はスライドショーを停止させ、ビデオを再開させました。旅館の
部屋は派手さはないものの、高級感のある和室です。妻がまるでレ
ポーターのように部屋を案内するのをビデオカメラが追いかけます。

特筆すべきは、部屋に備え付けられている露天風呂でした。おそら
くこの旅館の売りものだと思われます。コートもジャケットも脱い
だ、パールホワイトのシャツブラウスと黒いミニスカート姿の妻が
露天風呂の前で恥ずかしげに佇みながら、カメラに向かって語りか
けます。

「……旅館自慢の露天風呂です。あなた、後で紀美子と夫婦水入ら
ずでゆっくり入りましょう」

妻はそう言うとにっこりと微笑みます。完全に夫婦気取り、いや、
夫婦そのものです。春日という男がやに下がっているのが目に浮か
ぶようです。

ビデオの場面は切り替わり、妻は畳の上に正座しています。妻はカ
メラに向かって深々とお辞儀をしました。

「あなた……こんな素敵な旅館に連れてきていただいて、ありがと
うございます。紀美子、感激いたしましたわ」
「そうか」

男は妻の言葉に満足そうに笑います。」

「俺と紀美子の新婚旅行だと思うんだ、わかったな」
「わかりました」

妻は素直に頷くと、再びお辞儀をしました。

「ふつつかな女ですが……末永く可愛がってください。よろしくお
願いいたします」
「よし、紀美子が満足するまで可愛がってやるぞ。立って服を脱げ」
「えっ、もう……ですか。まだ明るいですわ」
「何を勘違いしている。さすがにチンポ大好きの淫乱人妻は考える
ことが違うな。もう俺にハメてもらいたくなったのか」
「……違います」

妻は恥ずかしそうに頬を赤らめます。

「今日はもう一つ、俺にお願いしなければいけないことがあっただ
ろう。素っ裸になってからやるんだ」
「ハイ……」

妻は立ち上がると、シャツブラウスのボタンをゆっくりと外し始め
ました。パンティとお揃いの黒いブラジャーが姿を現します。生地
はシースルーであるため、妻の大き目の乳首がくっきりと浮かび上
がっています。
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投稿者:KYO 投稿日:2006/03/04(Sat) 13:17

「どうした、早く言わないか」
「だって……」
「言わないのならまたケツを丸出しにさせるぞ。知っている人に見
られてもいいのか」
「待って……言いますわ」

妻は覚悟を決めたように口を開きます。

「私、○○紀美子は今日と明日、夫のことも子供のことも忘れて春
日健一の妻、春日紀美子として過ごすことを誓います。あなた、紀
美子を2日間、思い切り可愛がってね」

私は妻の言葉に大きな衝撃を受けました。

いや、妻の裏切りを知ってから何度もショックは受けてきたのです
が、今聞いた妻の言葉はこれまでのどんなものよりもショックでし
た。

妻ははっきりと、夫のことも子供のことも忘れて2日間情事に溺れ
るということを宣言したのです。もはや私が愛した妻はもはやどこ
にもいないと言っていいでしょう。私は妻を完全に失ってしまった
のです。

(春日……健一)

唯一の収穫は男の名前が割れたことでした。なんとしてでも妻と男
に思い知らせてやる。私の心に復讐心がメラメラと燃え上がってい
きます。

「よく言えたぞ」

男は妻に近寄り、ぐいと抱き寄せます。男と妻はかたく抱擁しなが
ら熱い接吻を交わし合います。

まるで本当の夫婦、いや、恋人のようです。私と妻がSEXの時以
外で最後にあんな熱い接吻を交わし合ったのはいつのことだったで
しょうか。

ビデオの画面が変わりました。高速のサービスエリアの駐車場のよ
うです。妻はやはり車の前に両肢を大きく開いて立ち、照れ臭そう
な表情を見せています。妻は例のグリーンのコートは脱いでおり、
やはりお気に入りのベージュのジャケットにパールホワイトのシャ
ツブラウス、そして膝までの黒いミニスカートに革のブーツという
スタイルです。

