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北原夏美 四十路 初裏無修正

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鬼畜

[3887] 鬼畜 投稿者:鈍 投稿日:2006/01/06(Fri) 08:08

酒を飲みながら、昨年の正月を思い出していました。
一人で過ごした侘しい正月を。

私は結婚して妻の家に入りました。
それは妻が高校3年生の夏に父親が急死して母子家庭だった為に、妻の母と妹の経済
面を考えての事です。
名字こそ変えなかっただけで実質婿養子の様な形ですが、妹も妻とよく似ていて可愛
く、母も妻を21歳で産んでいた為に若く綺麗で、父親と兄2人の男所帯だった私に
は、居心地の良い生活でした。
その後2人の子供にも恵まれ、妻は子育てとパートで忙しいながらも、明るく元気一
杯の生活を送っていたのですが、下の子供が幼稚園の年長になった時、出張から帰る
と妻は暗く元気が有りません。
「何か有ったのか?」
「あなたには妹の結婚費用まで助けてもらったし、あなたに私の家族を背負わせて来
て言い辛いのですけど・・・・・来年・・・・大学を受験してみたい」
一瞬驚きましたが、妻には父親の死により妹の事も考えて進学を断念して、家計を助
ける為に私の勤めている会社に就職したという経緯があります。
「裕子も子育てやパートで頑張って来たから俺は構わないが、お母さんは何と言って
いる?今まで以上に子供達の事で世話を掻けるだろうから、俺よりも先ずはお母さん
の許可を得なければ」
「実は、お母さんには既に了解を得ているの」
「それなら俺は賛成だ。行けよ。そうは言っても試験に合格したらの話だが」
「本当にいいの?あなた、ありがとう。小学校の教師なるのが子供の頃からの夢だっ
た。でもお父さんが死んだ時に諦めたはずだった。パートは辞めてしまうけど、大学
を卒業したら、例え教師は無理でも熟の講師でも何でもして返すから」
私には趣味だと言って暇を見付けては勉強を続けていたのは、夢を捨て切れなかった
のでしょう。
この日から猛勉強が始まり、翌年妻は見事32歳の女子大生になったのです。
高校の時には勉強ばかりしていたらしく、私と付き合うまで遊びを殆ど知らず、化粧
や服装も地味だったのですが、それは女子大生になっても変わらず、ただでさえ一般
の学生よりも歳が一回り違う妻が、浮いた存在に成っていないか心配でした。
「友達は出来ないか?たまには一緒にお茶を飲むとか、食事をしてくるとか、多少の
付き合いはしたらどうだ?それに、もう少し流行の服を着た方が良くないか。その位
の余裕は有るだろ?」
「友達と言うか、仲間みたいな子達は何人も出来たけど、そんな贅沢はできないわ。
あなたやお母さんにも、これ以上迷惑を掛けたくないし」
この時は、逆の心配をする事になるとは考えもしませんでした。
それと言うのも、2年生の夏を過ぎた辺りから、妻の容姿がどんどん変わって行って
しまったのです。
髪を長く伸ばして明るい色に染め、化粧も派手に成った為に見た目5、6歳は若くな
りました。
服装も若い娘が着ている様な物に変わり、その上、付き合いだと言って帰りが遅くな
る事も度々で、子供を母に任せて休日に出掛ける事もありましたが、若い時に苦労さ
せた負い目が有るのか、母は何も言いません。
私も、ただでさえ7歳も若い妻が更に若くなり、可愛くて仕方が有りませんでした。
しかし3年生になると更に派手になっていき、身体のラインを強調した服や、今にも
パンティーが見えそうなミニスカートまで穿きだしたので、流石に放ってはおけません。
「おい、34歳でそのスカートは短過ぎないか?それにその胸の大きさを強調した服
は何だ?裕子は2人の子供の母親なのだぞ」
「そう?ミニスカートなんて、今は40代の奥さんだって穿いているわよ」
「それにしても短過ぎるだろ。それでは少し屈んだだけで見えてしまうぞ。裕子は変
わったな。化粧だって、まるでキャバクラのお姉ちゃんみたいだし」
「似合っていると思うけどなー。それよりも、キャバクラに詳しそうだけれど、行っ
た事が有るの?」
妻は今になって青春を謳歌している様でした。
その後も妻はゼミのコンパなどを理由に、帰宅が遅くなる事が増えて行きます。
そんなある日、飲み会で遅くなって終電に乗り遅れた私がタクシーで帰る途中、我が
家から300メートルほど離れた所に止まっていた、白いスポーツカーから妻が降り
てくるのを目にしました。
「ごめんなさい。教授も交えてゼミの仲間と食事をしていて、話が盛り上がってしま
って、すっかり帰りが遅くなってしまいました」
「そうか。それで、どうやって帰って来た」
「終電に乗り遅れたので、タクシーで帰って来ました。贅沢をしてすみません」
妻が平然と嘘を吐いた事が私にはショックでした。
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[1490] 妻は専務のおもちゃだった6 投稿者:道騎士 投稿日:2004/10/01(Fri) 13:20

次のテープに映し出されたマンションの一室は
見覚えのある我が家のリビングでした。

妻が言っていた、盗撮カメラの映像なのでしょう、
天井から室内を写しており、画質もよくありませんでした。
リビングに面した食器棚の一番上に仕掛けてあるそうです。
私はカメラには、まったく気づきませんでした。
自宅に盗聴カメラがあるなど、考えもしませんでした。

テープには、テーブルを囲んで和やかに酒を酌み交わす
私たち夫婦と専務の3人が映っていました。
日付は今から半年ほど前のものでした。

私たち夫婦の仲人だった専務は、
時折差し入れをもって我が家に遊びに来ていました。
私は酒豪の専務に、いつも酔い潰されていました。
画面に映る私は、すでに泥酔しているように見えました。
そしてぱたんと机につっぷすと、いびきをかき始めました。

妻が私に寄り添うようにして、あなた、あなたと
呼びかけているのが見えました。
しかし私はぴくりとも答えず、ぐうぐう寝ていました。

妻は私の体をソファに横たえると、
クッションを枕に、私にそっとタオルケットをかけました。

私の隣に座っていた妻は、私に睡眠薬を飲ませていたことや
実は専務はほとんど酒を飲んでおらず、
途中から水を飲んでいたことなどを告白しました。
すべて専務の命令だったそうです。

専務はにやりと笑い、私が寝ているソファと
小さなテーブルを隔てた反対側にある、
ソファにどっかと腰を下ろしました。

そしていきり立った肉棒を、寝ているとはいえ
私の目の前で妻にしゃぶらせ始めたのです。

妻はやはり気になるのか、
時折私のほうをちらちらと振り返りながら
専務に奉仕を続けていました。

専務は、夫の目の前で人妻を寝取るスリルがたまらんとか
勝手なことを言いながら、妻に服を着せたまま、
シックスナインの格好をしたりして妻を弄びました。

しばらくしゃぶらせた後、専務は妻を後ろから
貫き始めました。
専務は妻とつながったまま、妻をひょいと抱きかかえて
寝ている私のすぐ側にまできました。
そして妻の顔が私の寝顔のすぐ近くになるようにして、
セックスを続けたのです。

ちょうどカメラからは反対側になり
画面からは妻の顔は見えなくなりましたが、
妻は声を抑えて泣いているようでした。

そんな妻の姿を見て専務は更に興奮したのか、
言葉で妻を責めました。
専務は妻を犯しながら、
半年も一緒に暮らせば少しは情が移るだろとか、
旦那もお前の本性しったら卒倒するなとか
自分勝手なことを言っていました。

妻は必死で耐えているようでしたが、
次第に腰の動きが激しくなってきました。

専務は私の隣で、じゅうたんの上に寝転ぶと、
妻を騎乗位にして、ラストスパートをかけました。
専務がううっと呻いて腰を突き上げるのと同時に
妻も唇をかみ締めながら、体を何度も激しく震わせました。

そのとき、ソファに寝ていた私がうーんと呻いて
うすぼんやりと目を開けました。
そして寝ぼけ眼で、専務はもう帰った?とか言いました。
妻が驚いた様子で帰ったわよと答えると、私は
むにゃむにゃいいながら、また寝息を立て始めました。

もし私が少し起き上がっていたら、
大変な事態になっていたかもしれません。

そんな私を見ながら専務は、
いつか本当に旦那が起きている目の前でやりたいとか
平然とした顔で言っていました。

妻は泣きながら、
それだけは勘弁してくださいと言っていましたが、
専務はニヤニヤ笑うだけで返事をしませんでした。

妻は専務が帰った後、ソファで間抜けにいびきを立てる
私にぴったりと寄り添って、
泣きながら何度も何度も謝っていました。

ビデオを見終わると
妻は泣きはらした目で私を見ていました。
そして、このころから私への愛情をはっきりと
感じるようになったといいました。
それ故に、専務たちに抱かれるのが
以前にもまして苦痛になったとも。
妻が言うには、専務が家に遊びに来たときは
必ず同じようにして、妻を抱いていたそうです。

ひょっとしたら専務はそこまで計算して、
私を妻にあてがったのかもしれない、
私はそんな疑念に駆られるようになりました。

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[1476] 妻は専務のおもちゃだった5 投稿者:道騎士 投稿日:2004/09/28(Tue) 09:47

妻は専務だけでなく、
専務の知り合いで作るグループの男たちに
集団で弄ばれ、抱かれていたそうです。

数え切れないほどのビデオや写真も撮られたといいました。
驚くべきことに、
私たちのマンションにも盗聴器やビデオが
仕掛けてあるのだそうです。
だからわざわざ旅先に出て告白したのだと
辛そうに言いました。

私は妻に、ビデオは持っているのかと尋ねました。
驚いたことに、専務お気に入りの数本のビデオは常に
持ち歩くようにと言われていると答えました。

今も持っているのかというと、
妻は苦しげにこくんとうなずきました。
ビデオを見たいというと、
妻はお願いだから見ないでと懇願しました。

私は強い口調で、いまさら何が映っていようと
お前への愛情は変わらないよと言いました。
妻はためらいながらも荷物の中から
数本のデジタルビデオテープを取り出して手渡しました。

私は旅先での楽しい様子を録画するために持ってきた
デジカムにテープをセットし、
部屋に備え付けのテレビに接続しました。
まさかこんなことにデジカムを使おうとは
思ってもいませんでした。

最初のビデオには、どこかのホテルのような部屋で
専務をはじめ4人の中年男に責められる妻が映っていました。
日付は2年ちょっと前、結婚の1年前でした。
後ろ手に縛られ、縄で乳房をくびられた妻を、
4人がかりで攻め立てていました。
四つんばいになった妻を後ろから貫いているのは、
大手取引先の役員でした。
涙を流す妻にむりやり肉棒をくわえさせているのは
うちの会社のメインバンクの担当常務、
そして執拗に妻の乳房をもてあそんでいるのは
専務の派閥のNO2で私の直属の上司でした。

私は愕然としながら画面を見ていました。
妻は私の隣で画面を見ようともせずに
ごめんなさい、ごめんなさいと繰り返していました。

私はそっと妻を抱きしめましたが、目は画面から
離すことが出来ませんでした。
画面の中の妻は何度も、もう許してください、と
言っていましたが、逆に男たちの攻めは強まるばかりで
妻は涙を流して絶叫しながら
何度も絶頂に追い立てられていました。

2本目のビデオは、見覚えのある結婚式場でした。
そして画面に映し出されたのは
ウエディングドレス姿の妻でした。
私たちの記念すべき、結婚式の日のビデオでした。

改めてみても、花嫁姿の妻は美しいとか
そういうレベルを超越しているように光り輝いていました。

式が始まる前の控え室のようで、
専務が入り口に鍵をかけました。

ビデオを撮っているのは、直属の上司のようで
声がはっきり入っていました。

専務は妻のドレスをたくし上げると、
純白のパンティをぐいと引き下げました。
そして妻のあそこを、指で愛撫し始めたのです。
なんだ、もう濡れているじゃないか、
専務が妻を揶揄する、楽しそうな声が入っていました。

そして専務は妻に壁に手をつかせると
悠々と後ろから妻を貫き始めたのです。

私は再び愕然としました。
式には当然、妻の両親や親族もたくさん来ていました。
その場所で花嫁姿の妻を辱めていたのです。
妻はさすがに苦悶の表情を浮かべて泣きながら、
専務を受け入れていました。
専務も興奮していたのでしょうか、
あっという間に妻の中に放出したようでした。

