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北原夏美 四十路 初裏無修正

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CR 11/7(水) 19:06:36 No.20071107190636 削除
道路を渡る信号は丁度青です。急いで渡り、二人の前に仁王立ちに
なります。走ったせいか息が切れています。妻は私を見ても、一瞬
誰だか解らないような顔をしています。私は妻を見てはいません。
佐伯を睨み付けています。妻は私が解ったのでしょう。

「貴方、どうして此処に?」

私は妻を無視します。

「佐伯、まだ俺が誰だか解らないようだな」
「あっ、宮下さんのご主人」
「やっと、解ったな」
「これから奥さんと業者の打ち合わせに」
「聞きもしない事を言わなくていい。こんな遅い時間に、腕を組ん
で打ち合わせに行くのか。行く所はラブホテルだろ」

とっさの事に二人は腕を組んだままです。あわてて腕を解きます。

「貴方、これは違うの」
「うるさい。何とどう違うんだ。お前は喋らなくていい」

「貴様っ!」

佐伯の顔面にパンチを2発、そして股間を強かに蹴り上げます。

「ギェッ」

佐伯はもんどりうって倒れます。背広のポケットから財布と何がし
かの物が零れ落ちます。

妻は茫然として立ちすくんでいます。

私はピンク色した、形状の違う2つの小さな箱をそっと拾い上げ、
自分のポケットに仕舞います。

「貴方、聞いて」
「聞く事は何もない」
「・・・・・」
「俺は帰る。お前はもう帰ってくるな、佐伯と乳繰り合ってろ」

妻を見ると涙を流しているようです。それが又気に入りません。

「俺に佐伯が殴られてそんなに悲しいか」
「違います」

佐伯がのろのろと起き上がってきます。

「佐伯、精々可愛がってやれ」

私は踵を返してその場から立ち去ります。
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CR 11/6(火) 15:56:44 No.20071106155644 削除
火曜日の夜、明日大阪へ一泊の出張である事を知らされます。これ
以上もう耐えられそうもありません。翌朝一番で興信所に行きま
す。

「山岡さん、もう無理です」
「どうしました」
「今日、妻が又大阪に出張です。明日まで耐えられない」
「佐伯の別件は午前中に片がつく、それ以降なら大丈夫だ」

一旦、事務所に戻ります。

「松下さん、今日は休む。携帯にも電話しないで欲しい」
「何かあったのですか?」
「いや、私用だ」

大阪に向かいます。新幹線の車中、どうしたものか考えます。泊ま
るホテルは解っています。ホテルに聞いても妻のルームナンバーを
教えてくれる訳はありません。佐伯が妻の部屋に居るとも限りませ
ん。妻に携帯で聞けば教えてくれるでしょう。しかしそれでは、妻
は警戒し事を起こさないでしょう。

『浮気の現場を押さえる為に来たわけじゃないよな。洋子の部屋へ
行けばいい』

妻の携帯にコールします。妻の出張中に電話した事はありません、
心臓の鼓動が早くなるのが解ります。数回のコールの後、”電源が
切られているか、電波の届かない所に居ます”の案内が空しく響き
ます。思い切ってかけただけに、怒りが湧いてきます。ホテルの交
換経由の電話案内でも、部屋に居ないと返ってきます。時間をおき
数回繰り返しますが同じ事です。

『洋子はそういう女だったのか。出張中は俺の電話には出たくない
と言う訳だ』

打つ手がありません。考えあぐねます。新幹線を降りてもどうした
ものか迷います。まだ4時、取りあえずホテルに向かいます。ホテ
ルのエントランスの場所を確認します。一箇所だけです。報告書の
写真にあるのと同じである事も確認します。夜二人が何処かへ出る
とすれば此処からでしょう。車を使われれば諦める他ありません。
今日二人が外出するとは限りません。しかし私にはする事がありま
せん、エントランスを見つめる以外ないのです。

回りを見渡します。エントランスの道路を挟んだ向かいのビルの2
階に喫茶店があります。東京にもある喫茶店のチェーン店のようで
す。此処なら粘ってもおかしくありません。窓側の席に陣取りま
す。5時半、出てくるには未だ早いでしょう。6時半店は込んできま
す。一杯のコーヒーでは居た溜まれません、お替りをします。又1
時間が過ぎます。

『出てこないか。駄目だったな』

諦めかけたその時です。二人は出てきました、腕を絡めて。

「釣りは要らない」

私は喫茶店を駆け降ります。
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CR 11/6(火) 15:49:17 No.20071106154917 削除
居酒屋の暖簾をくぐります。

「宮下さん、今日帰って報告書を奥さんに見せますか?」
「勿論です」
「少し待ってもらえませんか?」
「出来ません。しかしどうして?」
「今まで話せなかったが、実は以前から佐伯の身辺調査をしていま
す」
「・・・・・」
「身辺調査は水曜日の午前中に一件終わり、それで完了です」
「それが私に何の関係が?」
「佐伯の全貌が解ります。宮下さんにとっても重要な事です」
「しかし・・・」
「経済問題も含め全て宮下さんにお見せします。これは依頼元から
も了承を得てあります」
「経済問題?依頼元?」
「今は詳しく言えませんが他から依頼が先発していました」
「そうすると身辺調査もそこからですね」
「そうです」
「何処の依頼ですか?」
「今は話せません」
「そうですか。水曜日まで待たなくてはいけない訳ですね」
「申し訳ないが、そうしてくれれば助かります」
「仕方無いですね、そうします」

今日は妻に言えない。後2日我慢しなければいけない、その思いと
は別にまだ言わなくてもいいと、ほっとしたのも事実です。

後2日待てば、より強力な武器が手に入るのです。我慢する事にし
ます。 

「その代わりと言っては何だが、佐伯の別れた奥さんに君の事を話
した。何時でも会ってくれるそうです」

普通の興信所の親父では無いとは思っていましたが、どうしてそこ
まで手が届くのか不思議です。

「何を怪訝な顔してる。人生相談所にもなり得ると言ったがな」

私も別れた奥さんに会いたい、会って離婚の原因を知りたい、そう
は思っていました。

帰りがけ、別れた奥さん旧姓中条佳子さんの住所と電話のメモを渡
されます。

「宮下さん、余り考えないほうがいい。体に毒だ」

家に帰ります。

「お帰りなさい。食事は?」
「済ませた」

仕事部屋に入り、報告書を見ます。殆どの事は先程、所長から聞い
たものです。写真を眺めています。一つの事に気が付きます。ホテ
ルに入る時と出る時の妻の表情の違いです。入る時のそれは曇って
いるように見えます。出る時は佐伯に任せきった顔です。違和感が
あります。 

思い出しました。妻が出張するようになり、暫くしてから時折見せ
る顔です。ソファーに座っている時、あるいは台所仕事をしている
時手を休め物思いに沈んでいる時があります。そんな時、私がが声
を掛けても ”疲れているの、何でもないわ。”と返ってくるだけ
だったのです。あの時もっと突っ込んで聞けば良かった、そうすれ
ば此処までにはなっていなかった。しかし、もう遅いのです。
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CR 11/6(火) 15:42:56 No.20071106154256 削除
事務所から興信所までのゆっくり歩いて15分程度の道が遠く感じま
す。 

「随分早いですな。後4,5分待って下さい」

待っている間、所長も無言です。その無言が堪えられません。

「出来ました。説明しましょう」

所長の説明を受けます。月曜日の日中、火曜日の夜と水曜日の朝そ
して金曜日の夜と土曜日の朝の報告です。写真が何枚か添付されて
います。

月曜日の日中:時間と場所が書かれています。2時過ぎ、場所は市
郊外のラブホテルです。タクシーを利用しています。地元でもあり
慎重なのでしょう。車がそのまま、建屋に入り、二人の姿、顔はホ
テルのドアーを入る時に確認できる程度です。タクシーを呼んだの
でしょう、タクシーが建屋に入った後、4時半頃二人が出てきま
す。妻の表情は良く解りませんが、笑っているようです。佐伯の左
腕に自分の右腕を預けています。

火曜日:妻はいつものシティーホテルに1時頃入ります。夜7時、二
人がホテルから出てきます。腕を組んでいます。7時半、北新地の
ラブホテル街に入ります。一軒のラブホテルの門をくぐります。10
時半頃、二人は出てきます。11時頃シティーホテルに戻ります。水
曜日の朝10時頃妻が一人で出てきます。

金曜日:二人は新幹線ひかりの同じ車両に乗り込みます。席は隣り
合っています。米原で特急しらさぎに乗り換え金沢に向かいます。
勿論席は隣同士です。夜6時に温泉旅館に二人は入り、翌朝10時に
旅館を出ます。

「ご覧の通りです。月曜日二人はラブホテルで何をしたか歴然で
す。まさか仕事の打ち合わせでは無いでしょう。火曜日のシティー
ホテル、金曜日の旅館の中での事は解りません。しかし佐伯も馬鹿
ですな、わざわざ北新地のラブホテルまで出向いている。いい証拠
をくれた」

何と二人は火曜日まで待てず、月曜日にも関係をもっているので
す。私は所長の話を聞いていません。数枚の写真が私を打ちのめし
ます。

北新地のラブホテルから二人が出てくる写真。妻は佐伯の左腕に両
手を絡め全身を預けるようにぶら下っています。その頭は佐伯の左
肩に預けています。顔に至福の表情を浮かべて。預けているのは体
だけではありません、心までも預けているのです。

ひかり、しらさぎの車中の写真。妻の手から妻の箸から食べる佐
伯、一つのコップで二人で飲むお茶。妻はもう私の妻ではありませ
ん、佐伯の妻のようです。

私の顔が余りにも深刻だったのでしょう。

「宮下さん、お気の毒です。女は皆、こんな顔をします。喜びをく
れた男には、夫にでもそうではなくても。ただ他の写真も見て下さ
い。奥さんを観察していても、沈んでいた時の方が多い気がしました」
「・・・・・」
「今日帰りに一杯どうですか?」

私に否やはありません。このまま家には帰れません。
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CR 11/5(月) 21:41:43 No.20071105214143 削除
シャワーを浴び、ベッドで横になっても眠れません。酒の助けを借
りて又気絶するように眠ります。夕方近くまで、眠り続けます。妻
の声で起こされます。

