管理人から

管理人

Author:管理人
管理人がおすすめするカテゴリに★印をつけました。



アダルトグッズのNLS








最新記事


カテゴリ

北原夏美 四十路 初裏無修正

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
お馬鹿 2/6(火) 07:01:45 No.20070206070145

これは美人でナイスバディーな妻をもった夫の宿命か。
「今からハゲ親父に電話して、どう責任をとるのか聞け。その答えが納得出来なければ、刺し違えてでも徹底的に追い込んでやる」
泣きながら電話した女房は、意外な答えを口にする。
「彼は慰謝料として、百万払うから許して欲しいと言っていました」
離婚しなくても金がもらえるのか?
それにしても一回抱いて百万とは。
女房が電話したから、格好をつけて見栄を張りやがったな。
それなら100回抱けば一億払う気か?
少し納得出来ない事があった俺は、女房の携帯からハゲ親父に電話した。
「ご主人!すみませんでした」
「女房を抱いた上に旅行まで行って、全て金で済まそうと言うのか?女房は元部下だそうだから、明日会社にお邪魔する。その後自宅にも」
今後女房とは会わない事と、慰謝料百五十万で話がついた。
抱いたのが一回と未遂が一回だから、やっとこれで計算が合う。
次は女房の番だ。
「どうやって責任をとる!」
「二度と会いません。今後一切連絡もしないから許して」
「それでは俺が傷付いただけで、紀子はハゲ親父と再会するまでの生活と何も変わらない。こんなに俺を苦しめておいて、何の罰も受けないで済ませる気か!」
「あなたに彼女が出来ても・・・・あなたが浮気しても何も言いませんから、どうか許して下さい」
これも駄目だ。
もてない俺には、そんな気持ちのいい事は起こりそうにない。
「それと、今後あなたの言う事には一切逆らいません。あなたの言う事なら何でもします。一生懸命償って、良い奥さんになりますから許して下さい」
良い奥さんになることよりも、何でもしますという言葉に反応した。
下半身が。
勿論離婚は脅しで、こんな女房でも惚れていては許すしかない。
しかし、どのように許せばいい?
女房はあのハゲ親父に、週一で抱かれていたとして月4回。
いや、生理があるから月3回として年36回。
付き合っていたのは3年だから、108回は抱かれている。
それが一回増えて109回になっただけだ。
結婚前と結婚後では違うが、許すにはそう自分に言い聞かせるしかない。
しかし今後の事を考えれば、罰は与えておかなければ。
俺はハゲ親父からの慰謝料を当てにして、アダルトショップに行って車のトランクが一杯になるほど色々買い込んで帰ると、先ずはその中からセーラー服を渡した。
「こんな短いスカートは校則違反だ。下着も調べてやるから、先生の顔を跨いでみろ」
女房は寝転んだ俺の顔を跨いだ。
「何だ、この下着は!高校生がこんな厭らしい下着を穿いて来ても良いと思っているのか!」
「先生許して・・・・・紀子恥ずかしいです」
「駄目だ。罰としてお仕置きしてやるから、先生がいいと言うまで、そのままの格好でいるんだ」
俺は下からローターを当ててやった。
「先生許して・・・・・紀子立っていられない」
しかし役に成り切っていたのは女房だけで、俺は教師の役には成り切れず、途中から変態親父の役になってしまったからやめた。
「これを穿いて、下にはこれを着けろ。下着は穿くなよ」
合皮製の身体に張り付く黒い超ミニスカートと、装着型のローターを渡す。
「コンビニに行くぞ」
「許して下さい。これでは見えてしまいます」
「うるさい!何でもすると言っただろ!」
家から遠く離れたコンビニに着くとスイッチを入れ、眠ってしまった息子もいたので、俺は車の中から時々携帯で指示を出しながら見ていたが、結局この罰は失敗に終わった。
「どうして勝手にトイレに入った!」
「ごめんなさい。我慢出来なくて・・・・・・」
生理現象は仕方ないか。
「凄く感じてしまって、気がついたらトイレに・・・・・」
生理現象ではなかった。
「コンビニのトイレで逝ったのか?」
俺は罰を与えていたはずなのに、逆に女房を喜ばせてしまった。
この時俺は、女房に性的な事で罰を与えるのは無理だと思った。
どうしてくれよう。
「今日から俺は、溜まったら他の女に処理してもらってくる。あんなハゲ親父に抱かれた、汚れた紀子とは一生セックスしない事に決めた。紀子はそれでも俺と暮らしたいか?俺にしてもらえないからといって、当然浮気は許さない。無理だと思うなら今の内に出て行け。勿論優はおいて」
これほどセックスが好きな女房には、セックスしてもらえない事が最大の罰だろう。
「エッチしてもらえなくても、私はあなたといたいです。どの様な事も我慢しますから、今迄通り3人で暮らしたい」
俺も我慢して、しばらく女房の様子を見ようと思ったが、女房は昼間オナニーでもして解消しているのか、俺の方が先に我慢出来なくなる。
「今夜は女の所に寄ってくる。文句はないな」
「はい」
「はい?俺が他の女を抱いても悔しくないのか?」
「悔しいです。でも私は何も言える立場じゃないから」
偉そうに言ったが、俺にただでセックスさせてくれる相手などいるはずも無く、周りの目を気にしながら何度も通り過ぎた後、人通りが途絶えたところでヘルスに飛び込んだ。
しかし入ってみて更に落ち込む。
なぜならドキドキしながら苦労して入ったのに、ヘルスのお姉ちゃんよりも女房の方が美人でオッパイも大きく、オチンチンの扱いも遥かに上手かったからだ。
これはハゲ親父に厳しく指導された成果なのか、それとも天性のものなのか。
どちらにしても、これで俺も女房を裏切ったのだから、もう無駄使いはやめよう。
「今日からは紀子に処理させる。処理させると言っても俺が紀子を触ってやる事もないし、オチンチンを入れてやる事もない」
「はい」
女房は償いのつもりか今まで以上に一生懸命で、プロ以上のテクニックで責められた俺は呆気なく逝かされてしまう。
しかし女房は攻撃の手を・・・いや、口撃の口を緩めず、頬張りながら片手でタマタマも責め始めたが、もう一方の手は自分のお股にもっていった。
「触っているのか?」
「一生触ってもらえなくても我慢します。二度と浮気もしませんから、自分で触るのは許して」
欲求不満で浮気されるのは嫌なので、オナニーぐらいは許してやろうと思っていると、一度逝ってしまった女房は跨ってきた。
「こら!入れるのは禁止したはずだ!」
「入れないからいいでしょ?お願い」
見ると確かに入れようとしているのでは無く、器用に腰を使ってオマンコをオチンチンに擦り付けていた。
結局俺が出すまでに女房も二度逝って、これではセックスしているのと変わらない。
関連記事
お馬鹿 2/5(月) 21:53:05 No.20070205215305

ネットを見ている俺の後ろで、今にも泣きそうな顔で延々とテーブルを拭いていた女房は、考えた末に俺をその場から引き離しに掛かる。
「ねえー、あなたー。優も眠ってしまったからいいでしょ?」
俺の背中に大きなオッパイを押し付け、前に回した手でオチンチンの辺りを触ってくる。
「こんな昼間から?」
「だって、したくなっちゃったんだもの。お願い。これが欲しくなっちゃった」
こんな裏切り行為をしている女房を、はたして抱く事が出切るのだろうか?
抱けた。
「好きよ・・・あなた無しでは生きてゆけない・・・好き・好き・・あなたが大好き」
メールを見られたかも知れないと不安な女房は、わざとらしく俺を好きだと言い続ける。
「凄い・・あなたのオチンチン凄い・・・・紀子駄目になっちゃう」
感じながらも、褒める事も忘れない。
そしてその夜、保存してあったメールやアドレスは全て消されていた。
一度出しても許してくれず、続けて逝かされた俺はしばらく眠ってしまったが、女房は軽く俺の5倍は逝ってしまったはずなのに、ベッドから抜け出して削除したのだ。
プリントアウト出来なかった事は悔やまれるが、女房の体力に脱帽。
『来週も女房が浮気します』
どこかで聞いたような言葉だが、こうなったら言い逃れ出来ないように、来週尻尾を捕まえてやる。
しかし女友達と行くと言っている温泉に行くとは限らないし、待ち合わせ場所や時間も分からない。
これからメールで相談して決めるのかも知れないが、今後は警戒してすぐに消してしまうだろう。
そうかと言って、鈍臭い俺に尾行など上手くいくはずがない。
さあ、どうする?
諦めて、メールを見た事を言って、来週の旅行だけでも阻止するか?
「旅行は来週だっただろ?確か紀子の行く旅館に売っている温泉饅頭は、皮が薄くて美味かったような記憶がある」
「だったら、お土産はそれにします」
鎌をかけたら躊躇する事無く言ったので、女房がその旅館に行く事に賭けてみるか。
翌週の土曜日に、俺は旅館のロビーにいた。
落ち着かない俺は、チェックインの2時間も前に入ってしまったが、フロントのお姉ちゃんが美人だったので退屈はしない。
「あなた??」
時間も忘れて俺がフロントのお姉ちゃんに見とれていると、やはりこの旅館に来た女房が俺を見つけ、状況が飲み込めずに一瞬不思議そうな顔をしたが、自分の置かれた立場が分かってくると、今にも泣き出しそうな顔に変わる
隣を見ると、相手はいかにも性欲が強そうな、脂ぎったハゲ親父。
俺もこの歳で既に抜け毛が気になっていて、遺伝からいってもハゲるのは確実だろうから、出来ればハゲについては触れたくないが、こいつだけはハゲ親父と呼ばずにはいられない。
女房が床上手だったのは、こんなハゲ親父に3年も掛けて仕込まれたとは。
「ご主人?・・・・・これは違うんだ・・・・駐車場で・・・偶然一緒に」
「その前に、腕を放したらどうだ?」
ハゲ親父と女房は、突然の事に腕を組んだままだった。
「あなた聞いて。これは・・・」
「優は俺が育てる。二度と俺と優の前に姿を見せるな!」
女房はその場に座り込んで大きな声で泣き出したので、何事が起こったのかと周りの客が一斉に見る。
流石に恥ずかしかった俺は旅館を後にしたが、ハゲ親父は女房の横でうろたえていた。
そして俺は女房の実家によって息子を連れ去り、家に帰ると旅館での女房よりも大きな声で泣いた。
どうしてくれよう。
二度とこの家には入れてやらん。
そうは思っても、女房は合鍵を持っている。
(実家に帰らせて頂きます。養育費はいりません。その代わり、優には一生会わせません)
俺は男らしく手紙をテーブルに叩きつけて、実家に帰ってやった。
「帰ってきて。私が悪かったです」
女房はハゲ親父と泊まるのをやめて帰って来たんだ。
少し嬉しい。
息子を預けて急いで帰ると、女房だけでなく女房の両親も来ていた。
「話は聞いた。どうか許してやってもらえないだろうか?」
あの威張り腐った父が土下座している。
「離婚だけは許してあげて」
あの気の強い母が涙を流している。
「あなたに誤解を与えてしまうような事をして、本当に悪かったと反省しています」
女房も泣いて反省・・・・・・・いや、この期に及んでも誤解だと言っている。
「何が誤解だ!先々週抱かれたのも知っているし、温泉にまで行っておいて誤解だと!それに相手は、奥さんにばれなければ未だに続いていたかも知れない元不倫相手だろ!」
「元不倫相手?」
母は知らなかったようだ。
「元不倫相手????」
?が多いところを見ると、父はもっと知らなかったようだ。
「親として恥ずかしい。どうしてばれるような不倫をした!」
叱り方が、何か違うような気がする。
さてはお前も不倫経験者だな。
母も同じ事を思ったようで、横目で父を睨んでいた。
その後両親は外に出ると、言い争いをしながら帰って行ったのは言うまでも無い。
「忘れられないと書いてあったが、今でもあのハゲ親父が好きなのか?俺に抱かれながら、ハゲ親父を思い出していたのか?」
「違う。私はあなたが好き。久し振りだったから、あんな事を書いてしまったけれど、今はあなたが好き」
「今更機嫌をとろうとしても遅い」
「本当です。確かに昔は彼が好きでした。でも今はあなただけ」
「それならハゲ親父とセックスがしたいだけで、俺を裏切った事になるじゃないか」
「はい。つい昔を思い出してしまって、エッチしたくなってしまいました」
はっきり言うなよ。
心まではハゲ親父に盗られなかった事を喜んで良いのか、身体がハゲ親父を求めてしまった事を悲しんで良いのか分からないじゃないか。
女房は立ち上がると、俺の目をじっと見ながらミニスカートの裾を徐々に上げる。
するとそこに現れたのは、俺が大好きな黒いヒモパンだった。
「ごめんね。今夜は何でもするから許して」
こんな事を言われては、俺の変態の血が騒ぐ。
「それなら・・・・・・・・・」
いや、今回は許す訳にはいかない。
このヒモパンは、あのハゲ親父のために穿いて行った物だから。
関連記事
お馬鹿 2/5(月) 03:02:41 No.20070205030241

彼女を他の男に渡したくないと言うよりは、具合のいいオマンコを他の男に使わせたくないのが本音で婚約。
追突されてから1年後には式を挙げたが、その頃はよくぞこんないい女を今まで残しておいてくれたと神に感謝して、女房を頂く前には必ず神に祈りを捧げたものだ。
頂くと言うよりは、頂かれていたと言う表現が正しいような気はするが。
「お掃除は苦手なの」
そんなものは俺が休日にやるから、夜に備えて昼間は休んでいればいい。
「お料理はあまりした事がないから下手なの。ドライブの時に持って行っていたお弁当は、本当はお母さんが作ってくれていたの」
なんて正直な女だ。
料理なんか下手でも、オチンチンの扱いが上手いからいいじゃないか。
「その代わりお洗濯は好きよ」
洗濯は主婦の基本だ。
こんな家庭的な女が他にいるだろうか?
しかし結婚して3ヶ月もすると、妻の携帯代が急に跳ね上がり、昼間何人かの男友達とメールばかりしている事が分かる。
「孝司って誰だ!」
「ごめんなさい。以前勤めていた会社の先輩で、お昼ご飯はほとんど彼が・・・」
「清彦は!」
「ごめんなさい。以前よく服を買っていたお店の店長で、お洋服はほとんど彼が・・・」
「和雄は?」
「ごめんなさい。中学の同級生で、送り迎えはほとんど彼が・・・。淳は高校の同級生で、よく夕食を・・・。真司は車を買ったディーラーの・・・」
「もういい!」
「みんなただのお友達。あなたが嫌なら、二度とメールしないから怒らないで」
女房は立ち上がると、俺の目をじっと見ながらミニスカートの裾を徐々に上げる。
するとそこに現れたのは、俺が大好きな白いTバックだった。
「ごめんね。今夜は何でもするから許して」
こんな事を言われては、俺の変態の血が騒ぐ。
「それなら恥ずかしいから嫌だと言っていた、オナニーするところを見せてもらおうか」
彼らとは過去にも身体の関係は無く、今もメールだけで会ってはいなかったようだったので、俺は許してしまった。
そして翌年息子の優が生まれ、息子が1才の時に実家に泊まりに行った女房が、夜に男と会っていた事が分かる。
「相手は誰だ!」
「達也という、実家の近所に住んでいる幼馴染み」
「やったのか!」
「ファミレスで話していただけです」
「深夜の1時までか!」
「本当です。達也も結婚しているし、私はあなた一筋なの。信じて」
女房は立ち上がると、俺の目をじっと見ながらミニスカートの裾を徐々に上げる。
するとそこに現れたのは、俺が大好きな赤いスケスケパンティだった。
「ごめんね。今夜は何でもするから許して」
こんな事を言われては、俺の変態の血が騒ぐ。
「それなら恥ずかしいから嫌だと言っていた、オシッコするところを見せてもらおう」
彼に恋愛感情などは無く、本当に話しをしていただけだったようなので、俺は許してしまった。