「お願い……これ以上は……シートを汚してしまいます」
「どうしてシートを汚すんだ」
「だって……ローターで……」

妻は恥ずかしそうにうつむきます

「スカートを上げてみろ」

男の命令に頷いた妻は従順にスカートを上げていきます。

ビデオカメラが妻の股間に寄っていきます。デジカメの画像でも見
た黒いシースルーのパンティの前が膨らんでおり、ジーッという小
さな音が響いています。

なんと妻は秘部に大人の玩具をしっかりとあてがわれていたのでし
た。

「どうだ、しっかりあたっているか」
「……あたっています」
「言葉を省略するな。主語や目的語、修飾語をきちんと入れて答え
るんだ。いつも職場で指導してやってるだろう」
「はい……」

そう返事をした妻は突然「あっ」という小さな悲鳴をあげます。

「どうした」
「なんでも……なんでもありません」
「なんでもないはずはないだろう」

妻は嫌々と首を振っています。

「素直になれないのなら、ケツの穴にもローターをぶちこんでやろ
うか」
「いやー、それはやめてー」

妻は必死で首を振ります。男の車が停止している位置は駐車場でも
隅の他人からは見えにくい場所のようですが、それでも時々近くを
通る人が妻の声に怪訝そうな表情を向けます。

「き、紀美子のクリトリスにローターがしっかりとあたっています。
そ、そしてク、クリトリスをローターで刺激され、紀美子はもう少
しでイキそうになりました……」
「そんな言い方じゃケツローターだな」
「いやー、どうして」

紀美子はスカートを上げたまま嫌々と身体をくねらせます。淫らに
腰を振るその姿には明らかに男に対する媚態が含まれています。私
の身体は怒りでますます熱くなります。

一方、私は男の素性に関する新たな手掛かりを得ました。男の言葉
の中にあった「職場」とか「指導」と単語。やはり妻のパート先で
ある銀行の男のようです。妻の作る業務メモをチェックする立場の
ようですから、おそらく直属の上司でしょう。私は休日明けの明後
日、男と対決することを心に決めました。
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投稿者:KYO 投稿日:2006/03/02(Thu) 22:47

しかしこれがずっといなくなるとどうでしょうか。妻が男と暮らす
ために家を出たとすると、2人の息子はおそらく家族を裏切った妻
を許すことはないでしょう。妻と子供たちの絆は永遠に断たれてし
まうかも知れません。子供たちが負うであろう心の傷を思うといた
たまれない気持になります。

私も妻の裏切りを到底許すことはできませんが、子供たちのために
何か出来ることはないか、という気持も湧いて来ました。

私はようやくマウスに手を伸ばし、バックアップしてあったメール
ソフトを立ち上げます。最初は例の温泉旅行のビデオファイルをチ
ェックしようと思っていたのですが、気力が出ないのです。
それに昨日、妻が本当に男と会っていなかったのかということも気
になります。さらに今日、実家に帰ると言って出て行ったことも信
用できません。たとえ本当に実家に帰るのだとしても今日と明日は
休日ですから、途中どこかで男と落ち合うことは簡単にできます。
いや、先月のように一泊してくるかも知れません。

もしそうなら、男と連絡した痕跡がメールソフトに残っているでし
ょう。「健一(この時点では私は男の名前をどんな漢字で書くのか
認識していませんでした)」という男の素性を探る手掛かりもある
はずです。
妻と男は本気なのか遊びなのか、男は独身なのか、それとも妻子も
ちでいわゆるW不倫なのか、それによって対処の仕方も違うと思い
ました。

ソフトはライセンスがPCに紐づけられていないようで、すんなり
起動画面が立ち上がりました。

しかしその途端ダイヤログボックスが開き、IDとパスワードを要
求して来ました。

(……)