そしてカメラを撮っていた上司と交代しました。
上司はきれいな化粧をした妻に、口で奉仕させました。
そして最後は専務と同じように、後ろから妻を責め
当然のように妻の中に放出しました。
妻は苦悶と愉悦の入り混じった表情で、荒い息を吐きながら
上司の放出を受け止めているようでした。

専務は、2人分の欲望を飲み込んだ妻のあそこに、
ピンク色のローターを押し込んでから
ぴっちりした皮のパンティをはかせました。
専務が手にしたリモコンを操作するたびに
妻の体がビクッビクッと震えていました。

私自身、幸福の絶頂にあった記念の結婚式は、
専務たちにとっては、歪んだ欲望を妻に吐き出すための
格好の舞台に過ぎなかったことが明らかになりました。

画面はやがて華やかな披露宴に移りました。
どうやらビデオをまわしているのは上司のようです。
式の進行に合わせて
弱だ、強だとささやくように入っている上司の声は
妻に仕込んだローターの
リモコン操作を示しているようでした。
華やかな披露宴の中で、妻は一人、
押し寄せる官能の波に弄ばれていたのです。

ウェディングケーキの入刀の場面では
入場の瞬間に弱のスイッチが入れられました。
そして、入刀です、の合図とともに強!という
上司の声が入っていました。
画面に捉えられた妻の表情は明らかに強張っていました。
隣にいる私は舞い上がっていて、
そんな妻の様子にまったく気づいていませんでした。

ふわっとしたドレスのスカートに包まれた中の様子は
画面からは分かりませんが、
小刻みに妻の身体がゆれているのは見えました。
祝福を受けて、必死で笑顔を返そうとする妻が、
とても哀れに見えました。

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[1475] 妻は専務のおもちゃだった4 投稿者:道騎士 投稿日:2004/09/28(Tue) 08:19

私との結婚も専務の命令だったと告白しました。
他人の妻になった女を弄びたいという、
ただそれだけの理由で。
妻も、最初は嫌々ながら結婚したといいました。
私に対しても、騙して申し訳ないという気持ちはあったが
愛情はなかったと正直に告白しました。

妻は結婚後も専務に度々呼び出され、弄ばれたそうです。
私たち夫婦に子どもが出来なかったのも理由がありました。
妻は結婚前から避妊リングを入れていたのです。
もちろん専務の命令で。
そしてつい一週間ほど前、
専務から自分の子どもを産めと言われて
避妊リングを外されたそうです。

そこまで言うと妻は大声で泣きじゃくりました。
私は頭が真っ白になって力なく妻を見ていました。

妻は泣きながら、もう私を騙すのは嫌だといいました。
私と暮らすうちに、本当に私が好きになったそうです。
男性から物のような扱いしか受けてこなかった妻にとって
私との生活は物凄く楽しかった、
そして専務から弄ばれるのがより一層苦痛になったと
切々と語りました。

妻は、自分にそんな資格はないけど
心から私を愛していると繰り返しました。
血を吐くような妻の告白に、私は打ちのめされました。

妻は、私への愛情が深まるにつれて、
私への裏切りを重ねる自分自身が許せなくなって、
何度も逃亡や自殺を考えたそうです。

妻はそこまで語り終えると、肩を落として
身勝手な私を軽蔑するでしょと、ぽつりと言いました。
私は大きくうなずきました。
妻はゆっくりと目を伏せると、
その場に突っ伏して激しく泣き崩れました。

私はそんな妻を優しく抱きかかえると
有無を言わせずキスしました。
妻は驚いて私を見上げましたが、激しく応じてきました。

私は妻にはっきりと言いました。
お前は私の妻じゃないか、私はお前を愛しているよ、と。
そして過去は過去として捉え、将来のことを考えようと。

妻は涙でぐちゃぐちゃになった顔に
信じられないといった表情を浮かべた後、
ぼろぼろと涙をこぼしながら、
何度も愛しているといいました。

私はそんな妻の告白を聞かされて衝撃を受けましたが、
私自身が妻にベタ惚れしていたので、
妻が正直に全てを話してくれたことの方が
私にはうれしかったのです。

私は妻への愛情を示そうと、
その場で妻を抱くことにしました。
愛のあるセックスで妻を包もうと思ったのです。
そうでもしないと、目の前の妻がいなくなってしまう、
そんな不安に駆られていました。

妻は、私が服に手をかけるとビクッと身を硬くしましたが
優しくキスすると全身の力を抜いて私に身を委ねました。
妻は私を裏切っていたことへの後ろめたさと、
秘密を告白して私に嫌われてしまうことへの不安が
ない交ぜになっていたのでしょうか、
全身で懸命に私に奉仕してくれました。

普段は私が先に達してばかりでしたが、
このときばかりは私も専務の影を吹き払おうと
懸命になって頑張りました。

その結果、私が終えるまでに妻は何度も
絶頂に達してしまいました。

私はぐったりする妻に、
全ての秘密を話しなさいと言いました。
何を聞かされても驚かないと思ったからです。

妻は私に抱かれながら
専務から受けた数々の辱めを
ぽつりぽつりと話し始めました。
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[1473] 妻は専務のおもちゃだった3 投稿者:道騎士 投稿日:2004/09/28(Tue) 01:20

温泉にでも行きたいという妻の願いを受けて
居間と寝室、そして専用の総檜の露天風呂つきという
ちょっと贅沢なコテージを奮発し、
1泊2日の温泉旅行に行きました。

書き忘れていましたが、妻は4歳年下で現在24歳。
すこしばかり中年太りの傾向が出てきた私と違い
妻のスラリとしたプロポーションは完璧なままです。

夕食後に私がウイスキーをちびりちびりやっていると
妻が思いつめたような顔で、私の隣に腰を下ろしました。
そして何か喋ろうとしたまま、言葉に詰まって
その場で嗚咽を漏らし始めたのです。

私はただならぬ妻の雰囲気に驚き、
とりあえずグラスを置いて妻をしっかりと抱きしめました。
妻はしばらくして、絞り出すような声で
ごめんなさい、ごめんなさいと何度も繰り返しました。

そして妻は意を決したように
ぽつり、ぽつりと話はじめました。
それは私の予想だにしなかった、驚くべき内容でした。

妻は専務の愛人、いや性奴隷だと告白しました。
女子短大に入学するために田舎を出てきた直後に
世話をしてくれるはずの専務に
強引に処女を奪われたそうです。
それからは、
暴力とセックスで専務に服従させられたと妻は語りました。
変態的な専務の欲望を満たすためだけに、
妻は風俗嬢もやらないような
あらゆる性のテクニックを仕込まれたそうです。
電車の中での痴漢プレイやSMも日常茶飯事で
少しでも逆らうと容赦ない暴力で従わされ、
罰と称して怪しげな媚薬でよがり狂わせられたそうです。

私は呆然とするあまり、
妻の告白をただ聞くだけしか出来ませんでした。
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[1472] 妻は専務のおもちゃだった2 投稿者:道騎士 投稿日:2004/09/28(Tue) 00:51

専務の紹介で初めて妻と会ったときは、
緊張でろくに会話も出来ませんでした。
専務が言うには奥手で男性に免疫がないという話でしたが、
なんでこんないい女がと、不思議に思いました。

妻は女優の奥貫薫さんによく似た、笑顔が可愛い美人で
スレンダーながらメリハリの利いた体型をしています。
そして、細やかな心遣いのできる心優しい女性でした。

何度かデートを重ねるうちに、私はすっかり
妻の虜になってしまいました。
彼女の笑顔が見られるなら何でもするぐらいの勢いでした。

私は一世一代の勇気を振り絞ってプロポーズしました。
妻は少し恥ずかしそうにOKしてくれ、
私たちは出会って半年で結婚することになりました。

仲人は専務が買ってでてくれました。
結婚式の時は、私は幸せの頂点にいました。
男性の同僚からは、徹底的に羨ましがられ、
幸せものめ~と噴水に投げ込まれたほどです。

結婚と同時に妻は退職し、主婦生活に入りました。
妻は積極的に私の世話をし、私も妻を大切にしました。
結婚から一年、子供にこそ恵まれませんでしたが
幸せを絵に描いたような新婚生活でした。
仲人の専務もちょくちょく我が家に遊びに来てくれました。
酒豪の専務と飲むと、私がいつも先に潰れてしまうのですが
珍しい酒を持ってきてくれるので楽しみにしていました。

のろけですが、私は夜の営みは妻に負けっぱなしでした。
妻のあそこは信じられないほどの名器なのです。
元来遅漏ぎみの私ですが、妻を相手にすると
まるで童貞の中学生のようにいってしまうのです。
それでも妻は、
「あなたが満足してくれるのなら、私はそれで満足よ」
といってくれます。
私にしっかり寄り添って眠る妻の幸せそうな
寝顔を見るのが、私の何よりの活力剤でした。

正直言うと、私は羞恥攻めとかもしてみたいのですが
聖女のような妻を見ているととても出来ません。

結婚から1年余りがすぎた先日、
珍しく妻が旅行に行こうと言い出しました。

そして旅行先で、
妻からとんでもない告白を聞かされることになったのです
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[1471] 妻は専務のおもちゃだった1 投稿者:道騎士 投稿日:2004/09/28(Tue) 00:00

結婚して1年余りが過ぎました。
私は、妻の抱えていた秘密の凄さにうちのめされています。
過去への決別と今後の参考になればと、書き込みます。

私は28歳、自分で言うのもなんですが、
とある会社に勤務する平凡なサラリーマンです。
私の会社は半導体関連製品を扱っていることもあって
業績はそこそこ伸びていますが、不況の波にあって
営業の私はいつリストラされるかビクビクしています。

とにかく上司の機嫌を損ねないよう、波風を立てずに
ノルマを淡々とこなす毎日です。
私は見かけも平凡で、無害を地で行くような所があります。
扱いやすい部下と見られたのか、営業出身の専務の派閥に
入ることになりました。といっても下っ端で会合の
セッティングなんかが主な仕事で
リストラに対する保険をかけたつもりでした。

ある日、派閥のボスである専務から声がかかりました。
専務は私に一枚の写真を渡し、
この女と見合いをする気はないかといいました。

その写真には、社内でも評判の
秘書課の美人秘書が写っていました。
私は専務の話をうわの空で聞きながら、はいといいました。
なんでも専務と同郷で、実家が近所にあり
学生時代から面倒を見ていたそうです。
自分の娘のようなものだと専務は言いました。

それが、今の妻との出会いでした。

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[2466] 背信 <第二部 終> 投稿者:流石川 投稿日:2005/12/12(Mon) 09:03

 誰の子かなど、わかるはずもなかった。
 この数ヶ月、延べにして一体何人の男たちに抱かれ、どれほどの量の精を子宮に浴びせられてきたことか。確率からすれば川村が最も高いが、夫・亮輔の子である可能性も否定できない。彼の友人たちの誰かかもしれない。
(父親のわからない子を身ごもるなんて……)
 いつか亮輔の子を宿し、周囲の祝福を受けて産むはずだった。それが……。
(……なぜ……こんなことになってしまったの……)

 沈痛な心を引きずるようにして産院を出た由紀は、行き場をなくした自分に気づいて慄然とした。加奈子という新しい女を見つけた川村のもとへはもう行けない。一方、亮輔が麻美と暮らしていると思い込んでいる由紀には、かつての自宅も遠い世界に思えた。
(……どうしたらいいの……わたし……)
 収入が途絶えたとはいえ、新しい住まいを借りてしばらく暮らせる程度の蓄えはあった。颯爽と仕事をこなし、常に溌剌としていた以前の由紀であれば、何ほどのこともなかったろう。
(……こわい……)
 だが、身も心も男に隷属し、依存する生活にすっかり飼い慣らされてしまった由紀は、たとえようのない不安に心の底からおののいた。