話を戻すが、今回だけは絶対に許さん。
こんなメールを見てしまっては許せるはずがない。
(別れてからも、部長の事は一日も忘れた事はありません。あんな昼間の病院で再会するなんて、きっと神様が引き合わせてくれたのね)
メールからすると、相手は女房が務めていた会社の上司で、別れたと言う事は不倫の関係だったのかも知れない。
そして再会したのは、日付からみても息子が風邪をひいて病院に行った二週間前。
(私も目を疑った。でもすぐに紀子だと分かったよ。周りの誰よりも綺麗で輝いていた)
馬鹿か。
誰よりも輝いていたも何も、昼間の病院なんて周りにいるのは顔色の優れない患者と年寄りばかりだろ。
その後も毎日メール交換は続き、すぐに二人は会う約束をする。
(また紀子を抱けるとは思わなかった。子供を産んでも、紀子の身体は昔のままだった。いや、人妻の色気が増して、昔よりも遥かに素晴らしかった)
やはり女房とは不倫の関係だったようだ。
そして今度はW不倫。
(あの時は奥様を傷つけてしまいました。お子さんにも悪い事をしたと思って身を引いたけれど、ずっと部長が忘れられなかった)
奥さんにばれて別れた?
(私も同じだ。派手に遊んでいるように見えてもセックスには疎かった紀子を、私が3年も掛けてここまで仕込んだのだから)
女房が3年も不倫していた事もショックだったが、床上手なのはこの不倫相手に仕込まれたと分かって更に落ち込む。
それにしても、いつ抱かれた?
先週友達と食事に行った日か?
日付からいくと実家に泊まりに行った時か?
そうだとすると、あの馬鹿親が息子を預かりやがったな。
その後も毎日、馬鹿馬鹿しくなるような愛の交換メールが続く。
昼間メールばかりしていて、この部長は仕事もしないで何をしているんだ。
しかし最後のメールに書かれていた事が、辛うじて息をしていた俺に止めを刺す。
息が出来ない。
死ぬー。
(旅行を楽しみにしているよ。先週は久し振りだったから優しくしてしまったが、旅行に行ったら昔のように、朝までじっくり虐めてやるからな)
(いや。優しくして。お願いですから紀子を虐めないで)
(虐めないで?紀子は虐められるのが好きだろ?数年で変われる筈がない。本当はどうやって虐められるのか想像して、今も濡らしてしまっているのだろ?正直に言ってごらん)
(ごめんなさい。指が勝手に)
(触っているのか?悪い奥さんだ。そんな奥さんには、来週はうんとお仕置きしてやらないと駄目だな)
来週と言えば、土日に女友達と温泉に行くと言っていた。
おそらくその日、また息子を実家に預けて。
どうしてくれよう。
買い物途中で眠ってしまった息子を抱いて帰って来た女房は、俺がパソコンの前に座っているのを見て落ち着かない。
「何だ、これは!」
わざとらしく、俺の後ろでテーブルを拭いていた女房の手が止まる。
「こんな変わった形のパターもあるんだな」
安心した女房はテーブルを拭き始めたので、俺はまた叫ぶ。
「何だ、この男は!」
すると、また妻の手が止まった。
「こんな奴、プロにいたか?」
女房はその場から離れられなくなっていた。
そんなにテーブルを擦るとニスが剥げるぞ。
関連記事
お馬鹿 2/4(日) 12:41:02 No.20070204124102

女房が浮気しやがった。
携帯もほとんど使っていないようだったし、2才になった息子の世話で忙しくて、そんな暇など何処にもないと思っていたのに。
それは俺専用のノートPCが壊れてしまった事から始まった。
久し振りに家のPCを触ったら、何とそこには男とのラブメール。
確かにここ一年ほどは自分のPCばかりで、家のPCなど触った事もなかったから油断していたのかも知れないが、こんなフォルダまで作って後生大事に保存しやがって。
俺を舐めとんのか!
せめて見つからないように、もっと複雑に隠せ。
『女友達』というフォルダを開けると、中には見覚えのある男の名前がずらり。
道理であまり携帯を触っていないはずだ。
(食事ぐらい付き合ってよ。何でもご馳走するから)
(何度言ったら分かるの?結婚前とは違って、私には主人も子供もいるのよ)
(結婚する前だって彼がいたのに、食事は付き合ってくれたじゃない)
これはまだ良い方で、もっと露骨な奴もいる。
(エッチさせてよ。毎日送り迎えをして、ご褒美にキスさせてくれた時「今度ね」と言っておいて、もう7年も経つぞ)
(昔の事は忘れたわ。そんな事ばかり言っていると、もうメールしない)
(ごめん。ごめん。もう少し待つから怒らないで)
他の男も似たようなもので、結局女房を抱きたい奴ばかり。
しかしそれらは女王様気分を楽しんでいるだけに思えたが、『特別』というフォルダを開けてびっくり。
だいたいが『特別』なんてフォルダを作るな。
特別?何だ?と思って開けてしまうじゃないか。
そもそも、こんな女を女房に選んだ俺が間違っていた。
女を顔やスタイルで選ぶものじゃない。
あの日俺は、8年も付き合って結婚まで考えていた彼女に、別れを告げられた後だった。
それも彼女の横には新しい彼が。
32才になって突然世間の荒波に放り出され、人生真っ暗闇のところに信号待ちで後ろからゴツン。
「さっさと降りてこんか!」
気が立っていた俺は暗くてよく分からずに叫んだが、降りてきたのは若い女で、彼女を見た瞬間固まってしまった。
サラサラヘアーは肩甲骨の下まであり、顔は俺の半分くらいしかなくて、はっきりとした二重瞼の大きな瞳。
鼻筋は通っていてその下には小さな口があり、口元にはスケベボクロのおまけ付き。
何より一番目を惹いたのが90は有ろうかという大きなオッパイで、大きく胸の明いたサマーセーターを着ていたので、そこから覗く谷間に危うく吸い込まれそうになる。
それで慌てて下に目をやると、括れた腰に細く真っ直ぐに伸びた脚。
それも普通のミニスカートなら2着は作れそうな超ミニを穿いていたから、思わず傷付いたバンパーを見る振りをしながら、体勢を低くして覗いてしまった
じゃないか。
「ごめんなさい。お怪我はなかったですか?」
「僕は、どこもお怪我はございませんでした」
彼女に笑われ、その笑顔を見た俺は警官署で状況を聞かれていてもそれどころではなく、外に出るなり駄目で元々、破れかぶれで誘ってみた。
「お詫びに、お食事でもご馳走させてください」
「お詫び?私が追突したのに?楽しい方。今夜は駄目だけれど、日を改めて是非またお会いしたいわ。でも彼女に怒られちゃうかな」
「僕には彼女なんておられません」
元カノよ、よくぞふってくれた。
次の土曜の夜、会うなり彼女は腕を組んできて、俺の腕に大きなオッパイを押し付ける。
すぐに反応してしまった俺は、ずっと腰を引いて歩いていたので、海老が歩いていると思った人もいただろう。
「実はあの日、付き合っていた彼と別れて、考え事をしていて事故を」
おー神よ。
俺は初めて神の存在を信じた。
「実は僕も、彼女と別れたばかりでした」
「そうなの!こんな事ってあるのね。お食事だけで、このまま別れるのは寂しいわ」
「飲みにいきます?」
「それよりも・・・・・・もっとあなたを知りたい」
彼女は20代前半だと思っていたが実際は俺より一つ下の31才で、流石に大人の女性だけあって話も早く、早速ラブホテルへチェックイン。
こんないい女をどう料理してやろうかと涎を垂らしていたら、いつの間にやらパンツまで下ろされていて、彼女の巧みなフェラでベッドまでも辿り着けずに敢え無く口の中へ。
「たくさん出たね。溢してしまいそうになったわ」
顔色も変えずに飲み干してしまった彼女を見て、俺は呆然と立ち尽くしていた
が、その間に彼女は服を脱いでしまい、小さな下着だけの姿で手招きする。
「洗ってあげるから来て」
俺の下半身は彼女の下着姿を見て早くも元気を取り戻し、バスルームに行くと彼女の巧みな指使いでオチンチンを洗われ、同時にタマタマまで洗われては堪らず発射。
ベッドに行っても彼女のペースで事は進み、俺の顔を跨いで逆さになって重なってきた。
「恥ずかしいから、そんなに見ないで」
そんなに見ないでと言われても、目の前に押し付けてきたらオマンコ以外何も見えないぞ。
「そんなに激しくしないで。紀子また逝っちゃう」
そんなに激しくしないでと言われても、あんたが俺の口に押し付けてきて、勝手に腰を使っているのだろ?
お蔭で俺の口の周りはベチョベチョじゃないか。
彼女は何度か悲鳴に近い声を上げ、ようやく俺の上から降りるとオチンチンの先端にコンドームを乗せて、口だけを使って器用に被せた。
プロ?
彼女は俺と会う数日前にOLを辞めたと言っていたが、プロ顔負けの腰使いを見ていると、やはりそちらの仕事をしていたのではないかと疑いながらもまた発射。
3連射した俺は、流石にこれ以上は無理だと思ったが、目の色が変わってしまっていた彼女はその程度では放してくれない。
「お願い。何もかも忘れさせて」
その後も彼女の連続攻撃で2発も搾り取られ、合計5発も発射させられて、俺は何もかも忘れさせられてしまった。
しかし冷静になると、プロ並みのテクニックを持つ彼女を喜んで良いものかどうか悩む。
どうしてこんなにエッチが上手いんだ。
しばらく付き合っている内に彼女のプロ疑惑は晴れたが、それなら誰に仕込まれたのかと気になる。
しかし自在に締め付けてくるオマンコと、前後左右上下に器用に動く腰使いを経験してしまった俺は、彼女から離れられなくなっていた。

関連記事
WR 1/30(火) 13:18:48 No.20070130131848

私はあのころあなたと今で言う遠距離恋愛を続けていました。あなたには平気な顔をしていましたが毎日がとても苦しい日々でした。あなたが身近にいる、私以外の女の子に気を移すのではないかと理由もない不安にさいなまれました。

そんな女の醜さをあなたには見せないようにしていましたが、あなたが電話や手紙で何気なくサークルの女の子の話題に触れると、嫉妬にこの身が焼けるような思いでした。

私にとってあの頃のあなたは、実態が見えない蜃気楼のようでした。でも、2人で海辺に立ち不思議な風景を眺めながらあなたが私の手を取ってくれたときは、あなたは幻ではなくて確かにここに存在しているのだと思えたのです。

久美さんが母親からの呪縛から離れられない村瀬君のことを思い、見えない母親の影に嫉妬して苦しんでいる姿はまるで昔の私を見るようでした。あなたにとって久美さんはとても腹立たしい存在でしょうね。だけど、私がもし彼女の立場に立ったなら、彼女と同じことをしなかったとはいえないのです。どうか彼女を許してあげてください。

私にとって村瀬君は、遠い昔のあなたを幻のように見ている蜃気楼だったのかも知れません。だけど私は蜃気楼には必ず実態があることを忘れていました。近くにいて私を愛し、支えてくれるあなたを忘れて、私はいつまでも蜃気楼に見とれていたのです。

私は今、自分のしたことの愚かさ、罪深さに身が震えるような思いです。あなたに会いたくてたまらない私がいます。だけどあなたが身を削るような思いをしながら私のことを忘れようとしているのに、私があなたに縋るのはさらに罪深いことでしょう。

それなのにあなたがいつか読んでくれると思いながら私はこの日記を書き、ヨーコさんが山のようなミクシイの会員からあなたの知り合いを探してくれることに頼り、ゆかりんさんがあなたを信頼している部下だと知って勝手なお願いをしました。私はやはりずるい女です。

あなたが言ってくれた「香澄は自分にとって、妻か恋人でしかありえない」という言葉の重みを、私は今改めて噛み締めています。私にとってもあなたは夫か恋人でしかありえません。お身体に気をつけて、いつまでもお元気でいてください。

香澄」


私は香澄からの手紙を何度も読み返しました。最初に感じたのは、高校時代に香澄から転校の話を聞いた後の「香澄がいなくなる」という胸が締め付けられるような思いでした。

結局私がわかったことは、死んでいないものを、死んだものだとはどうしても考えられないということです。香澄が私とこの地上で生きている、同じ空を見上げ、同じ空気を吸っている。そのことが私をたまらない気持ちにさせます。それは苦しみとは違います。私の心と身体の半分が引き裂かれて、互いに半身を求めているような気がするのです。

私はしまいっぱなしにしているフルートを取り出しました。汚れを取り、表面を磨き、キーに油を差すと吹ける状態になりました。頭部管に口を当てて吹くと何とか音は出ますが思ったような音色ではありません。私はフルートを組み立て、ゆっくりロングトーンの練習を始めました。


それから一週間ほど経ったある日の夜、私は都内のあるターミナル駅前にある音楽教室に向かっていました。そこには香澄が講師を務めているフルートの教室があります。

私が部屋に入ったとき、ちょうどレッスンが終わったばかりで、香澄は最後に残った生徒の質問を受けていました。香澄は私が入ってきたのにも気づかず、熱心に指導をしています。ようやくその生徒がぺこりと頭を下げて指導は終わります。優しげな微笑を浮かべながら生徒を見送った香澄と私の目が合いました。

「あなた……」

香澄の目が驚きに見開かれます。

「手紙を読んだ」
「……ありがとうございます」

香澄は少し恥ずかしげに目を伏せます。

「香澄、俺からも言い忘れていたことがあった。聞いてくれるか」
「……はい」
「俺にとっての香澄は恋人か妻でしかないと言ったが、一つ忘れていたことがあった。香澄は俺のフルートの先生だった」