「ただいま。貴方どうかされました?具合でも悪いのですか?」
「いや、何でも無い。昨日半分徹夜だ」

私は言い訳をしています。

『どうして俺が言い訳しなくちゃいけないんだ。全てお前のせい
だ』

心の中で毒づいています。何をして来たんだと聞きたいのを押さえ
ています。

「何か召し上がりますか?」
「いや、いい。どうも夜も食べれそうも無い。夜もいい。それから
明日も仕事だ。明日も飯はいい」

私に非が有る訳ではありません。正々堂々としていれば良いもの
を、こんな態度しか取れません。怒りをこんな態度でしか現せない
自分がもどかしいのです。しかしこんな思いも後2日の我慢です。

仕事部屋に篭った私を何度か妻が覗きに来ます。

「貴方、大丈夫ですか?お粥作ったの。召し上がりますか?」

少しは私の事も気に掛けてはいるのでしょうか。心配そうな顔をし
ています。

「いや、要らない」

私が返す言葉はそれだけです。

夜中の12時を過ぎますとさすがに腹が減ってきます。キッチンに降
ります。テーブルの上に皿が並んでいます。私の好物ばかりです。
横にメモがあります。”食べれるようでしたら、召し上がって下さ
い”。

翌朝、私は出かけます。

「朝御飯、召し上がりませんか?」
「昨日要らないと言った筈だが」

夜、帰るとご飯が用意されています。月曜日の朝もしかりです。私
はそれを無視して出かけます。

事務所に入りますと、松下さんが声を掛けてきます。

「社長、お早う御座います。金曜日はご馳走様でした」

そう言いながらお握りと味噌汁を出してくれます。味噌汁とお握り
は、それから毎朝続きます。

携帯に着信があります。所長からです。

「今日、報告を渡せます。5時頃です」

それから全く仕事になりません。 

「松下さん、悪いが今日はこれで帰る」

4時半になると私は会社を後にします。
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CR 11/5(月) 21:35:45 No.20071105213545 削除
松下さんが焼き鳥を食べたいと言う事で、焼き鳥屋に行きます。接
待で時々使う店です。隣の席とは衝立で区切られていて、焼き鳥屋
独特の喧噪さは感じません。

「社長に晩御飯をご馳走になるのは初めてですね」
「弁当のお礼と言っては何だが、たまにはと思ってね」
「お弁当のお返しで晩御飯をご馳走して頂けるのでしたら、これか
ら毎日持って来ます」

松下さんと話してると気持ちが和むのが解ります。酒が進むにれ、
食が進むにつれ心が軽くなるのが解ります。

松下さんの口も軽くなります。

「社長、言っていいですか?」
「何でも」
「社長、この1ヶ月くらい少し変ですよ。特に今週は変。何かあっ
たのですか?」

松下さんも私の変化に気が付いていたのです。いくら私でも妻が正
社員になってから、急に残業、付き合いで帰宅が遅くなり、出張も
毎週のようにあれば少しは変に思います。会社で空ろな時もあった
のでしょう。それがつい先週具体化しただけの話です。

「いや、別に何も。君がこの間 ”妻は僕を愛している”って言っ
たよね?どうしてそう思った?」
「ええ、奥さんの社長を見る目を見てそう思ったの」
「そうか、有り得ないな」
「えっ、有り得ない?」

感が良いのでしょう、松下さんはそれ以上この話題には触れませ
ん。

酔いに任せて喋ります。朝も夜も家で食べていない事、家に帰るの
はいつも遅い事。さすがに妻の浮気の事は言えません。

未だ9時、家には帰れません。二人でカラオケに寄ります。知って
いる歌は演歌です。不倫、悲恋、そんなテーマばかりです。妻と佐
伯が目に浮かび、曲が流れても歌えません。

「私も歌っていいですか?」
「勿論だ」

松下さんは60年代のアメリカンポップスを歌います。何処で覚えた
のかと思うほど上手に歌います。

「よくこんな歌知ってるね」
「父が好きで、小さい頃よく一緒に聞いていました」
「社長も一緒に如何ですか?」
私もメロディーくらいは知っています。見よう見まねで歌います。
弾けるような若い恋。駄目です、歌えません。妻と出会った頃を思
い出します。

「社長、今日は駄目みたいですね。私が一杯歌ってあげるから」

優しい女性です。私が腰を上げるまで、帰るとは言いません。私は
もう泥酔しています。

「そろそろ帰ろうか?」
「そうですね、私が送ってあげる」

一台のタクシーに乗り込みます。私の家の前です。

「有難う、おやすみ」
「おやすみなさい。奥さんの代わりをしてあげるから」

小さくそう言って、タクシーで去って行きます。その言葉は私の耳
には届いていません。
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CR 11/4(日) 16:08:50 No.20071104160850 削除
会社でも妻の事が頭をよぎります。処理すべき仕事があるのが幸い
です。仕事している間は忘れています。夜、外食し、スイミングク
ラブに寄って11時頃、帰宅します。

「お帰りなさい。貴方、今日急に出張が決まってしまったの。明
日、大阪で一泊、金曜日、金沢で一泊なの。行っていいてすか?」
「行っていいですかって、業務だろ。行くしかないじゃないか」

妻は今まで通り、宿泊するホテルも私に教えます。

『何が行っていいですかだ。勝手に行け』

私は心の中で毒づきます。顔には出しません 私の心の中には二人
に対する怒り、憎しみしかありません 湧いてくる他の気持ちをそ
れで押さえているのです。

妻と交わした言葉はそれだけです。風呂に入り寝ます。

翌朝一番で、所長に電話して、妻の予定、宿泊先を伝えます。

今日は人と会う予定はありません。昼前、松下さんに話しかけられ
ます。

「社長」
「もう社長はいいよ。こんな小さな会社だ。君と僕しか居ない。宮
下でいいよ」

興信所の所長と同じ事を言っています。

「でも私にとっては社長です。社長以外には呼べません」
「そうか、仕方ないか。それで?」
「お弁当作りすぎちゃったんです。良ければ半分食べて下さい」
「それは嬉しいね。勿論頂く」

松下さんが来てくれて3ヶ月余りです。こんな事は初めてです。そ
れは作りすぎたと言う量ではありません、完全に二人分です。私が
そうさせなかった事もありますが、妻の手弁当を食べた事はありま
せん。実に美味い弁当です。

「美味い」
「やったー。作り甲斐があったと言うものね」
「何だ。わざわざ作ってくれたのか?」
「ばれちゃいましたね」

良く気が付く女性です。食後にコーヒーを淹れてくれます。

「社長の奥さん奇麗な方ですね」
「そうか」

松下さんは妻に一度会っています。入社して間もなくの頃、私の忘
れものを妻が届けてくれた時に話をしています。

「奥さん、社長の事愛してらっしゃるんですね」
「・・・・・、おっ、もうこんな時間か、ちょっと出かけてくる。
お弁当ご馳走さま」

私は返事が出来ません。返事の変わりに用事も無いのに出掛ける事
にします。

金曜日も、もう退社時間近くになります。

この一週間は酷かった。妻が家に居る時は、妻の姿が目に入りませ
ん、いや見れなかったのです。妻が出張で居ない火曜日の夜、妻は
そこかしこに居ます。打ち消しても打ち消しても、妻と佐伯が絡ん
だ姿態が目に浮かびます。佐伯の男根を咥えている妻、佐伯に尻を
掴まれ後ろから貫かれている妻、互いの性器を舐め合っている妻と
佐伯、佐伯の背中にに腕を回し爪を立てている妻 家で一人で居ま
すと妻と佐伯がいたる所に出てきます。打ち消すには酒しかありま
せん。浴びるように飲み、気絶するようにベッドに倒れこみます。

今日の夜はもう、そう言う思いをしたくありません。 

5時、私は松下さんを誘います。

「松下さん、用事が無ければ晩飯一緒にどうだ。僕も一人でつまら
ない」
「うわっ、嬉しい。連れてって下さい」
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CR 11/4(日) 16:00:29 No.20071104160029 削除
「随分早いですね?」
「妻と佐伯の行動予定が解ったのです」
「ほう、どうしてですか」

ここは隠す訳にはいきません。妻が携帯で話していた要点を伝えま
す。

「そうですか。二人の仲は相当深いですな」

ぐさりと来る言葉を平気で言います。

「これは失礼な事を言ってしまった。早速これから行動開始といき
ますか。これは簡単な調査になりそうだ、これだけ頻繁に会ってる
とね」

こんな切り口で言われますと、何だか深刻な事を頼んでいる気がし
ないのです。かえって、所長に親近感を抱かせます。

「おっと失礼。また変な事を言ってしまった」

所長の目の前に現金を置きます。

「所長、これ調査費用です」

土曜日に言われた調査費用の3倍の金額です。家を建てる時の足し
にと自分名義でも貯めています。今はそれどころではありません、
少しも惜しくはありません。

「こんな小さな興信所だ。山岡でいい。それにしても多すぎません
か?」
「いえ、浮気の調査だけではなく、佐伯の身辺調査も徹底的にお願
いしたのです」
「ふむ」
「女関係とか、離婚の理由とか」
「どうしてだね?」
「佐伯は独身です」
「ばれても奥さんを佐伯の元へ行かせたく無い。そう言うことだ
ね?」

所長はもう佐伯と断定した口ぶりです。

「そうです。それと佐伯を徹底的に叩きたい」
「奥さんとは離婚するのかね、それとも受け入れるのかな?」
「解りません。山岡さん、ここは人生相談所ですか」
「ご免、ご免。しかし、人によっては相談所にもなりうる」

『全く惚けた親父だ。何が人生相談所にもなりうるだ』

しかし、不思議な信頼感があります。

「あ、そうか身辺調査は無理ですね。ここにはスタッフが居ません
ね」
「いやそんな事は無い。この業界にも横の繋がりがある。浮気調査
の得意な所、身辺調査が得意な所。経済問題が得意な所。任せてお
きなさい」