 数時間後、由紀の姿は田崎のマンションにあった。帰宅した田崎に向けた媚びるような笑顔。もうプライドなど一片も残ってはいなかった。
「……お願いですから……わたしを……由紀をおそばに置いてください……」
 異常な凌辱を通じて、いよいよ由紀の肉体に魅了され始めていた田崎に否応のあるはずがない。これまで、どれほど自分たちに弄ばれようと、決して泊まることのなかった由紀。もはや、その背後に男の影があるのは明白だ。
(その男のおかげで、俺たちはこの美しい女を抱けるのだからな。贅沢はいうまい)
 と割り切るように努めてきた。
(だけど本音をいえば、いつも傍に置き、好きなときに好きなだけ嬲りたい)
 増長の一途を辿る欲望。その矢先、獲物が向こうから転がり込んできたのである。
(その男とどうなったかは知らないが、これから由紀は俺だけの女だ)
 風呂で身を清め、完璧な化粧をした由紀を全裸で跪かせた。
「今から由紀は、田崎様の奴隷です。この身体で心を込めてご奉仕させていただきますので、どうかいつまでも逞しいもので由紀を可愛がってくださいませ」
 命じられたとおりではあったが、三つ指をついて誓いの言葉を口にするうち、由紀の眼には妖しい輝きが灯るのだった。

 それから先のセックスは格別だった。
 情を通じてからもあくまで受身だった由紀が奔放に身体を開き、田崎を求めてのたうつ。自身の悦楽を追うだけでなく、絶えず男の心を配慮した動き。半年前まで貞淑な人妻だったとは思えぬ卓越した性技の数々。
(凄い! 凄すぎるぜ! よほど前の男の仕込みがよかったらしいな)
 一方、仕えるべき新しい主人を得た由紀は、自身でも気づかないうちに田崎の歓心を得そうな言葉を口走っていた。
「ああ……素敵!……こんなに気持いいの……初めて!」
「最初にお会いしたときから……ずっと好きでした……由紀、うれしい……」
「もっと由紀のおま×こを愉しんでください……もっと!」
 明日のことは明日になってから考えればいい。尽くす相手がそこにいて、すべてを忘れさせてくれる官能の嵐に身を委ねてさえいられれば生きていける。
 東の空が白々と明ける頃。満足げに仰向けとなった田崎の全身を舌と唇で念入りに後始末すると、由紀はすらりと伸びた脚を控えめに絡め、慈しむように男の逸物に指を添えて、安堵の眠りに落ちるのだった。
 追従し、迎合することが骨の髄まで染みついた、牝奴隷の哀しい性だった。

<背信 完>
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[2465] 背信 <第二部 8> 投稿者:流石川 投稿日:2005/12/12(Mon) 00:44

 午前二時。由紀は川村のマンションの前でタクシーを降りた。
(……もう……こんな時間……)
 足元がおぼつかないのは、それだけ酷な仕打ちを受けてきた証だ。

 友人の若妻を輪姦する興奮にすっかり味を占めた田崎たちは、このところ常に五人揃った場所に由紀を呼び出すようになった。
(男のひとって、どうしてだんだん普通のセックスじゃ満足できなくなるの?)
 今夜は目隠しをされ、順番に挿入される肉棒が誰のものかを当てるゲームをさせられた。
「……うっ……か……加藤さんなの?」
「ブッブー、はずれ。正解は私・米倉でした」
「……ああ……無理よ……わからないわ」
 ただでさえ、性感が極度に研ぎ澄まされているところに、幾度か抽送が繰り返され波が高まったあたりで抜かれてしまうのだから、たまったものではない。
「……もうダメ!……本当におかしくなっちゃう……イカせてください!」
 オルガスムスを求め、もだえ苦しむ由紀。
「だからさ、見事ピンポンしたら思いっきり気をやらせてやるって」
 もう恥じらいも外聞もなかった。膣内に神経を集中し、大きさや形状から挿入されるペニスの持ち主を推定しようと半狂乱となる由紀。
 絶頂への渇望だけが彼女を支配していた。

 女の部分に疼痛がある。出血しているようだ。朦朧とした意識を奮い立たせ、やっとの思いで鍵を取り出す。
(……今夜だけは……川村さんに勘弁してもらおう……)
 そう考えながらリビングに足を踏み入れた由紀は、そのまま凍りついた。
「あんっ、あんっ、いいっ!」
 見知らぬ若い女が川村に跨り、ショートヘアーを振り乱して腰を躍らせている。由紀の腕からハンドバッグがすべり落ちた。
「……どういうこと?……」
 呆けたようなつぶやきに、二人の動きが止まる。女が振り返った。小ぶりながら硬く引き締まった乳房。二十二、三歳といったところだろうか。若く、勝気そうな顔立ちに、快楽を中断された苛立ちが満ちている。
「誰よ、この女?」
 憎悪を込めた眼で睨んでくる。
「ああ、昔の女さ」
 女の背中越しに川村が告げる。悪びれた様子はまるでない。
「……昔の……女……?」
 頭が言葉を拒否している。
「……もう……終わったっていうの?……わたしとは……」
「しつこいんだよ、おばさん。彼がそう言ってんだろ!」
 女の罵声が心に突き刺さる。
「わたし……こんなに尽くして……何もかも捨てて……なのに……」
 にじんだ視界に、かろうじて川村をとらえた。
「ふふふ、なんたって女は若いのに限るぜ」

 眩暈がした。身体がガタガタと震え出す。
「あの女、根っからの変態なんだぜ。今日だって何人もの男を咥え込んできたところさ」
「えーっ、信じられなーい。あたしは惚れたら一途、あんただけだからね」
「俺もさ。もう加奈子だけを熱烈に愛しちゃうぜ」
 何かいわなくては……。口を開こうとしたとき、熱いものが胃からせり上がってきた。バスルームに駆け込むや、由紀は激しく嘔吐した。吐くものがなくなってからも、えづき続けた。脳裏に閃光が走る。
(……まさか……)
 そういえば、生理が遅れていた。あまりにも異常な性生活の影響だと思っていたが、そうでなかったとしたら……。

 翌日、産婦人科の中年医師はたっぷりと贅肉の付いた顔を綻ばせて告げた。
「おめでとうございます。三ヶ月ですね」
 由紀は妊娠した。
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[2462] 背信 <第二部 7> 投稿者:流石川 投稿日:2005/12/11(Sun) 13:17

 精も根も尽き果てて戻れば、今度は川村の相手をしなければならない。
「今日はどんなスケベなことされてきたんだ?」
「どいつの魔羅が一番だったんだよ?」
「おまえも気分出してイキまくったんだろう?」
 辛辣な言葉で心を踏みにじられ、男たち以上の精力で肉体を蹂躙される。
「……もう苛めないで……由紀はあなたの女だって知ってるくせに……」
 消え入りそうな声で哀願する。
「俺の女だからこそ、どこまでも淫乱でなきゃいけねえんだよ」
「……でも……つらいわ……」
 黒目がちの整った瞳から、涙がこぼれる。
 女としての誇りも、人としての尊厳も捨て、コールガールのように身体を開き、奉仕に努める毎日。みずからが招いた結果とはいえ、亮輔と慎ましく穏やかに暮らしていた頃とのあまりの格差に、由紀の表情は暗鬱に沈むのだった。

「知ってるか? あの由紀ちゃんがさ、編集者の川村と付き合ってるんだって」
「えっ! だって彼女、結婚してたはずじゃ……」
「だよなあ。今じゃもう家には帰らずに、男のところに入り浸ってるらしい。あっちの相性がよっぽどいいんだろうって話さ」
「ショックだなあ。俺、彼女のファンだったのに……」
「あんなに清楚な顔してても、やっぱ女だったってことさ」
「くそっ。だったら俺も口説いてみるんだったなあ」
「無理無理、おまえの粗チンじゃあ。『旦那のほうがずっといいわ。さよなら』でおしまいさ」
「ふん、悪かったな。でもそんな話を聞いちゃうと、もう由紀ちゃんの顔、まともに見られないな」
 噂はいつの間にか業界に広まり、仕事はバッタリとこなくなった。もっとも、仮に依頼があったとしても、今の由紀にはとても請ける余地などなかっただろう。

 昼は夫の友人たちの相手をさせられ、夜は川村に奉仕する。一日の大半、秘園に誰かしらの勃起がねじ込まれているという淫猥な二重生活。体重はさらに落ち、その肢体は極限まで無駄を削がれていく。それでいて肌はますます艶かしく輝き、凄絶な美貌が見る者を圧倒するほどである。
 由紀は、もはや一匹の美しき淫獣だった。
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[2461] 背信 <第二部 6> 投稿者:流石川 投稿日:2005/12/11(Sun) 13:17

 亮輔の友人である五人の男たちによる由紀への凌辱は、依然として続いていた。横の連絡を通じて互いが由紀を共有していることを知った彼らは、さすがに彼女の行動に不可解なものを感じ始めた。
「一体、何があったんだ?」
「それとなく亮輔に様子を聞こうとしてるんだけど、電話には誰も出ないし、メールしても返信がない。会社も無断欠勤を続けているらしいぞ」
「もう二人は一緒に暮らしてないってことか」
「仮に亮輔とうまくいってないにしろ、だからってあの由紀ちゃんが俺たちを次々に誘ってくるなんて、やっぱりおかしいよな」
「一度、亮輔の家に行ってみたほうがよくはないか?」
「よせよせ。せっかくあれだけの女を好きなようにできるチャンスなんだ。知らぬ顔を決め込んで、もう少し愉しんでからでもいいだろう」
 共犯者の視線を交わし合い、好色の笑みを浮かべるのだった。

 今宵は忘年会という名目でマンションの一室に呼び出し、五人で代わる代わる由紀を犯している最中だ。
「亮輔に紹介されたとき、とびきりの別嬪なんで頭にきたもんだ。いいお友達を演じながらも、いつか一度お願いしたいと思ってた。それが現実になるとはな」
 股間で頭を上下させる由紀の髪を撫でながら、くわえ煙草の田崎がしたたかに笑う。
「まったくだ。所詮は叶わぬ高嶺の花と眺めてるのはつらかったけど、公衆便所にするには最高の女だからな。俺たちにとっちゃ願ってもない展開だぜ」
 由紀の下になって媚肉の感触を愉しみながら、揺れ動く乳房の間から笑いを見せるのは、同じく亮輔と学生時代からの友人である米倉だ。
「私なんて、憧れの若妻を犯してるってだけでザーメン三割増ですよ。あー、気持いい」
 亮輔が最初に勤めていた電器メーカーの後輩である加藤は、双臀を抱え込んでアヌスを貫いている。

 三人を同時に受け入れながら、由紀は絶息せんばかりである。
(……お願い……早く……満足して……)
 残る二名は、嵐にたゆたう小舟のように翻弄される桜色に染まった女体を肴に酒を呑みながら、何度目かとなる回復を待っている。
「なあ。これだけたっぷりと注ぎ込んだら、妊娠しちゃうんじゃないか?」
「よおし。誰の子種を宿すか賭けようじゃないか。はははは」
 かつて夫の友として、由紀に優しく接してくれた男たちは、もうどこにもいなかった。
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[2458] 背信 <第二部 5> 投稿者:流石川 投稿日:2005/12/10(Sat) 21:46

 麻美に教えられるセックスは、あまりに甘美だった。由紀を失った空隙を埋めようとする防衛本能も手伝い、怒涛のごとく押し寄せる官能に亮輔はどっぷりと浸かり、溺れた。
「由紀さんのことは、もう忘れなさい。わたしがずっと傍にいてあげる。いつだって最高に気持ちよくさせてあげるから」
 恍惚とした余韻の中で、熱い吐息と共に囁かれると、
(それもいいかもしれない。由紀はもう行ってしまったのだから……)
 錯乱の中に、運命を受け入れようとする動きが生まれてくるのだった。
 そんな心を見透かしたように、彼女は突然こなくなった。茫然自失の亮輔。しかしながら、麻美という名の他、住所も電話番号も知らされてはいない。探し出す術がなかった。
(麻美、頼む! 何もかも忘れられるあの世界へ、もう一度俺を連れてってくれ!)
 味を覚えてしまった禁断の果実を不意に奪われた凄まじい飢餓感に、亮輔はのたうちまわった。