伏せたままの香澄の睫毛がかすかに震えました。

「俺はまたフルートの練習を始めることにした。だが、俺は忙しいから、教室に通う時間がない。それに折角作った防音室の使い道がなくて困っているから、通いで個人レッスンをしてくれる先生を探している」

香澄は私の顔を見ながら首を傾げます。

「半年前に香澄は俺と約束をしたな。俺の言うことは何でも聞くと。あの約束はまだ生きているか?」

香澄はこっくりと頷きました。

「それじゃあ早速打ち合わせをしたい。時間はあるか?」
「はい」

再び香澄が頷くのを確認して私は教室を出ると、駅に向かって歩き出します。香澄は特に小柄というわけではありませんが、180センチを超える私とはかなり身長差があります。大きな歩幅で歩く私に香澄は懸命に着いてきました。


(了)
関連記事
WR 1/30(火) 12:55:23 No.20070130125523

私は「香澄」のページにアクセスします。香澄のマイミクは私一人です。もともと誰かの招待がないとページは作れないはずですが、香澄はおそらく「かすみん」として登録していた自分自身で「香澄」を招待し、「かすみん」名義の方は退会したのではないかと思います。そこには村瀬や久美との関係を断ち切る意図があったのかも知れません。

そこには簡単なプロフィールと日記だけが置かれてあり、コミュニティの登録などはありません。私は香澄の日記の最初の記事をクリックしました。

「あなたへ」

1行目の文字が飛び込んで来た時、私はなぜかとても懐かしいものを見たような気がしました。私は香澄の日記を読み続けます。


「あなたへ

いつか読んでもらえる日が来るかもしれないと思い、あなたへのお手紙を書くことにしました。パソコンは置いて来ましたので今は美奈子のものを借りて書いています。ミクシイというのは本当に便利ですね。

あなたは香澄が死んだものと思うとおっしゃいました。死人からの手紙を読まされるのは気分の良いものではないかも知れません。不快に思われたら申し訳なく思います。

それでもこうやってお手紙を書いているのは、私があなたに、村瀬君とのことをきちんと説明出来ないままだったからです。これから新たな生活を始めようとされているあなたにとっては今更聞いたところで不愉快なだけかも知れませんね。どうか私の最後の我儘だと思ってどうかお許しください。

それと始めにお断りして置きますが、これは遺書ではありません。これ以上馬鹿なことをしてあなたにご迷惑をおかけする積もりもありませんので、どうかその点はご心配なさらないでください。

私が村瀬君とどうしてあのような関係になったのか、最初は自分でも分かりませんでした。あなたのことを愛していたのは事実です。以前あなたから聞かれた時、村瀬君とのことは恋ではないと言ったことがあります。あれも私の本当の気持ちなのです。

家を出てからアパートに落ち着くまで、美奈子や佐和子のお世話になったので、2人には今回のことは話しました。案の定とても叱られてしまいましたが。

美奈子や佐和子は陽一と栄治が独立した寂しさから、母性の行き場を求めたのではないかと言ってくれました。確かにそういう理由もあったのかも知れませんが、それだけではありません。

私は目の前に迫って来る老いが怖かったのだと思います。私ももうすぐ50です。あと何年あなたは私のことを女と見てくれるだろうかと、訳もなく不安になりました。そんな時に、無条件の憧憬を捧げてくれる若い村瀬君に惹かれたというのが私の本心だと思います。昨年の5月の連休に、久美さんと一緒とはいえ村瀬君と一緒に旅行するということに、私は確かにうきうきしていました。

村瀬君がただの若い男というだけでは私はこれ程は惹かれず、また仮にそうなったとしても肉体関係を結ぶなどと言うことは決してなかったと思います。5月の旅行で突然村瀬君と2人きりになってしまい、それが久美さんの計画だと知った時、私はその場で帰るつもりでした。

ただ久美さんから理由を聞かされ、旅行を続けることを懇願され、そして私が半ば恐れ半ば期待したようにその夜村瀬君から身体を求められた時に許してしまったのは私なりの理由があるのです。

あなたは否定するかも知れませんが、村瀬君は昔のあなたにとても良く似ています。顔のどこがどう似ているという訳ではないのですが、全体の雰囲気や話し方が学生時代のあなたを思わせます。自信家で負けず嫌いなところ、我儘で理屈っぽいところ、そしてとても優しいところ、あなたにそっくりなのです。

その気持ちをより深く持ったのは村瀬君のフルートの音色でした。村瀬君は私に認められたいと懸命に練習し、ロングトーンや音階などの退屈な基礎練習を必死でこなしました。そうやってみるみる上達して行く姿や、そのフルートの澄んだ空気のような音が、昔のあなたにそっくりでした。

あなたは昔、私が住む日本海の近くの町に来てくれた時、2人で蜃気楼を見に行ったことを覚えていますか。とても美しくて不思議な海上の浮き島に見とれる私に、あなたは蜃気楼がどうして出来るのか教えてくれました。

蜃気楼は空気の状態の加減で光が屈折し、遠くの風景がすぐ近くにあるように見える。私は遠くにある実態を幻のように見ているのだと。

関連記事
WR 1/30(火) 12:52:41 No.20070130125241

「これはもう必要ありません。彼に渡してください」
「しかし……」

私は借用書を村瀬の父親の手に押し付けるようにしました。

「私にも2人の息子がいます。村瀬さんの気持ちは判ります」
「……ありがとうございます」

村瀬の父親は借用書を受け取ると、何度も頭を下げます。

「渡辺さんは息子に、本来私が教えなければいけないことを教えてくれました。この恩は決して忘れません。もし私に出来ることがあれば何でもおっしゃってください」

村瀬の父親はもう一度深々とお辞儀をすると帰って行きました。デスクに戻った私に加藤が声をかけます。

「どうしたんですか、社長。ぼんやりしちゃって」
「お前のそのタメ口はどうにかならないのか」
「気にしない、気にしない。私と社長、マイミク同士じゃないですか」

加藤はそう言うとケラケラ笑います。

「ところでさっきのお客様、誰ですか」
「エムファクトリイの村瀬社長だ」
「ええ、そうなんですか。あそこのギフト、女の子に人気が有るんですよ。うちでも扱えないかなあ」
「可能性はあるな。バイヤーに話してくれ。俺が話をつなぐよ」
「わかりました。ところで、その村瀬社長って人、社長に似てましたね」

加藤が急に声を潜めるように言います。

「どこがだ?」
「どこがって……全体の雰囲気って言うか……」
「そうかな」
「似てると思うんだけどな」

加藤がいつものように瞳をクルクルさせながら首をひねります。

「そういえば社長、ミクシイ全然やってないですね」
「ああ」

妻と村瀬たちとのやり取りを覗いたのが嫌な思い出となっており、妻と別れて以来一度もアクセスしてことがありませんでした。

「時々社長のページ、見に行くんですがいつまでたってもマイミクは私一人。あれじゃあ面白くないですよ」
「そうだな」
「今度私が一人紹介しますよ。マイミクになってあげて下さい」
「なぜ俺がそんなことをしなきゃならない」

私は気のない返事をします。

「色々と教えてあげたじゃないですか。その借りを返してください」
「あれが借りなのか? まあ、気が向いたらな」

きっときっとですよ、と歌うように言いながら加藤はようやく自分のデスクへと戻ります。一体何の用があったのかさっぱりわかりません。

帰宅すると私は加藤から言われたことを思い出し、久しぶりに家のPCを立ち上げました。妻が使っていたノートPCです。

PCはフルート教室の生徒の管理や、楽譜の作成などにも使うこともあるから持って行くようにと言ったのですが、妻は身の回りのものと愛用のフルート以外はすべて置いて行くと言って聞きませんでした。

受信フォルダに一通のメールが届いていました。差出人は「香澄」。離婚した妻からのマイミクの招待状です。

「ヨーコさんがゆかりんさんのページを探し出し、ゆかりんさんがあなたのページを教えてくれました。あなたは私と友人になることはないとおっしゃいましたが、せめてネット上の存在である『香澄』とならマイミクになっていただけませんか。もしこのメールが不愉快ならば申し訳ございませんが、削除してください」

私は少し考えて香澄の申し出を承諾しました。私の「マイミク」のリストが「ゆかりん」と「香澄」の2人になります。
関連記事
WR 1/30(火) 12:50:46 No.20070130125046

私たちの離婚が成立し、妻が家を出て行ってから2カ月以上の時が経ちました。5月に入ったばかりのある日、企画課の加藤有花が私のデスクにやって来ました。

「社長、お客様です」
「社長はやめろと言っただろう」
「何を言っているんですか。今月からは本当に社長でしょう」

そうでした。あれから社長のヘルニアは思わしくなく、5月1日付で社長は会長に就任するとともに、私が後任の社長となったのです。

「午前中は約束はなかったはずだか」
「村瀬さんという方です」
「村瀬?」

私は顔を上げます。

「社長と同じくらいの年齢ですよ。ご存じないのですか」
「ないな……いや、やっぱりあるかな」
「どっちなんですか、もう。A応接にお通ししています」

私が応接に入ると、村瀬と名乗る男は立ったまま私を迎え、深々とお辞儀をすると名刺を差し出しました。

「エムファクトリイの村瀬です」
「渡辺です。どうぞおかけください」
「失礼します」

男は座るなり、いきなりテーブルに擦りつけんばかりに頭を下げました。

「渡辺さん、私の息子が渡辺さんに対してとんでもないことを致しました。どうか、お許しください」

私はしばらく呆気に取られて村瀬の父親を眺めていましたが、やがて口を開きます。

「村瀬さん、頭を上げてください」
「息子の躾を間違いました。母親がいないからとつい甘くなって……渡辺さんに大変なご迷惑をおかけしました」
「村瀬さんのせいじゃありません。お願いですから頭を上げてください」

村瀬の父親はようやく頭を上げます。

「私は渡辺さんがなさったことは至極まっとうなことだと思います。大人は自分の発言に責任をもたなければなりません。息子が5000万円払うと言ったのですから払わせるのは当然です」
「それは……」
「息子の話だと、最初に息子と久美さんが貯金をはたいて400万円を払い、その後毎月100万円ずつお支払いすることになっているとか」
「そうです、昨日2回目の入金をしてもらいました」

私は頷きます。

「私は今回の件では一切金銭的な援助をしておりません。息子と久美さんが蒔いた種ですから、自分で刈り取らせるのが筋です。しかし、学生2人で月100万円の金を稼ぐのは至難の業です。息子はいくつもバイトを掛け持ちし、久美さんは夜の仕事までしているそうです」
「そうですか……」

村瀬と久美が自分で汗を流して金を作っているとは少々意外でした。

「しかしあのままだといずれ身体が保たなくなり、支払いが滞る日がくると思います。馬鹿な息子たちですが、やくざな金融業者に追い込みをかけられるのをさすがに親としては黙って見ている訳にはいきません」
「それはそうでしょうね」

村瀬の父親はその私の言葉にすがるように続けます。

「そこで勝手なお願いですが、もしも支払いが滞ったら、息子の借用書を回収業者に売る前に私に買い取らせてはいただけませんか? もちろん元本の残高全額をお支払いします。渡辺さんが息子や久美さんを恨む気持ちはわかるつもりですが、なにとぞ馬鹿な親の頼みを聞いてください」

村瀬の父親は再び頭を下げます。

「村瀬さん……もう私には恨みはありません」

私は机の中から村瀬が書いた借用書を取り出しました。
関連記事
WR 1/29(月) 17:36:22 No.20070129173622

私は再び静かな声で話します。

「いくらなら用意できるんだ?」
「二百万なら……」
「それは君の貯金か。さすがR大の学生だ。結構貯めているな」

村瀬と久美は身を縮めるように私の言葉を聞いています。

「今すぐ学生向けの消費者金融を回って来い。200万くらいは借りられるだろう。残りの4600万円は借用書でいい。約束どおり久美が連帯保証をしろ。俺も鬼じゃないから金利は利息制限法上限の15%にしておいてやる」

村瀬と久美は愕然とした顔を私に向けました。

「金利だけで月57万5千円になるな。元金の返済込みで100万円以上、これを毎月末に払え」
「ぼ、僕は学生です。そんなには払えません……」

村瀬は顔を引きつらせています。久美も真っ青な顔を私に向けています。

「そんなことは俺は知らん。5000万円払うと啖呵を切ったのは君だろう」

私は冷たく突き放します。

「一度でも遅れると、借用書を債権回収業者に売り払う。連中の取立てはきついぞ。村瀬君には臓器を売れとか、久美さんにはソープに沈めるとか言ってくるだろうな」
「許してくださいっ!」

村瀬と久美は震え上がって頭を床に擦り付けます。

「謝る時期が間違っているんじゃないのか。どうして前回、自分たちが約束を破ったときに謝らなかった?」
「……それは」
「君たちは今日いきなり土下座をした。金が用意できなかったことを謝ることはできるのに、どうして人の心を傷つけたことは謝れない?」

久美は村瀬の隣で身体を強張らせていましたが、顔を上げるとすがるような目を私に向けました。

「……私も払います。自分の貯金と、お金を借りて真一さんとあわせて500万は払います。ですから、サラ金なんて恐ろしいことは……」
「まだわからないのかっ!」

私はそれまで出来るだけ穏やかに話そうとしていましたが、この久美の言葉で激高します。妻が手にもったトレイを音を立てて置くと、久美の隣に並んで土下座しました。

「あなた、許して、私が、全部私が悪いんです。私の財産はみんなあなたにお渡しします。これからずっとあなたの言うとおりにお仕えします。ですから、ですから、2人を許してあげてください」
「先生、駄目っ!」

久美がわっと泣き出しました。

「本当は私なんです。私が悪いんです。私が先生にお願いしたんです。ご主人、ごめんなさい。私、なんでもします。なんでもしますから先生と真一さんを許してあげてくださいっ」

妻と久美は互いに手を取り合うように、わあわあ声を上げて泣き始めます。村瀬は土下座したまま拳を握り締め、涙を流しています。私はそんな3人の姿を見ながら、なぜかたまらない寂寥感がこみ上げてくるのを感じていました。


村瀬と久美が帰った後、私と妻はリビングで向かい合って座っていました。妻の目は泣いたせいか、真っ赤に腫れています。

「あなた、本当にごめんなさい。私が悪かったです」
「……許してくれとは言わないのか」
「私から言うことは出来ません。それだけのことをあなたにしてしまった訳ですから。いまさら償いと言っても遅いでしょうが、何でもしますから言ってください」