所長に言われると妙に納得してしまいます。

「そう言うもんですか」
「金は先日言った金額でいい。後は実費精算だ。余ればお返しす
る」
「しかし、身辺調査を追加している」

結局、所長は持っていった額の1/3しか受け取りません。

「浮気調査は来週月曜日、身辺調査はもう少し掛かると思う」

所長の言葉を聞いて、興信所を後にします。
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CR 11/3(土) 23:05:59 No.20071103230559 削除
私はトイレのドアーに耳を付け聞き耳を立てます。下卑た行為に自
分でも嫌気がします。でも聞きたいのです。

妻の細い声が聞こえてきます。

「・・・・・」
「火曜日、金曜日出張ですか?もう出来ません」
「・・・・・」
「えっ、そんな、酷いです。そんな事しないで下さい」
「・・・・・」
「解りました。行きます」

妻は一旦は断ったようです。酷いとはどう言う事か、妻はその後で
出張を了解してしまうのです。佐伯はたった4日間、妻と会えない
だけで、もう妻を抱く予定を立て知らせているのです。余程、妻に
執着があるのでしょう。妻は必ず、出張の予定は前もって私に知ら
せます。月曜日の夜には私に伝えるでしょう。しかし今その予定
を知りました。私はその前に行動を起こせます。時間を稼げま
す。

もうこれ以上聞いていられません。私はトイレの前で今歩いてきた
ように大きな足音を立てドアー越しに妻に声を掛けます。

「今日は疲れた。もう寝るから」

私はもう逡巡しません。佐伯を叩くだけです、熟睡します。

日曜日の朝、いつものように妻は朝食を用意しています。テーブル
に向かいます。腹は空いています。佐伯の男根を握った手で作り、
咥えてた口で味見をしていると思うと喉が受け付けません。もどし
そうになります。早々に席を立ち、出かける用意をします。妻と一
日中、一緒に居るのが耐えられません。

「どうされたのですか? 具合が悪いのですか? 10月17日の事で
怒っているのですか?」
「いや、何でもない。見たいアクション映画があるので見てくる。
体が鈍っている、その後水泳に行ってくる。晩飯も要らない」
「やっぱり怒っているのですね」

妻は勘違いしています。私が感づいたとは思っていないのです。と
んだ間抜け亭主だと思われているのです。それはそうです、この3
ヶ月余りの間、全く気が付かなかったのです。ここで感づかれたと
思う訳がありません。今の私にはその方が好都合です。

「あっ、それから来週一杯、台湾のメーカーと一緒だ。朝も夜も食
事は一緒だ。作らなくていい」

とっさに出た嘘です。正直、食べられそうもないし、食べる気もし
ません。

7時に戻ります。9時半、私は自分の仕事部屋で時間を潰します。仕
事をする訳ではありません、妻がトイレに立つのを見ていられない
のです。仕事部屋で考えます。佐伯を潰したところで、妻を受け入
れられるか? 解りません、あれ程の痴態を見てしまったのです。
では離婚か?離婚した私を、妻を想像してみます。 離婚した妻
は、これ幸いと佐伯の元へ走ってしまうのか?あり得ます、佐伯は
独身です。不倫の証拠を掴むだけでは駄目だ。佐伯の事を全て知ら
なくては。自分と妻の事はその後で考えれば良い。

翌朝、早く家を出た私は銀行が開くのを待ち、金をおろし興信所へ
向かいます。
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CR 11/3(土) 22:46:44 No.20071103224644 削除
ごく普通の夫婦の風景がそこにはあります。

その風景に引っ張られて、一つの事を思い出します。台湾で買って
きた妻へのプレゼントがあるのです。バッグから小さな包みを出し
妻に渡します。

「有難う。これは何ですか?」

「まあ、綺麗」

ブローチです。大きな紫水晶の回りに普通の水晶を散りばめてあり
ます。まるで、妻の好きなフラッシュダークネクタリーのようで
す。妻も直ぐ気がつきます。

「クリスマスローズみたい」
「気に入ってくれたか」
「うん、嬉しい、本当に有難う」

妻は着ているブラウスに付けようとしています。

「本当は昨日、渡そうと思っていた。だが昨日はまだ台湾だ」
「どうして、昨日なんですか?」
「君は覚えていないか、昨日10月17日は僕たちが初めて会った日
だ。あれから25年か」

大学対抗水泳で私はある大学のOBとして、妻は対抗側の3年生とし
て参加しました。それが妻との出会いでした。

妻も思い出したのでしょう、ブラウスに付けようとした手が止まり
ます。その手を膝に置き、妻は顔を俯け、その目はブローチを見つ
め続けています。

「どうした」
「嬉しいんです。それなのに・・・」

後は言葉になりません。

『圭一さんはこんな事まで覚えていてくれた。それも私の好きなリ
スマスローズに託してくれて。それなのに、それなのに私
は・・・』

”それなのに”、私はわざと違う解釈をします。

「特別な記念日でもない。君も忙しかった。忘れる事もあるさ」

私はずるい男です。こんな時にわざわざ贈り物をする亭主はいない
でしょう。喜ばす為にあげたのではありません、妻の反応を見てい
るのです。贈り物で妻を苛めているのです。妻はそんな事を知る由
もありません。

漫然とテレビを見ています。妻はまた編物を始めています。10時に
なり妻はトイレに立ちます。こんな時でも佐伯との約束は守るので
す。ついさっき、”それなのに”と涙を流したばかりです。妻には
魔物が住んでいるのでしょうか。 

相手が佐伯だと100%の確証が無くとも、ここで妻にもう止めろと
言えた筈です。携帯を取り上げて確認すれば済む事です。結果が出
るまでは手を出さない、そう決めています。相手は腐れ男でも一応
地元の名士です。100%の証拠が無ければ叩けません。成り行きに
任せる事にします。
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CR   11/2(金) 23:24:21 No.20071102232421 削除
『汚らわしい事をしてしまった』

皿に盛られた精液を、女陰を擦りながら犬のように舐めとった。今、妻は
恥じ入っています。自分を卑下しているのです。自分が今までしてきた事に
気がつくのです。

『佐伯とはもう』

夫の電話で我に返ります。夫の声を聞くと申し訳ない思いで一杯に
なるのです。昨日の行為で尚更、その思いは強くなります。

「ただいま」
「お帰りなさい。お疲れ様でした」

妻の顔は沈んでいるようです。しかし、いつも通りの受け答えに腹
が立つのです。

『どうしてお前はそんな普通の態度でいられるんだ』

妻の髪を掴み引きずり回したい衝動に駆られます。押さえたものが
顔に出たのでしょう。

「貴方、お疲れになったみたいですね?顔色が優れません」

妻の言葉にまた腹が立ちます。

「疲れるのは当たり前だ。昨日・・・・・」

喉まで出掛かっている言葉を飲み込みます。

「昨日どうかされたのですか?」
「いや、何でもない。少し疲れた。早いが風呂に入る」

私はバスルームに向かいます。

妻はあんな行為をしても、平常でいられるのか。佐伯との関係も私
の推測が正しければ50回は超えているかも知れません。私にばれな
ければ、平常でいられるのでしょうか。

その回数の圧倒的な多さに怒りを覚えるのです、劇的に妻を変えて
しまった男に怒りを覚えるのです、妻を犬にしてしまった男を殺し
たいのです。
 
『待っていろ佐伯』

怒りを抑えようと冷水シャワーを頭から浴びて、バスルームを出ます。

「貴方、食事にされます」

テーブルには私の好物が並んでいます。 

「いや、飯はいい」

好物を摘みにビールを飲みます。 

妻は毛糸で何か編んでいます。マフラーのようです。今時は毛糸で
編物をする女性は少ないでしょう。妻は色々編んでくれます。靴
下、手袋、セーター。今でも季節がくれば、私はそれを身に着けて
いました。妻の気持ちで暖かかったのです。

「貴方のマフラーを編んでるの。今年の冬は寒いそうですから」

妻の気持ちが解りません。佐伯とあんな関係になっても平常の生活
を営めるのです。

私はウィスキーを持ってリビングのソファーに座り直します。 
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CR   11/2(金) 23:13:25 No.20071102231325 削除
私は部屋に備えつきのパソコンに向かいます。市内の興信所を検索
する為です。ウェブを見ても何処が良いのか解りません。トップペ
ージに”浮気の本質を見つめましょう”と言うような事を掲げてい
る業者がいました。他所とは違うものを感じ、此処にきめます。

朝一番でその興信所に飛び込みます。

「いらっしゃい、どうしました、鬼のような形相をしてますよ」

60半ばの温和な紳士が私を迎えてくれます。余程、酷い顔をしてい
たのでしょう。

入った瞬間、選ぶ所を間違えたと思います。この人じゃ調査出来な
い、そう思ったのです。

「どうして、うちに来ました?」
「どうしてって、そのー」
「これは聞き方が悪かった。どうして、うちを選んだのですか」

『そんな事聞いてどうするんだ、この親父は。市場調査じゃある
まいし』

私はもうこの場を立ち去って、次の業者に行きたかったのです。一
応答えます。

「いや、御社のホームページが他とは雰囲気が違っていました。浮
気の本質がどうとか書かれていたものですから」
「うちは御社と言われるほど立派ではないですよ。面白い方だ」
「面白いって?」
「これは失礼。普通誰もこんな時に浮気の本質なんて言葉に目もく
れないものです」
「じゃあ、どうしてあんな言葉を?」
「大事な事だからです。妻の浮気は妻だけの責任だけで無いかも知
れない」
「冗談じゃない。妻の浮気は私のせいじゃない」
「良く考えて下さい。貴方は他の女を抱きたいと思った事はありま
せんか? 商売女や出会いの女ではないですよ。その時貴方は女を
抱きましたか、それとも」
「人生相談に来たのではない。失礼します」

踵を返し、ドアーへ向かいます。その時、声が掛かるのです。

「貴方はまだ奥さんを愛していますね?」

その言葉が私を所長の方に振り向かせます。

興信所の良し悪しは私には解りません。どこに任せても結果は同じ
ようなものかも知れません。所長の人柄に商売以上のものを感じ、
結局ここにお願いする事にします。私の名刺を見て、妻の名前を聞
いた時、一瞬表情が変わったような気がします。