 匿名の荷物が届いたのは、そんなときである。開封した亮輔は思わず息を呑んだ。
「……由紀!……」
 懐かしい妻の姿がそこにあった。写真の中の由紀はカメラに向かって脚を大きく広げ、全裸のまま後ろ手に縛られている。顔が見えない男の手で、背後から豊満な乳房を揉みしだかれ、乳首を尖らせているのだ。
 ぱっくりと開いた媚肉は、黒々とした巨大な肉塊に下から貫かれていた。それだけではない。その下に見える可憐な肛門には、グロテスクな浣腸器が突き刺さっている。見るも無残な凌辱の図であった。
 だが、由紀がそれを嫌がっていないことは明らかだ。油を塗ったようにぬらぬらと妖しく光る肌。太股までぐっしょりと濡らしてなお溢れ出ている秘蜜。うっすらと白眼を剥き、半開きになった肉感的な唇は悦びにうち震え、よだれすら垂らしている。あえやかな歓喜の声が今にも聞こえてきそうである。
 たとえようもなく淫乱な姿でありながら、写真の中の由紀はかつてないほど美しかった。
「……なんて……きれいなんだ……」
 その他にも、数多くの写真が同封されていた。忘我の表情でフェラチオに勤しむ由紀。さまざまな体位で、深々と貫かれている由紀。つい半年前まで自分だけのものだった乳房が、唇が、性器が徹底的に歪められ、蹂躙されていた。

「あ……麻美じゃないか!」
 もうひとつの束は、麻美のものだった。全裸にハイヒール姿でガラスに手を突き、背後から荒々しく犯されている麻美。切り裂かれたレースクィーンの衣装で股間から白濁をしたたらせている麻美。整った眉根を寄せて汗にまみれ、煩悶の表情を浮かべている麻美。彼女もまた、汚されれば穢されるほど、神々しいまでに輝いていた。
 その日、亮輔は自分から去っていった二人の女の痴態を見つめ、いつまでも放心したように佇んでいた。

 やがて仕事にも出かけなくなった亮輔は、電話やメールにも応じず、家に引きこもって自慰に耽るようになった。伸び放題の無精ひげ。張りを失い、土気色となった顔相。床に敷き詰められた写真に囲まれ、落ち窪んだ眼窩に異様な光が宿っている。
「へへ……由紀……またしたくなったのかい?……ああ、麻美……そんなところにいたのか……こっちへおいでよ……いっぱい愛し合おうじゃないか……また気持ちよくさせてくれよお……ひひひ」
 乱雑をきわめ異臭を放ち始めた部屋からは、時おり奇声が聞こえてきた。
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[2453] 背信 <第二部 4> 投稿者:流石川 投稿日:2005/12/09(Fri) 19:47

 あれ以来、由紀は亮輔のもとへ帰ってはいない。
「すごかったらしいぜ、亭主殿は」
 麻美の報告によると、戒めを解かれた亮輔は狂ったように彼女を求めてきたのだという。
「由紀を……忘れさせてくれよ……なあ……頼むよ」
 泣きながら麻美にしがみつき、乳房にむしゃぶりつき、胎内深く挿入した。
「ああ……麻美……由紀……麻美い!」
 三回目の射精の後、涙の跡を残したまま憔悴しきって眠りについたそうだ。

(……可哀相な亮輔……)
 あらためて込み上げる罪悪感。夫を悲嘆の深淵に突き落としたのは、妻である由紀なのだ。
「それからってもの、すっかり麻美にご執心でよ。ご自宅を訪問さしあげるたんびに、やりまくるんだと。お盛んだよなあ。ふふふ。まあ、麻美にもいろいろ仕込んだからな、夢中になるのもわかるけどよ」
「…………!」
 菊交、SM、浣腸、屋外プレイ……。由紀が体験してきた妖しい世界に、亮輔も麻美に導かれて足を踏み入れたのだろうか。セックスの回数こそ人並み以上だったものの、きわめてオーソドックスだった自分たち夫婦の性生活。突然放り込まれためくるめく官能の魔力に、亮輔はたちまち魅了されたのではなかったか。
 由紀がそうであったように……。
(……もう……戻れないのね)
 いつか川村に捨てられたとしても、亮輔のところへ帰れるのではないか、夫は自分を待ってくれているのではないかという淡い期待が心の片隅にあった。その望みも完璧に絶たれた。
(……この男にすがって生きていくしかないんだわ、わたし……)
 そして、美しく磨き抜かれた全身のあらゆる箇所を駆使し、心を込めて川村への奉仕に努めるのだった。
(……だって……今ごろは亮輔も、麻美さんと……)

 しかし、由紀にそう思い込ませることも川村の巧みな姦計の一部だった。現実には、亮輔を倒錯した快楽へ没入させたあげく、麻美は彼の前から忽然と姿を消していたのである。
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[2449] 背信 <第二部 3> 投稿者:流石川 投稿日:2005/12/08(Thu) 22:46

 夫婦の褥に見知らぬ女を招き入れて交わらせるという、常軌を逸した策略に加担したあの晩。

 一服盛られた亮輔が深い眠りに落ちたのを確認すると、由紀は教えられていた携帯番号に連絡し、麻美という女を呼び寄せた。
「ひどい女ね。あなたも、わたしも……」
 自嘲とも憐憫とも取れる薄い笑顔を浮かべると、麻美はハイヒールを脱いだ。
(……きれいなひと……)
 静脈が透けて見える白い肌と、濡れたような黒髪のコントラスト。どこか冬の北国を想起させる、儚げでいて凛とした風情。貞操的でありながら、そこはかとなく漂う娼婦の妖しさ。雪女のイメージそのままだと由紀は思った。

 昏睡する亮輔を二人がかりで寝室へ運ぶと、川村の指示に従って衣類を剥ぎ、ベッドの支柱に手足をくくりつけた。
「じゃあ、あとはまかせて。あなたは行きなさい」
 麻美がスーツを脱ぎ始める。着やせする性質なのだろう、思いもよらず成熟した肢体が表われた。
「あの……よろしく……お願いします」
 我ながら間抜けな言葉を返して、由紀は家を出た。
(あんなひとに迫られたら……わたしが男でも我慢できない)
 それでいて、亮輔なら拒絶してくれるのでは、という期待がどこかにあった。
(わたしを愛してくれているなら……耐えて……)
 自己本位な願いだということはわかっている。自身は他の男に身も心も支配され、あげくこのように悪魔的な企てに手を染めてしまった。妻として夫に何もいう資格などない。
(でも……勝手よね……わたしはあなたを信じたいの)

 川村は自室でソファに寝転んでいた。下半身には何も着けず、今日も股間の逸物は反り返らんばかりに怒張している。
「ちょうど今、麻美から連絡があってな。ドッキング成功、第一回戦を終えたところだってよ」
 脱力感に襲われた。夫を奪われた妻の嫉妬、拒みきれなかった夫への怒り。理性ではコントロールできない感情が湧き上がってくる。
「お、ショック受けてるみたいじゃねえか。そりゃあ酷だぜ。女房はさんざっぱら俺とやりまくってんだからよ」
「……言わないで……もう……」
 由紀は長い睫を伏せたまま、ワンピースのボタンに指をかけた。

 その後の交わり。由紀はいつも以上に激しく乱れ、みずから絶頂を求めて淫猥の限りを尽くした。
(今この瞬間、亮輔はあの麻美って女とセックスをしてるんだわ)
 強烈な感情が渦巻き、圧倒的な刺激となって由紀の総身をあぶった。
「向こうはぼちぼち第二回戦か。バックから麻美を責めまくってるってとこかな」
 川村が冷やかすように笑う。
「由紀にも……同じようにして……」
 進んで獣の姿勢となり、形のいい双臀をくねらせてねだる。
「麻美はケツの穴で感じる女だからな。ブチ込んでるかも知れねえぞ、ふふ」
「お尻に……お尻にください!……大きいのでかき回して、メチャクチャにしてえっ!」
 全身の穴という穴から凝縮された快楽が噴出し、どろどろに溶けてしまいそうだった。
「ねえ……言ってよ!……由紀のおま×こが一番だって……麻美なんかより全然いいって……お願いだから! 」
 汗をほとばしらせながら絶叫する。自分でも何を言っているのか、わからなくなっていた。

 この夜、亮輔と由紀は、それぞれに完全な形で犯された。
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[2445] 背信 <第二部 2> 投稿者:流石川 投稿日:2005/12/07(Wed) 12:53

 それからというもの、由紀は亮輔の友人たちに次々と抱かれた。誰か一人くらいは友情という大義のもとに、
「こんなことをしちゃいけないよ」
 と諌めてくれるのではと期待していた由紀だったが、逡巡の度合いに差こそあれ、途中からは皆、田崎と変わらなかった。
「最初に会ったときから、由紀ちゃんとやりたかったんだ」
 初めはおずおずと、しかし一線を越えてしまえば肉片のひとかけらも残すまいとするかのごとく、男たちは由紀を徹底的に貪った。
「君が悪いんだぜ。お互い亮輔には黙っていような。それと……これからもちょくちょく頼むよ」
 去り際に残す責任転嫁と保身、意地汚い淫猥の言葉まで、示し合わせたように同じだった。

「ねえ……どうしてこんなこと、させるの?」
 いつものように川村の股間に跪き、唇と舌の奉仕をしながら、由紀は尋ねた。五人目となる夫の友人に今日もさんざん弄ばれ、残滓を洗い流して戻ったばかりだ。
「由紀が別の野郎に姦られてよがり狂ってると思うと興奮すんだよ」
「……よがり狂ってるなんて……由紀はもうあなたじゃないと満足できないもの……」
「ふふふ、嬉しいこといってくれるじゃねえか」
「本当よ……それに他の人と……させるなら……何もあの人の友達じゃなくたって……」
 川村が指で招く。自分からつながれというサインである。由紀は待ちかねたように立ち上がり、パンティを脱ぎ捨てると怒張を中心に当て、腰を落としていく。
「おお……やっぱ、他のチンポコを咥えこんできたおま×こは感触が違うぜ。おら、もっと脚を広げろ!」
「はい……ごめんなさい……あなた……ああ!……いいわ!」
 たちまち、あえやかな愉悦の声が形のいい唇からほとばしる。
「心優しい俺としてはよ、女房を寝取っちまった亮輔さんに申し訳ないって思ってんのさ。まあ、あっちのほうは麻美を送り込んでひとまず解消してやったからな。お次は友達との絆をもっと深めて“兄弟”にしてやろうと、こう思ってるわけだ。へへへ」
「ああっ!……どうして……そんな……ひいっ!……ことを……」
 真に亮輔を気遣ってのことである道理がない。だが、なぜ由紀を征服するだけでは飽き足らず、夫までとことん辱めようとするのか。そもそも情の通じた女を使って強姦させた計画自体、尋常な神経のなせる業ではない。
 川村の真意が、由紀には読めなかった。
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[2440] 背信 <第二部 1> 投稿者:流石川 投稿日:2005/12/05(Mon) 22:48

「はあ、はあ……最高だよ……俺……由紀ちゃんとセックスしてるんだ!」
 熱い吐息と共に身体の上で律動を繰り返す男を、由紀は冷ややかに観察していた。
(……結局……男なんてみんな同じなのね……)

 昔の女に逆レイプさせる形で夫・亮輔を慰み者にした川村が次に命じたのは、
「おまえ、旦那の友達に犯されろよ」
 というものだった。
「ただ、誘うだけじゃつまらねえ。その気にさせるだけさせといて、土壇場で突き放す。そうすりゃあ、男は誰もがチンポおっ立てて襲いかかってくるぜ」

(……悔しいけど、そのとおりだったわ……)
 今、由紀の秘芯を貫いている田崎は亮輔の親友だ。
「学生時代からの腐れ縁でね。まあ、本当に信頼の置ける数少ないやつだよ」
 付き合っている頃、そう得意げに紹介された。それからも結婚式の前後にわたって三人でキャンプへ行ったり、夜の盛り場を練り歩いたりしたものである。
「俺はさ、亮輔と由紀ちゃんの幸せのためなら、何だってできるよ」
 という青臭い台詞が口癖の、誠実を絵に描いたようだった田崎。それが……。