妻は頭を下げて、私の言葉を待っています。私はやがて口を開きました。

「離婚してくれ」

妻の肩先が一瞬震えました。

「……わかりました」
関連記事
WR 1/29(月) 17:32:19 No.20070129173219

土曜日がやってきました。約束の時間に玄関に現れた村瀬と久美は前回とは人が違ったように沈んでいました。特に村瀬の消沈振りは見る影もないほどです。

「どうした、突っ立っていないで入れ」

私は2人をリビングに招き入れます。村瀬と久美がいつまでも立っているので、私は「座れ」とソファを指差します。妻が心配そうに2人の様子を見ています。

「金は持ってきたのか?」

村瀬の顔は青ざめ、唇が小さく震えています。

「持ってきていないのか?」
「……」
「どうした、黙っていてはわからない」

村瀬はいきなり「申し訳ありません!」と叫ぶような声を上げると、床の上に土下座をしました。

「何の真似だ?」
「……」
「株は売れなかったのか?」
「……はい」

村瀬は蚊の鳴くような声で答えました。紅茶のカップを乗せたトレイを手に持ったままの妻がため息のような声を上げました。私の視線に気づいた久美があわてて村瀬の隣に土下座をします。

「……そうだろう」

私の言葉に村瀬が顔を上げました。

「父親に叱られたんじゃないか?」
「なぜそれを……」
「簡単なことだ」

私は静かな口調で話し始めます。

「父親が君に対してなぜ株を渡したのか、君はまったくその意味がわかっていない。おおかた財産の前払いか何かだと、安易に考えていたのではないか?」

村瀬は顔を引きつらせたまま私の言葉を聞いています。

「君の父親の会社は2年前に公開したばかりといったな。少し調べさせてもらったが、まだまだ成長していく会社のようだ。これからもたくさんの資金が必要だろう。その場合、株式市場から調達、要するに会社が新しい株式を発行して個人などの投資家に株を買ってもらう必要がある」

「そんな会社の経営者が自分の息子に株を渡して、そいつが人妻と不倫をはたらき、慰謝料を払うために株を売ったなどということがわかればいったいどうなると思う? そんな馬鹿な理由で経営者の息子が売る株を掴まされる投資家こそいい面の皮だ」

「また、君の父親は当分の間は自分が会社のトップを勤めるつもりだろうし、将来は出来れば君を後継者にとも考えているかもしれない。そんな経営者が自分や自分の家族の持ち株を売ることを認めるなどということはありえない」

村瀬の肩の震えがだんだん大きくなってきます。

「だいたい、君の父親の会社の株がどうしてそんなに上がったのか、その理由がわかっているのか」

村瀬と久美が同時に顔を上げました。

「君の父親や父親の会社の従業員が死に物狂いで働き、長い時間をかけてお客に商品が認められ、他の会社との激しい競争に勝ち抜いてきたことの結果だ。その汗の結晶を君はどぶに捨てるような使い方をしようとしている」
「君の父親が君に株を持たせたのは、経営の厳しさとは何か、経営者の心構えとは何か、会社の価値と株とは何か、また生きていくうえでのお金の持つ意味とは何かを教えたかったからじゃないのか」
「父からも……同じようなことを言われました」

村瀬はそう言うと再び深々と頭を下げました。

「申し訳ありません!」
「金が用意できなかったことを謝っているのなら、その必要はない」
関連記事
WR 1/29(月) 17:30:29 No.20070129173029

次の日曜日の朝9時、村瀬と久美が現れました。リビングのソファに並んで座っている2人とも妻から事前にある程度の事情を聞いているのか、緊張に顔を強張らせています。

妻もまた緊張した顔つきで紅茶のポットとカップを運んできます。私は妻が人数分の紅茶を注ぎ終わるのを確認すると、妻に「そこに座れ」と村瀬たちの隣を指差します。

「君たちに会うのはもう少し先になるかと思っていたが……」

私が話を切り出すと3人ともはっとした顔つきになります。

「3人とも約定違反だ。約束したことは守ってもらう」

村瀬が口惜しげに顔を伏せます。久美は何か言いたげに口を開きかけましたが、私が睨むと村瀬に倣って顔を伏せました。

「村瀬君の分担は5000万円のうち3000万円だ。来週の土曜日までに用意しろ。いいな?」
「あなた、待って。村瀬君は……」
「香澄は黙っていろ。お前には別に話がある」

私に叱咤されて妻は口を噤みます。私は妻が村瀬のことを「真一さん」ではなく、「村瀬君」と呼んでいることに気づきました。

「5000万円は全額僕が用意します」

村瀬は顔を上げると挑戦的な目を私に向けました。

「ですから、香澄さんを自由にしてあげてください」
「夫婦のことに口を出すな」
「ご主人は本来香澄さんのものである2000万円もの財産を取り上げようというのでしょう? その上香澄さんを奴隷のように自分の元に置き続けるつもりですか?」
「香澄をどう扱おうが俺の自由だ。それにこれは香澄が自分で約束したことだ」
「ご主人は金が手に入ればいいのでしょう? その上香澄さんを縛り続けようというのですか?」
「ああ、その通りだ」

私は怒声をあげて村瀬を睨みつけます。

「ぐずぐず言わずに約束どおり金をもってこい。5000万円の金をここに並べることが出来れば君の要求を考えてやってもいい」
「あなたは最低だ!」

村瀬は立ち上がって叫び声を上げます。

「お望みどおり、5000万円叩きつけてやる」
「真一さん……」

久美が村瀬を見上げました。

「心配するな、久美。年末から会社の株価が上がって、僕の持ち株の評価は1億円をはるかに超えている。香澄さんが僕たちのためにしてくれたことを思えば、5000万円くらいどうということはない」

その言葉を聞いた妻は一瞬はっとした表情を村瀬に向け、すぐに顔を伏せました。

村瀬は憤慨しながら帰っていきました。久美はさすがに帰り際、すまなそうに妻に頭を下げましたが、私に対しては詫びの言葉はありませんでした。

2人が帰った後、リビングには私と妻だけが残されます。妻がおずおずと口を開きました。

「あなた……」
「お前との話は、あの2人のことが片付いてからだ」
「ごめんなさい……」

妻は顔を伏せて涙を流し始めます。

「謝らなくてもいい」
「でも……」
「2人で過ごせる時間もあと少しだ。紅茶のお代わりをくれ」

妻は無言でうなずくと、ポットの葉を新しいものに取り替えました。アールグレイの紅茶は妻も私も一番好きなものです。私は妻の啜り泣きを聞きながら、熱く香りのよい紅茶をゆっくりと味わいました。

関連記事
WR 1/28(日) 22:24:00 No.20070128222400

「そんな……」
「俺は香澄と別れたら、いずれ新しいパートナーを探すつもりだ。香澄もそうしろといってくれただろう」
「はい……」
「仮に2人が俺を結婚式に呼んでくれるのなら俺はその新しいパートナーと一緒に出席したい。今誰か特にあてがあるわけではないが、そういった場合普通は前妻とは顔を合わせたくないだろう。周りからいい笑いものになるのが落ちだ」

妻は悲痛な表情を私に向けます。

「香澄は前に、どうして俺が一線を超えるつもりがないのに自分を抱くのかと聞いたな。俺はその時分からないと答えた」
「はい……」
「今ならその答えが分かる気がする。俺は香澄を忘れようとしているんだ。25年間の夫婦としての記憶、31年間の二人の記憶を自分の中から消し去るために香澄の身体を抱く、しかし、絶対に最後までは行かない。俺はその空しい行為で少しずつ香澄に別れを告げているんだ」

妻は顔を覆って泣き始めました。

「俺は香澄をまだ愛している。香澄も俺のことを嫌いになったわけではないと言った。そんな男と女が別れるというのはそういうことではないのか。互いに未練を残せば、新しいパートナーに対して失礼だ」
「私たちは、良い友達でいられないんですか……」
「それは無理だ」

私は冷たく言い放ちます。

「俺は香澄と良い友達になろうなんて思ったことは一度もない。高校生のときに香澄と始めて出あったとき、香澄のフルートの音色を始めて聞いたときから俺は香澄を自分のものにしたいと思っていた。それはこの30年以上変わっていない」

妻は真っ赤な目を私に向けました。私は何故か唐突に高校1年のとき、妻に部室の裏に呼び出されたときのことを思い出しました。妻が私に転校しなければならないことを告げたときです。あの時の妻の目も真っ赤にはれていました。

「俺は香澄を友達にすることは絶対にない。俺にとっての香澄は恋人か妻でしかない。香澄と別れるからには、俺は香澄は死んだものと思うことにした。死人と会うことは絶対にない」

私はそう言うとダイニングを出ました。妻の泣き声が背後で大きくなるのがわかりました。妻は始めて私と別れることに意味を知ったのかもしれません。


その後、村瀬は相変わらず妻を執拗に誘っていましたが、妻は頑として応えなかったため自然に2人は疎遠になり、妻がミクシイにアクセスすることは何時の間にかなくなっていきました。興信所の調べによると、村瀬と久美のデートの回数は増えてきているようでした。

私は相変わらず妻を抱きますが、決して一線は超えません。妻は私に愛撫されている間は我を忘れたように快感に浸っているようですが、行為が終わると必ず悲しげに声を殺して泣きます。私がその行為によって妻に対して別れを告げていると言ったことが堪えているのでしょう。

2月に入ると村瀬と久美はすっかり恋人同士になったようです。結果的には妻が身体を張ってキューピット役を務めたということでしょうか。バレンタインデーが近づいてきても、村瀬が妻にアプローチすることはありませんでした。村瀬に対する復讐の時期が近づいていることを感じた私は、ある土曜日の夜妻に対して告げました。

「明日の日曜日に、村瀬と久美を呼べ」
「えっ?」

妻は驚いた表情を私に向けます。

「どうしてですか?」

問い掛ける妻に、私は興信所の報告書を三冊テーブルの上に置きました。妻が息を呑むのが分かりました。

「まだ約束の半年まで3ヶ月近く残っているが、そろそろ終わりにしたい」
「あなた……」
「野球でもコールドゲームというのがあるだろう。これだけの証拠が揃っているんだ。おまえ達の負けだ」
「待って、あなた。お願いです……話を聞いて」
「話なら明日、三人が揃ったところで聞く。もっとも言い訳以上の何かが聞けるとも思っていないが」

私はそう言うと立ち上がり、寝室に向かいました。妻はその夜寝室に来ることはありませんでした。

関連記事
WR 1/28(日) 22:21:30 No.20070128222130

私はタオルをお湯で絞ると妻の身体の汚れた箇所を拭います。

「……どうして抱かなかったのですか?」
「おかしなことを言うな。香澄は」

私は苦笑します。

「お前とはもう一線を超えないと約束しただろう」
「それなら、なぜ……」
「こんなことをするのか、と聞きたいのか?」
「はい……」

私は少し黙った後、口を開きます。

「俺にも良く分からない。なぜなのか、香澄も一緒に考えてくれ」

私はそう言うと横になり、目を閉じました。妻はしばらく起きている気配がしましたが、やがて眠りについたようでした。


私はその後、妻を週に一度のペースで同じように愛撫しました。これまでのように妻が嫌がるような露出的な下着を着せたり、卑猥な格好をさせたり、バイブで弄ぶようなことはなく、私の指と舌を使って何度もイかせ、その後妻の腹か尻の上に射精するのが常でした。妻は私に抱かれるたびに激しく乱れましたが、同時に挿入してもらえないことをもどかしく感じているようでもありました。

村瀬はその後しばらく大人しくしているようでしたが、12月に入ってから再び妻を抱きたいとねだってくるようになりました。妻は最初は拒否していたのですが、久美からも強く頼まれて断れなくなったのか、17日の土曜日に再び村瀬に抱かれました。

そうなってしまうとタガが外れたのか、翌週の土曜日、つまり24日のクリスマスイブにまた村瀬に懇願され、身体を許してしまいました。この両日についても興信所に依頼して証拠写真を撮影したのは言うまでもありません。17日は久美は登場しなかったようですが、24日のイブは、久美は村瀬と妻が別れるのを待ちかねたように現れると、村瀬と共に夜の町に消えていきました。おそらく2人でクリスマスイブを過ごしたのでしょう。

村瀬は私に対して妻と結婚しないまでも一生愛していく、妻が生きている間は妻としかセックスをしない。妻を最後の女性とすると言いました。そんな世迷言を信じたわけではありませんが村瀬の行為は妻に対する裏切りですし、今さらですが誓約書違反でもあります。

村瀬と久美にこういった形で裏切られている妻も気の毒ともいえます。しかし私でも推し量ることが出きる程度の久美の本当の気持ちを、同性である妻が全く気づいていないというのも不自然ではあります。結局私にとって未だにわからないのが妻の本心でした。

ずっと家に寄り付いていなかった2人の息子たちも、さすがに年末年始ともなると帰省します。村瀬と再び会い始めてからは沈んでいた妻の表情も、息子たちが帰ってくるとぱっと明るくなりました。私も妻の不倫のことなどは息子たちの前ではおくびにも出さず、以前と同様、仲の良い夫婦を演じました。

あっという間に三が日が過ぎ、息子たちがそれぞれの勤め先へと帰り、久しぶりに二人になった夜に妻が私に話し掛けました。

「賑やかでしたね。やっぱり家族というものはいいものですわ」
「ああ……」
「これからもお正月はこういう風に、4人で過ごせると良いですね」
「それは無理だな」

私はそっけなく答えます。妻は「えっ」という表情を私に向けます。

「5月になったら俺たちは別れるんだろう。こういった正月は今回でおしまいだ」
「でも……」

妻は一瞬言葉を失ったようですが、しばらくして口を開きます。

「私はあの子達の母親であるということはこれからも変わらない訳ですから、一年に一回くらいは4人で集まっても良いのでは……」
「俺は離婚したら二度と香澄と会うつもりはない」
「えっ……」
「もちろん陽一や栄治が香澄と会いたいというのならそれは自由だ。止めるつもりはない。しかし、俺はその場にはいる気はない」
「……二度と会わないって……陽一や栄治が結婚するときもですか?」
「そうだ。2人が香澄を式や披露宴に呼びたいというのならそれはかまわない。しかし、その場合は俺は出席しない」
関連記事
WR 1/28(日) 22:19:49 No.20070128221949

「こっちへ来い」

妻は私に呼ばれるままベッドに身を横たえます。村瀬に抱かれたばかりの身体を見られ続けるよりは、私に抱かれた方が良いと思ったのでしょうか。妻の表情にどことなく安堵の色が浮かんでいました。

私は自分も裸になると妻を抱きしめ、口付けをしました。こんな風に妻を抱いてキスをするのはいつ以来でしょうか。

「ああ……」

キスに弱い妻はたちまち溜息に似た声を洩らします。私はうなじ、胸元、乳首と上から順に妻の身体に優しく接吻を注ぎ込みます。それは村瀬がつけた妻への痕跡を消していくかのようでした。

私は妻の羞恥の箇所はわざと避けると、両足を開かせると内腿を強く吸います。そこは妻の性感帯の一つでした。妻の喘ぎ声が一段と高まります。

(村瀬にはこの場所のことはもう教えてやったのか?)