二重にロックがかかっているのです。随分念入りだと感じました。

妻はPCに関してはごくごく初歩的な知識しかもっていません。専
用のPCを買い与えた当初、オフィスやIE、メールソフトの使い
方はすべて私が教えました。

PCやメールソフト起動時のパスワード設定を、妻が自力で行った
のでしょうか。

画像やビデオのファイルについても変と言えば変です。ファイルは
もともと男がもっていたと思われますが、どうやって妻のPCに移
動させたのでしょうか。

デジカメのファイルだけでも一日分が200メガバイトはあります。
ビデオは大きなファイルが2ギガバイトです。ネット経由でやりと
りするのは困難です(今なら光ファイバなどの高速ブロードバンド
を使えば可能ですが、2004年の夏から冬にかけてはブロードバンド
の普及期で、高画質・長時間のビデオファイルのやり取りはまだ一
般的ではありませんでした)。

おそらくビデオも写真も、男のPCと妻のPCを直接接続させて移
したのでしょう。妻のPCの設定も男が行ったに違いありません。
私が買い与えたPCに刻印を残すように自分の名前をパスワードと
して設定する男、それを笑顔で見ている妻の姿が目に浮かびました。

私は起動時と同じく、IDに「kimiko」、パスワードに「0715」と
入力しました。当然解除されると思っていたロックはそのままです。

(あれ?)

私はふと思いつき、パスワードに男の名を入力して見ました。やは
り解除されません。妻の名、男の名、妻の誕生日、そして男の誕生
日を使ったあらゆる組み合わせを試して見ましたがやはり解除され
ません。

念のために私や子供たちの名前や誕生日を入力してみましたが、同
じことでした。

疲れた私は、メールソフトのロックを解除するのをとりあえず諦め
ました。やはり覚悟を決めてビデオをチェックする必要があります。
それも最も長く、最も過激と思われる温泉旅行のビデオを。その中
に男の素性を示す手掛かりがあるのかもしれないのです。

私はふと思い立ってリビングルームへ行くと、棚をチェックしまし
た。やはり妻のノートPCはなくなっています。義父の介護をする
ために実家に帰るのにどうしてPCが必要なのでしょう。男と連絡
を取るためとしか思えません。

携帯での連絡は便利ですし、着発信履歴を消してしまえば通話の痕
跡は残らないように思えますが、電話会社から送付される通信料が
明らかに増えますし、発信記録を取り寄せればある程度のことはわ
かってしまいます。

携帯メールもパケット通信料が増えることに加え、入力を容易にす
るために変換辞書に過剰なまでの学習機能がありますから(たとえ
ば「あ」と入力すれば「愛してる」、「け」と入力すれば「健一」
と変換されるなど)、男との浮気の連絡に使うのは危険です。

私は気持を落ち着けるためにインスタント珈琲をいれ、部屋に戻り
ます。一口飲んでから深呼吸をして「20041204a」というビデオファ
イルをクリックします。

メディアプレイヤーが起動し、画面に妻の姿が現れました。場所は
昨日見たデジカメの画像と同じ公園の脇のベンツの前です。この冬
私が買ってあげたグリーンのコートを着た妻はビデオカメラの方を
見て、困ったような微笑みを浮かべいます。
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投稿者:KYO 投稿日:2006/03/02(Thu) 22:47

「ああっ、あっ、イキそうっ。イっちゃいそうっ」

妻が切羽詰まった声を上げ始めます。キューンと締め付けてくる妻
に思わず引き込まれそうになった私はいったん抜こうとします。

「いやっ、抜かないでっ」

妻はそうはさせじとばかり私の下腹部にヒップを押し付けてきます。

「しかし……」
「いいのっ、今日はいいのっ。一緒に、一緒に、紀美子の中にきて
っ」

哀願するような妻に応えて、私は改めて妻に深々と押し入ります。
ついに快感の堰を突き破られた妻は全身を硬直させます。

「ああっ、早くっ」

妻の声に引き込まれるように私も絶頂に達します。身体そのものが
妻の中に引き込まれるような圧倒的な快感。妻が「イクっ」と声を
張り上げるのに合わせて、私も「ああっ」と情けない声を上げてい
ました。