「突然なんだけど、亮輔のことで相談があるの」
 由紀からの電話に、田崎は疑う素振りもなく応じた。川村の出現で崩壊した夫婦関係。だが、プライドの高い亮輔が、友人相手とはいえ自分から家庭の恥を晒すとは思えない。由紀の読みは当たり、田崎は何も知らずに出向いてきた。
「おいおい、由紀ちゃん。どうしたんだい? そんな艶っぽい格好で。まさか俺を誘惑しようなんて思ってるんじゃないだろうな。亮輔に怒られちゃうよ、ははは」
 待ち合わせたシティホテルのラウンジ。娼婦顔負けの濃い化粧を施し、黒いタンクトップに革のミニスカート姿で現れた由紀に、田崎は目を丸くした。
「うふふ。相談なんて嘘。田崎さんと二人きりで会いたかったの」
 上目遣いに見つめると、まぶしいものを眺めるようにしてから目をそらした。
「い……いやあ、まいったな。本気にしちゃうよ」
 その後、ダイニングからバーに流れながら、由紀は川村から命じられたとおりに行動した。
 じっと話に耳を傾けるようにして、太股を押し付ける。冗談に笑い転げながら、さりげなく乳房を腕のあたりに当てる。ノーブラの胸元が見えることを計算して前かがみになる。
 やがて田崎の眼に熱っぽい、オスの光が宿り始めた。
「ああ……あんまり楽しくてわたし、呑みすぎちゃった。もう帰れそうにないな……」
 酔ったふりをしてしなだれかかると、かすれた声で、
「へ……部屋をリザーブしてくるよ」
 と応えた田崎。

 ドアのロックと同時に抱きすくめられると、由紀はシナリオに従って激しく抗った。
「いやっ! 田崎さん、やめてっ! 」
「何を言ってるんだ、ここまできて」
「わたし、そんなつもりできたんじゃないわ!」
 思わぬ反撃に、かえって劣情を刺激されたのか、田崎は血走った眼で由紀をベッドへ容赦なく押し倒した。
「なんだよ、俺に抱かれたいんだろう? 」
「あなたは……いやっ……亮輔の友達じゃない……それなのに……くっ……こんなことするなんて……」
「黙ってれば、わかりゃしないさ。おい、いい加減にしろ!」
 火の出るような平手打ちに一瞬、意識が遠のく。
「こんな格好で誘ってきやがって、とんだスケベ女だぜ。そうと知ってりゃあ、もっと早くやらしてもらうんだったな」
 下卑た笑みを浮かべると、ろくな前戯もなく強引に分け入ってきたのだった。
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[2410] 背信17 投稿者:流石川 投稿日:2005/11/24(Thu) 21:37

 何かが、亮輔の身体の上にあった。熱く柔らかなものだ。しばらくして、その蠢く重みが女体だと気づいた。
(……ああ……由紀……)
 今宵、由紀は久しぶりに早く帰ってきてくれた。彼女の手料理を味わい、ワインを飲み、会話を楽しんだ。ほんのりと頬を赤らめた妻は以前のように饒舌で、愛らしかった。
「あのときはビックリしたわ。まだ会ったばかりなのに、あなたったら強引に誘ってくるんだもの」
 思い出話に興じていると、ここ数ヵ月の悪夢など思い過ごしだったと思えてならない。安堵に酔いが重なったためか、亮輔の記憶は急速に曖昧になっていった。

 そして今、夫婦の寝室で由紀が積極的に自分を求めてくれている。亮輔は感動で満たされていく思いだった。だが……どこかに違和感がある。
「ふふふ……元気なのね……」
 聞き慣れない声に、現実へと引き戻された。亮輔の胸板にねっとりしたキスを降らせていた漆黒の長い髪がはねあげられ、顔があらわになる。
 見知らぬ女だった。歳は由紀より二つ三つ上だろうか。切れ長の瞳に、ぽってりとした唇。透き通るような白磁の柔肌。どこか南国の香りがする由紀とは別タイプの、純和風というべき美人である。
「だ……誰なんだ……君は?」
 尋ねようとして亮輔は、思うように喋れない自分に気づいた。舌だけではない。全身の神経が痺れたように歪んでいる。加えて、ベッドの四隅に手足を縛りつけられているようだ。つまり、全裸で大の字にくくられた自分に、一糸まとわぬ未知の女が絡みついているのである。
「わたし? うふふ、麻美……あなたへの贈り物の女」
 そう囁くと、女は亮輔に馬乗りとなった。重たげなバストを手のひらで持ち上げ、赤子へ乳を与えるように押しつけてくる。

(……一体なぜ、こんなことが?……)
 夢だと信じたい。だが、顔を包み込んでくる温かな弾力は、あまりに生々しい。
「ほら……おっぱい吸って」
 拒絶したくとも、痺れた上に拘束された四肢ではままならない。呼吸路を断たれ、息苦しさについ口を開くと、ぽってりとした乳首を唇に含む結果になってしまう。
「……むむ……やめてくれ……」
 ようやく言葉を発することができた。だが、身体はやはり言うことを聞きはしない。
「だめよ。今日はわたし、亮輔さんとエッチするためにきたんだから」
 また女が体位を替えた。霧のかかったような意識の中、熱い吐息が下腹部へと下りていく感触だけが、陶酔感を伴いながらおぼろげに伝わってくる。
「うう……勘弁してくれ」
「ふふふ……おちんちんはこんなになってるくせに……したいんでしょ?」
 舌がチロチロと亀頭を這い回る。確かに拒絶の言葉とは裏腹に、股間の逸物は猛々しく勃起していた。それが先刻、ワインに混ぜて飲まされた薬物の効果も手伝ってのことだと知らない亮輔には、恨めしい男の生理に思えた。
「……駄目だ……俺には……由紀が……」
「ふふふ……そんな義理立てしちゃって。奥さんだって、今ごろ愉しんでるわよ……」
 混濁した意識に、閃光が宿った。

「……ど、どういう意味だ……」
「わたしを満足させたら、教えてあ・げ・る。だから、ねえ早くう……」
「い……厭だ。俺は誓ったんだ。由紀以外の女とは寝ないって……」
「強情ね。じゃあ、教えてあげるわ。あなた、川村って男を知ってる?」
 知っているどころではない。この数ヶ月間、自分を苦しめ続けてきた名前を突然聞かされ、亮輔は絶句した。
「気づいてるかもしれないけど、奥さん、川村の女になったのよ」
「…………!」
 妄想しては打ち消し、否定するそばから疑い続けてきた、妻と男の不倫関係。それをこうも明確に、しかも初対面の女から宣告されるとは…。亮輔は、果てしない闇の底へ落下していく感覚を味わった。
「それでね、他人の奥さん寝取っただけじゃ悪いから、旦那のほうも気持ちよくしてあげようって。で、わたしが寄越されたわけ」
 言いながらも女の舌は蛇のように亮輔の全身を這い回る。

「今ごろ、由紀さんも川村に抱かれているはずよ。あいつったら『夫婦を同時に浮気させるダブルプレイ計画だ』なんてうそぶいてたから」
 しなやかな女の指が、再び亮輔自身をしごき始めた。
(……由紀が、川村と……)
 組み敷かれて凌辱されている由紀の姿を思うと、いけないと戒めながらも陰茎にますます力が漲ってくるのをどうしようもできない。
「まったく卑劣なこと考えるわよね。骨の髄まで腐った最低な男。そんなやつに関わったばかりに可哀相な由紀さん。でも、川村に一度犯されたら、もうどうにもならなくなるの。わたしも同じだから、よくわかる。あいつに『新しい女との刺激のために亭主を逆レイプしてこい』なんてメチャクチャな命令されて……。それでも逆らえずにこうやって……」
 手が麻美と名乗る女の股間に導かれた。すでにそこは溢れるほどに潤っている。自由を取り戻し始めた亮輔の指は、いつしか秘芯の奥深くさまよっていた。
「うふふ。大きいわ、亮輔さん」
 麻美は再び亮輔の上に跨ると狙いを定め、腰を落としていく。ツルリという感じで、亮輔の勃起は灼熱のぬめりに包まれた。
「ああ……素敵!」
「うう……俺は……信じない……くそ……信じるもんか!」
 つかの間、醒めた表情になった麻美は次の瞬間、凄艶な笑みを浮かべた。
「気持ちはわかるけどね。じゃあ考えてみてよ。どうして私がこうしてここにいるのか」

「そ……それは……」
 言われなくてもわかっていた。
 数時間前まで隣のリビングで食事を共にし、愛らしく微笑んでいた由紀。彼女が姿を消し、麻美が寝室にいる以上、この状況を作り出す企みに由紀が加担していることは間違いない。夫が薬で眠り込んだのを見届けて打合せどおにり女を引き入れ、夫婦のベッドへ導いた。そして自分は、川村のもとへ……。
 たとえ強制されて仕方なく従ったのだとしても、由紀は夫である自分ではなく、異常な計画の立案者の側についたのだ。
(……俺は……由紀に……捨てられた……)
 その事実が、亮輔を完膚なきまでに打ちのめしていた。

「あっちが愉しんでるんだから、置いてけぼりにされた者同士、こっちもせいぜい愉しみましょうよ。……うんんっ……いいわ!」
 きゅんと反り返る女の裸身が、由紀とダブった。憤怒、屈辱、落胆、嫉妬。あらゆる負の感情に支配され、亮輔は腰を突き上げた。
「ああ……イク、イクわ! 亮輔さん。一緒に……お願い!」
 達してしまえば、かすかに残された由紀との関係をつなぎ止める絆さえ断ち切ることになる。だが、もう何もかも、どうでもよかった。亮輔は目の前でぶるぶる震える女の乳房にむしゃぶりつくと、破滅という名の秘奥に向けて突き進んでいった。
「ああっ……亮輔……麻美って呼んで!」
「……あ……麻美……麻美いっ!」
 滂沱たる涙を流しながら、亮輔は絶望の中でおびただしく射精した。

<第一部 了>
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[2407] 背信16 投稿者:流石川 投稿日:2005/11/23(Wed) 23:27

「……なあ、由紀。ちょっとおもしれえ趣向を考えついたぜ」
 川村が不敵に笑ったのは、けばけばしいラブホテルのベッドで、全裸にガーターベルト姿の由紀を四つん這いで背後から責めているときだった。
「……えっ……ど、どんなこと?」
 官能の波にたゆたい汗みどろになりつつ、ドキリとして由紀は振り返った。

 川村に支配されてから三ヶ月。男の要求はますますエスカレートし、異常な性行為を求められることが多くなっていた。
 場末のポルノ映画館の暗がりで怒張に奉仕させられた後、小便と精液の臭いが漂う男子便所で犯されたのはいつのことだったか。高層マンションの屋上で全裸にされ、ひんやりとした風に吹かれて立位のまま交わったこともある。あるときは、遊園地の観覧車の中でパンティを降ろされ、ガラス窓に手を突いてゴンドラを揺らしながら貫かれもした。深夜の公園で交わったときには、覗いていた痴漢たちの手で乳房や媚肉を弄ばれた。
 今、川村の巨根が根元まで埋め込まれているのは、由紀のアヌスだった。膣には媚薬のたっぷり塗られた巨大な張り型がくわえ込まされている。その他にもSM、スカトロ、複数プレイなど、それまで自分とは無縁と思っていた暗鬱な性の世界を、由紀は川村によって次々に体験させられ、その魔力の虜となっていった。

 さまざまな痴態を記録するのも川村の趣味だった。命ぜられるままに濃い化粧を施し、真紅のコート一枚のみをまとった格好で脚を大きく広げて、うっとりと自慰に耽る由紀。黒革のボンテージルックで跪き、毛むくじゃらの股間を念入りに舐める由紀。亀甲縛りに口枷を噛まされたまま、男の肩に両脚を担がれ胎内深く貫かれている由紀。あげくには強力な浣腸液を注入され、脂汗を滲ませながら大便を迸らせる瞬間まで撮影されてしまっていた。
 ビデオカメラも頻繁に用いられた。川村が指示するシナリオに従い、押し入った暴漢に凌辱の限りを尽くされるOL、夫の上司に服従されられる若妻、進んで医師に身を任せる看護婦など、さまざまな役柄を演じさせられた由紀があられもない体位で凌辱される姿が撮影され、川村のコレクションとなっていく。
 そのあとには決まって気絶するほど激しく蹂躪された。

(あんな写真を亮輔に見られたら……)
 だが、由紀に拒絶を許さないのは、そうした脅迫ネタの存在ではなかった。身も心も完全に川村の虜となってしまった若妻は、彼との関係が露見して夫と別れることになっても仕方ないとすら思い始めていたのだ。
(それよりも……ああ……)
 肛門の最奥を間断なく突き上げてくる川村の逞しさを、由紀は思った。
(もう、このセックスを忘れられない。川村さんに捨てられたくない……)
 だから、どんなひどい要求をされたとしても、自分は結局従ってしまうだろう、と哀しく認めるのだった。
 川村がかねて狙っていた通り、由紀はその性技に屈した美しい娼婦と化していたのである。