私はそう胸の中で呟きながらその柔らかい箇所を優しく、そして激しく愛撫します。妻はかなり感じてきたのか荒い息を吐きながら、その両肢はもどかしげに海草のようにゆらゆらと蠢き始めます。

私は顔を上方にずらし、妻の羞恥の部分に口吻を注ぎ込みます。肉襞を甘噛みし、内部に舌を這わせ、唇ですっかり尖った花蕾を吸い上げると妻は「あ、ああっ」と悲鳴のような声をあげ、逞しいまでに実った腰部をブルブルと震わせます。

(村瀬にもこうやってクリニングスをさせて声をあげたのか?)
(尖らせたクリトリスをはしたなく突き出して、吸わせたのか?)

私は妻をぐっと強く抱きしめると、再び口付けをします。今度は妻の舌先を吸い上げ、自らの口の中で弄びます。妻は「うっ、うっ……」と声を上げながら、甘い唾液を私に吸われて行きます。

(村瀬にもそんなうっとりした顔で口を吸わせたのか?)
(こんな風に強く抱かれたのか?)

私は胸の中で妻に問いかけながら愛撫をつづけます。妻はますます気持ちが昂ぶってきたのか「あっ、あっ」とさも切なげな声をあげています。それがまるで私の問いに対する肯定のように思え、私は激しい嫉妬を感じると共に強い欲情を覚えました。

私は妻の身体を支えるようにして自分の体の上に乗せあげます。妻の好きな騎乗位です。妻はすっかり潤った羞恥の箇所を、私の硬化したものに擦り付け始めます。妻が無意識のうちに挿入を求める時の癖です。

(そうやって村瀬のものも求めたのか?)

私は妻の耳元に囁きかけました。

「欲しいのか?」
「……」
「どうなんだ、言ってみろ」
「ください……」
「何が欲しいんだ。ちゃんと言わないか……」
「あなたの……ペニス……」

私は片手で妻の腰部を少し持ち上げると、指を羞恥の部分にあてがい、ぐいぐいと押し込むようにします。

「あ、ああっ!」

ペニスの代わりに二本の指を挿入された妻は悲鳴をあげて私から逃れようとしますが、私はそうはさせじと片腕を妻の背中に回して抱きとめます。

「ああ……そんな……」

妻は指でイかされるのが惨めなのか、さも切なげにすすり泣きますが、火の点いたようになっている身体は止まらないようで、いやらしく腰を振りたてています。私が指先で愛撫しつづけると妻は遂に「い、いきますっ」と声をあげて、絶頂に達しました。

裸身を痙攣させながら快感に浸っている妻を私は優しく抱きしめるともう一度接吻をします。そして起き上がると、ベッドの上にぐったりとうつ伏せになった妻の丸い尻の上に射精します。私の熱いものを肌の上に感じた瞬間、妻は豊満な尻をブルッと震わせました。

関連記事
WR 1/28(日) 18:50:50 No.20070128185050

村瀬と久美がホテルに入ったという報告を聞いても、私はそれほど意外ではありませんでした。少し前から、おそらくそういうことではないかと思っていたのです。

村瀬を裏切るなら5000万円の違約金の連帯保証から久美を外すといったのにもかかわらず、久美がむしろ村瀬が誓約書に違反するような行為を促したのは何故か。久美の立場が、村瀬の妻に対する恋心を単純に応援するというものに過ぎないのなら、これほどのリスクを犯すのはどう見ても不自然です。

村瀬が年上好みだというのは事実でしょう。しかし、久美が同じように年上好みで、村瀬と結婚した後もセックスレスでよいと考えているとは私には信じられませんでした。その思いはミクシイでの3人のやり取りを読んでから確信に変わります。村瀬は気づいていないようでしたが、そこでは明らかに久美の妻に対する嫉妬が現れていました。

久美は村瀬のことを愛しており、自分の方を向いて欲しいと思っていると私は考えました。村瀬の方も妻のことが好きなのは確かですが、久美も嫌いではない、いや、むしろ本当は愛しているのではないかと私は推測します。そうでなければ「最高のパートナー」だとか「彼女なしの人生は考えられない」などとは言いません。

幼いときに母親と別れなければならなくなった村瀬にとって、妻は理想の女性というよりも、母親の代わりのような存在なのでしょう。母親に対する憧憬が深すぎて、村瀬は久美を本当は愛していながら抱くことが出来ない。だから愛しているのは妻で、久美に対する想いは同志愛のようなものだと自分を誤魔化しているのではないでしょうか。

久美は女としての本能的な直感から、村瀬が母親に対する愛情を卒業しない限り、自分を抱くことは出来ないと考えているのではないでしょうか。だから村瀬と妻のことを応援するような行動に出た。しかし内心の嫉妬は抑えられず、時々表面に噴出してしまうといったところではないでしょうか。

その久美にとって、村瀬と妻の接触が6ヶ月間絶たれたことは誤算だったことでしょう。久美としては少しでも早く村瀬を妻から卒業させたいのです。村瀬がある程度妻とのセックスで経験を積み、女の性のあからさまな実態を知ることで母親の幻影から解放されれば、自分の若い肉体で村瀬をひきつける自信があったのでしょう。妻と会えないままではいつまでも村瀬は妻に拘りつづけ、久美の方を向かないでしょう。

リビングのソファで私がそんなことをぼんやり考えていると妻が呼びに来ました。

「お食事の準備が出来ました」

妻は気を使ってか、私の好物を食卓に並べます。しきりに今日会ったことになっている美奈子さんと佐和子さんの話題を口にするのはアリバイ工作をしているつもりでしょうか。私は冷めた気持ちでそれを聞いていました。

妻の作った食事は吐き気がするというほどのことはありませんでしたが、味がほとんど感じられませんでした。

食事が終わる頃、私は妻に向かって言いました。

「風呂から上がったら、何も身につけないで寝室に来い」
「あなた……」

妻の目が驚きに見開かれます。

「俺の言うことは何でも聞くんじゃなかったのか?」
「今日は……」
「生理も終わっただろう。買い物に行ったくらいだから風邪も治ったはずだ」
「わかりました」

妻は覚悟を決めたように頷きます。

私は先に風呂に入る間、妻は食器を片付けます。私は風呂から上がり、寝室で音楽を聴きながら妻が来るのを待ちます。かなり経って寝室の扉が開き、妻が電気を消しました。

「電気はつけたままにしろ」
「でも……」
「久しぶりに香澄の身体をよく見たい。もうすぐ見られなくなるかもしれないからな」

妻はあきらめて電気をつけます。扉の近くで恥ずかしそうに胸と股間を隠している妻に私は声をかけます。

「隠さないで見せろ」
「許して……」
「言うことを聞くはずだったな」

妻は腕を下ろし、素っ裸を私の目の前に晒します。村瀬との情事の痕跡が私に露見することを脅えているのでしょうか。妻の裸身は小刻みに震えているようです。
関連記事
WR 1/28(日) 16:55:46 No.20070128165546

「夕方には帰りますから……」

妻は小声でそう言うと、家を出て行きました。男に抱かれるために出かける妻を見送るというのはなんとも嫌なものです。こんな気持ちを人生で味わうことになるとは思ってもいませんでした。

私はすぐに待機している興信所の調査員に電話します。ミクシイでのやり取りにより、妻が村瀬と会う日は予め分かっているわけですから、ピンポイントで調査が出来ます。私自身が尾行しても良いようなものですが、証拠としての価値を考えると興信所の報告書があった方が良いと思いました。

妻が不貞を働くことを知りながら泳がせる、当時のことを今思い出してもこの時期が一番辛かったです。知らないということはある意味幸せなことです。

やがて興信所の調査員から電話がありました。妻は出かけるとまっすぐにラブホテルに向かったということです。昼前からラブホテルで若い男と情事に耽る女、そんな女が自分の妻だとは……実に情けない話です。

次に興信所から電話があったのは4時間以上後でした。妻と村瀬はよほど名残惜しかったのでしょうか。10時から2時までの4時間をホテルの中で過ごしたようです。

これで証拠は押さえたわけですから、調査はここで切り上げても良いのですが、私は念のためにそのまま継続を依頼しました。妻の行動の全てを把握しておきたかったのです。

妻はその後、村瀬と共に元町へ向かいます。私には美奈子さんと佐和子さんと買い物に行くと言って出かけたのですから、何か買って帰らないと不審に思われると考えたのでしょう。

元町で久美が2人と合流したのには少々驚きました。初日以降、久美はミクシイにはほとんど顔を出していなかったので、今回の逢引にはからんでいないのかと思っていたのです。考えてみれば村瀬と久美は電話で連絡が取れるわけですから、3人が行動を共にしてもおかしくはありません。

3人はしばらく一緒にショッピングをします。といっても、妻と久美の女同士の買い物に村瀬が付き合うという感じでしょうか。確かに3人が仲良く買い物を楽しんでいる写真を見ると、母親とその娘と息子、という風に見えなくもありません。

4時半ごろ、妻と村瀬・久美は駅で別れます。調査員からここで再び継続の要否確認の電話が入ります。

「妻が帰って、村瀬と久美はその場に残っているのだな」
(はい、このまま奥様を尾行しますか?)
「……」

予め夕方には帰ると行って出かけた妻ですから、おそらくこのまままっすぐ帰ってくるでしょう。私は引っかかることがあって少し考えます。

「村瀬と久美の方を尾行してくれ」
(わかりました)

私が当初から村瀬と久美に対して抱いていた疑念がありました。それが正しいかどうかが、証明できるかもしれません。村瀬と久美は妻と別れると駅から元町通りを抜け、山下公園に向かいました。そこから中華街に行き食事をします。

(デートコースじゃないか……)

そうこうしているうちにそろそろ妻が帰ってくる時間です。私は調査員に、以後の連絡はメールに切り替えるように依頼しました。しばらくすると玄関のチャイムが鳴りました。
「ただいま」

妻が帰ってきました。私が玄関まで迎えると、妻は手に持った買い物袋を置きます。

「遅くなってごめんなさい……すぐに食事の用意をしますね」

妻は一瞬私と視線が合うとすぐに逸らし、キッチンへと向かいました。その時ポケットに入れてあった携帯電話が震え、メールの着信を告げます。

(2人は石川町近くのホテルに入りました)

私は調査員からのそのメールを複雑な思いで眺めます。妻と村瀬の不倫が露呈し、久美が村瀬と共に私の家に来たときから、私は久美に対して不審なものを感じていました。村瀬が母親のような年齢の妻を愛するというのはわからないでもありません。また、久美のような娘が同年代の男には興味がなく、これも父親のような男に身を任せるというのもあり得ない話ではありません。しかし、その2人が同じ大学で、同じフルートのパートに所属しているというのが偶然にしても出来すぎだと思っていたのです。
関連記事
WR 1/28(日) 16:54:04 No.20070128165404

(香澄のやつ、やはり裏切る気だな……)

私は怒りに頭がカッと熱くなります。

(どうするか……)

そういえば今回の妻と村瀬の不倫は妻が自分から告白し、それを村瀬と久美が認めたもので、何か物証があるわけではありません。もちろん過去の不倫については当事者が認めており、誓約書まで書かせたわけですから、それはそれで十分なわけです。

しかしさらに誓約書にも違反したということを立証するには、決定的な証拠があった方が良いといえます。

もちろんこうやってミクシイを使って連絡を取っているわけですからそれだけでも誓約書違反です。ただ、もしも裁判などになればネットを使って連絡しただけで5000万円もの慰謝料を要求することは「権利の濫用」といわれかねません。それにこちらは会社にあったキーロガーを使って妻のIDとパスを不正取得したという弱みもあります。

(よし、証拠を押さえてやる)

妻と村瀬がもう一度抱き合うことを認めるのは正直言って苦しい気持ちもあります。しかし、私は敢えて2人を泳がせ、決定的な証拠を得ることにしました。そう心に決めると、念のためにこれまでの妻と村瀬のやり取りを、ファイルと画面コピーの形で保存しました。

次の日、家に帰ると妻は分厚いカーデガンを着て、ご丁寧にもマスクまでかけていました。

「なんだか風邪がぶり返したみたいで……申し訳ないですが、今日は早めに休ませていただいて良いですか」

妻は小さく咳をしながらそう言いますが、その視線は頼りなく泳いでいます。長年一緒に暮らしているから分かりますが、妻が嘘をつくときの癖です。しかし私はそれに気づかぬ振りをしてわざと優しく声をかけます。

「そうか、大事にしろよ」
「……すみません」

妻は多少罪悪感を覚えるのか、顔を伏せて小声で答えます。

私は妻と村瀬が裏切ろうとしているのを知っていることを気づかれないよう、細心の注意を払いました。家に帰っても必死で平常心を保ち、妻に対してもことさらに穏やかな表情を見せ、時には笑いかけるようにします。妻は少し前のようなそっけない態度はなくなりましたが、その代わりどことなくおどおどした、心ここにあらずといった雰囲気を見せます。やはり心に後ろ暗いことがあるからでしょうか。

この頃、なぜかまた妻の作ったものを食べるのが再び苦痛になって来ました。それでも私はこみ上げる吐き気をこらえながら、必死で食べました。そんなことが身体に良いはずがありません。私は徐々に体重が落ちてきました。

金曜の夜、仕事で遅くなった私が家に着くと、起きて私を待っていた妻が申し訳なさそうに切り出しました。

「……あなた、すみません。明日、外出をしたいのですが」
「どこへ行くんだ」
「佐和子と美奈子が、久しぶりに食事でもしようと誘ってくれて……」
「そうか……」

いつもいつも不倫の言い訳に使われる佐和子さんと美奈子さんもいい迷惑です。私は懸命に内心の怒りを堪えながら答えます。

「風邪はもういいのか?」
「はい……」
「たまには香澄も気分を変えた方が良いだろう。美奈子さんと佐和子さんなら心配ない。俺に気にせず行って来い」
「すみません……」

妻は蚊の鳴くような声で返事をします。本質的には嘘が嫌いな女ですから、私に罪悪感を抱いているものと信じたいです。

土曜の朝食が終わると妻は丁寧に化粧をし、お気に入りのコートを着て玄関に立ちました。

「あなた、行って来ます」
「ああ、楽しんで来い」

私の何気ない言葉に妻ははっとした表情になり、顔を伏せました。
関連記事
WR 1/28(日) 16:52:48 No.20070128165248

村瀬「とにかく香澄さんをこれ以上あの男に好きなようにさせたくないんだ。何とか断ってよ」

妻「でも、何でも言うことを聞くと約束をしたんだし……」

村瀬「何でも聞くといっても、限度があるよ」

妻「身体に傷をつけたり、人前で恥を欠かせないという約束は少なくとも主人は守っているわ。それと最後の一線は守るということも……」

村瀬「香澄さんにあんなことをさせるなんて、最後の一線を越えているのも同じだよ」

妻「そ、それはそうかも知れないけど……」

村瀬「このままあと5ヶ月以上も香澄さんをあの男の玩具にさせるなんて耐えられないんだ」

妻「真一さん、あまり私を困らせないで……約束の6ヶ月のうち、まだ一ヶ月もたっていないのよ。それなのに私たちはこうやって連絡を取り合っている。主人との約束を明らかに破っているのは私たちの方よ」