その後、私と妻は激しいセックスの後、一緒に風呂に入りました。
恥ずかしがり屋の妻は明るい場所でのセックスだけでなく、私と風
呂に入ることも嫌がります。ごくたまに妻と2人で温泉に行った時、
家族風呂に入る程度です。

妻は私の身体を丹念にスポンジで洗いました。背中を洗っている時
にふざけたように乳房を押し付けて来たのが、一瞬ソープでの女の
子の行為を思い出させました。妻が恥ずかしそうな笑みを浮かべな
がらペニスを手を使って洗っていた時、私の中で再び怒りと興奮の
交じった感情が湧き上がって来ました。

これも男に仕込まれた行為なのか。男と2人での温泉旅行で、同じ
ように2人で風呂に入り男のペニスを洗っていたのか。いや、それ
は2人の情事の際の習慣になっていたのではないのか。

私は回復したモノを妻にしゃぶるように命じました。妻はある程度
予想していたのか抗いもせず、私のモノをアイスキャンディのよう
に嘗め始めました。

妻にフェラチオされるのは初めてではありませんが、いつもなら少
ししゃぶっただけで「もう、おしまい」と恥ずかしそうに口を離す
のが常でした。しかしその時の妻は私のモノをさも愛しそうに、延
々としゃぶり続けるのでした。

先程放出したばかりの私のそれは、たちまち回復していきます。

鈴口を舌先でくすぐるように嘗めたり、玉袋をくわえ込んで舌の上
で転がしたりしていたかと思うと、いきなり喉に届くほどに深く呑
み込み、まるで口が性器になったように激しく上下させます。

風俗の女顔負けのテクニックに私は耐えられなくなり「出すぞっ」
と妻に告げました。

妻は口を離すかと思ったのですが、うん、うんと頷くようにすると
口の動きを速めます。私は2回目とは思えないほどの量を妻の喉奥
に注ぎ込んでいました。

その後、2人で夕食を取りました。妻は料理が得意で、その日は子
供が外食するということでしたので、食卓の上には私の好物ばかり
が並びました。

妻とのセックスも最後だが、妻の手料理を味わえるのも恐らく今日
が最後だろうと思うと、私は暗澹たる気持ちになりました。

妻はそんな私の気持ちに気づかぬ風で、今日久しぶりに会った友人
たちの近況を明るく話します。

間もなく子供達が帰って来ました。私は内心の動揺を必死で隠し、
子供たちの前では出来る限り普通に振るまいます。

夜、私達は同時にベッドに入りました。妻は流石に疲れたのか、す
ぐに「お休みなさい」といって目を閉じます。

私の中に妻を滅茶滅茶にしてやりたいという暴力的な衝動が生まれ
て来ました。私はベッドを出ると、パジャマを脱ぎ捨てて妻のベッ
ドには入り込みます。妻は「えっ」というような驚いた表情をしま
したが、私に抱きすくめられると無言で抱き返して来ました。

温泉旅行で8回イったという妻。私は妻を一晩中嬲り抜いた男に挑
戦するような気持ちで責め上げました。しかし舌や指先を使って2
回イカせたところで私は我慢できなくなり、妻の中に押し入りまし
た。妻が3回目の絶頂を私と同時に迎えた後、私は妻を抱いたまま
力尽きたのです。

翌日の朝、妻が実家へ帰った後、私は自分の部屋のPCの前で腑抜
けのように座り込んでいました。

一日で3回も射精したのはいつ以来でしょうか。ソープでもほとん
ど経験できなかったことです。私は妻を責め抜こうとして、逆に妻
に精気を吸い取られたような思いでした。

2人の息子はそれぞれクラブと、友達と映画に行くと言って外出し
ています。中学生や高校生の男の子にとって母親の一時的な不在は
寂しいというよりも開放的な気分になるのでしょう。
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投稿者:KYO 投稿日:2006/03/02(Thu) 22:46