妻の事、考えられる相手の男の事を話します。相手の男が地元の名
士でも所長は動じる風でもありません。調査料金等聞いてこの日は
帰ります。

この興信所にお願いしたのは偶然でした。この偶然が信じられない
程の更なる偶然を呼びます。まるで神が苦しんでいる私に与えた贈
り物のように。勿論私はこの時点では気がついていません。

まだ11時です。 家に帰るには早すぎます。映画で時間を潰しま
す。見たかった映画ですが、スクリーンを目で追っているだけで
す。映画館を出て1時半、まだ早い。取りあえず、妻に電話しま
す。

「宮下です」

妻の声はいつもと変わりありません。

「僕だ。今、成田だ。 2時間半くらいで家に着くと思う」
「お疲れ様でした。お待ちしています」

喫茶店で時間を潰します。妻を見て平常心でいられるか、罵声を浴
びせてしまうのでないか。考えてしまいます。調査の結果が出るま
では平静でいよう。喫茶店を出て家へ向かいます。  
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CR  11/1(木) 19:22:07 No.20071101192207 削除
そっと階段を降ります。 玄関に向かい外に出ます。 

『今日は家に帰れない。妻の顔を見る事が出来ない』

自分が悪い事をした訳ではありません。しかし、妻に何を喋って良
いのか解りません。今更、戻って問い詰める訳にもいきません。問
い詰めるのなら、見た時その現場でです。自分にも黙って帰ってき
た負い目がありました。妻の気持ちも考えてしまいました。優柔不
断な自分が嫌になってしまいます。これが妻と男が絡んでいたのな
ら、その場で飛び込み男をけり倒していたでしょう。

何処をどう歩いたか覚えていません。結局向かった先は駅前のビジ
ネスホテルです。気力も何もありません。軽くシャワーを浴び、ベ
ッドに寝転びます。時間の早いせいもあるでしょうが眠れません。
頭の中は真っ白です、何もありません。浮かんでくるのは先ほどの
妻の裸体、痴態ばかりです。精液を舐めた妻。それもいつの物かは
知りませんが男から渡されたものに違いないものを皿から犬のよう
に舐めた妻。電話で男に指示され、女陰をクリトリスを男の精液塗
れの指で擦り回した妻。逝かせて下さい、舐めさせて下さいと男に
懇願した妻。あれは本当に私の妻だったのだろうか。もう一度帰っ
て確認したい衝動に駆られます。

私と妻の20数年は何だったのだろう。ここ2,3ヶ月で妻のこの変貌
振りは何なのだろう。犬にも劣る妻の行為を見てしまった。何故、
そこまで妻は落ちてしまったのか?先程見た妻の痴態が振り払って
も振り払っても出てきます。男との絡みを見た方がまだ楽だった
かも知れません。自然と涙が出てきます。どれ程泣いたでしょう
か。我に返ると床に涙の水溜りが出来ていました。

これだけ変わった妻はもう私のもとへは、帰って来ないかも知れな
い。否、これ程の痴態を見てしまった私は、例え妻が戻ってきても
許す事ができるでしょうか。どうしてもっと早く気がつかなかった
のだろう。暫く終わってしまった事を悔やんでいました。

考えて居るうちに、嘆きが怒りに変わります。妻をこんな風にした
男が憎い。妻を憎むより、男に反撃しよう。怒りの矛先は先ず男に
向けるべきなのです。今は顔の無い男です。顔がない事には反撃の
しようがありません。誰だろうヒントを掴もうと考えます。

椅子に座り直します。フロントにビール、ウィスキーと少々の摘み
を注文します。うじうじしても始まりません。考える環境を整えます。 

『確か、トシオとか呼んでいたな』

トシオ、私は記憶を辿ります 私の仕事関係、交友関係の名前を思
い浮かべます。名前まで覚えている人は僅かです。トシオと言う名
前は浮かんできません。

『ふっ、まあ俺の関係でいる訳はないよな、そんな馬鹿な男は』

私は常にバッグの中に名刺ホルダーを持ち歩いています。仕事関係
と交友関係に分けてあります。交友関係と言っても、ただ一度しか
会った事の無い人も含まれています。無駄だと思いながらも一応見
てみることにします。あいうえを順に整理してあります。その名刺
は直ぐ出てきます。

佐伯俊夫、妻が勤める会社の食品部部長、肩書きは常務。妻に紹介
され名刺交換した覚えがあります。佐伯なら妻と接点が多い、しか
も妻は彼のお陰で正社員になれたと思っています。佐伯なら妻の出
張を自在に出来ます。今、思えば妻は必ず夜10時にトイレにたって
いました。 佐伯との痴話なのでしょう。例え私にばれても、仕事
の連絡だと逃げる事が出来ます。

『佐伯か。こいつだな、間違いない』
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CR  11/1(木) 19:06:51 No.20071101190651 削除
佐伯の次の指示は妻の乳房に対してです。

「指で掬って、オッパイに塗れ。四つん這いのままでな」

不自由な姿勢です。不自由な姿勢がまた快感を呼ぶのです。顔を横
に向け床に付けなければその姿勢を保てません。妻の鼻先には小皿
があります。匂いを嗅ぎながら、精液の付いた指先で乳首を擦りま
す。妻は直ぐ達します。

佐伯の次の指示です。

「逝ったようだな、次はオマンコだ」

8時50分、私は家の前でタクシーを降ります。リビングの明かりが
点いています。妻は居るようです。二階を見上げますと、寝室の雨
戸は閉まっていますが、その隙間から仄かな明かりが漏れていま
す。普段は消しているいる筈です。

玄関ドアーの鍵が掛かっています。夜も遅いし当然の事でしょう。
玄関ドアーを開け中に入ります。妻の通勤靴が玄関にあります。き
ちんと揃えられています。いつもは、ここでただ今と声を掛けるの
ですが、今日は違います、無言です。リビングのドアーを開けま
す。ここに妻は居ません。キッチン、バスの灯りは消えています。 

もし居るとしたら二階しかありません。そっと階段に忍び寄りま
す。今の借家は表通りからかなり離れ外からの音はありません。妻
の声らしきものが聞こえてきます。階下からでは内容まで解りませ
ん。携帯で誰かと話しているにしては小さな声です。そろりそろと
階段を上がります。階段と二階の階段ホールの明かりは消えていま
す。後2,3段で二階というところで一旦止まります。 

寝室の入り口は階段の直ぐ左にあります。入り口は引き戸です。そ
ろそろと引き戸を開けにかかります。半分くらい開けても、妻は行
為に夢中なのか気がついていません。ここから覗けば寝室は丸見え
です。寝室には仄かな明かりが点いています。最初解らなかったほ
の白く蠢いているものが、妻の裸体だという事が解ります。ここか
らだと声もはっきり聞こえます。 

妻は四つん這いです。尻を斜めにこちらに向け、横にした顔もこち
らに向け床につけています。

「はい」

何やら携帯で話しています。指示を受けているのでしょうか 妻は
顔先にある黒い小皿に盛られた液体を指で掬っています。そして高
く掲げた女陰に擦りつけています。膣を捏ね回しています。私との
行為では決して許す事のなかったクリトリスをも擦っています。そ
れがクリトリスだとはっきり認識できた訳ではありません。妻の指
のその位置からそうではないかと思うのです。

私は妻に声を掛ける事が出来ません。こんな時妻に声を掛ければど
うなるか、妻は自分の醜態を恥じ入り自殺しかねません。そんな女
なのです。そんな風に信じていました。

「顔ですか」

携帯がテレビ電話になっているのでしょう。妻の痴態を見ているの
です。逝く顔が見たいと言われたのでしょうか、自分の顔が良く映
るよう携帯の位置を変えます。

妻は達したようです。

「あぁ、逝きます、貴方、俊夫様」

女陰に添えた手を激しく動かし、舌は小皿の白い液体を舐めとって
います。舌から小皿に白い糸が引いています。この匂いと相まっ
て、この液体が何であるか私は理解しました。
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CR 11/1(木) 18:26:51 No.20071101182651 削除
私は台北発EG204に搭乗します。成田着17:55です。これなら少し
遅れても9時頃には家に着く筈です。入国通関を終わったのは7時、
乗換駅でタクシーに乗り込みます。今は8時少し前、1時間もあれば
家に着くでしょう。

その頃、妻は寝室で佐伯の電話を受けています。

「洋子です」
「佐伯だ。今そっちは8時か?」
「ええ、アメリカは?」
「アメリカと言っても広い。クリーブランドは朝の6時だ」

クリーブランドとの時差は14時間です。日本より14時間遅いので
す。朝早くの電話に妻は感激します。

「私の為にそんなに朝早く起きたのですか?」
「可愛い洋子の為だ。もう裸か?」
「いいえ、まだです」
「駄目だな、そんな事では。今日ご亭主は居ないんだろう? ご亭
主が居ない時は何時も裸だ。解ったな」
「はい、申し訳ありません」
「小皿と昨日渡したお土産を持ってきなさい」

妻はその意味が良く理解できません。キッチンに降り小皿を持ち寝
室に上がります。バッグから紙箱を出し、全裸になるのです。

「はい、持って来ました」
「瓶の中身を皿にあけなさい」

ガラス瓶を取り出しまじまじと見つめます。粘度のある白い液体で
満たされています。蓋を取ります。妻の情欲を刺激する匂いです。

匂いを鼻一杯に吸い込みます。妻の情欲は一気に高まります。

「何か解ったか?」
「はい」
「舐めたいか? そうなら言ってごらん」

佐伯は妻から言わせたいのです。

「あぁ、貴方の精液を頂きたいです。 舐めさせて下さい」
「舐めていいぞ。四つん這いになってな。少しだけだぞ、後でも使
うから」

妻は両肘を床につき、尻を高く掲げ、犬のように小皿にあるものを
舐めます。全て舐め尽くしたい気持ちを押さえながら舐めるので
す。

「全部舐めるんじゃないぞ。それくらいにしておけ」

妻は不満そうに鼻をならします。匂いが散るのが惜しいのでしょう
か、精一杯匂いを吸い込みます。

妻は佐伯の次の指示を待っています。
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CR 10/31(水) 21:07:50 No.20071031210750 削除
あれから何度、佐伯に抱かれた事でしょう。大阪赴任中は週に一度
は本社での仕事名目で必ず妻を抱きます。又、何度かは出張で妻を
大阪に呼び出し、一晩かけて妻を抱きます。佐伯が本社勤務に戻っ
てからは、夜だけではなく、仕事に託けて外出して、昼日中、妻を
抱きます。二人の出張を組んで温泉で温泉で抱かれる事もあります。