村瀬「香澄さんは僕のことを愛していないの?」

妻「またそんなことを言って……愛しているに決まっているじゃない」

村瀬「それなら、僕の苦しさはわかるよね」

妻「わかるわ……私も苦しいの。でも、主人はもっと苦しんでいると思うわ」

村瀬「あいつは苦しんでなんかいないよ。僕や香澄さんをいたぶって楽しんでいるんだ。ああ、僕はもう一日も香澄さんをあの男のところに置いていたくない。だから、お願いだよ」

妻「仕方がないわね……わかったわ。今度の土曜日は熱を出したということで断るわ」


やはり妻が土曜日に「微熱がある」と言ったのは仮病だったのです。

妻と村瀬のやり取りを見ていると、子供のように駄々をこねる村瀬を妻が宥めようとしていますが、結局は村瀬に押されて妻がズルズルと要求を呑んでいるという感じがします。もちろん妻の意志の弱さは責められるべきですが、村瀬は妻の母性愛のようなものを巧みに刺激しているようで、私にはそれが不快でした。

私は2人のログを読みつづけます。村瀬はだんだん妻に対する要求をエスカレートさせ、直接会いたいと迫るようになっていました。村瀬が妻を呼び出そうとしている日、それが彼の誕生日である11月12日、つまり今週の土曜日です。やはり妻がパスワードにしていた「1112」という数字が村瀬の誕生日だったのです。

妻「真一さん、もう限界だわ。この水曜は主人を拒むことが出来ないわ」

村瀬「もう一度だけ仮病を使ってよ」

妻「でも……それはさすがに……」

村瀬「それで土曜日に一度だけ会って欲しいんだ。そうしてくれたらこれからは耐えられるよ」

妻「そ、それは約束違反だわ」

村瀬「こうやって香澄さんがあの男のいうことを聞かない状態だってすでに約束違反だよ。お願いだから土曜日に僕と会ってよ。土曜日が何の日か香澄さんもわかっているだろう?」

妻「それは……もちろんわかっているわ。真一さんの誕生日を私が忘れるわけがないじゃないの」

村瀬「誕生日のプレゼントだと思って会ってよ。僕にとっては香澄さんを抱けるのが最高のプレゼントだよ」

妻「馬鹿ね……でも一度会ったらまたすぐに我慢できなくなるんじゃないの?」

村瀬「そんな……子供じゃないから大丈夫だよ」

妻「そうかしら、世話のかかる子供みたいだわ」

村瀬「馬鹿にしないでよ。香澄さんが出て気やすいように、いつものホテルを予約しておくね」

妻「言い出したら聞かないのね……わかったわ、その代わり絶対に今回だけよ」
関連記事
WR 1/27(土) 18:18:58 No.20070127181858

一度そんな言葉を書き込んだ妻は、村瀬と久美に求められるまま何度も「香澄が愛しているのは真一さんだけです」と繰り返し書き込みます。村瀬はようやく落ち着いてきたようで、今度は私に対する怒りを露わにします。

村瀬「それにしてもあの男は最低だ。嫌がる香澄さんに酷いことをして、無理やりに自分の思い通りにさせるなんて」

久美「そうよ、夫婦でも無理やり犯したらレイプが成立するのよ。先生も知っているでしょう?」

妻「別に犯されたわけでは……」

久美「それじゃあ強制わいせつだわ」

村瀬「どちらにしても、これからはあの男に香澄さんの身体を好きにさせたくない。おかしなことをしようとしたら何か理由をつけて断ってよ」

妻「でも……」

久美「生理って言うと良いわ。それなら無理やりには出来ないでしょう」

妻「……一度ならともかく、何度も使える手じゃないわ」

村瀬「香澄さんは僕のことを愛してくれているといったでしょう。それなら僕に操を立てるのは当然だよ。あの男に肌を触れさせないでよ」

久美「真一さんにおかしな写真や録音を送られて、先生も怒っているのでしょう?」

妻「それはもちろん、それについては腹を立てているけど」

村瀬「とにかく、あの男を拒むことを約束してよ。本当に愛し合っている僕たちだって我慢しているんだから、あいつだって香澄さんを抱くのを我慢すべきだ」

妻「わかったわ……出きる限りそうするわ」

村瀬「出きる限りじゃなくて絶対だよ。毎日ここで報告するんだ。わかったね」

妻「わ、わかったわ……」


その日のやり取りはそれで終わっていました。これで、水曜日に妻が突然醒めた表情になり、生理と嘘をついて私の調教を拒んだ理由がわかりました。

(勝手なことばかりほざきやがって……)

これは完全な約束違反です。このやり取りを突きつけると、村瀬と妻は私に対して慰謝料を払わざるを得ないでしょう。私はいっそそうしてやり、妻との関係に終止符を打とうかとも思いました。

(いや、待て……奴らを潰すのはいつでも出きる。この展開はむしろ俺の予想通りではないか)

必死で怒りを抑えた私は、今回の件は当初想定していた村瀬の弱点の一つが露呈したのだと思い返します。妻という熟れた女の身体を知った村瀬が、いつまでも禁欲を続けることは困難です。とりあえずミクシイでの言葉のやり取りで気持ちを落ち着かせようとしていますが、このまま我慢できるとは思えません。いずれ来る決定的瞬間を押さえた方が後の交渉が有利になるのではないのかと考えたのです。

また私は、この期に及んでも妻とやり直す可能性を捨ててはいませんでした。このミクシイでのやり取りを見ても、村瀬はただの頼りない若造です。妻がこれからの人生を村瀬と共に暮らそうと考えるなど、正気の沙汰ではありません。不倫は麻薬中毒に似たところがあるといいますが、妻に目を覚ます機会を与えたいという気持ちもないわけではありません。

しかし同時にそうして目を覚まし、自分の行いを涙を流して悔いている妻を襤褸切れのように捨ててやりたいという陰湿な復讐心が自分の中にあるのも否定できません。村瀬との恋愛ごっこに酔っている時ではなく、正気に戻った妻を傷つけたいと思うのです。麻酔が効いている相手にメスを入れても痛みがないように。

翌日、翌々日と毎日のようにスレッドが立てられています。久美は毎日は参加していないようで、妻と村瀬のチャット状態のやり取りが記されています。久美の友人というヨーコという女は参加しておらず、足跡をチェックしても妻のページに立ち寄っている形跡はありません。妻と村瀬のやり取りは恋人同士の睦言、あるいは痴話喧嘩といった類のものでした。妻との仲を終わりにするにしても、やり直すにしても、妻が何を考えているのかを知りたい。どうして村瀬との関係にのめりこんだのかを知りたい、そういった気持ちから私は不快感を堪えてそのやり取りを読みました。

関連記事
WR 1/27(土) 17:25:00 No.20070127172500

妻「本当はこうやってミクシイを使って連絡を取ることも、主人に対する約束違反なのよ。でも、真一さんがすごく精神的に不安定になっているって聞いたから……」

村瀬「約束したとおり会ってもいないし、メールも電話もしていないよ」

久美「ミクシイのことを連絡したのも、ヨーコを通じてだからね。旦那さんとの約束は守っているわ」

妻「これはメールをやり取りしているのと同じことだわ」

村瀬「あの男が香澄さんに酷いことをするからいけないんだ。何もしないのなら僕も香澄さんと連絡を取らないでじっと耐えていたよ。約束を破ったのはあの男だよ」

妻「主人は約束は破ってはいないわ……」

村瀬「香澄さんはやっぱりあの男の肩を持つんだね? 僕がどうなっても良いの? それにこれが約束違反というのなら、香澄さんも同罪だよ」

久美「落ち着きなさい、村瀬君。それは言いすぎよ」

妻「……そうね、私も同罪だわ。約束を破ったことになるわね」

久美「いいのよ、先生。メールや電話と違って、ミクシイなら絶対にばれないわ。それで村瀬君の気持ちが落ち着いて、半年間耐えることができるならそれが一番良いじゃない」
妻「でも、それはルール違反だわ」

久美「先生は固すぎるわ。村瀬君と関係を持ったことでもう旦那さんを裏切っているのよ。旦那さんへの償いは償いとして、新しい恋人のことを大事にしてあげなければ」

妻「わかったわ……それで真一さんの気持ちが軽くなるのなら」


そこまで読んだ私は怒りで手が震えるのを感じてました。

思ったとおり、妻は私との約束を破り村瀬と連絡を取っていたのです。それを仲介したのは久美です。久美も妻との接触を禁じられていましたので、ヨーコという友人を使って妻と連絡したようです。妻をミクシイに招待したり、機械音痴の妻に代わってパソコンの設定をしたのはのはこのヨーコかもしれません。

村瀬や久美とのやり取りを読んでいると、妻は多少は私との約束を破ることについての罪悪感を覚えているようですが、簡単に久美に丸め込まれているところを見ると、結局は村瀬と繋がっていたいという気持ちには勝てないのでしょう。

私はスレッドの先を読み進みます。

妻「真一さん、主人が録音した……その……私の言葉は本心ではないわ。無理やり言わされたのよ。わかって。真一さんに送られるなんて思ってもいなかったの」

久美「無理やり感じさせられて心にもないことを言ってしまうということは、女にはあるものよ、村瀬君。先生も女なの。わかってあげなさい」

村瀬「でも……あの声は真に迫っていたよ」

久美「先生、村瀬君が不安がっているわ。香澄が愛しているのは真一さんだけ、と言ってあげてよ」

妻「久美さん、大人にそんなことを言わせるものじゃないわ」

久美「でも、そう言ってもらわないと、村瀬君は嫉妬のあまりノイローゼになっちゃうわよ。それでもいいの? 先生」

妻「それは……」

久美「それなら言ってあげてよ」

妻「わかったわ……」

妻と久美のやり取りを読んでいると、どちらが目上か分かりません。妻がまるで久美に従属しているようにも感じるのです。久美という娘はS性を持っているのかも知れません。

それはともか村瀬と久美にせっつかれた妻は、村瀬に対する「愛の告白」を書き込みます。

妻「真一さん、香澄が愛しているのは真一さんだけです……」
関連記事
WR 1/27(土) 17:23:43 No.20070127172343

妻のPCからのログファイルの通信は延々と続きます。ミクシイにつなぎっぱなしで村瀬とやり取りをしているのでしょうか。これではチャットをしているようなものです。

(お互いがリアルタイムでつなげばチャットの代わりになるし、メールやブログ、掲示板のようにメッセージを残すこともできる。なかなか良く出来たシステムだな)

私はこんなときでも商売柄か、おかしなところに感心します。いつまでたっても妻はログオフしないので、私はいったん外出し、営業回りをすることにしました。会社の中にいて次々と吐き出されるログファイルを眺めているのは精神衛生上良くありません。

午後に会社に戻ると、ようやく妻はログオフしたようで、ファイルの転送は終わっています。私は手に入れたIDとパスワードで、妻のページにログインします。

[mixi]かすみんさん
プロフィール
名前:香澄
性別:女性
誕生日:2月28日
血液型:O型

マイミクシィ一覧
・しんちゃんさん
・くーみんさん
・ヨーコさん

(「しんちゃん」というのは村瀬、「くーみん」は久美だな。気持ちの悪いハンドルをつけやがって。しかし、「ヨーコ」というのは誰だ?)

コミュニティ一覧
・メルカダンテの部屋

メルカダンテというのはイタリアの作曲家で、19世紀中頃のイタリアでは非常な人気を博したオペラ作家ですが、ヴェルディの登場によりその作品は時代遅れとされ、今では一般的にはほとんど忘れられた存在となっています。

しかしフルート吹きなら誰でも知っているといって良いほど、その「フルート協奏曲ホ短調」は有名で、妻も私も大好きな曲です。しかし一般的にはマイナーですから、検索によって発見されることは少ないでしょう。そんな作曲家の名前をコミュニティに付けるところが姑息さを感じさせます。私はそのコミュニティをクリックしました。

思ったとおり入会には管理人承認が必要なコミュニティです。しかし妻のIDを使っていますので、当然ログインできます。コミュニティは今月の1日、つまり妻が生理だといって私の調教を拒否した日に解説されています。

スレッドは毎日のように立てられており、私は最初の日の「かすみさんへ」というスレッドをクリックしました。そこには思ったとおり妻と村瀬、そして久美のやり取りが綴られています。書き込みは「かすみん」だの「しんちゃん」だのといったハンドル名で、またところどころいわゆる「2ちゃんねる用語」が使われていますが、それをそのまま転記すると頭が痛くなってきますので名前は本名に、また文体は普通の会話調に直しています。

村瀬「あの男から香澄さんの写真と録音が送られてきた。僕はもう頭がおかしくなりそうだ。香澄さんはもう僕を愛していないの?」

妻「真一さん、どうしたの? 落ち着いて」

村瀬「落ち着いてなんていられないよ。香澄さんがあの男に『愛しているわ』なんていいながらのオチンチンをしゃぶっている声を聞かされたり、立ったままあの男に抱かれて指であそこをいじくられている写真を見せられたら」

妻「ええっ? そんなものがどうして真一さんのところにあるの?」

村瀬「あの男から送られてきたからに決まっているじゃないか。香澄さんはやっぱり僕よりもあの男の方を愛しているんだね」

久美「本当なの? 先生。そんなことをしたの?」

妻「ち、ちがうわ……いえ、無理やりさせられたのよ。私は真一さんを愛しているわ。信じて頂戴」

久美「旦那さんが先生と村瀬君の仲を裂こうとしてしていることじゃないの? そんなのに乗せられたら駄目よ、先生を信じて待っていなさい、村瀬君」

村瀬「だって、あんな写真を見せられちゃあ、信じたくても信じられなくなってしまうよ」
関連記事
WR 1/26(金) 18:09:39 No.20070126180939

私が妻のPCに仕込んだのは最も新しい形のキーロガーで、検出するための定義ファイルはまだ出回っていません。それがどんな挙動をするのか自分で確認したいという理由でシステム担当から借りてきたものです。

作業を終えるとブラウザの履歴を消し、PCの電源を落とします。私は妻に気づかれないよう、そっとベッドに戻りました。

翌日は火曜日です。朝食を用意し、私を送り出す妻の様子は一見いつもと変わりませんが、私には妻が微妙な距離を取ろうとしていることが分かります。

(何を考えているのか、今に突き止めてやる)

私は胸の中でそう呟きながら会社へ向かいました。

会社へ着くと私はミクシイの自分のページにログインします。見るとトップページに「メッセージが一件到着しています」という表示がありました。加藤からです。

「ゆかりんからのメッセージ:ミクシイデビューおめでとうございます。分からないことがあったらなんでも聞いてくださいね」

(何がゆかりんだ)

私は苦笑してメッセージを閉じようとしますが、最後に1行「追伸」と書かれているのに気づきました。

「『足あと』をチェックしてみてください」

私は言われた通り「足あと」をチェックしてみました。すると加藤のハンドルネームである「ゆかりん」以外に、結構な数のユーザーが私のページを訪れていることに気づきました。

私は昨日ページを作ったばかりで、プロフィールも簡単で、何のコミュニティにも加入していません。どうしてこれほどのユーザーが私のページを見つけたのかがわからず、「ゆかりん」のページをクリックしてみました。

(……)

そこには思い切り修正された、アイドルタレントのような加藤の写真がありました。加藤の「ミクシイ」での友人、つまり「マイミク」の数は500人を越えます。また多くのコミュニティに加入しているだけでなく、いくつかは自分で主宰しています。加藤はミクシイではちょっとしたアイドルだったのです。

「マイミク」の先頭に私「りゅう」の名前があったので、加藤のマイミクたちが興味を持って私のページを開いたのでしょう。

(うーん……)

私はある危険性に気づきます。妻や村瀬、そして久美のページを発見したとしても、下手に訪れると足あとに私のハンドルネームが残り、私の動きが察知される恐れがあります。

(しかし加藤、いや「ゆかりん」はいずれ何かに使えるかもしれない)

私はいったんブラウザを閉じ、妻の動きを待ちます。

やがて私のメールアドレスに、妻のPCに仕込んだ「キーロガー」が発信したログファイルが到着し始めました。私はシステム担当から渡された簡単なマニュアルをみながら、妻のキーの動きを解析します。

妻はPCを起動させると真っ先にインターネットブラウザを立ち上げ、ミクシイにアクセスします。ちなみに妻のIDは「kasumin」でした。

(「かすみん」か……「ゆかりん」とレベルが同じだな)

私はため息を付きます。次にパスワードが入力されます。

(shin1112……「shin」というのは「真一」のことか? その後の1112は? ひょっとして誕生日?)