私は妻を後ろ向きにさせ、ソファに頭を埋めるような姿勢を取らせ
ました。後背位から妻を犯そうと思ったのです。

突き出された妻のお尻が圧倒的な迫力を感じさせます。妻は結合が
深くなるためか「痛い」といって後背位を好みません。妻のお尻が
好きな私はたまにはバックで攻めてみたいのですが、いつも逃げら
れてきました。

しかし今日の妻はなにか覚悟を決めたように素直にお尻を突き出し、
私が侵入するのを待っています。

妻の女陰だけでなく、双臀の狭間に秘められた肛門までが堂々とさ
らけ出されています。私はまたビデオの一場面を思い出し、怒りが
込み上げてきました。

残酷な気持ちに駆られた私は指先で妻の愛液をすくい取ると、あら
わになった肛門をくすぐるようにします。

「いや……」

思いがけない箇所を攻められた妻は、私の指先を避けるようにヒッ
プを揺さぶります。これまでも私は妻とのセックスで悪戯心を起こ
して妻の肛門を攻めたことはありますが、常に拒絶されてきました。

(男の前ではおかしな玩具までくわえ込んだだろう)

妻はしばらくの間消極的な拒否を示していましたが、やがて諦めた
ように尻の動きを止めます。私はゆっくりと指先を妻の肛門に沈め
ていきます。

「あーん」

妻は甘えるような声を上げると私の指先をきゅーんと締め上げ、ゆ
るやかに尻をくねらせました。そんな淫らがましい妻の姿が腹立た
しく、私は上半身で妻の身体を押さえ付けるようにすると、片手で
肛門を攻めながら空いた方の手で乳房を揺さぶります。

「あっ、ああんっ……」

妻はいよいよ情感が迫ってきたのか、甘いすすり泣きの声を上げ始
めます。あの7月15日のビデオ以来、妻は男によってずっと肛門
の性感を開発されてきたのでしょうか。私にはずっと隠してきた淫
らなものをすっかり引き出されたように、妻は悶え泣いているので
す。

「お尻の穴が感じるのか」

妻は黙って首を振ります。それを見た私が指を一気に第二間接まで
突っ込むと、妻は「ああっ」と悲鳴のような声を上げます。

「正直に言わないとここを犯すぞ」
「いや……」
「なら、ちゃんと答えるんだ」
「……感じます」

妻は蚊の鳴くような声で答えます。

「もっと大きな声で、紀美子のお尻の穴が感じますと言ってみろ」
「ああ……ひどい」
「いわないと犯すぞ」
「あ……いいますわ……だからそれは許して」

ついに屈服した妻は「紀美子のお尻の穴が感じます」とはっきりし
た声で私に告げます。

紀美子はそんな言葉に自分の情感がかきたてられたのか、「ああ、
熱い、熱いわ」とほんのりピンクに染まった裸身をくねらせます。

私は男と同じように妻に「ケツの穴」という言葉を吐かせたかった
のですが、それは思いとどまります。そうすると私が既にビデオを
観たということが妻に分かってしまうかも知れませんし、そこまで
妻を貶めたくないという気持ちもあったのかも知れません。

私はすっかり硬直したものを妻の中に挿入しました。深々と貫かれ
た妻は「ああっ」と声を上げて背中を弓なりにそらします。まるで
妻ではない別の女を犯しているような錯覚に陥った私は、乱暴にピ
ストン運動を始めます。

「あっ、ああっ」

妻のその部分は私をなだめるように優しく包み込み、私に反撃する
ようにリズミカルに締め付け、また私に甘えるように絡み付いてき
ます。

「いい、いいっ」
「気持ちいいのか」
「気持ちいいっ」
「どこが気持ちいいんだっ」
「ああっ、オマンコっ、オマンコが気持ちいいっ」

いつもなら妻がこんな反応を示すようになると、征服感に満たされ
有頂天になるところです。しかし今日の私は暗い怒りと深い悲しみ
で一杯でした。

これでこの女を抱くことはできなくなるのか。プロの女でも感じる
ことができなかったこの奥深い感触を味わうことはできなくなるの
か。
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