何度目かの密会の中、妻は佐伯に言われるのです。

「洋子、君も知っているように僕は独身だ」
「はい」
「いつまでも一人で居る訳には行かない」
「・・・・・」

妻は別れを切り出されると思ったのです。

「いや、君と別れると言うのでは無い。その逆だ。結婚してほし
い」
「結婚?そんな事できません。夫と子供がいます」
「解っている。今直ぐにとは言わない。君の気持ちを待っている」

この時、佐伯は本当に妻と結婚したいと思っていたのでしょう。密
会の頻度は更に濃くなっていきます。

『俊夫さんは私を愛してくれている』

不倫と言う非日常性が妻にそんな思いをさせるのです。妻に気がつ
く術はありません。

私が台湾に発った水曜日、妻は佐伯に抱かれます。佐伯は精液増量
剤を飲んでいます。一度目は妻の口に放出します。 

二度目、佐伯は自分のものにコンドームを着けます。

「コンドーム?」
「ピルを飲んでいる事は知っている」
「では、どうして?」
「僕は明日からアメリカへ出張だ」
出張の事は妻も知っています。肉牛牧場の視察です。

「これがトウモロコシなら君を連れて行けるが、肉では駄目だ」

4日間でも佐伯が居ないのは、妻にとっても寂しいのです。あの男
根と別れるのが辛いのです。

「洋子も寂しいだろう。お土産をあげる」

いつもより大量に放出します。それは妻の膣の中ではなく、着けた
コンドームの中に。いつものように佐伯の腕の中で妻は朝まで熟睡
します。いつの間にかバスルームに向かった佐伯には気がつきませ
ん。佐伯はバスルームで、コンドームの中の精液を小さなガラス瓶
に移します。媚薬を混ぜる事は忘れません。ガラス瓶は紙箱に納められます。

翌朝、妻は佐伯からその紙箱を手渡されます。

「これは何ですか?」
「洋子へのお土産だ。明日夜8時ごろ電話するから、その時開けな
さい」
「貴方」
「何だ」
「アメリカへお気をつけて」

次の日の夜8時、約束通り携帯に着信があります。
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CR 10/31(水) 20:30:39 No.20071031203039 削除
『2時か。そろそろ帰ってくる頃だな』

仕事の理由で妻が家を開けるのは初めての事です。私はそわそわと
待っています。

「ただいま。ご不自由掛けました」

妻が帰ってきました。妻の顔色は青白く、しかしその中に妖艶と言
っていい程の色気を漂わせています。

「疲れたか? 顔色が良くないな。何かあったのか?」

妻の妖艶さには触れる事が出来ません。 

「初めての出張だったから、気持ちが張っていたのだと思うわ。こ
れお土産」

大阪の銘菓を差し出します。軽くいなされた感じです。それ以上深
く追求する事はありません。

その夜、ベッドで妻を誘いますが、疲れを理由に断られます。これ
以降妻を抱く事は無くなります。私達夫婦は新婚時代からそうでし
た。3ヶ月、4ヶ月とセックスレスになる事がたまにあります。今回
も妻から拒絶されても、妻を疑う事はありません。今思うと妻は不
満を貯めていたのかも知れません。

その後、妻の帰宅は1週間に一度か二度は12時を過ぎ、一週間に一
度は出張の名目で外泊します。それが2ヶ月、3ヶ月続くと、さすが
の私でも疑いだします。しかし妻を問い詰める事が出来ないので
す。私の性格が妻を自由にさせてしまったのです。

ましてや、この3ヶ月で妻の淫靡さは増し、腰は更に張り出した気
がします。本来、これを見ただけでも疑う要素はあるのです。妻の
箪笥の引き出しを覗いてみたい。洗濯籠を探してみたい。男として
のプライドが邪魔をします。今思えば実に不遜なプライドです。

台湾に3泊の予定で出張です。水曜日に出て、土曜日に帰る予定で
す。妻にはその旨伝えてあります。出張先での仕事が予定より早く
終わり金曜日に帰る事になります。妻には伝えません。私が居ない
時に妻が何をしているのか、あるいは家に居ないのか、見てみたい
気持ちがあるのです。それにびっくりさせたい事もあるのです。
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CR 10/31(水) 20:18:43 No.20071031201843 削除
その後二人はシャワーを浴び、バスルームで一度、ベッドに戻って
からも数回の性交渉を持ちます。この夜の行為で妻の隠れた性は解
き放たれたのです。夫以外の始めての男とのただ一夜の行為で、私
との行為では見せなかった妻の本当の顔、淫乱性が開花したので
す。

「これからも中に出して欲しいか?」
「はい、いつも」
「そうか、じゃあ自分で考えるんだな」

この時から妻はピルを常用するようになります。

疲れきった妻は顔を佐伯の胸に埋め、足を腰に絡め、手には男根を
握り熟睡するのです。

朝、ホテルのレストランで食事が終わった後、佐伯から昨日のプリ
ント2枚を手渡されます。

「これを渡しておこう」
「写真ですか? 私、こんなもの欲しくありません」

妻にとって見るのもおぞましい写真です。

「君のお守りになるかも知れない」
「えっ、どうしてですか?」
「いや、つまり、俺たちの事がばれた時の免罪符になる」
「・・・・・」
「ご主人に追求された時、見せればいい」

佐伯は過ちを犯しました。妻は佐伯の思い通りになるのです。そん
な写真は用が終われば捨てれば済む事だったのです。重大なミスの
ある写真は妻のバッグに仕舞われます。

佐伯の車で新大阪へ向かいます。車中、妻は佐伯の男根を握り締め
ています。信号で車が停まる度、口づけを交わします。新大阪の駅
舎がもう目の前です。佐伯は駅倉庫の人影の無い、遮蔽された場所
に車を停めます。

「このまま別れるのも名残りが惜しい。口で頼む」

妻は唯々諾々です。妻もそうしたかったのです。佐伯は妻の口に放
出します。口を窄め、竿を扱き最後の一滴まで吸い出すのを忘れま
せん。終わった後、佐伯の男根を自分のハンカチで愛おしそうに拭
うのです。

新幹線はグリーン車を手配してくれています。こんな事でも佐伯の
優しさを感じてしまいます。車中思うのは、佐伯と変わってしまっ
た自分のことばかりです。佐伯に与えられた快感は、夫との20数年
間を一夜に凝縮してもまだ足りません。もう佐伯とは別れられな
い。不思議と夫への背徳感はありません。

東京駅に着きます。疲れてローカル線に乗る気力がありません。タ
クシーで自宅に帰ります。途中眠ったようです。住んでる市内に入
っています。家の近くの通り、いつも買い物もするスーパーが目に
入ります。不思議なものです、新幹線の車中で思わなかった背徳
感、夫への申し訳ない思いが、日常の風景を目にすると一気に湧き
出してきます。
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CR 10/29(月) 16:17:44 No.20071029161744 削除
少しすると佐伯の男根は回復します。薬の効果とは言え佐伯もタフ
なのです。

佐伯は立って、男根を指差します。

「今度はこれにお仕えするんだ。したかったらお願いするんだな」

妻はそう言われただけで、目が潤みます。

「はい、お仕えさせて下さい」
「それだけか?」

直ぐ理解します。妻には元々、その素養があったのかも知れませ
ん。

「洋子のオマンコを気持ち良くしてくれた、このおチンポ様にお仕えさせて下さい」
「良く言えたな。よしいいぞ」

男根の前に跪きます。夢中で舐め吸うのです。時々、自分の乳首で
亀頭を擦ります。思わず「あぁ」と声が漏れます。 

「自分が気持ち良くなってどうする」

佐伯の叱責の声が飛びます。本当は妻の悶える姿を見て、佐伯も気
分がいいのです。言葉で甚振りもっと高ぶりを与えたいのです。

妻は後に回ります。尻を割り肛門に舌を差し入れます。勿論夫にし
た事はありません。叱責された事により、佐伯に感じてもらいた
い、その思いが強くなったのです。今の妻は何でも出来ます。自分
の思いを伝えるのに何をしても足りません。肛門を舐め吸います。

「ベッドに行こう」

妻を仰向けに寝かせ、顔に跨ります。男根を口に咥えさせ、腰を振ります。

「出すぞ。全部飲め。一滴も零すな」

精液は妻の喉をしとどに打ちます。吐き気を我慢し精液を口一杯に
受け入れます。目からは涙さえ流れています。苦しいのです。佐伯
はそんな事には斟酌しません。更に最後の一撃を放ちます。妻はそ
れを全て飲み干します、ゴクリ、ゴクリを喉を鳴らしながら最後の
一滴まで体の中に納めます。咥えた男根を口から離します。苦しさ
から解放された妻は思わず小さな溜息をつくのです。もう一度男根
に目を遣ります。

それはまだ硬さを保ち、テラテラと光り、鈴口からは精液の残滓が
覗いています。一滴も残したくありません。佐伯のものは全て残ら
ず、体の中に入れ自分のものにしたいのです。鈴口を指で掬い口に
運びます。それだけでは足りず、亀頭をほうばり、竿を扱きます。
口を窄め吸い出します。最後の一滴まで体に納めやっと妻は満足す
るのです。

さすがの佐伯も驚きます。

『洋子がこんなに淫乱だったとは。嬉しい誤算だな。それにしても
あのオマンコはどうだ。俺の方が溺れそうだ』

正に佐伯は妻に溺れていくのです。 
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CR 10/29(月) 16:10:10 No.20071029161010 削除
洋子、それでいいんだ。俺も気持ちが良かった」
「私、嬉しい」