妻は村瀬の名前と誕生日をパスワードにしているのでしょうか。妻の村瀬に対する思い入れがそこに表れているような気がして、私は衝撃を受けました。

(11月12日が村瀬の誕生日だとしたら、次の土曜日じゃないか)

私は嫌な予感がしました。
関連記事
WR 1/26(金) 18:08:30 No.20070126180830

「ミクシイは招待がないと入れないコミュニティサイトです。逆に自分がそこに入っていると知り合いを招待出来ます。ミクシイでは自分のページで日記も書けますし、会員同士のメッセージのやり取りや、コミュニティへの参加も出来ます。コミュニティは誰でも作れますし、管理人の許可制にして、特定の人しか参加出来ないようにも設定可能です」

「それに自分のパソコンが手元になくても、IDとパスワードがわかっていれば、ウェブブラウザを使ってどのパソコンからでも自分のページにログインして、書き込みをしたりメッセージを読んだり出来ます」
「つまりそれならメールを使わないで、しかも外の人間には見られない形で特定の相手と連絡を取ることが出来るんだな?」

「そんなふうには考えたことがないけど、そう言われればそうですね。私もよく、友達との待ち合わせに使っています。2人なら携帯メールで十分ですが、3人以上で連絡を取る場合は、ミクシイは便利です」
「3人以上……」

私は妻と村瀬、そして久美の顔が頭に浮かびました。

「そういえばミクシイは風俗やアダルトの業者が入るのを警戒しています。逆に言うと人に知られたくない集まりが出きるというのは、いくらでも怪しい用途に使えるからでしょうね」

加藤が感心したように頷きます。

「専務はミクシイに招待されたことがないんですか?」
「あったかも知れないが覚えていないな。忙しかったんで放ったらかしにしたんじゃないかな」
「それじゃあ、私が招待しましょうか」

加藤は再び大きな瞳をクルクルさせます。

「そうだな、頼むよ」
「わかりました」

それから10分も経たないうちに加藤から招待メールが到着しました。私は指示にしたがってサイトにログインします。

ミクシイは巨大なコミュニティです。本名を公開していない限りは膨大なユーザーの中から妻の情報を捜し出すのは不可能と言えます。案の定、私は「渡辺香澄」の名前で検索しても、妻のページにたどり着くことは出来ませんでした。

しかし、色々と機能を試しているうちに要領が分かってきました。要するに妻のページにログインしてしまえば良いのです。そうすれば村瀬や久美と連絡を取っているかどうかはたちどころに判明します。

妻のノートPCを使ってログインすることが出来るでしょうか。妻のPCがログインの際のIDとパスワードを記憶していれば可能ですが、まさかそのような迂闊なことをしているとは思えません。

(IDとパスを知る方法はないか……)

携帯電話のロックでしたら、4桁の数字を順に入力して行くという手はありますが、IDとパスの両方が分からない状態ではそのような方法では一生かけても無理でしょう。私は部屋を出ると、システム担当のデスクへと向かいました。

その日の夜、妻が寝静まった後でそっとベッドを抜け出した私は居間へ行き、妻のノートPCの電源を入れ、インターネットのブラウザを立ち上げます。

「履歴」をチェックしますが、案の定すべて消されています。ミクシイのページに移動したところ、これも思った通りIDやパスは記憶されていません。もし妻がミクシイに加入しているとしたら一々IDとパスを入力するような設定にしているのでしょう。妻はパソコンの取り扱いは素人です。終了時にキャッシュを消したり、設定を変更したりするのを妻だけで実行したとは考えられません。

私は会社のシステム担当から入手した「キーロガー」というソフトを妻のPCにインストールします。これは「トロイの木馬」と呼ばれるソフトの一種で、ウィルスのようにデータを破壊することはありませんが、PCの中に潜み、キー入力の履歴(ログファイル)を記録し、他のPCへ転送するものです。

例えば他人のPCから入力されるクレジットカードの情報などを不正入手したい場合などに使われますが、私はこれによって妻がミクシイにログインする際のIDとパスを取得しようと考えました。

私の会社はウェブ通販も営んでいますから、この手の有害なキーロガー対策は必須です。そのために主要なキーロガーはテストのために入手しています。
関連記事
WR 1/25(木) 17:53:50 No.20070125175350

(村瀬が妻のことを愛しているのなら、連絡を取らずにはいられないはずだ)

私はぼんやりと考えます。

(しかし、先程の妻の表情は嘘をついている感じはなかった。俺との約束を露骨に破ることになり、証拠の残りやすい電話や手紙、メールなどの手段は取っていないのではないか)

(電話でも、手紙でも、メールでも、まして直接会う訳でもない。それでいて極力証拠を残さず連絡を取るには、どうしたらいい?)

あれこれ考えましたが思いつきません。私は諦めて眠ることにしました。

金曜も私は遅くまで仕事をこなし、帰宅した時、やはり妻はダイニングテーブルの上でノートパソコンを開いていました。

「お帰りなさい。何か召し上がりますか?」

妻は座ったまま私に尋ねます。

「いや、遅くなるので外で済まして来た」
「そうですか……」

妻は再びパソコンの画面に目を落とします。

「また調べ物か?」
「ごめんなさい、今終わりますから……」

妻はそう言うと、マウスを数回クリックしてパソコンを終了させました。

「お茶でもいれますね」

妻はようやく立ち上がると薬缶をコンロにかけます。妻の私に対する態度は確実にそっけなくなっています。少し前までは、妻は時折逆切れすることはあっても私に対して不倫を働いたことを基本的に反省を示していたのですが、今はすっかり態度が一変しています。

翌日の土曜日、妻は朝から「微熱がある」とのことで寝込みました。土曜日は妻の調教を行うと決めていたのですが、体調が悪いというのに無理矢理責めることが出来るほど私は厚顔ではありません。この週末はわざわざ通信販売で買い揃えた責め具も、ついに登場することはありませんでした。

週明けの月曜日、私は会社でぼんやりと考えごとをしていました。社長の体調は相変わらず優れず、私が代行を務めている状況です。企画課の若手社員で、性格はかなりの天然ですが会議では時々斬新な発想をする加藤有花が私のデスクに近づき、声をかけてきました。

「社長、どうしたんですか。ぼうっとして」
「俺は社長じゃない」
「専務はもう社長同然ですよ。みんなそう言っています」
「つまらん噂を流すな」

私は加藤をたしなめますが、自分でも声に張りがないのがわかります。

「渡辺専務にまで倒れられたら会社はお手上げです。私を失業者にしないでください」
「ああ……」

私は気のない返事をしますが、加藤なりに私を気遣ってくれているのはわかります。

「加藤、ちょっと聞きたいのだが」
「何ですか?」
「お前が恋人や、友達と連絡を取りたいのだが、メールも電話も使えない。もちろん直接会うことも出来ない。しかし、できるだけ第三者に知られないで連絡を取りたい。そんな場合、お前ならどうする?」

加藤はしばらく大きな瞳をクルクルさせて考えていましたが、やがて答えます。

「ミクシイですね」
「ミクシイ?」
「専務は知らないんですか?」
「いや、もちろん聞いたことはあるが……まだ使ったことはない」
「通販会社の役員がそれでは困りますね」

加藤が楽しそうに笑います。
関連記事
WR 1/25(木) 17:52:58 No.20070125175258

「今がその償いの時期じゃないのか」
「違いますっ!」

村瀬はまたも大声を出します。

「こんなのは償いでもなんでもありません。ただの偽りの世界ですっ」

ご主人に本当の愛とはどんなものなのか見せてやるとわめきながら村瀬は電話を切りました。

(ふん……)

村瀬は一体どう出るだろうかと私は考えます。怒りのあまり自爆的なこういに出れば私の思う壷ですが、それほど単純にいくかどうかは疑問です。

私は当初は単純に自分を裏切った妻と、その相手の村瀬に対して復讐が出来ればよいと考えていましたが、次第にその考えは変わってきました。25年もともに暮らした妻がどうして私を裏切ったが知りたくなったのです。

水曜の夜、例によって妻を苛めてやろうと声をかけた私に、妻は「生理になったから今夜は許してほしい」と頼みます。

「本当か?」
「本当ですわ……ほら」

妻はスカートをまくり上げて、ナプキンで膨れた股間を見せます。もちろんパンティは履いているものの、その大胆な行為に私はやや鼻白みました。以前の妻はこんなはしたないことができる女ではありませんでした。

(わざと羞恥心を見せないようにしているのか。恥ずかしがったら俺を喜ばせるだけだと思っているのかもしれないな)

妻がこの前いつ生理だったのかはっきり覚えていませんし、仮に周期がズレていたとしても、妻の年齢ではそれほど珍しいことではありません。男は女から生理と言われれば深追いする訳にはなかなかいかないものです。

「そうか、わかった。今夜は何もしないでおこう」
「ありがとうございます」

妻はペコリと頭を下げました。その表情が妙に冷めているのが私には気になりました。

翌日の木曜の夜、私がいつもより早く帰って来ると、妻がダイニングテーブルでノートパソコンを開いていました。

「お帰りなさい」

妻があわてて立ち上がります。

「何をやっていた」
「ちょっとインターネットで調べ物をしていたの」
「村瀬と連絡を取っていたんじゃないだろうな」
「そんなことしないわよ。何ならメールのチェックをしてもいいわ」

妻は憮然とした表情でそう言います。

「ふん……」

私は少し迷いましたが、ここで曖昧にするのは気分がよくありません。私は妻のパソコンのメールソフトを立ち上げ、受信フォルダをチェックしました。

「……」

とくに怪しいメールはありません。続いて送信メールや、フォルダ毎に分類された過去のメールも見ましたが、村瀬とのやり取りの形跡はありません。

「以前のものも一切ないというのはどういう訳だ」
「連絡は携帯でしていたから……」
「そうすると、今も携帯で連絡をとっているんじゃないのか」
「あなたに連絡を絶つと約束してからは、電話もメールもしていないわ。なんなら通信履歴やパケットの使用料を調べてもらっても良いわ」

そこまで言われるとこれ以上追求する訳にも行きません。なんとなく妻の行動に不審を感じている私でしたが、証拠がないのです。私はここは引き下がることにしました。

夜、ベッドに入ってもなかなか寝付けません。私は村瀬と妻がなんらかの連絡を取っているのではないかと考えましたが、その方法が分かりません。
関連記事
WR 1/25(木) 17:52:04 No.20070125175204

「真一さん、香澄です。お元気ですか? 今回、主人の許しをもらって真一さんへの声の便りを出させていただくことになりました」
「真一さんも辛く苦しい日々を送っていると思いますが、どうか香澄のことを信じて待っていてください。私も真一さんの愛を信じて、主人への償いの日々を送っています。半年後に真一さんとお会いできるのを楽しみにしています……」

品の良いワンピースを身にまとった妻はわざわざ化粧までして私の用意したICレコーダーに向かって、村瀬に対する「声の便り」を吹き込んでいます。

私はそんな妻の姿をデジカメに収めていきます。ちなみに村瀬への「声の便り」の文章は妻が自分で考えたものです。

(馬鹿め。何を気取ってやがる)

私は妻のそんな少女趣味の台詞を聞きながら苦笑しています。

その言葉どおり妻は村瀬を愛しているのか、それともその年に似合わない少女趣味的な感傷によりそう言ってるのかは分かりません。しかし、いずれにしてもそんな妻の自己陶酔的な振る舞いは私にとっては笑止千万でした。

「よし、この画像と音声を村瀬に送ってやれば、奴の気持ちも随分落ち着くだろう」

私はそう言うとカメラを置き、妻に向かって余裕たっぷりに微笑します。妻の表情がパッと明るくなるのが何とも滑稽です。

「そうでしょうか」
「ああ、すぐに村瀬に送ってやろう。香澄からは連絡が取ることが出来ないからな」
「あなた……すみません。あなたにとっては腹立たしいことと思いますが、どうか許してください」
「気にするな。これも香澄のためだ」

私はそう言うと妻に向かって微笑します。妻は目を潤ませて「ありがとうございます」と言いながら頭を下げます。私は妻に対して嘘を言うつもりはなく、妻のお洒落をした写真と「声の便り」は確かに村瀬に届けてやる気でいます。

しかし、それだけを単独で送るつもりはさらさらありません。私は翌日の月曜、それと妻が私の指技で激しく気をやった写真と、私のものを口唇で愛した時の録音を合わせて村瀬に送ってやりました。

案の定、次の火曜日に私の携帯に村瀬から電話がかかってきました。

「わ、渡辺さんっ、ど、どういうつもりですかっ」
「ああ、村瀬か。香澄からの声の便りを受け取ったか」
「こ、こ、こんなことが……」

村瀬は興奮のあまり呂律が回らないようです。

「落ち着け、ゆっくり深呼吸をしろ」

私がそう言うと電話の向こうで大きく息を吸う気配がしました。村瀬は本質的にはなかなか素直な男なのかも知れません。

「落ち着いたか。いったい何の用だ」
「こ、こ、この写真と録音です」
「ああ……香澄は自分の正直な気持ちを伝えると言っていた。俺は詳しく内容は聞いていないのだが、君を愛している香澄のことだから、甘い言葉を囁いたのだろう。なかなか羨ましいことだ。俺なんか香澄からここんところ優しい言葉をかけてもらったことがないからな」
「ち、違いますっ」
「何が違うんだ。香澄は自分を信じて待っていてくれとお前に頼まなかったか」
「そ、それは……そうですが」
「ならそれが香澄の本当の気持ちだろう。その通り待っていてやればどうだ」
「渡辺さんっ!」