 だが今回の川村の思いつきは、由紀の想像をおよそ凌駕するものだった。
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[2406] 背信15 投稿者:流石川 投稿日:2005/11/22(Tue) 23:36

 川村の魔力を知ってしまった由紀には、夫・亮輔のセックスはまるで子供っぽいものでしかなかった。
「旦那にも、ちゃんとやらせてやんなよ。俺は博愛主義だからさ」
 冷笑する川村に指示されずとも、亮輔に求められれば罪悪感も手伝って応じざるを得ない。だが、かつてはあれほど心ときめいた夫との交わりは、もはや失望しかもたらさなかった。
(川村さんのあれは、こんなもんじゃない。由紀を壊しそうに大きくて逞しいの……ああ……ほしいわ)
 亮輔の硬直を受け入れながら、川村に貫かれていることを夢想して、由紀はオルガスムスに達するのだった。

「次のデートのときは、もっとスケベな格好してこいよ」
 最近では言葉づかいもすっかりぞんざいになり、由紀を奴隷のように扱うこともしばしばの川村だった。
 亮輔は妻が他の男たちに見られることを嫌い、おとなしめの服装でいることを望んできたのに対し、川村は由紀にとびきり淫乱な格好をさせたがった。身体の線がくっきりと浮かぶようなタイトニット。膝上数十センチの超ミニスカート。ホテルのプールへ誘われるときは当然のようにTバックのビキニを着させられる。
 やがて下着をつけることすら許されなくなった。ノーブラにタンクトップ姿の由紀が、街ゆく男たちの視線を集めないわけがない。うっすらと透ける乳首のシルエットに容赦ない欲望がまとわりつく。
 自分の女となった由紀が露骨な激情の視線にさらされることに、川村は満足を覚えるようだった。

 電車の中でも、ノーパンにミニスカートの由紀を座席に座らせ、わざわざ脚を開くよう強要したりする。その後、二人きりになると、
「くくくく。正面に座ってたあのオヤジ、食い入るようにおまえの股間を見ていたよな。見えてたんだぜ、きっと」
 などとからかいながら、いつになく冷酷な目で由紀の裸身に挑みかかるのだった。当初はそんな川村の性癖に戸惑い、やめてくれるよう懇願した由紀だったが、やがて被虐的な快感を覚えるようになっていった。
「……ああ、そうよ。見られてたわ、由紀のおま×こ……」
「ふふふ。どんなふうに」
「……この女と一発やりたいって。由紀とセックスがしたいって……ああ」
「おまえはどうだったんだ、そんな目で見られてよ」
「……すごく感じちゃった……ああ、濡れちゃったの」
 などとあられもなく口走りながら、激しく燃え盛り、肉の愉悦を堪能するのだった。そこにはかつて理知的で貞淑だった由紀の姿は微塵もなかった。
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[2405] 背信14 投稿者:流石川 投稿日:2005/11/20(Sun) 14:45

 北海道から帰って以来、由紀は日に日に変わっていくようだった。

 亮輔が夫婦共通の知人であるカメラマンと酒を飲んだとき、下卑た笑みを浮かべて言った。
「由紀ちゃん、ますますイイ女になったよなあ。前は爽やかな美人って感じだったけど、このところ何か妖しいフェロモンが出てきたっていうか。仲間内でも『ゾクゾクしちまう』って評判だぜ。ああ、悪い悪い。亭主の前でこんなこと。だけど、結局おまえの仕込みがいいってことなんだから、怒るなよ」

 確かに最近の由紀は、たおやかな風情が姿を消し、凄みのある美しさを醸している。女としての部分がにわかに強調されていく変貌ぶりは、夫である亮輔さえ時に息を呑むほどだ。研ぎ澄まされていく妻の美に夫として満足しながらも、それが他の男との情事による結果なのではないかという疑念を払拭できない。
「あの身体は、もう俺だけのものじゃないのか? 誰かに思うさま貪られているのか?」
 疑心暗鬼は屈折した欲望を呼ぶ。亮輔が求めれば由紀も応じてくれるのだが、どこか受身の妻を感じざるを得ない。ますます細かくなった肌のキメ。みっしりと量感をたたえた白い乳房を凌辱するようにもみしだきながら、
(このおっぱいを他の男が愉しんでいるとしたら…)
 異常な昂奮から一度の射精では飽き足らず、二度三度と妻の奥深くに荒ぶる感情を吐き出す。かつてない快感に恍惚とする一方、冷静に由紀を観察している亮輔がいた。ゆさぶられながら固く目を閉じ、まるで義務の時間が過ぎるのを待っているような彼女を。

 運命を一変させる悪夢が訪れたのは、そんなある日のことだった。
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[2404] 背信13 投稿者:流石川 投稿日:2005/11/20(Sun) 02:36

 由紀の北海道行きを、亮輔は止めることができなかった。妻が、自分を口説こうしている男と、二人きりではないとはいえ一週間近く行動を共にする。夫として平常心でいられる道理がない。だが、彼は歯を食いしばって見送ったのである。

(いつか亮輔が、わたしから去っていってしまうのではないか)
 意味のない不安から、別の男に抱かれようとしている由紀。
(束縛しようとすれば、由紀は俺から離れていってしまうに違いない)
 物わかりのいい寛大な亭主を懸命に演じようとする亮輔。
 出発の前に夫婦が腹を割って話し合いをしていれば、後の悲劇は防げたのかもしれない。

 由紀不在の永い時間。亮輔は胸中にどす黒い疑心が広がるのをどうしようもできなかった。旅に出ている間、毎日電話で連絡を入れることが夫婦間の習慣となっていた。現地の天気、目にした風景、食事の内容などささやかな報告をするだけで、亮輔の心は満たされる。
 それが三日目の晩、途絶えた。何度、自分から電話をかけようとしただろう。しかし、自身の嫉妬をさらけ出すことになりはしないか。そう思うと亮輔は、手にした受話器を戻すしかないのだった。

 まんじりともせずに過ごした亮輔に、由紀からメールが届いたのは翌日の昼前だった。
「昨夜は夜も取材だったの。また連絡するね」
 由紀にしては短い内容。
(なぜ、電話ではなくメールなのか)
 もたげる疑問に(もう今日のロケが始まって、スタッフが周囲にいるんだろう)と自分を納得させようとするものの、
(それなら朝、ホテルの部屋から連絡すればよかったじゃないか)
 と思えてきてしまう。行き着くところは、
(誰かがそばにいて、それができなかった)
 という結論になってしまうのだ。

 その後も由紀からの連絡はなかった。
 最終日、とうとう堪えきれずにかけた電話。由紀の対応は明らかに不自然だった。
「あいつ、川村はどうした?」
 久しぶりに妻の声を聞けた安堵と、それまで抱えてきた嫉妬が交錯し、ついに飛び出してしまった詰問。由紀の返事は期待通り、
「わたしを信じて」
 というものでありながら、いつもの甘い気配がなかった。なおも話そうとする亮輔に、
「……じゃ、じゃあ、あなた。もう遅いから」
 一方的に切られてしまった電話。不安は妄想を呼び、亮輔は孤独の中で悶絶した。
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[2396] 背信12 投稿者:流石川 投稿日:2005/11/15(Tue) 23:21

 亮輔にとって由紀は、三十八年間の人生における掌中の珠だった。

 運命の女と出会う前、彼は自分の人生にある程度の満足を覚えていた。知らぬ者のない一流電器メーカーの商品開発職という仕事。学生時代からの付き合いで結ばれた妻・洋子。郊外ながら東京二十三区内に購入した三LDKのマンション。洋子の身体的な理由で子供にこそ恵まれなかったものの、このまま静かに歳を重ねていき、いつかそれなりに満足ができる生涯を終えるのだろうと考えていた。

 だが、由紀との邂逅は、そうした人生観を瞬時にして瓦解させた。
(こんなに美しい女が現実の世界にいたなんて)
 スクリーンかグラビアの中でしか目にできないはずの存在が、いきなり生身で現われた。手を伸ばせば届きそうな距離に……。気がつくと亮輔は理性を忘れ、猛然とアプローチをかけていた。届く余地などない想いだったはずが、思いがけなく由紀も亮輔を愛してくれるようになった。
 その後に訪れた試練の歳月。あれほど従順だった洋子は夫の変心を知ると、般若と化した。さんざん荒れ狂った末に会社の上司に亮輔の不貞を直訴し、慰謝料をよこせと泣きわめいた。結果、亮輔は退職を余儀なくされ、貯蓄をはたき、マンションを手放したのだった。
 それでも彼の心は、かつてないほど深く熱く燃え盛っていた。
(由紀と人生をやり直せるのなら、身ひとつになっても構わない)
 悲願が叶い迎えた由紀との結婚式。亮輔の瞳には万感の涙があった。まばゆいほどに輝くウェディングドレス姿の新婦。周囲の羨望と嫉妬の視線。思えばこのときが、亮輔の絶頂だったのかもしれない。

 変調は間もなく訪れた。
(……由紀を絶対に失いたくない……)
 幸福を満喫しようとすればするほど、灼けつく想いは日に日に強まっていった。由紀が、半生で得たすべてを代価に購った女だからという理由だけではない。もはや由紀は亮輔を支配する価値観であり、生きる意味そのものとなっていたのだ。
(あんなにいい女なんだぞ。男は誰もが由紀を狙ってる。一発やりたいと妄想している)
 それだけの女に愛を捧げられた誇りより、根拠のない嫉妬が先に立った。理屈ではない。美しい女を妻に迎えた男の宿命を愉しむ余裕が亮輔にはもはやなかった。
 だが、それでいて狂おしい気持ちを伝えられない。
(男の、しかも九歳も年上の男のやきもちなどみっともない。呆れられ、蔑まれるに決まってるじゃないか。由紀に嫌われたら、もう俺は生きていけない)
 だから亮輔は、徹頭徹尾“寛大で物わかりのいい亭主”を演じると心に誓った。
(すべてを許し、すべてを愛せる夫こそ、由紀にはふさわしい)
 それが良くなかったのかもしれない。不安、怖れ、嫉妬。捌け口を失ったあらゆるエネルギーは内向し、爛熟した。

 寝物語に由紀が川村のことを口にしたのは、そんなある晩のことである。言い寄ってきては退けられる哀れな男の物語と嘲笑しつつも、初めて耳にした具体的な男の名は実像となって、亮輔の心を暗く焦がした。
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[2386] 背信11 投稿者:流石川 投稿日:2005/11/09(Wed) 22:43

 由紀が北海道から戻ってから、つまり川村の女になって以来二ヵ月が過ぎた。

(ああ……わたし……またおっぱいが大きくなったみたい)
 彼のマンションから、またしても朝帰りをしたある日。夫・亮輔が出かけた後の自宅で一人湯舟に浸かりながら、由紀は全身をゆっくりと愛でた。両の手でそっと乳房を包み込むだけで、痺れるような快感が駆け抜ける。
(それにしても……)
 驚嘆すべきは川村の精力である。亮輔も決して弱いほうではなかった。いや、それまでに由紀が付き合ってきた何人かの男たちの淡白さに比べれば、性欲も持続力も人一倍といってよかった。だが、川村の絶倫ぶりはその比ではない。由紀の知っている川村のペニスは絶えず天を突くほどに怒張していた。

 いったん果てた後でも、由紀の胎内でたちまち回復し、いわゆる抜かずの状態で立て続けに責められるのである。川村がようやく満足すると、灼熱の逸物に白い指を絡ませて気を失うように眠る。朝はといえば、すでにはち切れんばかりに充実している陰茎を唇に含まされ、念入りに奉仕することが目覚めの儀式となっていた。
 由紀もまた、そうした慣習を当然のこととして受け入れ、甘えるような仕草で川村が望む行為に艶かしく励むのだった。