妻から抱きつき口づけをせがみます。一度の性交でこんなにも変わ
るものでしょうか。妻は不思議に思います。妻は元々、そう言う願
望を持っていたのです。男根を口にしたい、精液を飲み干したい。
私が気づかなっかたのです、妻にはそう言う思いは無い、そう思っ
ていたのです。

佐伯は口づけをしながら妻を仰向けにし、男根を膣にあてがいま
す。膣は充分過ぎるほど濡れています。普通ならするっと入る筈で
す。入り口が狭いのです。入りません。ぐっと腰に力を入れ押し込
みます。入り口は狭く、膣壁はそれ自体が生き物のように男根に纏
わりつきます。注挿を数回繰り返します。

『何だこれは、これじゃ俺がもたない。何と言う女だ』

佐伯は納めたものを一旦抜きます。

「どうかしたんですか?」
「いや、洋子のものはあまりにも締まる」
「良くないのですか?」
「その逆だ。ご主人は何も言わないか?」
「いえ、別に何も」

『そうか、ご亭主のは小さいんだ』

妙な納得をします。

不思議そうな顔をする妻を後に、佐伯はバスルームに向かいます。
佐伯は実に多様な薬を持っています。仕事柄手に入れやすいので
す。媚薬は言うに及ばす、精力剤、遅漏薬、精液増量薬。その3個
のカプセルを併せ呑みます。効きだすまで少し時間が掛かります。
時間稼ぎをします。

「さっきは洋子の裸を見せてもらった。今度は俺の裸見せてやる」

佐伯は自分の体に自信があります。ジムで鍛えた体、妻が惚れると
思ったのでしょう。

妻の目の前に裸身を晒します。妻の目は一点に集中します、佐伯の
男根に。薬のせいもあるのでしょうか、それは天を突いています。
夫のものと比べてしまいます。経験は夫と、結婚する前の男性一
人、只二人です。結婚する前の男のものは小さかった気がします。
佐伯のものは夫とものと比べて全体では同じ印象です。只、形が凄
いのです。亀頭が張っています。男根の所々、ごつごつしていま
す。何か作り物のような感じがします。

『こんなもので突かれたら壊れてしまう』

しかし、そんな思いとは別に情欲が込み上げてきます。鈴口からは
先走りが糸を引いています。妻は男根の前に跪き、思わず鈴口に舌
を這わせます。先走りが垂れるのは勿体無い。そんな思いで舐めまわします。 

佐伯は思わず妻を床に転がし、男根を膣に突き立てます。一度入れ
た男根に慣れたのでしょうか、今度はすっと入ります。 深く刺
し、浅く刺し、回転させ、強弱をつけてそれは続きます。

如何程の時間が経ったでしょうか、妻は呻き声をあげます。

「あぁ凄い。こんなの初めて。お願い、ベッドで逝かせて」

妻を抱き上げベッドに運びます、男根と女陰を繋げたままで。口づ
けをしたままベッドに下ろします。 

「もう逝きます」
「俺もだ。中に出してもいいんだな」
「はい、中に下さい」

妻はこの日は安全日です。夥しい量の精液を受け入れます。同時に
口では大量の唾液を飲み込みます。妻は完全に気を遣ります、軽く
失神してしまいます。
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CR  10/29(月) 15:28:44 No.20071029152844 削除
佐伯はそっと息を吹きかけ、自分の唾液で濡らした指で摘み、擦り
ます。乳首を愛撫するよりもっと優しくクリトリスの周りを探りま
す。時には舌を使います。感じ出したのでしょうか、唇からは甘い
吐息が、女陰からは愛液が滲み出してきます。夫婦の行為は日常の
もの、冒険は出来ません。不倫は違います。男も女も今までした事
が無いよう行為も試せるのでしょう。ましてや、クリトリスへの愛
撫はごく普通のものです。妻が経験した事がないだけの話しです。

「あぁ、感じます。とても気持ちいいです」
「そうか、それは良かった」

佐伯はクリトリスと膣を集中して責めます。手で擦り、指を差し入
れ捏ね回し、舌で転がし、舐め上げ、舐め下げします。妻はもう限
界です。

「もう逝きます。逝かせて下さい」
「まだ駄目だな。俺の方は何もしてもらってない」

佐伯は体を180度入れ替えて、自分の腰を妻の顔の方にもっていき
ます。佐伯はまだトランクスをつけたままです。妻は下着越しに、
佐伯のものに頬擦りします。トランクスの上から舌で舐めます、咥
えもします。愛おしそうに顔全体で男根に仕えるように何度も何度
も頬擦りします。 まるで、何か欲しい時に猫が主人の足に顔を擦
りつけるよう
に。

しかし、佐伯はそれだけでは不満なのです。素の男根に奉仕させた
いのです。

『普通の女なら誰でもここで、俺のチンポにむしゃぶりつくのだ
が』

佐伯は焦れます。

「どうした俺のチンポはしゃぶれないか?」

自分で下着を脱ぎ、男根を妻の口元に持っていきます。

妻はこれ以上、自分の経験の無さを知られたくはありません。おず
おずと佐伯の男根に舌を這わせます。佐伯は悟ります。

『洋子は初めてだな』

「経験が無いんだな」
「はい、申し訳ありません」
「なにも謝らなくていい」
「でも、こんな歳で恥ずかしいです」

佐伯は歓喜します。

『まさに掌中の珠だ。教育のしがいがあると言うものだ』

「洋子のしたいようにすればいい。これが洋子を気持ち良くしてくれる」

亀頭を口に含め手を上下させます。暫くそうしています。その間も
佐伯の、妻の膣、クリトリスへの責めは止みません。佐伯の責めに
感極まります。裏筋を舐め、亀頭を舐め、鈴口を舐め、玉袋を口に
含み玉を舌で転がします。誰に教えられたものではありません。喜
びを佐伯に伝えたいのです。この男根に仕えたいのです。自然とそ
うなるのです。

「もう駄目です。逝かせて下さい」
「よし、一度逝け」

佐伯は妻のクリトリス、膣への手の動きを早めます。

「あぁ、貴方。俊夫様。逝きます」

妻は佐伯の男根を握り、いや、それは縋り付くと言った方が正しい
でしょう。そして頬擦りし舌を亀頭に纏わりつかせたまま一度目の
絶頂に達します。
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CR 10/29(月) 15:16:57 No.20071029151657 削除
佐伯は薄いブランデーを口移しで飲ませます。妻は舌を出しそれを
受けます。ブランデーを飲み下した後も何か催促するように舌を佐
伯の口に預けたままです。 

佐伯は大量の唾液を送り込みます。

『お前は俺の女だ』

と意思表示するが如く。 

妻はそれを飲み干すのです。

『私は貴方のものよ』

と恭順の意を示すが如く。

時には、強く乳房を揉み上げ、叩き、弾き、乳首を引っ張り、捻
り、掻きあげます。時には優しく、掌で乳首を撫ぜ、二本の指で摘
み、軽く息を吹きかけます 舌で舐め上げ、転がし歯で軽く、強く噛みます。

「あぁ、貴方。私は俊夫さんのもの」

妻は呻きにも似た声で、途切れ途切れにこの快感を伝えます。車の
中でのそれ、自宅のバスルームでのそれ、電話で指示された時のそ
れとは比べようもありません。どんな言葉も足りません。

「貴方と言ってくれたか。嬉しいよ。それにしても洋子のオッパイ
は絶品だな。オッパイでこれなら、オマンコならもっと凄い事にな
りそうだな」

佐伯はわざと下卑た言い方をします。その方が女は燃えるのを知っ
ているのです。

佐伯の愛撫は女陰に移ります。

一本の線を開きます。大陰唇に続き小陰唇が現れます。それに続き
膣口も現れます。綺麗なピンク色で、形も崩れてはいません。 

『何と小さいんだ。何と可愛い』 

愛液が大量に湧き出しています。思わずを口を付け吸い上げます。

「うっ」
「どうした?」
「いえ、何でもありません。嬉しいの。私のを飲んで頂いて。」

新婚時代に夫との行為で、断って以来夫はそれを求めてきません。
手で愛撫される事さえ稀な事です。佐伯に何も知らない女だと思わ
れるのが嫌で ”嬉しい”と言ってしまったのです。

今度はクリトリスです。

「ほおーっ」

佐伯は思わず声を上げます。クリトリスは包皮に覆われたままで
す。顔さえ出していません。佐伯は包皮をゆるゆると剥きに掛かり
ます。 

『洋子のここは処女同然だ。楽しみが増えるな』

「あっ、そこは」
「ここがどうかしたか?」
「そこは嫌です。した事がありません。」

クリトリスは嫌なのです。オシッコがしたくなるような、むづかゆ
いような感じがするのです。夫とは一度だけです。自分の感じを伝
えて以来一度もありません。自分が知らない女だと解ってしまって
もいい。それほど嫌なのです。

「駄目だな、そう言う事じゃ。ここが女の一番感じる所だよ。俺が
感じさせてあげる」

佐伯は更に包皮を剥きます。空気にも触れた事がないクリトリスが
現れるのです。
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CR 10/29(月) 15:08:12 No.20071029150812 削除
佐伯は思い切り妻の口を吸います。舌を引き出し弄びます。自分の
舌を妻の口に差し入れ口の中を掻き回します。そうしながら佐伯は
妻のバスローブを肌蹴ます。佐伯はバタフライとブラだけの妻の体
をまじまじと見入ります。

『何と言う体だ。これが45才の体か』

妻は中学時代から水泳部に所属し、それは大学まで続きました。国
体にこそ出ませんが、県大会レベルの力を持っています。今でもス
ポーツクラブで鍛錬を欠かしません。 私も水泳をしていました。
妻とは大学対抗で知り合ったのです。40も半ばになり少しは贅肉も
付いてきましたが見事に均整がとれています。