村瀬が怒りの声を上げました。

「ば、馬鹿にするのもいい加減にしてくださいっ。渡辺さんは僕が香澄さんに手を出せないことをいいことに、僕を嬲りものにしているっ」

(やっと気が付いたか)

村瀬もそれほど馬鹿ではないなと私は思いましたが、ここでひるむ訳にはいきません。

「君は何を逆切れしているんだ。自分が何をやったか分かっているのか」
「わかっています。だから償いをすると言っているのです」
関連記事
WR 1/21(日) 17:44:46 No.20070121174446

「馬鹿っ……いけない人ね」
「香澄のあそこを良く見せて欲しい。シックスナインの格好になってくれないか」
「ええ?」

妻は一瞬戸惑いますが、すぐに「わかったわ」と頷きました。

「絨毯の上に仰向けに寝そべって」

私はソファから降りると、妻に言われたとおり仰向けに寝転びます。もちろんICレコーダーをそっと頭の下に隠したのは言うまでもありません。

「恥ずかしいわ……」

妻の大きな尻が私の頭の上を覆います。見慣れた光景のはずですが、ボディスーツに空けられた穴から覗く妻のその部分はなかなか新鮮で迫力があります。

よく見ると、ローターを固定した粘着テープが妻の汗と愛液で外れそうになっており、ローターのお尻が秘唇の間から覗いています。私は落ちないようにそれをそっと指先で押しました。

「あ、あんっ! 駄目っ。触らないっていったじゃない」
「ローターが落ちそうになっているんだ。しょうがないじゃないか」
「駄目、駄目よっ。約束を守って」
「そうか。それなら仕方がない」

私は妻の秘奥に口をつけると、ぐっと舌先を差し入れました。

「あ、あっ、ああっ! な、何をするのっ」
「約束は守っているぞ。指では触れさせていない」
「あ、あんっ。そんな、ず、ずるいわっ!」
「香澄にされていることをお返ししてあげているだけだ。おっ、クリトリスが大きくなっているな」
「ああっ、そ、そんなところを吸わないでっ!」
「気にせずに香澄は香澄で続けろ」
「あーん」

すっかり官能に痺れ切った妻はなよなよと尻を悶えさせながら、私のペニスに吸い付きます。

「うっ、うっ、うぐっ……ああっ……ううぐっ」
「うぐうぐ言っていないで、感想を言わないか」
「あっ、お、大きい、大きいわっ。の、喉が詰まりそうっ」
「香澄は本当に俺のチンポが好きだな」
「そ、そうよ。大好きっ、あなたのチンポっ。あ、あっ、そ、そんなところっ!」
「こっちにも穴を開けておいて正解だ」

私は妻の尻をぐいと引き寄せると、アヌスの部分にあけた穴から舌を差し込みました。

「あっ、駄目っ。き、汚いわっ」
「香澄の身体に汚い場所なんかあるものか。村瀬はここを舐めてくれたか」
「あっ、そ、そんなことしないわっ」
「そうか、村瀬よりも俺の愛のほうが深いということだな。どう思う? 香澄」
「うっ、うっ、うぐっ……ああ、いいわっ」
「良いか悪いかを聞いているんだじゃない。深いか浅いかを聞いているんだ。どうだ!」

私は妻の肛門にぐいと舌を突き入れます。

「あ、あっ、そんなっ、ふ、深いわっ」
「そうだろう。俺の方が深いんだな」

私はローターのスイッチを「強」にします。大きな尻が電流に触れたようにブルブル震え始め、妻はまさに狂乱状態に陥ります。

「あーっ、そ、そんなっ、い、いっちゃうっ、いっちゃうよっ」
「俺のチンポが好きか? 香澄」
「ああっ、好きよっ、好きっ。うぐっ……あ、あなたのチンポが好きっ」
「俺のチンポが欲しいかっ」
「あーん、うぐっ……欲しいっ。欲しいわっ」
「どこに欲しいっ。言ってみろっ」
「香澄のオマンコ、オマンコよっ…うぐっ、うぐっ」
「よしっ、出すぞっ。香澄っ」
「ああっ、出してっ。出してっ。香澄もいっちゃうっ」
「香澄っ!」
「いっ、いくっ。うっ、うぐっ……」

私が妻の口中に思い切り射精すると同時に、妻の双臀はブルッ、ブルッと痙攣し、蜜壷からは大量の果汁が流れ出しました。
関連記事
WR 1/21(日) 17:43:29 No.20070121174329

「俺も香澄を抱きたくてたまらないんだ。香澄がまだ俺の妻であることを確認したい。しかし、俺は香澄と一線を越えないと約束した。このまま香澄を抱かずに別れなければならないのかと思うと村瀬と同じ、いやそれ以上に俺も気が狂いそうなんだ」
「ど、どうしたらいいの。私に出来ることなら何でも言って」
「……口でしてくれないか」
「えっ?」

妻はさすがに戸惑いの表情を見せます。

「香澄と一つになる訳には行かないが、口でなら一線を越えたことにならないだろう。俺はその間、香澄に指一本触れないことを約束してもいい」
「でも……」
「そうか……残念だ」
 私は肩を落とします。
「何でも言うことを聞いてくれると言ったから、つい甘えてしまった。許してくれ。勇気を奮って頼んだのだが……香澄にとって俺はもう過去の男なんだな」
「あ、あなた……」
「俺はやはり香澄との25年……いや、31年の思い出だけを抱いてこれからは生きて行くことにするよ。香澄、いい思い出をありがとう」
「ま、待って」

妻はあわてて私にしがみつきました。

「本当に、本当に身体には触らないのね」
「ああ……約束する」
「ズボンを降ろして……ソファに深く腰をかけて」

言うとおりにすると妻は私の前にひざまずき、パンツに手をかけます。私は妻に気づかれないようそっとICレコーダーを引き寄せました。

「してくれるのか?」
「恥ずかしいことを確認しないで」

妻は頬を染めて顔を伏せています。

「……香澄、お願いがある」
「何? あなた」
「香澄と愛し合っていたころの思い出に浸りたい。出来るだけ俺を喜ばせるような言葉を言ってくれないか?」
「いいわよ……でも、あまりエッチなのは駄目よ」

妻は微笑して頷きます。

「ローターのスイッチを切ってくれないの?」
「そのままにさせてくれ。香澄が悩ましく悶える姿がみたい」
「馬鹿ね……」

妻は再び婉然とほほ笑みます。私はそっとICレコーダーのスイッチを入れました。

「……ああ、あなた」

妻はゆっくりと私のパンツを引き下ろします。私のものはすっかり硬化しており、バネ仕掛けのように屹立します。

「まあ……素敵。すっかり大きくなっているのね」

妻はため息をつくようにそう言うと私のペニスの先端にそっとキスをします。

「あなた……愛しているわ」
「俺もだ、香澄」
「嬉しい……」

妻はチュッ、チュッと音を立てて接吻をすると、亀頭を口に中にパクリと咥えます。

「ああ……頼もしいわ……あなたのもの」

妻は喘ぎ声を上げながら私のものをゆっくりと愛撫します。なかなかの色っぽさです。村瀬のものを愛することによって上達したのかと思うと嫉妬心がわき、悪戯をしたくなりました。

私はローターのスイッチを操作し「弱」から「中」に切り替えました。

「あ、あんっ! 駄目っ、い、悪戯しない約束でしょう」
「約束は守っているぞ。指は触れさせていない」
関連記事
WR 1/21(日) 17:42:14 No.20070121174214

「そこは喘ぎ声を出すところじゃないぞ」
「だ、だって……ローターが、あ、ああーっ!」
「しょうがない奴だ」

私はいったんローターを「弱」に戻します。

「真一さん、い、今まで毎日のように香澄とお……セックスをしていたのに……」
「おい、そこはセックスとは書いてないぞ」
「だって……」
「書いているとおりに言わないか」

私はローターを一気に「強」にします。

「お、おおっ! ま、待って、言いますわっ」

妻は腰部をブルブル震わせながら悲鳴を上げます。私はローターを「弱」に戻しました。

「か、香澄とオマンコしていたのに、今は、せ、せんずりで処理をしなければならないなんて可哀想。ですから、香澄は主人にお願いして、真一さんのず、ズリネタとして香澄の何もかも丸出しにした写真を……ああっ……」

妻はそこまで口にするとシクシクすすり泣きを始めました。

「どうした、まだ終わっていないぞ」
「だって……だって……こんなのひどすぎます。まるで色気違いの女みたい……」
「似たようなものだろう」

そう口にした私を妻は涙に濡れた目できっと睨みつけました。

「あなたはずっとそう思っていたのですか……私がそのような淫らな女だと」
「だってそうじゃないか。俺に隠れて息子より若い男と乳繰り合いやがって。淫らな女じゃなければなんだというんだ」
「違います……私はそんな女じゃありません……」

妻の泣き声が次第に高くなります。乳房もあそこも丸出しにして、秘奥にローターをくわえ込んだままシクシク泣いて、自分は淫らな女じゃないと抗議している妻の姿は滑稽です。しかし、幼女のような泣き声を上げている妻の姿を見ていると私は少しやり過ぎたかなとも思っていました。どうも作戦は失敗したかも知れません。

しかし、押しても駄目なら引いてみよと言います。一瞬妻を哀れに思った私ですが、すぐに新しいアイデアが浮かびました。

「よしよし、わかった。香澄。俺が言い過ぎた。悪かった。許してくれ」
「……」
「確かにオマンコとかセンズリとかズリネタなんて下品な言葉は香澄は絶対に使わないよな。愛する香澄に不倫をされたことがあまりにつらくて、つい香澄にひどいことをしてしまった。俺こそ下品で最低な人間だ」
「……あなた」

妻は涙に濡れた目を上げて私に向けます。

「香澄に裏切られたショックで、俺の品性下劣なところが出てしまったんだ。しかしこれが俺の本性かも知れない。香澄に愛想を尽かされても当然だ」
「そんな……悪いのは私です」
「いや……俺だ。俺が悪いんだ。このままでは俺は駄目になってしまう。いや、もう駄目になっているのかもしれない」
「あなた……それは……」
「しかし俺がこのままどんどん堕ちて行くのに香澄を付き合わせる訳にはいかない。もう香澄を解放してやる。村瀬のところへでもどこへでも行け。俺のことはもう気にしないで良い」
「駄目っ、あなたっ!」

妻が私にしがみついてきます。秘奥に埋められたローターのスイッチは入ったままで、大きな尻がプルプルと震えています。

「私に、私に償いをさせてっ。約束した通り、半年間は何でもあなたの言うことを聞きますっ! だから、そんな風に自棄にならないでっ」
「いや、これ以上香澄につらい思いをさせる訳にはいかない」
「あなたの辛さに比べたら私の辛さなんて……」
「そうか……」
 私は手を目許に当て、鼻を啜ります。
「香澄……こんな俺を見捨てないでいてくれるのか」
「当然ですわ。私はあなたの妻です」
「うれしいことを言ってくれるじゃないか。やはり俺が選んだ女だ」

私は涙ぐむ振りをします。うまくいった、と私は思いました。
関連記事
WR 1/20(土) 16:47:20 No.20070120164720

「それじゃあしょうがないな。先週の土曜の夜、香澄がイク寸前に俺のものをくれといったのを録音したファイルを代わりに送ってやろう」
「え、あの時、録音していたのですかっ!」
「ああ、何かに使えるかと思って、念のためな。奴のノイローゼが悪化しなければ良いんだが」

もちろん嘘です。録音などしていません。

「そ、そんなっ。やめてくださいっ」
「それじゃあおとなしく録音させるか」
「ああ……」

妻は万事窮すという感じで首をうなだれさせていましたが、やがて顔を上げ、私の書いた文章を読み直します。

「……文の途中に括弧書きで(ため息)とか(喘ぎ)とか入っているのは何ですか?」
「そこで香澄が『うふーん』とか『ああっ』とか色っぽい声を出すんだ」
「……馬鹿馬鹿しい。そんなこと出来るわけありませんわ」
「出来るかどうかはやってみないとわからないだろう。ポルノ専門の声優やAV女優なら簡単にやれるぞ」
「私は声優でもAV女優でもありません。何もないのにそんな声は出せません」

妻はまた墓穴を掘ったようです。笑いを堪えるのが大変です。

「そうか、少し待っていろ」

私は寝室に行くと、白いボディスーツと同時に通信販売で購入したリモコン式のローターを持ってきます。これはいつ使おうかと悩んでいましたが、ちょうど良い機会が訪れたようです。

「良い声が出るようにこれを使ってやろう」
「そ、それは何ですか」

妻はローターを見たことがないようで、おびえた顔をします。私は手に持ったローターを妻の秘部に押し付けました。

「い、嫌っ。何をするのっ」
「じっとしていろ……お、少し湿っているじゃないか。これならスムーズに入るぞ」

私は妻の秘奥にリモコンローターを押し込むと、飛び出さないように粘着テープで固定しました。

「剥がすときに少し痛いかもしれないな。いっそ毛を剃ってしまうか……」
「ああ、ひどい……こんなの惨めです」

妻はあまりの屈辱にすすり泣いていましたが、私がリモコンローターのスイッチを入れると、「あっ」と小さく叫んで身体を震わせます。

「どうだ、気持ちいいか」
「良くありません……」
「やせ我慢をするな。身体の中でローターが震えるなんて男では味わえない感覚だ」
「がっ、我慢なんかしていません……ああっ!」

私はスイッチを「弱」から「中」に切り替えます。

「あまり強くするとよがり声ばかりになって、折角の声の便りが訳がわからなくなってしまうからな。これくらいにしておこう。助平な香澄は物足りないかもしれないが、勘弁しろ」
「ひ、ひどい……おおっ!」

妻は苦しげに身を捩じらせますが、私は構わず村瀬への手紙を印刷した紙を手に掲げました。

「さあ、まずは練習だ。一度通しで読んでみろ」
「は、はい……」

妻は改めてその紙に涙に濡れた目を向けました。

「し、真一さん。香澄です。約束を守って禁欲生活を過ごしていただいていることと思います。か、香澄も真一さんに抱かれたいのは山々ですが、半年の間は我慢してね。香澄からのお願いです。ああっ!」

妻は喘ぐような声を出すとなよなよと身悶えしました。
関連記事

««前のページ  | ホーム |  次のページ»»


  1. 無料アクセス解析