(……今日も……ああ……凄かった……)
 つい先ほどまでの激しかった凌辱に、下半身はおろか全身が嵐に嬲られた後のように熱い余韻を宿している。
この二ヶ月で由紀の体重は四キロも落ちていた。だが、下腹部や二の腕の余分な脂肪が取れた一方で、乳房や腰まわりは蠱惑的に肉づき、元来の爽やかな色気に加えて妖艶なフェロモンが漂うようである。
 以前から由紀を知っていた男たちですら、その変貌ぶりに息を呑み、他愛ない会話をしながら妄想の中で由紀を犯すようになった。川村の丹精によって、由紀は女として最も美しい時期を迎えていたのである。

 自身に潜んでいたメスの官能を次々と開拓される悦び。圧倒的なオスの性に支配される被虐の心地よさ。類まれな精力が自分だけを求めてくれる優越の想い。肉体も心も川村の虜となり果てた由紀は、いつの間にか荒廃した家庭の気配にすら気づかなかった。
 ほとんど空っぽの冷蔵庫。脱ぎ捨てられたまま放置された衣類。すっかり枯れてしまった植木。それらは確実に蝕まれ、壊れつつある亮輔の精神を象徴していたというのに。
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[2374] 背信10 投稿者:流石川 投稿日:2005/11/07(Mon) 00:04

川村とは、北海道での限定した関係にするはずだった。亮輔との結婚生活を壊すつもりは毛頭なかったし、どれほど川村が求めてこようと毅然としていようと決めていた。だが、実際には東京へ帰ってきてからも、由紀は川村の誘いを断ち切れなかった。
「さあてと。今日もたっぷり可愛がってやるぜ」
 仕事の打合せの後は、当然のようにホテルへ連れ込まれるようになった。行けば早くて数時間、ときには十時間以上も弄ばれることになる。
「そんなにしゅっちゅう家は空けられないわ。せめて月に一度とか、二週間に一度にしてください」
 どれほど由紀が嘆願しようとも、川村はどこ吹く風だ。

 もうひとつ、由紀の恐れているのが妊娠だった。まだ身ごもった経験こそないものの、亮輔との結婚前に産婦人科で検査を受け、母体として欠陥がないことは証明されている。一方で由紀はピルを受け付けない体質だった。対策は男にゆだねるしかないのだが、川村は避妊を一切しない。
「安全日のときは教えるから、それ以外はゆるして」
 そんな由紀の叫びをせせら笑い、川村はいつも子宮の奥深く、密度の濃い白濁をさんざんに浴びせかけるのだった。
「本当に妊娠したらどうするの?」
「産めばいいじゃねえか、旦那のガキとしてな。腹ボテになりゃあ、それ以上妊娠の心配なんかしないで、おまえも思いっきり中出しを愉しめるってもんだ」
 このままでは、いつか孕まされてしまう。不安を胸に抱えながら、一度官能の奔流に呑み込まれると我を忘れ、
「由紀を妊娠させて!」「あなたの赤ちゃんが欲しいの!」
 などと絶叫してしまう由紀だった。

(もう終わりにしよう……)
 何度考えたか知れない。だが、自分から別れを切り出すには、川村とのセックスはあまりに甘美すぎた。決まって気も狂わんばかりの快楽を約束してくれる川村に対して、由紀が従順な女へと変わるのにそれほどの時間はかからなかった。
 もはや、主従関係は完全に逆転していた。

 やがて、情事の場は川村のマンションに変わった。性処理の相手はもちろん、掃除・洗濯・食事の仕度と、あらゆる世話をさせられる。電話やメールでの呼び出しは、当初こそ平日の昼間だったが、そのうち夜間や休日にもかかってくるようになった。そのたびに由紀は亮輔にいろいろな口実を設け、後ろめたさを胸に男を訪ねるのだ。
 持たされた合鍵で部屋に入ると、
「よう、お帰り。旦那とは気持ちのいいおま×こしてるかい?」
 ビールを呑みながら尋ねる川村は、下半身丸出しでソファに悠然と腰掛けていることが多かった。
「……ああ……」
 すでに何十回も受け入れ、そのたびに恍惚の頂点へ導いてくれる肉塊。それが隆々とそそり立つさまに、由紀はふらふらと吸い寄せられ、外出着のまま川村の股間に脚を揃えて跪くと、まず舌と唇の奉仕を始めるのが常だった。

 美しく化粧を施した由紀が、頬をへこませて自分の怒張を喉元深く出し入れするさまを、川村は満足そうに見下ろす。
(ふん。可愛い女になったな)
 やがて、充分に欲情が高まったところで「こいよ」とベッドへ誘う。従順にしたがう由紀。乱暴に押し倒し、荒々しく下着を剥ぎ取ると由紀の秘芯にはびっしょりと夜露が降りているのだ。そして挿入。待ちかねたように絡みついてくる熱肉の感触を味わいながら、律動を早めていく。
「あああ……川村さん! たまらないわ! 由紀、もうイッちゃう!!」
 あれやこれやと淫らな体位を強制され、精も根も尽き果てた状態のまま、川村の腕の中で朝を迎えるのは何度目だろうか。
 もともと急な取材や泊りがけのロケが多かったとはいえ、さすがに亮輔も不審に思っているはずだ。確実に近づいている破局の足音。だが、それでもいいとさえ、この頃の由紀は思い始めていた。
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[2371] 背信9 投稿者:流石川 投稿日:2005/11/06(Sun) 00:18

 川村はほくそ笑むと、いったん由紀から離れ、四つん這いになるよう無言で促した。電話での夫婦の会話は、まだ続いている。

「あいつ、川村はどうした?」
「……わたしがあんまりつれなくするから、機嫌悪いの。どっか飲みに行ったみたい」
 亮輔に告げながら、由紀は川村の指示に素直に従った。ベッドの上に片腕をつくと、自分から双臀を川村のほうへ突き出し、脚を開いていく。
(その男に股開きながら、平気で嘘を吐く。女ってのは本当にこわいぜ)
 内心あきれながらも、あの由紀をここまで自分の言いなりに調教できたことに、川村は満足していた。
「まだ、おまえに気があるのかな」
「……さあ。でも……わたしは……何とも思ってないから」
 しとどに濡れた花弁がぱっくりと見えると、川村はその中心にデカ魔羅をあてがった。「……じゃ、じゃあ、あなた。もう遅いから、電話切るね」
 川村の意図を悟った由紀は、慌てて告げた。
「あ、悪かった。じゃ、おやすみ」
「おやすみ、あなた」

 じわりと割け入れた。たちまち待ち焦がれていたように、秘肉が絡みついてくる。
「愛してるよ、由紀」
「ゆ……由紀も、愛してる……」
 通話スイッチがオフになった瞬間、川村は一気に根元まで埋め込んだ。
「ひいっ。か、川村さんっ」
「よくもコケにしてくれたな。おい!」
「ご、ごめんなさい……ああっ」
「おまえはもう、俺の女だ。いいな」
「あっ、もっと優しくして……そ、そうよ」
「誓うんだ」
「は、はいっ。由紀は……ああっ……由紀は川村さんの女です……だから、もっと」
 しなやかな獣を思わせる発達した裸身を揉み絞るように、由紀は髪を振り乱して叫んだ。「俺のいうことは何でも聞くな?」
「はいっ……由紀はもう……川村さんの奴隷です……ああっ」
「よし。それじゃあ出すぞ、おま×この中に」
「あんあんっ……いっぱい、いっぱいちょうだい……」
「妊娠させてほしいと言うんだ」
「あああ……お願い……川村さんっ。由紀を妊娠させてえっ!」
「ううっ、出るぞ。はらめ、はらむんだ、由紀っ!」
 夥しい量のザーメンが子宮に炸裂した瞬間、由紀の意識はすっと遠くなった。

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[2370] 背信8 投稿者:流石川 投稿日:2005/11/06(Sun) 00:17

 翌日から由紀と川村は、取材撮影を終えるとすぐに部屋にこもり抱き合った。もう遠回しの手続きなど必要なかった。互いの衣服をはぎ取るように脱がせ合うや、シャワーも浴びずに、ふたりは交わった。由紀は愉悦の表情で川村の肉棒を迎え入れた。

 憧れの女をとうとうモノにした川村の欲望は衰えることを知らず、果ててはたちまち回復し、また求めてくる。由紀も旺盛に応えた。互いの性器を舐め、すすり合った。亮輔には見せたことのない淫らな体位で貫かれ、果てた。部屋の中には淫靡な音と川村の精液、由紀の愛液の匂いが混じり合って満ちていた。そのまま川村に抱かれて眠った。

 そして富良野取材最後の夜がきた。由紀は、ベッドに腰掛けた川村の股間に全裸で跪き、勃起した彼のペニスを丹念に舐めている。
「俺のチンポ、おいしい?」
 陰毛に顔を埋め、唇と舌での奉仕を続けながら、由紀は目だけをあげてこくりと頷いた。「由紀ちゃんが、こんなに好きものだとは思わなかったよ」
 からかうように言うと、由紀は口からペニスを外した。呼吸が乱れている。
「はあ、はあ……意地悪。川村さんのせいよ。それから、この子。おっきいんだもん」
 うっとりと肉棒へ視線を絡ませると、再び口に含んだ。相変わらず大きすぎて、半分も入らない。もう何十回目の奉仕になるのかもわからなくなっていた。

 ベッドサイドに置いた由紀の携帯電話が鳴り出したのは、そのときだった。ぴくりと由紀の動きが止まる。
「旦那じゃないのか。心配して」
「……たぶん、そうだと思う」
「出てやれよ」
「でも……」
「じゃあ、俺が代わりに出て挨拶してやろうか。由紀のおま×こ、いただいちゃいましたって」
「もう、意地悪」
 軽く睨むようにすると、由紀は裸のまま川村に背を向け、携帯電話を手に取った。
「もしもし」
「俺だよ」
 受話器から暗い声が聞こえてくる。
「ああ、あなた」
「今日は早かったんだな」
「あなたが心配するから、早く帰ってきたのよ。えらいでしょ」
「まさか、男と一緒じゃないだろうな」
「何言ってんの。わたしを信じてよ」

 つい今まで自分の陰茎を舐めておきながら、電話の向こうの夫に甘い声で語りかける由紀を見ているうちに、川村の中にむらむらと嫉妬がわき起こった。由紀の正面に回り込むと、つややかな脚を広げ、薄い恥毛に覆われた股間に顔をうずめた。
「あっ!」
「どうした?」
「な……何でもない。向こうの壁で何かが動いたような気がしたの」
 目線でたしなめながら逃れようとする由紀の太股を押さえつけて、川村は舌を進めた。そこは熱く濡れそぼっていた。脚からゆっくりと力が抜けていく。
「あ……」
 亮輔に気取られぬよう、きつく目を閉じて押し寄せる快感の波から必死に堪えようとする由紀の表情に、川村の劣情はますます刺激された。
「……と、とにかく、あなたに恥じることなんか……何もないから……」
 ぽってりとした唇が半開きになり、白い歯が覗く。急にうつろになった由紀の声に、亮輔は逆に情感がこもったと受け取ったようだった。
「由紀が好きなんだよ。だから心配なんだ」
「由紀も……ああ……あなたが大好き」
(めでたい男だよな。その愛しい女房は素っ裸で他の男におま×こ舐められて濡らしてるんだぜ)
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[2369] 背信7 投稿者:流石川 投稿日:2005/11/05(Sat) 09:48

 どれくらいの時間が立っただろう。昨夜、一睡もせず抱き合ったばかりだと言うのに、川村と由紀は憑かれたように互いの身体を貪り合い続けた。今、由紀はあぐらをかいた川村の膝の上にまたがらされ、何度目かの絶頂に向けて、ひたすら肉を悶えさせている。

「俺と旦那と、どっちがいい?」
 ゆっくりと突き上げながら川村が尋ねる。右手でまさぐられる豊満な乳房は、由紀の汗と川村の唾液でぬらぬらと光っていた。絡みついたふたりの陰毛は、由紀の蜜に浸っている。今晩だけですでに二回、射精している川村は、余裕をもって由紀の身体を楽しんでいる。
「あん……そんなこと、言えない……」
 水を浴びたように濡れた首筋にほつれ毛をへばりつかせ、切なげに瞳を閉じた由紀。
「たのむ。正直に答えてくれよ」
「ああ……川村さんのほうが、ずっといいわ……」
「どこがいいんだ?」
「大きくて、逞しくて。セックスがこんなに素敵なんて……ああ……由紀、初めて……」