「立ってごらん」

佐伯は命じます。妻は快感の波に飲まれそれどころではありませ
ん。立てないのです。それでもテーブルを頼りによろぼいながら、
ふらふらと立ち上がります。

佐伯は妻の体を凝視します。

ブラに包まれていますが、まだ垂れもせずお椀型の乳房、見事に括
れたウェスト、張り出したヒップ、適度に肉がついた太腿、佐伯は
舌なめずりをするのです。

『こんな女が今に俺の思い通りになる』

佐伯はまだまだ観察するのです。

「そのブラを取って。それにしてもエッチはブラだな、乳首が隠れ
ているだけじゃないか」

言葉でも甚振るのです。

見事に尖がったピンク色の乳首が現れます。

次はショーツです。

「次はそのパンツだ。何と言うパンツだ。俺に抱かれたくて、見せ
たくてしようがなかったんだな。待て、それは俺が脱がしてやる。
こっちに来るんだ」

ソファーに座っている佐伯の直ぐ目の前に妻が来ます。

佐伯はバタフライの紐に手を掛けます。

「何だ、パンツがもうビショビショじゃないか。もう少し我慢しな
さい。後でたっぷり可愛がってやるから」

「足を広げて。パンツが脱がしづらい」

妻が広げた足を、佐伯は更に広げ女陰を観察します。それはすーっ
と一本の線が引かれたようです。大陰唇の膨らみが僅かに解る程度
です。クリトリスも小陰唇もその顔を出していません。

『あまり使っていないようだな。仕込み甲斐があると言うものだ』

「後ろを向きなさい」

妻は後ろを向きます。綺麗に正中腺が窪んでいます。尻の双丘は高
く盛り上がり、それ故、割れ目が深いのです。

『見事な尻だ。叩き甲斐がある』

佐伯は尻の割れ目を開き菊門を観察します。

『綺麗なもんだ。ウンコさえも通った事もないよう穴だな』

佐伯の我慢も限界です。男根からは先走りが雫になって落ちていま
す。妻を抱き上げベッドに運びます。
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CR 10/29(月) 15:00:21 No.20071029150021 削除
抱擁された妻は乳首に女陰に快感の疼きが走るのを覚えます。佐伯
にこのまま抱かれたい、でも愛している夫を裏切れない。二つの思
いがせめぎ合います。 

そんな時、佐伯の一言が背中を押します。

「君がご主人の事をそう思っているなら、君も一度だけ同じ事をす
ればいい。気持ちが軽くなるかも知れない」

そんな理屈はありません。しかし妻はこの言葉で夫への気持ちを摩
り替えるのです。

『私が抱かれるのは圭一さんが悪いんだわ』

「シャワーを使わせて下さい」

半日の作業で体は汗に塗れています。このまま抱かれたくはありま
せん。

「そこに予備のバスローブがある。それを使えばいい」

女性用なのでしょう、小さめのものを見つけました。

「何を怪訝な顔をしている。この部屋はキングサイズダブルだ。そ
れ位の用意はある」

妻のそのバスローブを持ってバスロームに入ります。シャワーが終
わった後迷います。持ってきたショーツはバタフライとT-バック、
普通のものはありません。

『やっぱり、こんなものは履けない』

これを身に着けると変わってしまうかも知れないと思うのです。今
までの自分ではなくなってしまうと。しかし、バタフライとT-バッ
ク、これしかないのです。バタフライとそして同色のブラを身に着
けます。何か変わった自分を感じます。口では旨く言えません、淫
靡になったとでも言うのでしょうか。

バスルームを出た妻は、佐伯に手招きされます。佐伯の座っている
二人掛けのソファーの隣に座るようにと。テーブルにはワイン、ブ
ランデー、チョコレートが置かれています。

「まだ9時だ。夜は長い。ゆっくりすればいい」

佐伯は焦る気持ちを自分に言い聞かせるように言います。

妻はチョコレートを摘みにワインを飲みます。半カプセルの媚薬が
入ったワインを。佐伯は何も仕掛けません。暫く世間話をしていま
す。媚薬が効くのを、妻が焦れるのを待っているのです。

妻に話しかける口調が変ります。

「洋子、君は本当に美しい。君のご主人が羨ましい」
「いやっ、主人の事は言わないで」

妻の方から佐伯の首に抱きつくのです。
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CR  10/29(月) 14:53:01 No.20071029145301 削除
「何を思案顔しているんだ?」
「いえ、何でもありません」
「僕にも見せてもらえるか?」

佐伯は今初めて見たように話します。

「この男性はご主人だな、一度あったので覚えている。この女性
は?」
「仕事に来て頂いている松下さんです」
「それなら、二人で食事に来たのだろう。君はご主人がよくこのホ
テルで昼飯を食べるって言っていたじゃないか。 何を心配してい
るんだね?」
「でも、3時間は長すぎます」
「その後、打ち合わせか何かあったかも知れない」

自分で仕組んでおきながら、妻を心配しているが如く諭します。

「有り得ません。主人の会社はすぐ近くです。打ち合わせなら会社
へ戻ると思います」
「では何だと思う」

『この人は、松下さんはどうしてこんなに嬉しそうな顔をしているの?』

妻は松下さんに嫉妬しているのです。

「多分・・・・」

夫が外出しない場合、二人は四六時中一緒にいるのです。 

佐伯は又、心優しい上司を演じます。

「コーヒーか紅茶でも飲んで、少し落ち着けばいい。どっちがい
い?」
「はい、では紅茶を頂けますか?」

「こっちの部屋に来なさい」

夫ではない男のホテルのベッドルームに二人きり。 妻には初めて
の経験です。高級な部屋なのでしょう、二人掛けのソファーとテー
ブルを挟んで一人掛けのソファーが二つ。

佐伯は二人掛けのソファーに座るよう妻を手招きします。テーブル
には紅茶。

「気付けに少しブランデーを入れておいた」

入れたのはブランデーだけではありません。カプセルの半分程度の
媚薬も入れています。喉が渇いていたのでしょうか、妻は一気に飲
み干します。

妻は一点を見つめたままです。 佐伯も無言です。

10分くらい経ったでしょうか。

「ここは23階だ。 大阪の夜景でも眺めてはどうかな」

佐伯は妻を窓際に誘います。 ボーっとした頭のまま、窓際に歩み
寄ります。

暫く夜景を眺めています。いつの間にか横に立っている佐伯にも気
がつきません。佐伯は妻の肩を抱き、髪を優しく撫ぜます。 妻は
嫌がりません、いえ、今は誰かに優しくされるのが心地良いので
す。

「ご主人は誠実な人だ。君が考えているような事はないだろう」
「でも、解りません。松下さんがあんなに嬉しそうな顔をしていま
した」

二人が一緒に居た時間より、女の顔の表情が胸をつくのです。

「そんなものか」

ブランデーを飲んで20分、佐伯は気は熟したと思ったのでしょう。
妻の頤に手を添え、自分の方に顔を向け口づけします。唇と唇の合
わせるだけの口づけです。

「私、私」
妻は佐伯に体を預けます。 
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CR 10/29(月) 14:29:20 No.20071029142920 削除
佐伯の部屋の前に来て、妻の部屋が隣である事に気付きます。

佐伯の部屋には通常のベッドルームの他に3畳程度の事務スペース
が、独立した部屋として付属しています。廊下側からもベッドルー
ム側からも出入りできます。佐伯の後について廊下側から入りま
す。 

「一通り見るのに30分もかからないだろう。見終わったら、休んで
くれていい。感想は明日の朝食の時間にでも聞かせてくれ」

テーブルを前にし、椅子を並べて二人でPCの画面に見入ります。先
ずはビデオの流れをさあーっと見せます。不自然にならない程度に
なるべく早く進めます。Uホテルを最初に見せるのは如何にも不自
然です。3番目に見せます。問題の場面に来ました。

「あっ、今のところ、もう一度見せて下さい」

佐伯はほくそ笑みます。妻は、私と松下さんがホテルの玄関を出入
りする場面に気がついたのです。

「どの部分かな?」
「ほんの少し前のホテルの玄関の部分です」
「何かあったのか?」
「いえ、少し気になる事があるものですから」

佐伯はビデオを後退させます。

「ここです。ここに夫に良く似た人が映っているんです」

妻は私が松下さんとホテルに入る場面と出てくる場面を佐伯に言い
ます。

佐伯は呟きます。

「女性と一緒のようだな。しかし少し確認しづらいな。」

あまり長くは見せたくありません。オリジナルビデオの時間の改竄
は出来ません。長く見させて、妻に本当の時間を知らせたくないの
です。佐伯は妻にわざと小さな画面で見せています。 

「このPCのソフトではこれ以上画面を大きく出来ない。拡大プリン
トしてみよう」

本当はそんな事はありません。見たい部分を幾らでも拡大できま
す。撮影したビデオは業務用です。解像度は高く、拡大しても画面
は鮮明な筈です。PCの知識の無い妻は簡単に信じてしまいます。

これ以上画面を見せたくない佐伯は、PCを別の場所に移し、妻から
は見えないようにプリンターをセットします。以前用意した改竄プ
リントをあたかも今プリントしたように妻の目の前のテーブルに並
べます。2枚で充分です。11:32のものと14:23のもの。

『間違い無いわ。夫と松下さんだわ。11時32分に入って14時23分に
出てきている』

妻は長い間写真を見つめています。3時間の間何をしているのか、
食事にしては長すぎる、打ち合わせをわざわざホテルですることも
ない。妻の考えはある一点に凝縮されるのです。
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CR 10/28(日) 21:53:53 No.20071028215353 削除
翌日、妻は少し昨日買った少し派手目の普通のショーツを身につけ
て出掛けます。 T-バックとバタフライ、同色のブラジャーは鞄に
しのばせてあります。迷った挙句持ってい行く事にしたのです。

妻は9:00の新幹線で新大阪に向かいます。新大阪駅には現地のス
タッフが迎えで待っています。スタッフの方は二人、二人とも女性
で何となく安心します。現場は二つあります。高槻と京都です。 
12:30ピックアップしてもらって車で最初の現場、京都に向かいま
す。最初の現場が京都なら、どうして京都で迎えてくれなっかたの
でしょう、不思議に思います。佐伯の時間稼ぎなのです。妻を日帰
りで返したくないのです。車中、スタッフが説明します。
 