 にやりと笑った川村がそのまま仰向けになると、由紀は自分から結合を深めるように馬乗りになり、狂おしく細腰を揺すり出した。理性が行動させているのではなかった。
「あうう……由紀、どうにかなっちゃう……」
「うれしいよ。由紀ちゃん」
 たわわな両の乳房をぶるぶると震わせながら、自分をくわえ込み、恍惚の表情で貪欲に快感をむさぼる由紀。それは川村が夢想していた痴態をはるかに上回る妖艶さだ。
(つくづくいい女だ。もう離しゃしねえよ。この淫乱な肉体に、もっと強烈に俺のセックスを教え込んでやるぜ)
「俺が好き?」
 下から乳房を揉み込みながら、誠実な若者らしい声を演じて尋ねる。
「好きよ、大好き……ああ、たまんない……もっと、由紀をめちゃくちゃにしてえ!」
 由紀は白眼を剥き、頭をグラグラさせながら、悩ましい言葉を口走った。全身がどろどろに溶け出してしまいそうだった。川村の上でのたうつ由紀の裸身はしとどの汗にまみれ、飛び散る汗が玉のようである。やがて、めくるめく絶頂の瞬間が訪れた。
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[2365] 背信6 投稿者:流石川 投稿日:2005/11/04(Fri) 09:16

 その日、取材が終わるや川村は、現地に住む旧来の友人と会うというのを口実に早々に他のスタッフと別れた。もちろん、自室に戻って由紀の携帯に連絡し、呼び戻す魂胆だった。すると驚いたことに、
「わたしも、今日は食事失礼していい? 疲れたみたいで、ちょっと体調が悪いの」
 由紀が言い放ったのだ。一睡もしていない疲れがあるのも事実だろうが、
(早く俺とふたりになりたがってるんだ!)
 今こそ川村は確信した。
「あれえ? 何だかふたりして怪しいなあ」
 カメラマンがひやかしたが、昨日までの他人行儀な雰囲気を知っている彼が、本当はまるで疑ってなどいないことは明らかだった。

 いったん自室に引き上げた川村は、すぐに内線電話で由紀に連絡を入れた。
「俺。これから行っていいだろう」
「え? で、でも……」
 昨夜以前にリセットされたというほどではないものの、由紀の声は硬く、よそよそしさを含んでいる。
「とにかく行くよ。話はそれから」
 言うや川村は、小走りで由紀の部屋へ向かった。一刻も早く、由紀の身体に新たな自分の刻印をきざみつけなければならない。
(まだ、由紀の気持ちは揺れている。今日、もうひと押しすれば、完全に俺の女になる)

 ノックをすると、少し間をおいて扉が静かに開かれた。取材中にまとっていた清楚なワンピース姿のままである。昼間、抑えていた欲情が堰を切って噴出し、川村は乱暴に由紀の身体を抱きすくめた。かぐわしい髪の香りが鼻腔を刺激する。
「あ……ちょ、ちょっと……」
「嘘なんだろう、調子が悪いなんて」
 言いながらも、首筋に舌を這わせ、胸のあたりを激しくまさぐる。
「やめて。そんな、いきなり……」
 あらがう由紀に構わず、川村は手をスカートに割り入れ、一気にパンティの中にまで押し進めた。そこはもう十分なほどに熱く潤っていた。
「……ほら。こんなに……俺に抱かれたいと思っていてくれたんだろ」
 由紀の抵抗がやんだ。川村の背中におずおずと腕を回し、胸に顔を埋めてくる。
「……だって……」
 由紀が股間を濡らすまでに自分を求めていたと知って、川村は有頂天だった。
「俺もだよ……ほら……」
 手をとって屹立している怒張へと導いた。由紀はまったくなすがままだった。
「……ああ……」
 甘い息をもらすと、ゆっくりと川村の股間をまさぐり始める。それだけでもう、爆発してしまいそうだ。由紀を抱き上げると、川村はベッドに横たえた。衣服を脱ぎ捨てる川村の気配を感じながら、由紀は瞳を閉じて、やがてくる充実のときを待った。
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[2361] 背信5 投稿者:流石川 投稿日:2005/11/03(Thu) 20:08

(ああ。わたしったら、どうしちゃったんだろう)
 川村の読みは正しかった。懸命に仕事に集中しようとするのだが、由紀の心はすぐに昨晩の記憶へと飛んで行ってしまうのだった。秘肉の奥深く、まだ川村の巨大な肉塊に貫かれている感覚が生々しく残っているせいかも知れない。女の最奥だけではない。限界まで押し広げられた脚の付け根。荒々しく翻弄された両の乳房。激しく打ちつけられてギシギシと悲鳴をあげた腰。全身の至る所に、官能の余韻がぶすぶすとくすぶっていた。
 今朝、シャワールームで鏡に映した裸身のあちこちに、キスマークと歯形がまざまざと残っていたことを思い出す。

(あの人とのときは、こんなことなかったのに……)
 夫の亮輔も性的に弱いほうではない。結婚前、男と女として付き合い出してからというもの、会えば決まってセックスをしていたのだが、あの頃は翌日に淫らな想いを引きずったり、まして仕事に差し障るようなことなどなかった。
 彼の自尊心を満たそうと、
「わたし、あなたとするようになってから、エッチが好きになっちゃった」
 と告げてはみても、由紀は自分がいわゆる好き者だとは思っていなかった。ときどきの体調や気分によって抱いてほしいという気持ちになることはあったが、しなければしないで、つらいとは感じない。亮輔が喜ぶだろうとそういう女を演じていただけだった。

(それなのに今日は……)
 昨日まで「その他大勢」に過ぎなかった川村を見るだけで、胸の奥にジュンとした甘美な思いが湧いてくる。そして由紀の視線は、いつしか川村の股間のあたりをねっとりと這っているのだった。
(ジーンズの下にある川村さんのあれが、わたしの中いっぱいに入ってきた。あんなに大きくて、太くて……ズンてされただけでわたし、壊れちゃいそうだった……)
「ちょっと、お手洗いへ行ってきます」
 襲ってきた目まいに似た感覚に、由紀はあわててトイレに駆け込んだ。個室に入り、パンティを膝まで下げると、やはり媚肉はしたたるほどに潤んでいた。
(……ああ……こんなことって……)

 七年前、二十二歳の由紀が三十一歳だった亮輔と出会ったとき、彼には妻がいた。いけないと自制しつつも惹かれていく自分をどうしようもできなかった。
「他人を不幸にしたくはないけど、ひとりであなたを待ち続けるのはつらいの」
 ある晩、こらえきれずにこぼした由紀の涙が、亮輔の心を決めた。以来、前妻を交えた一年余の修羅場の末に離婚し、由紀は彼との結婚を果たしたのだ。
 堂々と彼の妻を名乗れることの晴れがましさ。年末年始もお盆も一緒にいられる幸せ。このまま亮輔と歳を重ねていける自分を心から誇らしく思っていた。
 だがやがて、由紀の心の中には、
(いつか彼は、わたしから去っていってしまうのではないか)
 という不安が巣くうようになった。亮輔は一度、糟糠の妻を捨てた男だ。もちろん、原因は自分にあり、自分を選んでくれたからこそ今日があることはわかっている。
 それでも、やがて再び亮輔が若い別な女と恋に落ち、同じ選択をしないとは限らない。その漠としたおそれが、由紀を川村との不倫に走らせた一因だったのかもしれない。

 川村に抱かれたのは、いわば“保険”のつもりだった。三十歳を過ぎて若さが失われつつある自覚。亮輔の心の行方を案じるだけでなく、絶えず身近で自分を“女”として崇め、賛美してくれる存在が欲しかった。だから、肉体関係は一度きり。そうすれば川村は自分を忘れられなくなるはず。そんな計算もあった。面倒くさくなれば、あっさりと捨ててしまえばいいと割り切っていたつもりだった。それが……。
「ああ……ほしい……」
 気がつくと由紀は、みずからの指で花芯を愛撫していた。川村の指の動きを思い出し、再現しているつもりで、ゆっくりと膣に挿入する。
(ああ、ちがう。こんなんじゃなかったわ。川村さん……ああ……もっと……)
 誰もいないトイレの一室で、由紀はぐっしょりと濡れた股間に指を差し入れ、身悶えた。
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[2359] 背信4 投稿者:流石川 投稿日:2005/11/02(Wed) 18:40

 晴れ渡った景色の中、翌日も富良野での撮影が行なわれた。新緑の景観に合わせて爽やかなライトグリーンのワンピースに身を包んだ由紀は、地元の人びとや観光客への取材をいつものように朗らかに進めている。同行のカメラマンが、
「何だか、今日の由紀ちゃん、やけに色っぽいなあ。さては昨日の夜、旦那と愛の電話でもしたんだろう。『離れてても愛してるわ、あなた』なんちゃって」
 などと軽口を叩いている。そんな光景を見ながら、川村は内心得意満面だった。
(ふふ、馬鹿め。由紀は明け方まで、俺に抱かれてヒイヒイよがり泣いてたんだよ)

 結局昨晩、川村は都合四度にわたって由紀を楽しんだ。正常位で膣内射精をした後、初めての褥とは思えぬような奔放な姿態を強要し、由紀から歓喜のほとばしりを搾り取ったのである。ようやく満足した川村が身体を離したときには、すでに東の空は明るみ始めていた。その後、せめてシャワーを浴びたいという由紀のために一度自分の部屋へ戻った川村は、狙い続けてきた女をものにした余韻を味わう間もなく、フロントへ降りていったのだ。
 完全な徹夜開けである。だが、校了前に煙草の煙がこもる編集部で朝を迎えるときとは異なり、爽快な気分だった。何よりも、夜通しぶっ続けであの高嶺の花・由紀とセックスしたという事実が、川村を高揚させていた。

「どんなところが富良野の魅力だと思いますか」
 由紀もまた、一睡もしていない疲労など微塵も感じさせずに、インタビューをしている。ワンピースの胸元を誇らしげに押し上げるふくらみ。
(あのおっぱいを、俺は思うさま揉み上げ、吸いまくったんだよな)
 昨夜、さまざまな愛撫を加えていく中で、乳房が由紀にとって鋭敏な性感帯であることを川村は知った。正常位で深く挿入し、律動を続けながら舌で乳首を転がしたり、軽く歯を当ててやると、
「ああ、もっと。おっぱい、いじってえ」
 かすれた声で告げながら、由紀は総身をよじらせて燃え上がるのだった。騎乗位ではペニスを最奥に受け入れながら、みずから美乳を手のひらで寄せ上げ、川村の口に乳首をふくませたりもした。

「それでは、お写真を撮りますので、こちらへお願いします」
 由紀の声に我に返ると、インタビューが終わったところだった。ふと足元に落としたペンを拾おうと身を屈める由紀。自然と腰からヒップへのラインが強調される格好となった。たちまち川村の脳裏に、四つん這いの格好で突き出された、シミひとつない陶磁器のような双臀の映像がフラッシュバックした。
(あのけつを抱え込んで、俺は後ろからブチ込んだんだ)
 理想的な女の曲線を描く裸身がくねくねと身悶え、顔をベッドに突っ伏した由紀の髪の毛がシーツの上で妖しいうねりを描いていた。両手を回してプルンプルンと揺れる乳房を鷲掴みにしてやると、由紀は泣き叫びながら自分から腰を揺すり出したのだった。

「もう一枚ですから。はい、ニッコリ」
 カメラマンの横に立ち、長い髪をかきあげながら撮影の指示を出している由紀は、いつもと変わらず清楚で美しかった。あの女がつい数時間前まで汗みどろで自分にしがみつき、あられもない言葉を口走りながらよがり泣いていたなど、信じられない気分だった。
(昨夜のことは俺の夢だったんじゃないか)
 そんな気さえする。そのとき、由紀がちらりと川村のほうを見た。視線が絡むとすぐに目を伏せる。頬がほんのり染まって見えるのは、初夏の日差しのせいだけではない。それはまぎれもなく、自分が身体を開きベッドを共にした男、自分を征服した男に女が見せる含羞の差した仕草だった。
(何もなかったように澄ました顔をしてるけど、由紀だって俺とのセックスを思い出しているに違いない。何しろあれだけ強烈に俺の味を教え込んだんだからな)
 川村は、由紀の反応に大いに満足した。
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