「本当は高槻の方を先にして、京都から帰ってもらいたかったので
すが、先方の都合で変則になりました」

そう言われれば納得するしかありません。

両方の現場とも農地として申し分ありません。肥沃な土地である事
が一目で解ります。契約農家の方と農地管理方針を話し、念の為、
土を瓶に詰めてもらいます。両方の現場には佐伯の姿がありませ
ん。高槻の現場が終わったのが、6時半。急げば7時半の新幹線に間
に合います。 

スタッフの方が話し掛けてきます。

「お疲れになったでしょう。今日はお泊りになられたら? 何れに
しても大阪方面に向かいますので、お考えになっておいて下さい」

今日は立ち仕事、土いじりが多く、疲れもし体中が埃っぽく気持ち
が悪いのです。7時半の電車に乗れたとしても、ローカル線を乗り
継いで帰宅するのは12時を過ぎるでしょう。泊まる事にしました。
スタッフの方が携帯電話でホテルの手配をしています。

「ホテルはOKです。佐伯部長が夕食を一緒にとお待ちになっていま
す。私達もご一緒させて下さい」

彼女達も一緒で安心して夕食を頂くことになります。妻が泊まるホ
テルは佐伯が常宿にしているシティーホテル。佐伯と女性スタッフ
2名がホテルレストランで待っています。チェックインを済ませた
だけでバッグを持ったままレストランに向かいます。

夕食が終わり彼女達が帰った後、食後のコーヒーを飲みながら佐伯
は妻に話しかけます。

「君の目で見てもらって良かった。さすが農学修士さんだ」

必要のないところで妻を持ち上げます。妻の気を引きたいのです。

「ところで、君に見てもらいたいものがある」

あくまで、仕事口調です。

「駅前通りにアンテナショップの建設計画があるのは、君も知って
いるな。建設場所を決めるのに駅前近辺の人の流れを調査した。君
にもそれを見てもらい、意見を聞かせて欲しい」
「私、そんなもの見せ頂いても何も解らないと思います。素人ですし」
「分析意見は専門家から勿論聞く。君は良い農産物を供給する側の
立場でもあるし、主婦として購買側の立場でもある訳だ。貴重な意
見になる筈だ」

佐伯の理論は間違ってはいません。妻は押し切られた形で納得しま
す。

「解りました。申し訳ないですが、なるべく短時間で済ませて下さい」
「勿論そうする。君の意見は直ぐでなくていい。後日聞かせてくれ
ればいい」
「それで、どちらで?」
「僕の部屋には事務室が付属している。そこにPCと資料ファイルが
ある」

妻は事務口調に安心して、佐伯について行きます。
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CR  10/27(土) 16:58:36 No.20071027165836 削除
その日の夜、帰ってきた私を待ち構えていたように、妻は話しかけ
てきます。

「今度の金曜日、大阪に出張なの。すみませんが、良いですか?」
「良いですかって、決まっているんだろう。でも出張は3ヶ月くら
いからって、言ってたんじゃないか?」
「それが大阪センターの方で、こちらサイドでも農地の土壌を見る
目のある人に来て欲しいのですって」
「君が見たくらいで解るのか?」
「それくらい見る目はある積もりです」
「日帰りなのか?」
「なるべく日帰りですむようにしてくれるみたいです。でも無理な
場合は泊まっていいですか?」
「まあ仕方がないか。僕もどうせ金曜日は遅いし。あまり気にせず
に頑張ってくればいい。初出張だしな」

私は気持ち良く了承します。妻の力が認められ嬉しくない訳があり
ません。妻も心持張り切っているようです。

木曜日の退社時間間際になって、妻は一つの事が気になりだしま
す。

『私、ショーツは普通のしか持っていない』

妻の下着は本当に地味です。今時の女子高生でも履かないでしょ
う。妻は有り得ない事、有ってはならない事を考えてしまうので
す。もし万が一、部長とそんな事になってしまったら、今の下着で
は恥ずかしいと思ってしまうのです。何と言う事を考えているの
か、妻は自分の思いを打ち消すのですが、思いはぐるぐる回りま
す。

考えがつかないまま、退社時間になり車を家へと走らせます。途中
にランジェリーショップがあります。

『やっぱり買って行こう。普段履くわ。圭一さんの驚く顔も見たし
し』

自分に言い訳をつくってショップに入ります。セクシーなショーツ
を選ぶのは初めてです。T-バック、紐パン、透けて見えるようなも
の、真ん中に穴があいているもの、とても自分が履けるものではあ
りません。しかし妻は思うのです。こんなの履いて男に見られたら
どう感じるのでしょうと。相手は夫なのか佐伯なのかは別の事で
す。

結局、妻は4枚のショーツを買います。2枚は少し派手目の普通のも
の、1枚はT-バック、そしてもう1枚はデルタ部分が隠れるだけの腰
の部分で紐で結ぶバタフライ。お揃いの色のブラジャーも買うので
す。
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CR 10/27(土) 16:37:02 No.20071027163702 削除
佐伯は若干焦ります。

オマンコの言葉で引いてしまった妻。その後携帯に電話しても妻は
出ません。仕事では無いので会社の電話で叱責するわけにもいきま
せん。更に佐伯に追討ちが掛かります。出張が建設工期の遅れ等で
半月位延びそうなのです。1週間や10日に一度位は本社に業務目的
として帰る事は出来ます。土曜日、日曜日にもそれは出来ます。 
体の関係が出来てからならともかくそんな時に妻を連れ出す事はい
くら何でも出来ません。

これから3週間余りも我慢出来ない。佐伯は思案します。

『宮下は週に2、3回は駅前のホテルで昼飯を取る。女性社員を一人
雇った』

今、本社では本社所在の駅の近くにアンテナショップを創る計画が
あるのに気がつきます。人の流れを掴む為、周辺をビデオ、デジカ
メで長時間撮影しなければなりません。もう撮影は始まっていま
す。

『これは使えるな』

本社に確認すると、ホテルの出入口もその対象になっています。全
ての対象の重点時間は10時から2時までと5時から7時となっていま
す。一週間の連続です。その作業も明日で終わります。佐伯はその
記録を大阪の自分のホテルに送らせる手配をします。誰も疑問に思
いません。大阪の新センターの参考にする、その一言ですむ事で
す。只、ホテルの分だけで良いとはさすがに言えません。

10数本のUSBメモリーが送られてきます。記憶容量は16GB、10数本
で300時間分以上の画面が記録されているでしょう。勿論すべて見
るつもりはありません。ちゃんと仕分けされています。対象別、曜
日別、時間別と。その中から、Uホテルと書かれている平日のもの
を見ます。佐伯は私と一度会っています。妻とホテルで食事してい
る時に、居合わせた佐伯を見つけた妻が紹介したのです。佐伯は月
曜日から順番に見ていきます。簡単に見つけました。火曜日に松下
さんを連れて食事に行ったのです。 

ホテルに入った時のもの、出てきた時のもの、数枚自分のラップト
ップパソコンに移動させてます。

『宮下も女性の顔もはっきり写ってるな。それにしても嬉しそうな
顔をしてるな、この女は。お誂え向きだ。入った時間は11:57、出
た時間は12:38か。随分早いな。まあ良い。時間は何とでもなる』

パソコンの知識がある者なら時間を改竄するくらい訳も無い事で
す。日時の部分を切り取って、新しく訂正したものを背景を合わせ
て貼り付ければいいのです。法定資料にする訳ではありません。知
識の無い妻を騙すくらい簡単なものです。こうして時間は入った時
間11:32、出た時間14:23と書き換えられます。綺麗にプリントし
て、鞄に仕舞います。

しかし、業務に託けて本社に帰ったときに妻に見せるのではどうも
不自然です。妻を大阪に出張させ、それとなく妻に見せる。妻が受
けるかどうか賭けてみる事にしたのです。

本社から電話です。

「宮下さんを出張に行かせる事になりました」
「そうか」
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CR 10/26(金) 17:37:37 No.20071026173737 削除
オマンコと聞いて妻の気持ちは引きます。快感の波が引潮のように
引いて無くなってしまったのです。先日、佐伯と別れた後のバスル
ームでは出来たのです。佐伯の名を呼びながら達したのです。電話
でとは言え、今回は佐伯と繋がっていました。繋がって女陰を触
る、夫への背信の思いを呼び起こしたのでしょうか。背信への思い
が媚薬の効果と快感を凌駕しました。急に疲れに襲われシャワーも
浴びず、着替えただけでベッドで眠ります。帰ってきた夫にも気が

付きません。

「どうした。疲れたか?」
「ええ、少し熱があるみたいで」

夫の掌が額に触ります。冷たい感触がぼーっとした頭にとても気持
ちいいのです。自然と涙が浮かびます。

「涙なんか、流してどうしたんだ」
「嬉しくって」
「飯は食べたのか? お粥でも作ってあげよう」
「はい」

『妻はどうしたんだろう? 正社員になってから少し様子が変わっ
た。疲れが溜まっているだけならいいんだが』

私は物事をあまり深く考えない性質です。仕事でも処理する事、考
える事が多く時間が足りません。深く考えないで旨く物事が運ぶ
ケースの方が多いのですが、勿論失敗した事もあります。表面化し
てから考える私の性格が災いしてしまいます。

『私が愛しているのは夫だけなのに。佐伯の声を聞くと変になってしまう』

妻はこの時から佐伯の電話に出ない決心をします。

翌々週の火曜日の事です。課長に声を掛けられます。

「少し早いが出張に出て欲しい。宮下さんが一番適任なんだ」
「部長からは3ヶ月後くらい経ってからだと聞いていますが。私で
なくては駄目なんですか?」
「農産物関係なんだ。土壌も見て欲しい。大きなプロジェクトだか
ら君のような専門家の目が欲しい。社命だと思って欲しい」

社命とあらば仕方ありません。妻は出張を受けます。

「解りました。何日ですか?」
「今週の金曜日だ。」
「随分急ですね。それで何処へ?」

出張先は大阪です。

「大阪だ。君も知っての通り西日本の拠点になる一大センターを建
設中だ。その核の一つが関西地区の農産物だ」

大阪と聞いて妻は不安にもなるのですが、会社に期待されていると
言う気持ちのほうが上回っています。
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